超感覚ファンタジック・アクション!覚醒!!
空前のスケールでその世界観を広げ続けるMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)から、新たな風を吹かせるニューヒーローが誕生。
元・外科医という異色の経歴を持ち、魔術を操り戦う男ドクター・ストレンジを英国の人気俳優ベネディクト・カンバーバッチが演じます。
異色のヒーローの誕生を描いた映画『ドクター・ストレンジ』のあらすじと感想をご紹介します。
映画『ドクター・ストレンジ』作品情報
【公開】
2017年(アメリカ映画)
【原題】
Doctor Strange
【監督】
スコット・デリクソン
【キャスト】
ベネディクト・カンバーバッチ、キウェテル・イジョフォー、レイチェル・マクアダムス、ベネディクト・ウォン、マイケル・スタールバーグ、ベンジャミン・プラット、スコット・アドキンス、マッツ・ミケルセン、ティルダ・スウィントン、クリス・ヘムズワース
【作品概要】
交通事故により両手の自由が利かなくなった天才外科医が魔術に目覚め、世界に危機に対峙する様子を、英国ドラマ『SHERLOCK シャーロック』などで知られる人気俳優ベネディクト・カンバーバッチが主演で映画化。
アカデミー賞女優のティルダ・スウィントンや“北欧の至宝”と呼ばれるマッツ・ミケルセンが出演、『世界が静止する日』などのスコット・デリクソンが監督を務めています
映画『ドクター・ストレンジ』のあらすじとネタバレ
ある夜、魔術師 カエシリウスは魔術書「カリオストロの書」の1ページを手下と共に奪い、立ち去ろうとします。
そこに、女魔術師が現れ、それを見たカエシリウスは、魔術で扉を開き、ロンドンへ逃走します。
女魔術師はそれを追いかけますがカエシリウスを逃がしてしまいます。
ニューヨークのとある病院では外科医のスティーブン・ストレンジの元に同僚のクリスティーン・パーマーが現れます。
クリスティーンは彼女が担当するERに運ばれた患者の頭部に残った銃弾を取り除く手術をスティーブンに頼みます。
スティーブンは一刻を争う状況の中、困難を極める手術を難なくこなします。
その夜、スティーブンは車の運転を誤り、崖から転落してしまいます。
病院に運ばれたスティーブンが気がつくと両手に装具がはめられていました。
看病していたクリスティーンは事故後、スティーブンの発見が遅れ、断裂した筋組織を再生治療が出来ず、金具で固定したと説明します。
そのため、スティーブンは両手が自由に動かすことが出来なくなってしまいました。
絶望するスティーブンはなんとしても両手の自由を取り戻すため、手術を繰り返しますが、一向に回復の兆しが見えません。
そんなスティーブンはリハビリの最中、療法士が工場の事故で背骨が折れ、下半身不随になった男性が1年後に歩いている姿を見たといいますが信じません。
ある日、スティーブンを気遣い訪ねてきたクリスティンに心無い言葉を投げかけてしまい、クリスティンはスティーブンの元から去ってしまいます。
いたたまれない気分になるスティーブンですが、郵送されたカルテを見つけます。
それは、療法士が言っていた男のカルテでした。
スティーブンはその男、ハングボーンの元を訪ね、どうやって下半身不随を治療したのか聞きます。
ハングボーンは「カマータージ」を目指すよういい、「高くつく」と意味深な言葉を残します。
チベットのカトマンズを訪れたスティーブンは懸命にカマータージを探します。
街中を歩き回るスティーブンは強盗に目をつけられ、袋叩きにあってしまいます。
しかし、スティーブンを黒衣の男が助けます。
男はオルドと名乗り、スティーブンをカマータージへ招くと、ソーサラースプリーム=至高の魔術師と呼ばれるエンシェントワンに引き合わせます。
そのエンシェントワンこそ、カエシリウスを追っていた女魔術師でした。
スティーブンはどうやってハングボーンを治療したのかを聞きますが、エンシェントワンは治療ではなく魔術によるものと説明します。
あまりに非科学的な話に痺れを切らし、エンシェントワンに掴みかかろうとするスティーブンの胸をエンシェントワンが掌で突くとスティーブンの意識は宙を漂い、彼は倒れこむ自身の姿を目にします。
アストラル体=魂を一時的に切り離されたスティーブンは魔術を信じ、エンシェントワンに教えを請います。
しかし、エンシェントワンはスティーブンを追い出してしまいます。
スティーブンは教えを請おうと、カマータージに通じる扉を数時間も叩き続けます。
エンシェントワンはスティーブンの傲慢さがかつての弟子、カエシリウスのようであり、同じような末路を辿る恐れを抱いていましたがオルドの説得によりスティーブンを弟子にします。
映画『ドクター・ストレンジ』の感想と評価
魔術を題材にした本作『ドクター・ストレンジ』は、映像技術により摩訶不思議な世界が描かれています。
ニューヨークの街を逃げ回るシーンでは、道路やビルが直角に折れたり上下左右がでたらめに変化するビジュアルの効果は、映像技術の高さに感心すると共に観客の混乱させながら、不思議な世界へといざなう見事な演出でした。
また、スティーブンをはじめ、多くのキャラクターが魔術を使用しますが、その際に見せる手の動きは非常に洗練されてる点にも注目です。
それらは魔術が発動する視覚効果と相まって、時に幻想的で、時に禍々しく表現されており、『ドクター・ストレンジ』の世界観を真実味を形作る重要な要素になっていました。
初めは自らの腕を治す為に魔術を学び、頑なに戦うことを拒否していたスティーブンですが、世界が直面する危機を目の当たりにすることで、より多くの命を守るため戦う決意を固めます。
その宿敵カエシリウスとの戦いに臨む姿に胸が熱くなりました。
一方でその過程にあるクリスティーンへの想いに気付きながらも、独り戦いに身を投じていく姿は、初めは自分のことしか考えていない傲慢なスティーブンでしたが、やがて他者を思いやる気持ちに芽生えた様子もしっかり描かれています。
スティーブンの心境の変化や成長を見ることが出来き、単なるファンタジックな物語には終わっていません。
例えば、自らを頑なに「ドクター」と呼ぶスティーブンですが、初めの頃は医者としての栄光に縋って描かれていますが、だんだんと「人の命を救う者」、その決意として「ドクター」と言う呼称を使っており、心境の変化がとても感じられます。
まとめ
本作で、マーベル史上最強の魔術師『ドクター・ストレンジ』が誕生したわけですが、『ドクター・ストレンジ』の登場により、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)は、ますますその世界を広げていきます。
作中、スティーブンが操っていた「アガモットの眼」はインフィニティ・ストーンであることが明かされ、今後、ドクター・ストレンジは「アベンジャーズ」に深く関わることが予測させています。
また、物語の最後に袂を分けたオルドが登場し、ドクター・ストレンジの新たな敵として立ちはだかることも楽しみな展開です。
マーベル・スタジオの代表であるケヴィン・ファイギは、今後の展望を語った際、オルドを「マイティ・ソー」シリーズや「アベンジャーズ」にも登場するロキのようなヴィランにしていきたいと語っています。
様々なヒーローの活躍が折り重なり、物語が加速していくMCU、その中でドクター・ストレンジは、オルドはどんな形で登場し、どのような物語を織り成すのでしょうか。