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Entry 2019/03/12
Update

映画『愛がなんだ』あらすじネタバレと感想。ラブストーリーの旗手・今泉力哉監督を知っていますか?

  • Writer :
  • 村松健太郎

一途なアラサー女子の片思いを描いた映画『愛がなんだ』。
2019年4月19日(金)より、テアトル新宿ほかにて全国公開!

角田光代の同題小説の映画化。平凡なOLの究極の片想いを描いた小説を恋愛映画の若き旗手・今泉力哉監督が巧みな筆致で映画に仕上げました。

主役のテルコには朝ドラ『まんぷく』の岸井ゆきの、相手役のマモルには『ビブリア古書堂の事件手帖』『スマホを落としただけなのに』の成田凌。

共演に今泉監督の前作『パンとバスと2度目のハツコイ』で主演を飾った元乃木坂46の深川麻衣。若葉竜也、江口のりこ、片岡礼子、筒井真理子という面々が並びます。

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映画『愛がなんだ』の作品情報


©2019 映画「愛がなんだ」製作委員会

【日本公開】
2019年(日本映画)

【原作】
角田光代『愛がなんだ』(角川文庫)

【監督】
今泉力哉

【脚本】
澤井香織、今泉力哉

【キャスト】
岸井ゆきの、成田凌、深川麻衣、若葉竜也、片岡礼子、筒井真理子、江口のりこ

【作品概要】
直木賞作家・角田光代によるアラサーOLテルコの一方通行な恋愛模様を描いた同名小説を実写映画化。

監督は『パンとバスと2度目のハツコイ』(2017)、『退屈な日々にさようならを』(2016)などの今泉力哉。

主人公のテルコ役は『おじいちゃん、死んじゃったって。』で映画初主演を務めた岸井ゆきの。

テルコに片思いされるマモル役は、2018年『スマホを落としただけなのに』『ビブリア古書堂の事件手帖』『ここは退屈迎えに来て』ほか出演作の公開が続き、大活躍の成田凌。


映画『愛がなんだ』のキャラクターとキャスト


©2019 映画「愛がなんだ」製作委員会

山田テルコ(岸井ゆきの)
平凡なOL、全力疾走の片想いに走る。

田中マモル(成田凌)
テルコの前に現れ、その後テルコと微妙な距離感に居続ける。

葉子(深川麻衣)
テルコの親友、年下の恋人と不思議な関係を築いている。

ナカハラ(若葉竜也)
葉子の年下の恋人。カメラマンのアシスタント。

塚越すみれ(江口のりこ)
守の前に現れた個性的で自由人なタイプの女性。もうすぐ35歳。

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映画『愛がなんだ』のあらすじとネタバレ


©2019 映画「愛がなんだ」製作委員会

半年前に偶然知り合った山田テルコ(岸井ゆきの)と田中マモル(成田凌)。

テルコはマモルに一瞬で恋に落ち、そのまま片想いの恋に全力疾走します。

生活の総てがマモルありきになったテルコは仕事も上の空で、上司からも注意を受けても気持ちはマモルにしか向いていません。

マモルはそんなテルコの気持ちを知ってか知らずか、風邪をひいたので差し入れが欲しいなどと、突然、電話をしてきます。

そんな連絡をもらったテルコは、もうすでに家にいたにもかかわらず、まだ会社に残っている風を装ってあれこれと買い込んでマモルの家に向かいます。

甲斐甲斐しく世話を焼くテルコですが、マモルは深夜にもかかわらず、『そろそろ帰ってくれない?』などと言い出したりもします。


©2019 映画「愛がなんだ」製作委員会

そんなテルコの恋路を心配するのは唯一の親友の葉子でした。

葉子は葉子で年下の恋人ナカハラをいいように使っていたりもします。

テルコとナカハラは、惚れた弱みで相手の言うことは何でも受け入れてしまう互いの恋愛体質を、同病相憐れむように見ています。

ふとした拍子に肉体関係を持つようになったテルコとマモル。テルコは恋人の枠に入ったと思いより一層、マモルの世話を焼きます。

とうとう会社をクビになったテルコですが、これに懲りたりせず、自由になったと思いマモルにつくします。

いつの間にかテルちゃんからヤマダさんに呼び方が変わっていたマモルは、ふとしたことがきっかけにびっくりするほど冷たくなっていました。

そこからぷっつりと連絡が途絶えたマモルに、どうしていいかと戸惑いを隠せないテルコ。

葉子はこれで良かったのだといい、テルコもまた諦めて再就職を目指して動き始めます。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『愛がなんだ』ネタバレ・結末の記載がございます。『愛がなんだ』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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©2019 映画「愛がなんだ」製作委員会

