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Entry 2018/05/28
Update

映画『空飛ぶタイヤ』あらすじとキャスト。原作や主題歌情報も

  • Writer :
  • 金田まこちゃ

大企業によるリコール隠しを巡る、さまざまな人々のドラマを描く、映画『空飛ぶタイヤ』は2018年6月15日公開。

個性豊かな演技派俳優が多数集結した今作の、原作やキャストについてご紹介致します。

映画『空飛ぶタイヤ』の作品情報


(C)2018「空飛ぶタイヤ」製作委員会

【公開】
2018年(日本映画)

【監督】
本木克英

【脚本】
林民夫

【キャスト】
長瀬智也、ディーン・フジオカ、高橋一生、深田恭子、岸部一徳、笹野高史、寺脇康文、小池栄子、阿部顕嵐、ムロツヨシ、中村蒼、柄本明、佐々木蔵之介、和田聰宏、木下ほうか、浅利陽介、六角精児、大倉孝二、津田寛治、升毅、谷村美月、近藤公園、村杉蝉之介、渡辺大、矢野聖人、田口浩正、斎藤歩、岡山天音、矢島健一、津嘉山正種、毎熊克哉、加藤満、筒井巧、中林大樹、井上肇、小久保丈二、高川裕也、木下隆行、木本武宏、池上紗理依

【主題歌】
サザンオールスターズ

【作品概要】

走行中のトラックの脱輪事故により、主婦が亡くなる事故が発生。

整備不良を疑われ、会社の窮地に直面した運送会社社長の赤松を中心に、事故を巡る大企業のリコール隠しに戦いを挑む、人々のドラマを描く。

監督は『超高速!参勤交代』シリーズなど、数々の話題作を手掛けた、本木克英。

原作は、池井戸潤のベストセラー小説


(C)2018「空飛ぶタイヤ」製作委員会

今回映画化された『空飛ぶタイヤ』は、TBSドラマ『半沢直樹』をはじめ、『下町ロケット』や『陸王』などで、数々の社会現象を巻き起こしてきた池井戸潤の原作。

2006年に出版され、累計180万部を突破し、2009年にはWOWOWで連続ドラマ化されました。

『空飛ぶタイヤ』が第136回直木賞候補作になった際に、池井戸潤は「僕はこの物語から“ひとを描く”という小説の根幹を学んだ」とコメントしており、作品に対する思い入れの強さを感じます。

意外な事に、本作が池井戸作品、初の映画化となっています。

映画『空飛ぶタイヤ』の主要キャスト


(C)2018「空飛ぶタイヤ」製作委員会

長瀬智也(赤松徳郎役)プロフィール

父親から引き継いだ「赤松運送」と従業員の未来を守る為に、財閥系企業の「ホープ自動車」に戦いを挑む、情に熱い男、赤松徳郎。

演じる長瀬智也さんは、1978年生まれ、神奈川県出身。

1994年にTOKIOのメンバーとして、CDデビュー、1995年のドラマ『カケオチのススメ』で初主演を果たします。

その後、伝説的なドラマとなった2000年の『池袋ウエストゲートパーク』や、2001年のドラマ『ムコ殿』、2013年のドラマ『クロコーチ』などで主演を務めます。

映画出演は、2002年の映画『ソウル』、2005年の映画『真夜中の弥次さん喜多さん』、2016年の映画『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』などがあります。

ディーン・フジオカ(沢田悠太役)のプロフィール

財閥系企業「ホープ自動車」で、販売部カスタマー戦略課の課長を務める沢田悠太。

「ホープ自動車」で製造したトラックが脱輪事故を起こした事で、責任問題を追及する赤松と対立しながらも、「ホープ自動車」の腐りきった組織体制を暴こうとします。

演じるディーン・フジオカさんは、1980年生まれの福島県出身。

高校卒業後にアジアの国々をめぐり、モデルとして香港で活動を開始、2005年の映画『八月の物語』で主演に選ばれ俳優デビューを果たします。

その後、台湾に活動の拠点を移し、映画やTVドラマに出演します.

日本では、2015年にNHK朝の連続テレビドラマ『あさが来た』で五代友厚役が話題になり、一躍人気となります。

ミュージシャンとしても活動しており、2017年の主演ドラマ『今からあなたを脅迫します』では主題歌も担当しています。

高橋一生(井崎一亮役)のプロフィール

「ホープ銀行」の本店で、営業本部で働く井崎一亮。

「ホープ自動車」の、ずさんな経営方針に呆れ、それでも資金を融資する上司にうんざりしています。

「ホープ自動車」が、事故を隠しているという内部告発情報を入手しますが、井崎はどう動くのでしょうか?

