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Entry 2017/03/26
Update

映画『スウィート17モンスター』あらすじネタバレと感想!ラスト結末も

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共感率100%!21世紀の青春映画の傑作誕生!

こじらせたまま大人になった全ての人に捧ぐ『スウィート17モンスター』をご紹介します。

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映画『スウィート17モンスター』の作品情報

【公開】
2016年(アメリカ)

【原題】
The Edge of Seventeen

【監督】
ケリー・フレモン・クレイグ

【キャスト】
ヘイリー・スタインフェルド、ウディ・ハレルソン、キーラ・セジウィック、ブレイク・ジェナー、ヘイリー・ルー・リチャードソン、ヘイデン・ゼトー

【作品概要】
新進気鋭の脚本家ケリー・フレモン・クレイグが初監督を務め、注目の若手女優ヘイリー・スタインフェルドが主演する青春映画。

第74回ゴールデングローブ賞(2017年)コメディ/ミュージカル部門最優秀主演女優賞(ヘイリー・スタインフェルド)ノミネートなど、賞レース4受賞18部門ノミネートの快挙を達成した作品。

映画『スウィート17モンスター』のキャスト一覧

ネイディーン / ヘイリー・スタインフェルド


(C)MMXVI STX Productions, LLC. All Rights Reserved.
女優であり歌手としても活動しているヘイリー・スタインフェルドが映画デビューを飾ったのは若干14歳の頃(撮影時13歳)。

15,000人を超える女優の中から選ばれ、コーエン兄弟の『トゥルー・グリット』にマティ・ロス役として大抜擢されたのです。

この作品でアカデミー賞助演女優賞や英国アカデミー賞主演女優賞にノミネートされた他、放送映画批評家協会賞の若手俳優賞やシカゴ映画批評家協会賞など様々な賞レースを席巻しました。

2013年には『エンダーのゲーム』、ジョン・カーニー監督の『はじまりのうた』に出演、2015年の『ピッチ・パーフェクト2』ではアカペラを披露し、演技だけでなく歌唱力の高さにも注目を集めることに。

また、タイムズ誌(2013)が選ぶ“最も影響力のある16人のティーン”の一人に選ばれるなど、今最も勢いのある若手女優の一人となっています。

そんなヘイリー・スタインフェルドが今回演じているのは、主人公のネイディーン。まだ恋愛にはウブな17歳の少女ネイディーンは、なんと大嫌いな兄と親友が恋に落ちてしまったことを知ってしまうのだとか。

何かと母親たち大人を困らせてしまうこじらせ女子をヘイリー・スタインフェルドが一体どのように表現しているのか…注目が集まっていますね!

ブルーナー / ウディ・ハレルソン


(C)MMXVI STX Productions, LLC. All Rights Reserved.
悪役や超個性的な役をやらせたら右に出る者はいない個性派俳優ウディ・ハレルソン。

1985年からスタートしたテレビドラマ『チアーズ』のバーテンダー役で一躍その名を知られる存在になりました。

1985年には『ワイルドキャッツ』で映画デビュー。1994年にはオリバー・ストーン監督の『ナチュラル・ボーン・キラーズ』に出演し注目を集めます。

その後、ミロシュ・フォアマン監督の『ラリー・フリント』(1996)で強烈に個性的な実在の人物ラリー・フリントを演じ、アカデミー賞やゴールデングローブ賞でノミネートされることに。

他にもテレンス・マリック監督の『シン・レッド・ライン』(1998)やコーエン兄弟の『ノーカントリー』(2007)、『メッセンジャー』(2009)ではインディペンデント・スピリット賞助演男優賞を受賞、アカデミー助演男優賞にもノミネートされるなどどんな映画にも欠かせない存在ですね。

最近でも『ハンガーゲーム』シリーズや『グランド・イリュージョン』などの話題作に立て続けに出演し続けています。

本作『スウィート17モンスター』で演じているのは、ネイディーンの担任の教師ブルーナー。

どうやらブルーナーというのは変わり者(やはり?!)の教師で、なぜかネイディーンと波長が合うのだそう。一体どんな風に演じているのか…楽しみですね!

