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『フットルース』ネタバレあらすじ結末と感想評価の解説。名曲とダンスと共にケヴィン・ベーコンの華麗なステップと身体能力に見惚れる!

  • Writer :
  • 谷川裕美子

若者たちの熱気あふれるロックな青春

ロックもダンスも禁止されている保守的な田舎町に越してきた青年が卒業ダンスパーティーを企画し、閉塞的な町を変えていく爽やかな青春映画です。

主人公のレンを演じるのはケヴィン・ベーコン。エネルギーに満ちた青年を熱く演じ、スターダムを駆け上がりました。

監督は『愛と喝采の日々』のハーバート・ロスが務めています。

ロックもダンスも許されない閉塞感に満ちた小さな町。そこには悲しい理由がありました。悲しみや傷を抱える人々が、ダンスを通して解放されていく姿が爽快に描かれます。

ケニー・ロギンスによる主題歌「フットルース」をはじめ、劇中で流れる魅力的な音楽にも注目です。

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映画『フットルース』の作品情報


TM & COPYRIGHT (C)2002 BY PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved.

【公開】
1984年(アメリカ映画)

【脚本】
ディーン・ピッチフォード

【監督】
ハーバート・ロス

【編集】
ポール・ハーシュ

【出演】
ケヴィン・ベーコン、ロリ・シンガー、ダイアン・ウィースト、ジョン・リスゴー、クリス・ペン、サラ・ジェシカ・パーカー

【作品概要】
田舎町を舞台に都会のシカゴから転校してきた主人公・レンが、閉塞感に満ちた町に旋風を捲き起こす姿を描く爽快な青春映画。

監督は『愛と喝采の日々』(1978)のハーバート・ロス。

主演を『アポロ13』(1995)のケヴィン・ベーコンが務めます。

共演はロリ・シンガー、ダイアン・ウィースト、ジョン・リスゴー。「セックス・アンド・ザ・シティ」シリーズで人気のサラ・ジェシカ・パーカーも出演しています。

映画『フットルース』のあらすじとネタバレ


TM & COPYRIGHT (C)2002 BY PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved.

ユタ州の田舎町ボーモントにシカゴからやってきた高校生のレン。教会を訪れた彼は、ここが若者の風紀を守るためにロックもダンスも禁止する超保守的な町だと知り驚きます。

彼は礼拝後、牧師のショーの娘のエリエルを紹介されました。じゃじゃ馬娘の彼女は走っている2台の車の両方にまたがって悪はしゃぎ。ボーイフレンドの不良のチャックとともに周囲をハラハラさせます。

ロックが禁止されたのは、以前車の事故で青年が死亡したことが原因でした。

下校時に車でロックを大音量でかけていたチャックは警察の取り締まりを受けてしまいます。

ちょっとした言い合いでチャックににらまれたレンは呼び出しを受けますが、トラクターでのチキンレースで見事勝利しました。エリエルはレンに心惹かれ始めます。

レンはいつも人から見られている環境にどうしようもないストレスを感じ、怒りを持ちます。

大学に行き、この町を出るというエリエルに親近感を持つレン。汽車が来たら大声を出すのだと言いながら汽車の前に立ちはだかる彼女を、レンは驚いて飛びついて助け出します。

レンはエリエルを夜遅くに帰したという理由で体操部を追い出されました。

ダンスフロアに行った帰り、エリエルはレンに事故で死んだ青年は自分の兄で、ロックとダンスを禁止したのは自分の父であることを話します。

保守的な大人たちに立ち向かうことをレンは決意し、仲間たちと学校でダンスパーティを計画します。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには映画『フットルース』ネタバレ・結末の記載がございます。映画『フットルース』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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チャックと殴り合いのけんかをしたエリエルは顔を腫らしてレンに会いに来ました。父への当てつけだと話すエリエル。レンは兄を忘れられない彼女の思いに寄り添います。オルゴールをプレゼントされたレンはエリエルに優しくキスしました。

レンのダンスパーティーを阻止しようとする牧師に、妻のバイは「事故は白紙には戻せない」と諭します。

そんななか、レンの自宅に石が投げ込まれて窓ガラスが割れ、大騒ぎになりました。息子のために職をクビになった母・エセルは、レンと向かい合って話をし、ダンスパーティーへの熱い思いを知ります。

町議会でダンス禁止令の撤廃を提案するレン。彼は聖書の中にも「主をたたえて踊ろう」と書かれていることを引用し、議会に訴えかけました。しかし、牧師の持つ票によって否決されてしまいます。

図書館で子どもにとっての悪書だと決めつけて本を焼く友人を止めた牧師。そんな彼を、エリエルは「パパを信じている」と言って抱きしめました。

牧師は町民の前に立ち、「親が子を信頼せねば、信頼できる人間には育たない」と話しかけ、レンが倉庫を借りて卒業のダンスパーティーを開くこととなったので彼らの努力に主の導きがあるように祈ってほしいと話しました。レン、エリエル、彼女の母・バイの笑顔がはじけます。