演じる高橋一生さんは、1980年生まれの、東京都出身。

子役俳優として活躍し、1995年のスタジオジブリ作品『耳をすませば』で、天沢聖治の声を担当しています。

2004年の映画『世界の中心で、愛を叫ぶ』や、2007年開始のドラマ『「医龍 Team Medical Dragon』シリーズに出演、2014年の大河ドラマ『軍師官兵衛』などで知名度を上げ、2016年の映画『シン・ゴジラ』で注目されます。

2017年に出演したドラマ『カルテット』と『おんな城主直虎』などの演技が評価され、2018年に「エランドール賞新人賞」するなど、注目の俳優です。

深田恭子(赤松史絵役)のプロフィール

「ホープ自動車」に戦いを挑む、赤松徳郎を支える妻の赤松史絵。

池井戸作品では、主人公の妻が発した何気ない一言が、大逆転のキッカケになる事が多いですが、今作ではどうでしょうか?

演じる深田恭子さんは、1982年生まれ、東京都出身。

1996年に「第21回ホリプロタレントスカウトキャラバン」でグランプリを受賞します。

1998年のドラマ『神様、もう少しだけ』で注目され、その後は2004年の映画『下妻物語』や、2009年の映画『ヤッターマン』などで個性的な役柄を演じています。

その他の出演作に2014年の映画『偉大なる、しゅららぼん』2015年の映画『ジョーカー・ゲーム』などがあります。

笹野高史(宮代直吉役)のプロフィール

赤松運送の専務で、赤松徳郎を陰ながら支える宮代直吉。

演じる笹野高史さんは、1948年生まれ、兵庫県出身。

日本大学芸術学部映画学科在学中に、劇団「自由劇場」へ裏方として入団、1年半後に舞台デビューを果たします。

1981年に劇団を退団後、1083年の映画『ふしぎな國 日本』で映画デビュー。

その後は『男はつらいよ』シリーズや『学校』シリーズなど、山田洋次作品に多数出演、2007年の映画『武士の一武』で日本アカデミー賞の最優秀助演男優賞に輝きます。

現在では、映画やドラマ、CMなどで大活躍している、実力派の俳優です。

岸部一徳(狩野威役)のプロフィール

「ホープ自動車」常務取締役で、次期社長と噂れる狩野威。

井崎が呆れるほどの、ずさんな経営計画で多額の融資を受けようとしていますが、脱輪事故を受けて、狩野は一体どう動くのでしょうか?

演じる岸部一徳さんは、1947年生まれ、京都出身。

1967年にグループサウンズ「ザ・タイガース」のメンバーとしてデビューします。

数々の映画やドラマで、クセの強いキャラクターを演じており、1990年の映画『死の棘』で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞しています。

他の出演作に2014年の映画『舞妓はレディ』、2017年の映画『アウトレイジ最終章』など多数の作品に出演。

ドラマでも2006年放映開始の『医龍 -Team Medical Dragon』シリーズ、2012年から放映開始の『ドクターX〜外科医・大門未知子』シリーズ、2016年と2018年に放送された『99.9 -刑事専門弁護士』などがあり、人気ドラマシリーズ『相棒』では、長年に渡り小野田公顕を演じていました。

寺脇康文(高幡真治役)のプロフィール

トラックの脱輪事故を、整備不良による事件と考え、赤松への執拗な捜査を開始する、港北中央署刑事の高幡真治。

演じる寺脇康文さんは、1962年生まれ、大阪府出身。

1984年に劇団「スーパー・エキセントリック・シアター」に入団し俳優デビュー。

1994年に岸谷五朗さんとともに、演劇ユニット「地球ゴージャス」を結成しています。

2000年から放送開始となった人気シリーズ『相棒』で亀山薫を8年に渡り演じ、2008年の映画『相棒 劇場版 絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン』で、日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞しています。

俳優以外にも、『王様のブランチ』のメインMCを12年間務めるなど、多彩な活動をしています。

小池栄子(榎本優子役)のプロフィール

井崎の友人で週刊潮流の記者、榎本優子。

井崎に「ホープ自動車」内で内部告発があった事を知らせますが、その真意は?

演じる小池栄子さんは、1980年生まれ、東京都出身。

スカウトされ芸能界入りし、1998年のドラマ『美少女H』で女優デビュー。

グラビアやタレント活動と共に、女優としても活躍しており、2009年の映画『「20世紀少年 第2章 最後の希望』『20世紀少年 最終章 ぼくらの旗』などに出演。

2011年の映画『八日目の蟬』で、日本アカデミー賞優秀助演女優賞など数多くの賞に輝いています。

現在も舞台や映画など、数多くの作品に出演しています。

阿部顕嵐(門田駿一役)のプロフィール

「赤松運送」のトラック整備を担当する門田駿一。

事故が整備不良だとすると、門田の責任は大きくなりますが果たして?