モナ / キーラ・セジウィック


(C)MMXVI STX Productions, LLC. All Rights Reserved.
ケヴィン・ベーコンの愛妻としてその仲睦まじい姿が印象的なキーラ・セジウィック。

映画デビューは1985年の『愛と動乱のワルシャワ』で、本格的にブレイクを果たすことになるのは、オリバー・ストーン監督の『7月4日に生まれて』(1989)でしょう。

この作品でトム・クルーズの恋人役を好演してことで、一気にその名が知られるようになります。

その後は『シングルス』(1992)、『告発』(1995)、『ポゼッション』(2012)などに出演。

テレビドラマ界でも活躍を見せており、2005年から2012年まで出演種続けた『クローザー』でブレンダ・リー・ジョンソン役として主演を務め、ゴールデングローブ賞主演女優賞(テレビシリーズ部門)を 受賞しました。

そんなキーラ・セジウィックは本作でネイディーンの母親モナを演じています。すでに夫は他界しており、それ以来何かと取り乱しがちだというモナが、娘のネイディーンとどう向き合っていくのか、そしてその姿をキーラ・セジウィックがどう見せてくれるのかに注目です。

クリスタ / ヘイリー・ルー・リチャードソン


(C)MMXVI STX Productions, LLC. All Rights Reserved.
1995年生まれのヘイリー・ルー・リチャードソンは、16歳の時『ラスト・サバイバーズ』という作品でハリウッドデビュー。

その後『ブロンズ!私の銅メダル人生』(2015)に出演し、2017年にはM・ナイト・シャマラン監督、ジェームズ・マカヴォイ主演の『スプリット』の公開を控えています。(日本公開は2017年5月12日~)

そんなヘイリー・ルー・リチャードソンが演じているのは、ネイディーンの親友クリスタ。

ネイディーンの兄ダリアンと恋仲になってしまうという役どころですが、ティーンのもどかしさや甘酸っぱい雰囲気を一体どう表現しているのかに注目して見ていきましょう。

ダリアン / ブレイク・ジェナー


(C)MMXVI STX Productions, LLC. All Rights Reserved.
幼い頃から演劇を学んでいたというブレイク・ジェナーが一躍脚光を浴びることになったのは、大人気テレビドラマ『Glee/グリー』でしょう。

そもそもは2012年に行われたリアリティ番組『Glee プロジェクト 〜主役は君だ!』に出演したことがきっかけ。

この番組は、14人の参加者による『Glee/グリー』の7話分の出演権を獲得に向けたオーディション番組となっており、ブレイク・ジェナーはファイナリストの3名に残り、最終的に優勝を果たします。

これにより『Glee/グリー』のシーズン4第5話からライダー・リン役として初登場を果たし、一気に注目を集めることになりました。

2016年にはリチャード・リンクレイター監督の『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』の主演に抜擢されるなど、今大注目の若手俳優の一人ですね。

そんなブレイク・ジェナーは、本作でネイディーンの兄ダリアンを演じています。

イケメンで誰からも愛されるというダリアンは、妹の親友クリスタと深い仲になってしまう訳ですが…果たして妹との関係がどうなってしまうのか…注目ですね!

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映画『スウィート17モンスター』の監督とプロデューサー紹介

監督:ケリー・フレモン・クレイグ

映画『スウィート17モンスター』の監督を務めるのは、ケリー・フレモン・クレイグです。

1981年生まれのケリー・フレモン・クレイグは、カリフォルニア大学アーバイン校で短編や詩を学んでいました。

映画界に身を置くようになったきっかけは、“Immortal Entertainment”という制作会社の映画部門でインターンをしていた時、初めて映画脚本に触れたことだったようですね。

こうして執筆活動を始め、脚本家としてヴィッキー・ジェンソン監督の『恋する履歴書』(2009)でデビュー

この作品が本作でプロデューサーを務めるジェームズ・L・ブルックスの目にとまったかまでは不明ですが、本作で監督として抜擢されることに。

ケリー・フレモン・クレイグは自身の脚本で初めて本作で監督を務めることになった訳ですが、その評価の高さは凄まじいですね。

権威あるNY映画批評家協会賞第一回作品賞を受賞した他、全米監督協会(DGA)初監督賞にノミネートされるなど賞レースを席巻します。

このとてつもない新人の恐るべき才能に今、映画界が釘付けとなっていますね!