そんな時に唐突にマモルからの連絡を受けたテルコ。

それまでのことなど忘れてマモルのもとに走ります。

久しぶりの再会に喜ぶテルコですが、マモルの隣には、すみれという女性がいました。

マモルより年上で、ヘビースモーカーでガサツなタイプのすみれですが、マモルがすみれに惹かれていることをテルコは一瞬で感じ取ります。


©2019 映画「愛がなんだ」製作委員会

すみれという恋敵の存在に腹を立てるテルコですが、なぜかすみれに好かれてしまい、それからたびたび会うようになります。

その場にはマモルがいることが多いのでテルコは、奇妙な三角関係の中に身を置きます。

奇妙な三角関係が続く中、なぜか再び身体を重ねることになるテルコとマモル。

マモルは、テルコに自分には好きになるところなんていないと言い、テルコもなぜ好きなのか、変だよねと言い返します。


©2019 映画「愛がなんだ」製作委員会

ある日、突然マモルがテルコの家を訪ねてきます。

マモルは自分はすみれが好きで、今のようなテルコとの微妙な関係を続けるのは止めようと言い出します。

それを聞いたテルコは、今はもうマモルのことはどうでもいいと、本音とは違うことを言い出します。

マモルに気まずい思いを抱かせてしまうと、これから会えなくなると思ったテルコは自分の想いに蓋をしてでもマモルと会える道を選んだのでした。

マモルへの想いが、もう恋とか愛とかを超越した気持ちであること確信したテルコは、そのうえでマモルと会い、続ける日々の道を選ぶのでした。


©2019 映画「愛がなんだ」製作委員会

映画『愛がなんだ』の感想と評価


©2019 映画「愛がなんだ」製作委員会

新たな恋愛映画の旗手今泉力哉を知っていますか?

本作の監督である今泉力哉監督は、まだ40歳手前ながらも長編映画がすでに二桁に乗るキャリアを誇る監督です。

その作品のほとんどが恋愛映画で、更にその半分以上がオリジナル脚本作品です。

原作のあるものでも、作品を見るとすぐに感じることができるのが、監督の独特の低体温・ローテンションの空気感です。

メインキャラクターが思い切り熱を上げている姿を、どこか醒めた視線で描く、そのスタイルは一度はまると癖になる作風です。

2018年東京国際映画祭の上映後の記者会見


©︎Cinemarche(左)今泉力哉監督(右)岸井ゆきの

生粋の映画好きで、様々な作品をイメージしてシーンを創り上げていることは、監督本人も認めていて、元ネタはどこから来たかを考えてみるのも楽しいです。

作品の規模も着々と拡げていて、次回作は三浦春馬主演の伊坂幸太郎原作の『アイネクライネナハトムジーク』で、この映画も年内公開予定です。

東京国際映画祭の常連でもあり、ここ数作は必ずといっていいほどラインナップに名を連ねています。

恋に正解はない、恋は面倒くさくてコストパフォーマンスが悪いということを知ったうえでなお、恋愛映画を撮り続ける今泉力哉監督
いよいよインディペンデントからメジャーシーンに躍り出た感の今泉力哉監督名前を憶えておきましょう

©︎Cinemarche
©2018 TIFF

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まとめ


©︎Cinemarche

直木賞作家として知られる角田光代の同名恋愛小説を、『パンとバスと2度目のハツコイ』や『知らない、ふたり』など、ラブストーリーを得意とした今泉力哉監督で映画化。

キャストに『おじいちゃん、死んじゃったって。』の岸井ゆきのをマドンナに起用し、『キセキ あの日のソビト』や『ニワトリ★スター』の成田凌の共演に迎えて、アラサー女性の片思い恋愛模様を展開させていきます。

はじめて一般の観客に、本作がお披露目されたのは、2018年の東京国際映画祭でのワールドプレミア上映でした。

コンペティション部門に選出された『愛がなんだ』は、圧倒的な存在感を見せました。

上映後マスコミ取材を受けた今泉力哉監督は、この映画が企画された時には、まだ原作を読んでおらず、プロヂューサーから持ちかけられた企画だっと述べました。

それでも角田の小説を手にして、さっそく読み終えると、自分の考え続けている恋愛観と酷似していたと述べています。

それでも原作ものを映画化することに今泉監督は、リスペクトと怖さがあると不安を抱いていたそうです。

しかし、原作者の角田が完成試写会で鑑賞した際に、気に入ってくれたことがとても嬉しかったと振り返りました。

今泉監督にとって、小説の魅力は読者の想像

映画の魅力は、ショット割りに登場させた人物キャラクターの魅力だと語ります。

役者が魅力的だと感じる2人をフレームに入れたツーショットと、長回しを多用して試みたと述べました。

理由は映画を見た観客が、“そこから何かを選べるようにした”そうです。

必要以上に語らずに観客に選択させる今泉力哉監督。

彼がラブスートリーの旗手と呼ばれる所以は、そんなところにあるのかもしれません。

ちなみに映画の結末は、原作のままではなく、今泉力哉監督のオリジナルなシークエンスに変えてあります

さて、観客のあなたはそこから何を読み解くのか?あとは劇場でお楽しみください

映画『愛がなんだ』は、2019年4月19日(金)より、テアトル新宿ほかにて全国公開!


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