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Entry 2020/03/20
Update

山田孝之映画『ステップ』あらすじと感想レビュー。シングルファーザーとその娘が紡いだ‟家族のカタチ”

  • Writer :
  • 山田あゆみ

山田孝之が重松清の同名小説で、シングルファーザーに初挑戦。

妻に先立たれて男手ひとつで娘を育てるシングルファーザーと、母親を亡くし父と2人で人生を歩む娘の物語。重松清の同名小説で、山田孝之主演の映画『ステップ』は2020年7月17日(金)より公開です。

結婚3年目に30歳という若さで妻に先立たれた主人公。シングルファーザーとして娘と歩んだ、保育園から小学校卒業までの10年間を描き出します。

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映画『ステップ』の作品情報

 
(C)2020映画「ステップ」製作委員会

【公開】
2020年(日本映画)
 
【監督】
飯塚健
 
【キャスト】
山田孝之、広末涼子、國村隼、余貴美子、片岡礼子、川栄李奈、伊藤沙莉、角田晃広、田中里念、白鳥玉季、中野翠咲

【作品概要】
重松清の小説『ステップ』が山田孝之主演で映画化。妻の突然の死によってシングルファーザーになった夫と幼い娘が、支え合いながら生きる10年を描いたヒューマンドラマです。

監督の飯塚健は『荒川アンダーザブリッジ』(2012)や『REPLAY&DESTROY』(2011)に続き、山田孝之とは三度目のタッグ。
伊藤沙莉、川栄李奈など今を代表する役者をはじめ、國村隼、余貴美子、広末涼子など豪華俳優陣が脇を固めています。

元々原作者の大ファンだった監督は、自身の家庭環境にも重なるストーリーに感動し、2009年からいつか映画化したいと企画を温め続け、ようやく今回信頼できる役者やスタッフたちとこの映画を作り上げました。

主題歌は秦基博が映画のために書き下ろした楽曲『或る』が使われており、大切な人を亡くした者たちの寂しくも心温まる物語を優しく彩っています。

映画『ステップ』のあらすじ


(C)2020映画「ステップ」製作委員会

妻の突然の死から1年。武田健一(山田孝之)は2歳半の娘美紀(中野翠咲)を保育園に預けてフレックス制で務める会社へ行き、帰宅後は家事と育児に追われる目まぐるしい生活を送っていました。

義理の両親(國村隼、余貴美子)や保育園の先生など、優しさと思いやりに溢れる周りの人々に支えられた父娘でしたが、娘が成長するにつれ、母のいない生活はいくつかの試練にぶつかります。

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映画『ステップ』の感想と評価


(C)2020映画「ステップ」製作委員会

映画『ステップ』は愛する妻を亡くしてから残された父と子が歩む10年という長い年月を描いています。

大切な存在を失った人にとって、その悲しみは一時的なものではなく、その後の人生において長く残り続ける「心の穴」であり、その穴を埋めることが全てではないということを物語っていました。 

残された家族のその後の長い年月には、辛く苦しい思いだけではなく支え合う心や優しさがあります。

悲しみを忘れることではなく、その悲しみと共に生きることで残された人々は前に進むことができるのだと感じさせてくれる作品です

娘・美紀の成長で感じる10年の時の流れ


(C)2020映画「ステップ」製作委員会

年月の長さを表す上でキーになるのは娘の成長です。2歳の娘・武田美紀役を演じたのは中野翠咲。2015年生まれでドラマ『トップリーグ』(2019)ほかCMなどで活躍しています。

6~8歳までの美紀役を演じたのは、2010年生まれの白鳥玉季。『とと姉ちゃん』(2016)『凪のお暇』(2019)などドラマで活躍。『永い言い訳』(2016)『銀魂2掟は破るためにこそある』(2018)など映画作品でも注目を集める存在です。