プロデューサー:ジェームズ・L・ブルックス

そして、その才能を見出したのが本作でプロデューサーを務めるジェームズ・L・ブルックスです。

ジェームズ・L・ブルックスは、アメリカ・FOXテレビで1989年に放送開始した、アメリカアニメ史上最長寿番組である『ザ・シンプソンズ』のプロデューサーを務めたことでも非常に有名ですよね。

脚本家としても良く知られていて、デビューを果たした『結婚ゲーム』(1979)、監督も兼務した『愛と追憶の日々』(1983)では第56回アカデミー賞作品賞や第41回ゴールデングローブ賞ドラマ部門作品賞を受賞するなど、最高の評価を得ることに。

続く『ブロードキャスト・ニュース』(1987)でも高評価を得て、1996年にはウェス・アンダーソンという新たな才能を発掘し、『アンソニーのハッピー・モーテル』で製作総指揮を務めます。

さらに、1996年にはキャメロン・クロウ監督の『ザ・エージェント』でも製作を担当し、大ヒットを記録。

自信が監督・脚本・製作を務めた『恋愛小説家』も様々な賞レースを席巻するなど、彼が関わった作品はほぼ全て最高の評価を得ていることが良く分かると思います。

本作『スウィート17モンスター』で見出したケリー・フレモン・クレイグという才能も、ウェス・アンダーソンやキャメロン・クロウのように花開くに違いありません!

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映画『スウィート17モンスター』のあらすじ


(C)MMXVI STX Productions, LLC. All Rights Reserved.
ネイディーンは17歳。

キスも未経験、もちろん恋愛経験もなし。

そんなイケてない毎日を送っているネイディーンは、妄想だけが大きく膨らみ、空回りするばかり。

そんなネイディーンに教師のMr.ブルーナーや母のモナも手を焼いていました。

唯一心を許せるのは親友のクリスタただ一人。

しかし、そんな親友との間に衝撃の事件が起こってしまいます。

なんと兄ダリアンにクリスタが恋に落ちてしまったのです。何をしても敵わない兄の存在は、ネイディーンにとってコンプレックスでしかなかったため、なおさらショックでした。

これを機にネイディーンは、新たな視点で周りの人々に気持ちを向けざるを得なくなってしまいます。

父が亡くなって以来、何かと取り乱しがちな母…。

なぜかシンパシーを感じる変わり者の教師ブルーナー…。

イケメンで誰からも愛される兄ダリアン…。

いつもと違った見方をすると見えてくるもの…。

それは、もっと単純なものだと思っていた人生も、実はもっと複雑で、本当はみんな何かをこじらせながら大人になっていくのだということ

果たして、ネイディーンはこの事件を境に、どのうように思い、どのように変化していくのか…?!

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『スウィート17モンスター』ネタバレ・結末の記載がございます。『スウィート17モンスター』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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世の中には二種類の人間がいる。世渡りが上手な人たちと、そいつらの滅亡を願う人だ。(by ネイディーン)

幼い頃からネイディーンは優等生の兄と違って、母の言うことを聞かない少女でした。いつも父が二人の間をとりもってくれていましたが、ネイディーンが13歳のときに、事故で亡くなってしまいます。

17歳になったネイディーン。小学校からの親友クリスタと高校も一緒で、相変わらず仲の良い二人です。上級生のニックが気になると話すと、彼はペットショップでアルバイトをしているらしい、とクリスタが教えてくれました。

歴史の授業に出席したネイディーンは、ブルーナー先生に前回の授業での言い間違いを指摘しました。「くだらない揚げ足取りは人生の無駄と思わないかい?」という先生の言葉に「全然」と悪びれないネイディーン。

母は出逢い系サイトで知り合った歯科医と旅行すると慌ただしく出ていきました。クリスタと思いっきりはめをはずせる!とネイディーンは大はしゃぎ。すっかりいい男に成長した兄、ダリアンの友人もきているのが玉にきずですが、お酒を飲んで二人で盛り上がります。

ところが気分が悪くなり、「自分なんて大嫌い」と言いながら、ネイディーンは洗面所で眠ってしまいました。

一人残ったクリスタが階下に降りていくと、台所で片付けをしているダリアンがいました。誰かが中に犬をいれて、絨毯におしっこしたらしいのです。

手伝い始めるクリスタに「いいよ」と声をかけるダリアンでしたが、「二人で片付けた方が早く片付くわ」とクリスタは応え、二人はにっこり微笑み合います。

朝、目が覚めたネイディーンが兄の部屋のドアを開けると、なんとそこにはベッドにはいった兄とクリスタの姿が!