当日、エリエルを迎えにきたレンはドレスアップした彼女に思わずみとれて美しさを誉めました。

大勢の生徒たちが集まり、踊り始めます。会場の近くまできたショー夫妻はかたく抱き合いました。

チャックが邪魔をしようと会場にやってきましたが、レンは彼らを叩きのめします。

ホールに戻ったレンの「踊ろう!」という掛け声とともに会場の空気は最高潮に盛り上がり、若者たちは弾けて思い切り踊りまくります。

レンとエリエルは踊りながらかたく抱き合い、熱いキスをかわしました。

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映画『フットルース』の感想と評価


TM & COPYRIGHT (C)2002 BY PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved.

スパークする若者たちの情熱

青春期の輝きが魅力あふれるロックと情熱的なダンスで表現される名作『フットルース』。『激流』(1995)、『アポロ13』(1995)など数々の名作に出演するケヴィン・ベーコンの出世作で、若き時代の魅力があふれ出ています。

鉄棒で大車輪の大技を軽々とこなし、バック転も美しく決めるベーコンのおそるべき身体能力には脱帽するほかありません。特にひとりきりでのダンスシーンは圧巻で、彼の熱い動きが若者の制御できないエネルギーを強く感じさせます。

ヒロインを魅力的に演じるロリ・シンガーのほか、「セックス・アンド・ザ・シティ」シリーズでブレイクしたサラ・ジェシカ・パーカーの若き頃を見られる貴重な一作です。

ベーコン演じるレンに引っ張られ、イカしたロックに乗って踊りだす大勢の若者たち。この無限のエネルギーをせき止めようとするなんてことができるはずがありません。保守的な町に住む大人のエゴの無意味さを見せつけられます。

劇中歌の「フットルース」をはじめ名ナンバーが次々にかかり、胸躍るシーンが繰り広げられます。レンとチャックのタイマン勝負で流れるのは、ドラマ『スクール・ウォーズ』で一世を風靡した名曲「ヒーロー」です。どうぞこちらにも注目してお楽しみください。

心の傷を抱える者同士が支え合う姿


TM & COPYRIGHT (C)2002 BY PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved.

本作が大きな支持を得たのは、若さの光の部分だけではなく、それぞれが持つ心の傷を丁寧に描いたことにあります。

この町がロックとダンスを禁止した理由には、ヒロイン・エリエルの兄が交通事故で亡くなったという悲しい事実がありました。

父である牧師のショーは、息子を自分が厳しく育てていればこんなことにはならなかったと罪の意識に苛まれ、町の若者たちを守りたいという思いから禁止令を出したのです。

娘のエリエルはそんな父に反抗しながらも、父から愛されたいという思いとのせめぎ合いに苦しみ、走行中の2台の車にまたがってみせたり、向かってくる汽車の前に立ちはだかったりと自殺的な行為を繰り返します。

主人公のレンは彼女の悲しみに寄り添うようになりますが、彼自身も心に深い傷を持っていました。レンの父は、すがる息子を振り切って母と離婚し家を出ていってしまったのです。

しかし、たとえ無駄になるとしても自ら行動を起こすべきであることを学んだ彼は、あきらめずにダンスパーティー開催に向けて努力を続けます。そして、遂に周囲の賛同のもと、倉庫での開催を勝ち取りました。

ショーの痛みに寄り添い支える妻のバイ、息子を信じて見守り続けるレンの母のエセルたちの温かな心情も胸に沁みます。

それぞれが反発するのではなく、互いを受け入れて支え合うことで人は再生できることを爽やかに教えてくれる作品です。

まとめ


TM & COPYRIGHT (C)2002 BY PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved.

名優ケヴィン・ベーコンの若き日のパッションあふれる青春映画『フットルース』。若者たちの熱く激しい情熱とともに、古き良きアメリカの風景も郷愁を誘う名作です。

ロック・ダンスを禁止することで子どもを御することが可能だと考えている田舎町の大人の浅はかさや、小さな町に住む人間たちが都会からやってきた主人公のレンへ向ける好奇の目、何かあればすぐにハブにしようという空気感などすべてがリアルに描かれます。

子どもを信じるべきだと大人が気づき、また若者も大人にも深い苦悩と考えがあることに心寄り添うことで、両者は再生していきます。

古今東西変わりなく人々の心を癒してきた音楽と踊りが、町全体の閉塞感に大きな風穴を開けるさまに爽やかな解放感を感じるに違いありません。

若い人も、昔若者だった大人たちも、共感しながら楽しめる一作です。



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