母のいない寂しさを見せまいと強がりながら、父親を気遣うようにラフなトーンで親子の関係性を見せる演技が素晴らしいです。

9~12歳までの美紀役は、2007年生まれの田中里念。ドラマ『わたしをみつけて』(2015)『本気のしるし』(2019)などに出演しています。多感な時期の娘心を見事に演じ切り、彼女の笑顔がこの作品を明るく照らしていました。

3人が見せた美紀の10年の成長は、自然体で説得力を持っていて、父役の山田孝之をはじめ、國村隼、余貴美子、広末涼子など錚々たる俳優陣に全く押されることない魅力を放っています。

原作者重松清も納得の映画化


(C)2020映画「ステップ」製作委員会

原作者の重松清は『ナイフ』(1999)で坪田譲治賞受賞。『ビタミンF』(2000)で第124回直木賞受賞を受賞し、『流星ワゴン』(2015)『とんび』(2012、2013)などテレビドラマ化作品のほか、『愛妻日記』が2006年に、『幼な子われらに生まれ』が2017年に映画化されるなど数々の作品を輩出しています。

もともと『荒川アンダーザブリッジ』のファンだったという重松清は、主演に山田孝之が決まって歓喜したそうです。出来上がった映画を観て、10年間の物語を2時間で描き出した上でできた余白に想像が膨らみ、続きを書きたいと思ったほどだとか。

重松清の小説は、家族や夫婦を題材にしたストーリーが多く、苦境の中にも人々の優しさや希望といった心の”癒し”を見つけられる物語となっています。原作『ステップ』にも、その”癒し”のパワーが詰まっています。

原作を読んだことがない人は、内容を新鮮に感じるために映画を観てから読むことをお勧めします。そうすると主人公や周りの人々の心の機微に触れ、感動が倍増するはずです。

原作ファンの人は豪華役者陣による映像化を心置きなく楽しめるでしょう。映画にしかない繊細な演出も見どころの一つです

変わらない風景、空間の中で変化していく家族の形


(C)2020映画「ステップ」製作委員会

主人公健一と娘の美紀は、妻が亡くなったあとも彼女の気配が残る家で暮らし続けます。

娘が成長するにつれ、大人たちは歳をとります。一緒に歩いた道や部屋自体は変わらなくても、部屋に飾ってあるものや生活の些細な習慣、互いの関係性が少しずつ変わっていくことで、映画の物語がリアルに実感できるようになっています。

その変化が丁寧に描かれているのが本作の魅力のひとつです。鑑賞後、いつもそばにいる大切な人に会いたくなるでしょう。

まとめ


(C)2020映画「ステップ」製作委員会
主演の山田孝之は自身のドキュメンタリー番組『No Pain,No Gain』(2019)で、30歳を過ぎてからのビジョンとして「プロデュース業や監督などやりたいことをなんでもやっていきたい」と語っています。

その言葉通り、映画『デイアンドナイト』(2019)ではプロデュースを手掛け、ドラマ『聖おにいさん』(2018)では製作総指揮を務めるなど新たなフィールドで活躍。

NETFLIXオリジナルドラマ『全裸監督』(2019)では過激なシーンを文字通り体当たりで演じ切り、注目を集めています。

そんな山田孝之が今回挑戦したのが「妻を失ったシングルファーザー」という役。子育てに奔走する姿や娘を愛する父を好演していました。

破天荒なイメージが付きつつある山田孝之は、『ステップ』についてこう語っています。

仕事の選び方を見てもわかると思いますが、まだまだやんちゃしていたい、ふざけたオジサンでいたいんです、山田孝之は!でもこの映画を撮影しながら、妻や子どもが元気でいてくれるというだけで、本当に幸せでありがたいことなんだなと思いました。まあそんなことはすぐ忘れて、僕はまた面白い仕事に没頭してしまうんでしょうけどね(笑)。

もしかすると、今後こんなに純粋なお父さん役をすることはないのかも? 彼のレアな演技は必見です。

映画『ステップ』は2020年7月17日(金)より公開されます。

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