家の前の歩道に座って頭を抱えているネイディーンとクリスタ。初めて二人の友情に危機が訪れました。

その日の歴史の授業は、ビデオ鑑賞です。隣にすわるアジア系の男子生徒、アーウィンが声をかけてきました。遊園地にいかないかという話になりますが、他にも誘ってみんなで行こうとネイディーンは適当に応えます。

ハンバーガーショップでネイディーンに謝るクリスタ。ネイディーンは怒りのあまり、靴を店の壁に投げつけます。「私にどうしろと?」と言うクリスタに「私の苦しみを考えて」と叫ぶネイディーン。

翌日、クリスタは金曜日にダリアンとパーティーに行くことになったので一緒に来て、とネイディーンを誘いました。

「行けたら行く」と応えるも、結局行くことになるネイディーン。でもクリスタはすぐにダリアンの仲間たちと仲良くなり、ネイディーンは置いてきぼり。誰かに話しかけようと思いますが出来ません。

挙句に初対面の上級生から、あなたたち兄妹は、アーノルド・シュワルツェネッガーとダニー・デヴィートが双子を演じた映画『ツインズ』にそっくりと指摘される始末。いたたまれず、母親に迎えに来てもらいます。

母親に今日は最悪と愚痴を言い始めると、母がそれに重ねるように「今日はサイテーだったわ」と話だし、マシンガントークを始めます。なんでも歯科医の奥さんからメールがきたのだとか。落ち込む母を逆にネイディーンが励ます羽目に。

ネイディーンはニックのSNSを開いてメッセージをうっていました。「友達申請を送ったけど見逃しちゃった?」 しかし、あまりにもみじめすぎると送るのを中止。

代わりにアーウィンに電話をかけました。「これから遊園地に行かない?」

遊園地にやって来たアーウィンに観覧車に乗ろうと誘うネイディーン。彼は彼女にキスをしようとしますが、最悪のタイミングで失敗。

「観覧車に乗るっていうからキスしろっていうことかと」と、アーウィンはあたふたし、挙句に「降りよう」と言って「降ろして~」と叫びます。「あなたって愉快ね」というネイディーン。

その後、パターゴルフをして楽しく過ごした二人。ネイディーンはアーウィンに「あなたいい人だわ」と感謝の言葉を述べます。しかし、「老紳士みたい」と付け加え、アーウィンは「老?」と聞き直します。「そう、隠居してる、車椅子で」と続く言葉にアーウィンは目を丸くしながら「ありがとう…」と応えるのでした。

翌日、ロッカーの前にいたネイディーンにクリスタが話しかけてきました。「兄貴にふられたら笑ってやるわ」と言い放つネイディーンにむっとしたクリスタは「真面目につきあってるわ。プロムにも誘われたの」と応えます。

「私か、兄貴かどっちかを選んで」と迫るネイディーンに「無理よ。選べない」と応えるクリスタ。「絶好よ!」とネイディーンが叫ぶと、クリスタは「いいわ」と応じました。廊下で一人、呆然と立ち尽くすネイディーン。

家でも兄と口論になります。「人生は不公平なんだ、乗り越えろ!」と兄。ネイディーンが出ていくと、母がやって来ました。「ちゃんと気付いているのよ。二人のこと。そんなに大事な相手なの?」「文句はネイディーンに言えよ」という兄に母は「あの子は人の言うこと聞かないんだもの」と言い、兄はため息をつきます。

ネイディーンは偶然、ニックがアルバイトをしているペットショップをみつけました。ニックがいたので話しかけると、彼は彼女の靴をほめてくれました。

昼休み、アーウィンを訪ねると、SFF(学生映画祭)の準備に行っているとのこと。カフェテラスに行ってみますが、結局、歴史の教室に行きます。誰ともご飯を一緒に食べる人がいないからです。

