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Entry 2021/11/04
Update

【SUMIREインタビュー】映画『ボクたちはみんな大人になれなかった』森山未來演じる主人公にとってスーは妖精のような存在

  • Writer :
  • 咲田真菜

映画『ボクたちはみんな大人になれなかった』は2021年11月5日(金)より、シネマート新宿・池袋シネマ・ロサ・アップリンク吉祥寺ほか劇場公開&Netflixで全世界配信!

燃え殻によるベストセラー恋愛小説『ボクたちはみんな大人になれなかった』を原作にした映画『ボクたちはみんな大人になれなかった』。主人公のボク=佐藤誠を、ダンスや演劇の世界でも大きな存在感を放っている森山未來が演じています。


(C)2021 C&Iエンタテインメント

このたび、失恋から立ち直れない佐藤の前にふと現れたバーテンダー・スー役を演じたSUMIREさんにインタビューを敢行。スーと自分自身との共通点、作品に対する想いについて語ってくださいました。

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自身との共通点が多かったスー


(C)2021 C&Iエンタテインメント

──本作へのご出演が決まった時のお気持ちをお聞かせください。

SUMIRE:私のまわりには燃え殻さんの作品を読んでいる方が多かったのですが、私は出演が決まってから原作小説を読ませていただきました。共感できる気持ちがいっぱいつまった作品で、このような作品に携われるというのが純粋にうれしかったですし、ありがたいと思いました。

──役作りはどのように進められましたか?

SUMIRE:私も普段から「スー」とか「スーちゃん」と呼ばれることが多いので、役の名前からして「これ、私じゃん!」と思っていました。また原作や台本を読んでいく中で、スーの性格自体も私自身と似ていると感じられました。

私も「おとなしそう」「静かそう」と言われ、堅いイメージを持たれることが多いんです。ですが実際はそうでなくて、友だちと一緒だとふざけて笑ったりすることもあります。スー自身も仕事をしている時や、よく知らない人といる時はすごくクールな顔をしているけど、森山さんが演じている佐藤や友だちといる時は華やかな雰囲気を持っています。そういったギャップが私と共通していますね。そういう意味では役に入りやすく、共感できる部分が多かったです。

ただ、ありのままで演じようと思う一方で、スーの心情にあたるものを理解しようとも思って。スーが経験しているであろうつらい出来事を、私自身が経験しているわけではないので「こういう出来事を経験していたら、こういう感情を抱くだろうな」という気持ちを落とし込む作業をしましたね。

スーは「妖精」だったのかもしれない


(C)2021 C&Iエンタテインメント

──佐藤誠役の森山未來さんとのお芝居はいかがでしたか?

SUMIRE:森山さんとは本作で初めてお会いしたのですが、私はこれまでも森山さんが出演されている映画が好きでよく観ていました。お会いしてみると、思っていた以上に気さくな方で。もう少し堅いイメージの方かなと思っていたのですが、遊び心をきちんと持っていらっしゃる大人という雰囲気を持ったすごく知的な方だったので、一緒に撮影していても本当に楽しかったです。

──お互いの役を演じていくにあたって、森山さんと話し合われたことはありますか?

SUMIRE:スーを演じる中で、森山さんがいろいろなアドバイスをくださいました。「この場面はどういう感情なんだろうね」と一緒に考えてくださったんです。

印象的だったのは、「例えば、もし村上春樹さんがこの場面を書いたら、どういう風になるんだろうね」と何かに置き換えて考えてくださったことです。とても面白い視点といいますか、分かりやすくもあり、ある意味では深い捉え方だと感じられました。今後、私が俳優をやっていくにあたってとても大切なアドバイスをいただいたと思っています。

──スーは非常にミステリアスな女性のように感じられましたが、彼女は佐藤のことをどう思っていたとSUMIREさんご自身はお考えでしょうか?

SUMIRE:佐藤と一緒にいたあの一時は、彼に恋をしていたんだと思います。ただ、佐藤に惹かれていた部分もあると思うけれど、佐藤が生きていくこれからの日々に対してアドバイスをしに来た「妖精」のような存在だったのかもしれません。その一瞬だけ、佐藤と一緒に生きたパートナーといいますか……。

「佐藤に対してアドバイスがうまくできたから、もう私は行くわ」という捉え方も面白いのかなと思います。スー自身も納得できたからこそ、佐藤から離れていったのかなと思います。

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ファッションから感じとる、時代への共感


(C)2021 C&Iエンタテインメント

──このお話は2020年からはじまり、25年前の1995年へと遡っていきます。SUMIREさんが過去に想いを馳せた時に、記憶に残っている時代はありますか?