演じる阿部顕嵐さんは、1997年生まれ、東京都出身。

ジャニーズJr.のユニット「Love-tune」のメンバーで、2017年には単独ライブも開催しています。

2014年のドラマ『近キョリ恋愛~Season Zero~』で初主演、2017年の映画『魔女の宅急便』『何者』にも出演し、舞台を中心に活躍しています。

ムロツヨシ(小牧重道役)のプロフィール

沢田が「ホープ自動車」の実態を知るキッカケを作る、沢田の同僚、小牧重道。

演じるムロツヨシさんは、1976年生まれ、神奈川出身。

1999年に、作・演出・出演を全て担当した1人舞台でデビュー。

2005年の映画『サマータイムマシン・ブルース』で広く知られるようになります。

その後、映像作品への出演が増え、2005年の映画『逃亡者 木島丈一郎』や2006年の映画『UDON』などに出演。

2011年に放送開始のドラマ『勇者ヨシヒコ』シリーズなどに出演し、福田雄一監督作品の常連としても知られています。

その他の出演作に2016年の映画『ヒメアノ~ル』『疾風ロンド』などがあります。

自身がプロデュースする舞台「muro式」など、幅広く活動する個性派俳優です。

中村蒼(杉本元役)のプロフィール

「ホープ自動車」品質保証部で、沢田や小牧と行動を共にする杉本元。

演じる中村蒼さんは、1991年生まれの、福岡出身。

2005年に「第18回JUNONスーパーボーイコンテスト」でグランプリに輝き、2006年に舞台『田園に死す』で俳優デビュー。

2007年に映画『恋空』で映画デビュー、2008年の映画『ひゃくはち』で初主演を果たしました。

2017年の映画『HiGH&LOW THE MOVIE 2 / END OF SKY』や、2018年の舞台『悪人』など、映画やドラマ、舞台で活躍している若手俳優です。

映画『空飛ぶタイヤ』のあらすじ

父親から受け継いだ、「赤松運送」の社長を務める赤松徳郎。

ある日、「赤松運送」のトラックが起こした脱輪事故により、1人の主婦が亡くなる事故が起きます。

当初は事故とされていましたが、港北中央署の刑事に整備不良を疑われ、マスコミや世間からバッシングを受ける事件として扱われるようになります。

会社を存続させる為に、赤松は独自の調査を開始、次第にトラックの部品に欠陥があった疑いを持ち、トラックを製造した「ホープ自動車」へ再調査を求めます。

しかし、ホープ自動車カスタマー戦略課課長の沢田悠太は赤松の訴えを、ただのクレームとして処理し、相手にしません。

しかし、同僚の調査から沢田は「ホープ自動車」のリコール隠しに気付きます。

数年前も「ホープ自動車」はリコール隠しを行い、世間からの信用を失ってしまっていました。

その全てをコントロールしていると思われる、「ホープ自動車」常務取締役の狩野威。

個人の力では太刀打ち不可能と思われる、財閥系企業の権力と圧力を相手にした、それぞれの戦いが始まります。

映画『空飛ぶタイヤ』の鑑賞ポイント


(C)2018「空飛ぶタイヤ」製作委員会
原作の『空飛ぶタイヤ』は、「ホープ自動車」のリコール隠しを巡る、さまざまな立場の人間ドラマを描いています。

映画版では、この濃密な人間ドラマに、豪華キャストが集結して挑んでいます。

最初にキャストの一覧を見た時に、目を疑ったぐらいの個性派や演技派俳優が名を連ねており、本作が初共演となる長瀬智也さんやディーン・フジオカさんなど、どの役者の共演シーンも、見応えのある映像になるのではないかと期待しています。

映画化が発表されて以降、追加キャストが発表される度にSNSで話題になっており、作品への期待の高さを感じますね。

まとめ


(C)2018「空飛ぶタイヤ」製作委員会
『空飛ぶタイヤ』は、2000年と2004年に実際に起きた、ある企業の大規模なリコール隠しがモデルとされています。

著者の池井戸潤は「怒りに駆られて書いた小説」と語っています

また、映像化の権利を預かった、松竹の矢島孝プロデューサーは、「脚本がうまくいかなかったら、企画を無くす」という覚悟を持って、3年かけて企画を実現させました。

原作に込められた怒りを、製作側が受け取り、向き合い、熱い想いで映像化した本作は、「外れ無し」と言われている、池井戸潤作品の新たな代表作になるでしょう。

そして、主題歌「闘う戦士たちへ愛を込めて」を歌うサザンオールスターズにとっては、約3年ぶりの新曲です。

その歌詞も映画のストーリーにある、“過酷な現代社会で闘う人々”を反映した歌詞になっています。

赤松役の長瀬智也は「社会で、日々戦っている汗臭さみたいなものを感じました。そして、頑張れと言われているような気持ちにもなりました」と述べています。

サザンオールスターズの楽曲は、映画公開日に配信リリースされます。

映画『空飛ぶタイヤ』は、2018年6月15日から全国公開です。

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