ブルーナー先生に同級生は子ども過ぎて私には会わないなどと愚痴っていると、君は嫌われっ子だなと言われてしまいます。逆上して、先生を罵倒してしまうネイディーン。それを聞いた先生は、「教師になって23年だが、給料を実際より低く言われたのは初めてだよ。それはちょっと気分がいいね」。

そしてクッキーを渡すと、「気分が良くなるよ。君は僕のお気に入りだ」と言うのでした。「本心?」「機嫌をとるためさ」「言い過ぎたかも」「気分が良くなったな」。

家のソファにひっくり返っていると、兄とクリスタがやってきたので、自分の部屋にひっこみ、アーウィンに電話をかけました。「自宅にプールある?」「あるよ」。

メールで送ってもらった住所を訪ねると、そこは大邸宅。プールもお湯の出るプールです。

「セックスする?」とネイディーンが言うとアーウィンは緊張したように「いいよ」と言いました。

「今のは冗談よ。映画みたいでしょ」と言うネイディーンにアーウィンはむっとして「男をからかうなよ」と言い、「君なんか大嫌い」という歌詞の音楽を彼女におみまいします。

彼は自分の部屋にネイディーンを案内し、彼がいつも書いている絵を見せます。ネイディーンはすっかり感心するのでした。

翌日、母に送迎してもらい、学校に来たネイディーンは兄とクリスタを見かけて、座席から降りられなくなってしまいます。

小学生に逆戻り? 8時半には仕事に行かなくてはいけないという母は、そのまま職場にネイディーンを連れて行きました。しかしそこでもネイディーンは悪態をつき、「パパは天国で失望しているでしょうね」と言われてしまいます。

かっとしたネイディーンは免許もないのに(※試験に落ちたのです)母の車に乗りこんで、運転して出ていってしまいました。

公園の前にとめ、遊具に座っておもむろにニックにメールをうち始めます。「ずっとあなたが好き。あなたは複雑でシンプル。あなたは私に似ている。口でしてあげるわ。私の中にはいって欲しいの」

読み直して自分でも呆れてしまいます。「何、これ? これじゃまるでサイコ女。とても送れないわ」。そして間違えて送信ボタンを押してしまいます。

車を学校に飛ばすと、ブルーナー先生のところに飛び込み、「私、今から自殺する」と宣言。

先生はメールを読み上げました。「何か言ってよ」と言われ、「句読点の使い方がイマイチ」と応える先生。

「5時間目は休んでフローズン・ヨーグルトでも飲んでリラックスしなさい。困ったことがあったらここに連絡をと先生は紙切れを渡してくれます。それを受け取りながら、フローズン・ヨーグルト代を請求するネイディーン…。

スマホには母からのメッセージがずらり。それを全て無視し、思わず「助けてください。神様」と神頼みをしますが、すぐにこれまで神様が助けてくれたことなんて一度もないわ、と思い直します。

その時、ニックからラインが! 「君は素敵だ。会おう」と書かれています! 「神様ありがとう」と叫ぶネイディーン。

部屋中引っ掻き回して、洋服を選び、母の化粧品を使い、めかし込んでいざデートへ!

その頃、ダリアンはクリスタや仲間と愉しい時間を過ごしていました。ところが母から電話が。家に戻ってみると、母が怒り狂って、ネイディーンが散らかしたものを全て捨てようとしていました。

僕がやるよと言うダリアンを拒絶した母に、ダリアンは「じゃぁ、なんで僕を呼ぶ!」と怒鳴ります。はっとする母。これまで彼に頼り切ってきた自分に気付いたのです。

その頃、ネイディーンはニックの車に乗っていました。車を停めて、キスをする二人。すっかりその気のニックですが、ネイディーンは待ったをかけます。二度も待ったをかけられて「なんだよ!」と怒り出すニック。

「セックスする前にまず知り合いたいの」というネイディーンでしたが、ニックの車を古いと言ってしまったため、ニックの機嫌を一層損ね、追い出されてしまいます。

ドーナツ屋で一人寂しく座っているネイディーンのところに先生が迎えにきて、先生の家に連れて行ってくれました。そこには可愛い子どもと優しそうな奥様が。先生は独身だとばかり思っていたのですが。