SUMIRE:本作を観て、自分の仕事につながっているということもありますが、ファッションに注目しました。伊藤沙莉さんが古着を着こなしている感じが、学生の時に読んでいた雑誌に合っていて「あの雑誌を読んでいた時って、こういう風に友だちと遊んでいたな」と思い出し、その頃に想いを馳せ、リンクしていきました。

ファッションは、時代をまわりまわってくるところがありますよね。私は1995年生まれですが、その時代にいなくても共感できるものがファッションなのかなと思ったりしました。

──今、過去に想いを馳せましたが、未来のSUMIREさんが今のSUMIREさんをご覧になったら、どんな言葉をかけると思いますか?

SUMIRE:「もっと弾けなよ!」「若いうちにもっとやりたいことをやって、いろいろ経験しておきなよ」と言いそうですね。今の私は十分楽しく過ごしていますが、大人になった自分は先輩ぶってそういうことを言うような気がします。

過去を思い出して心が温かくなる作品


(C)2021 C&Iエンタテインメント

──今後、SUMIREさんはどんな役を演じてみたいですか?

SUMIRE:私は「おとなしそう」「ミステリアス」というイメージを持たれがちですが、本当の自分はそんなことないんです。お笑いが大好きなので、明るい自分に近い役も演じられたらうれしいです。コメディにもチャレンジしたいですね。

また漫画をよく読むので、読んだことがある漫画の中から、学園ものもやってみたいです。制服を着ることができるのも今のうちですから(笑)。

──改めて、本作の見どころを教えてください。

SUMIRE:原作小説を書かれた燃え殻さんは、私よりも世代が上の人ですが、作品を読むとドンピシャで共感でき、人の心をくすぐるセンスを持っていらっしゃると思います。

私が個人的に好きな場面は、仲間とお酒を飲んだあと、佐藤とスーが「白いところしか踏んじゃだめ」とルールを決めて歩いていくところです。また、沙莉さんが演じるかおりと佐藤がドライブデートをしている場面や、東出昌大さんが演じる関口と佐藤の間にある男の友情や絆など、作中には「青春だなあ」と思える部分がたくさんあります。

「こういうことがあったよな」と思うと、私はその時を思い出して温かい気持ちになりました。観てくださる方にとっても、昔をたどることで心が弾む作品になったらいいなと思います。燃え殻さんの作品が好きという人はもちろんのこと、知らない人に観ていただいても共感できる作品だと思っています。

インタビュー/咲田真菜

SUMIREプロフィール

1995年7月4日生まれ、東京都出身。2014 年より雑誌「装苑」の専属モデルとして活動し、ファッションを中心に様々なジャンルで活躍。2018年公開の映画『サラバ静寂』でヒロイン役を演じ女優デビュー。2019年公開の映画『リバーズ・エッジ』では摂食障害のモデルという難役を演じる。同年ドラマ初出演となるWOWOWオリジナルドラマ「悪の波動 殺人分析班スピンオフ」でヒロインを演じる。主な映画出演作に『TOURISM』(19)、『mellow』(20)、『裏アカ』(21)『妖怪大戦争 ガーディアンズ』(21)などがある。現在、NHKドラマ10「群青領域」に出演中。WOWOWの連続ドラマW「いりびと‐異邦人‐」が11月から放送・配信予定。

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映画『ボクたちはみんな大人になれなかった』の作品情報

【公開】
2021年(日本映画)

【監督】
森義仁

【原作】
燃え殻

【脚本】
高田亮

【キャスト】
森山未來 伊藤沙莉
東出昌大 SUMIRE 篠原篤
平岳大 片山萌美 高嶋政伸 
ラサール石井・大島優子/萩原聖人

【作品概要】
小説家・燃え殻が2016年に発表したデビュー作を映画化。主人公を森山未來、ヒロインを伊藤沙莉が演じ、大島優子、東出昌大が共演。数々のMVやCMを手がけてきた映像作家・森義仁が長編初メガホンをとり、『そこのみにて光輝く』の高田亮が脚本を担当しています。

映画『ボクたちはみんな大人になれなかった』のあらすじ

1995年、ボク=佐藤誠は彼女と出会い、生まれて初めて頑張りたいと思いました。

彼女の言葉に支えられ、がむしゃらに働きますが、1999年彼女はさよならも言わずに去ってしまいます。そして佐藤は志していた小説家にはなれず、ズルズルとテレビ業界の片隅で働き続けます。

2020年、社会と折り合いをつけながら生きてきた46歳の佐藤は、いくつかの再会をきっかけに“あの頃”を思い出します。



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