「時間が解決してくれるわ。私もつらい時期があったの。でも今はこんなに幸せ」と奥様が声をかけてくれました。

迎えがやってきたので、見ると、母ではなく兄とクリスタではないですか! 「彼女の前でかっこつけないで! ママに褒められたいんでしょ」と暴れるネイディーン。

兄は「ああ、そうさ、お前のことはどうでもいい。俺は自分のために来た。母さんが自分を頼りにしてくれるのが大好きだからな。父さんが死んでから荒れだした家が大好きで、行きたい大学も諦め地元に残るのもとても楽しいよ」とまくし立てました。

呆然と立ちすくむネイディーン。兄は先生に送ってください、と頼むと帰っていきました

先生に送ってもらい、家に帰ってきたネイディーン。母は眠っていました。意を決して兄のところに行きました。

「一言だけ伝えたかったの。今夜の私はサイテー。ここ数週間も…。17年間も…。自分が悲劇のヒロインみたいに思えて。こんないやな奴が自分だなんて。変わりたかったけど、怖いの。でも一生このままは嫌! ずっと辛い思いをさせてた。ごめんなさい、本当に」。

兄は妹を堅くハグします。

翌朝、早く起きて降りていくと、兄とクリスタがいました。「良い一日を」と兄に言われて、そのまま出ていこうとしたネイディーンでしたが、二人に向かって言うのでした。「二人もね。良い一日を」。クリスタは喜んで「あとで電話するね」と声かけてくれました。

今日はアーウィンが参加している映画祭に行くのです。ちょうど会場に入ったところで母から電話がありましたが、電源をオフにしなければいけません。しかし、「私は無事よ」とだけメールを打ちました。

返事をもらった母はほっとし、いつものように電話しろと書き込みますが、それを消しました。何度も書いては消すを繰り返し、やっと最終的に「了解」と書いて送るのでした。

アーウィンの映画は、好きな女の子にアプローチしてもいつも振られていた男の子が、怪物に誘拐された女の子を助けに行き、ラッキーも重なって救出、女の子に感謝されるも、もう遅いよ、といった内容のアニメーションでした。

上映が終わり、アーウィンに花束を渡すネイディーン。「あれは私のことね」という彼女に「違うんだ」と応えるアーウィン。「あら、私ったら自意識過剰ね」と言うネイディーンに「からかっただけさ。みんなに紹介する」とアーウィンは笑顔で言います。

ネイディーンも心からの笑顔をみせるのでした。

映画『スウィート17モンスター』感想と評価


(C)MMXVI STX Productions, LLC. All Rights Reserved.

ずーっとつるんでいた親友に恋人が出来、生活ががらりと変わっていたたまれない事に・・・といえば、ノア・バームバック監督の『フランシス・ハ』が思い出されます。

グレタ・ガーウィグが扮したフランシスのいたたまれないけどどこか滑稽で愛すべきキャラは、『スウィート17モンスター』のネイディーンにもあてはまる部分があります。

フランシスは27歳で、ネイディーンは17歳。いくつになっても人間って基本的には同じなんだなあと感じたのですが、社会に出てからは出てからの苦労があると同時に、学生生活を生き抜くことも相当大変な試練です。

ヨアキム・トリアー監督の『母の残像』(15)では、兄が弟に高校は特殊な場所だから「変に目立つことなく息を潜めてやり過ごせ」と説いていますし、『ぼくとアールと彼女のさよなら』(15アルフォンソ・ゴメス=レホン監督 )の主人公は、目をつけられないように目立たず空気のように生きてきた、と独白しています。

アメリカの学園生活では、迂闊なことをしていじわるなジョックス(体育会系イケてる男女)に目をつけられようものなら地獄の日々が待っているのです(様々な学園映画がそのことを教えてくれています)

ネイディーンはおしゃべりな上に表現が独特(アーウィンを老紳士といって褒めたり)なので、もろにターゲットになりそうですが、親友の存在がそれをふせいでいたのでしょうか。ただ、そんな彼女もやっぱり親しい人以外には自分を出せないようです。パーティーで親友に置いてけぼりをくらって、誰にもしゃべりかけられず孤立する様子は観ていていたたまれなくなります。

ひとりぼっちになってしまったネイディーンがまずぶちあたるのが、昼食をとる場所がないことです。スクール・カーストに沿って細かく別れたグループのいずれかに今さら彼女が加わるなんて無理な話。彼女が選んだ場所は教師の側で、これまたいたたまれなくなります。

さらに彼女は自ら災厄を招いてしまいます。彼女は不平不満を口にしますが、彼女自身の性格も大いに問題あり。母のお気に入りで学園の人気者の兄に幼い頃からコンプレックスを抱いており、その兄と親友がひっついてしまったものだから当然祝福などできず、自分を被害者としか思えない。

世を拗ねて、達観して世間を観ているという若者の一つのタイプは映画や文学でしばし描かれますが、彼女の場合、自分で自分を居づらくしてしまうタイプのように思えます。そんなこと本人もわかってるんだけど、軌道修正できないどころか、どっぷり迷路に迷い込んでいる。そのあたりがもう本当にいたたまれない…。

“青春あるある”というのでしょうか、こんなにいたたまれなくなるのは、若い頃の自分を思い出してしまうからでしょうか。

そんな主人公をヘイリー・ステインフェルドが演じているんですが、『ピッチ・パーフェクト2』(15 エリザベス・バンクス監督)の素直で可愛らしい役柄とはほぼ真逆のこの個性的なキャラクターを実に生き生きと演じています。

ヘイリーが演じたからこそ、ユーモアの漂う、感情移入できる憎めないキャラクターになったに違いありません。

兄のブレイク・ジェナーも文句なしの配役。何の悩みもなさそうな兄も、人知れず苦悩しており、また、一昔前のティーン映画なら、ただの「敵」という記号でしかなかった親や先生にも、丁寧なキャラクター作りがなされていて、それがこの作品の大きな魅力になっています。家族の再生物語として読み解く事もできると思います。

ちなみに、13歳のときに、ネイディーンが自分の髪型を観て「『ナポレオン・ダイナマイト』みたい!」と悲鳴をあげるシーンがありますが、『ナポレオン・ダイナマイト』(04 ジャレッド・ヘス監督)は、アイダホの田舎町の高校を舞台に、いつもポカーンと口を開けているさえない男子高校生の日常を描いた、学園ものの快(怪?)作です。

また、ウディ・ハレルソン扮するブルーナー先生(最高!)が授業の手抜きのため(?)生徒に映画を見せる場面がありますが、『若き日のリンカン』だと言っていました。この作品はジョン・フォードの1938年の作品で、リンカンにはヘンリー・フォンダが扮し、人権に目覚めていく様が描かれています。

ジョン・フォードを仕込んでくるあたり、監督(脚本も)のケリー・フレモン・クレイグはかなりのシネフィルなのでしょうか(単純に昔、歴史の授業で教師に見せられた経験に基づくだけかもしれませんが)?

そして、学園映画の神様といえば、ジョン・ヒューズ。ここではアーウィンの両親が不在で大豪邸に一人で過ごしているのを知ったネイディーンが「強盗にはいってもらって『ホーム・アローン』ごっこは?」という笑えないジョークを言うシーンがあります。

『ホーム・アローン』は、学園ものを作らなくなってからのジョン・ヒューズの代表的作品。『ブレックファスト・クラブ』や、『すてきな片想い』などの彼の学園ものの作品でなく、『ホーム・アローン』を引用するというところに、ケリー・フレモン・クレイグの、奥ゆかしいヒューズへの敬意を感じました。

まとめ


(C)MMXVI STX Productions, LLC. All Rights Reserved.

映画批評No.1サイト「ロッテントマト」でフレッシュ95%というとてつもない数値を叩きだした『スウィート17モンスター』。

現代の若者だけでなく、大人たちにとっても“あの頃”のリアリティ溢れるイタさを思い出させてくれ、共感すること必至だと思われます。

また、主演のヘイリー・スタインフェルドや監督のケリー・フレモン・クレイグといった新しい才能を目撃する貴重な機会でもありますね!

注目の劇場公開は2017年4月22日(土)より始まります!ぜひ劇場でネイディーンの行く末を確かめてみて下さい!

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