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Entry 2016/12/18
Update

映画『最愛の子』あらすじネタバレと感想!ラスト結末も

  • Writer :
  • シネマルコヴィッチ

2016年初頭に劇場公開されると、たちまち今年のベスト・テン入り作品だと話題になった作品をご紹介。

実話をもとに描いたピーター・チャン監督の『最愛の子』。

中国の抱えた社会問題を描きつつ、親子の絆を香港映画出身の監督らしい娯楽作品として楽しませてくれる映画です。

映画『最愛の子』の作品情報

【公開】
2016年(中国・香港)

【監督・製作】
ピーター・チャン

【キャスト】

ビッキー・チャオ、ホアン・ボーティ、トン・ダーウェイ、ハオ・レイ、チャン・イーハン、キティ・チャン

【映画の概要】
『ラヴソング』『ウォーロード 男たちの誓い』などで知られる香港映画のピーター・チャン監督の作品。

監督が偶然観ていた児童誘拐の報道番組がきっかけで、実話をもとに製作された映画だが、娯楽作としての質の高いエンターテーメント性が見られる作品です。

映画『最愛の子』のあらすじとネタバレ

最愛の子
(C)2014 We Pictures Ltd.

新興都市である中国の深圳。その片隅にある路地でネットカフェを営んでいるティエン。

ティエンの息子ポンポンは、週に一度の母親との面会の日、別れを惜しむ元妻ジュアン…。

戻ってきたポンポンは、ティエンが、客との対応で目を離した隙に、近所の子が遊びに誘い出し店を出て行きます。

ポンポンは、偶然、帰っていく母親の車を見つけてその後を追いかけて行きます。

しかし、母親ジュアンの乗った車が停止することはありませんでした。

すると、物陰からポンポンは何者かによって連れ去られてしまいます。

ティエンは、一向に帰宅しないポンポンを心配して、警察に誘拐捜索の相談に行きます。

しかし、刑事は、失踪後24時間経たないと事件性があるとは言えないと門前払い。

ティエンは夜の街を必死にポンポンを探し歩きます。でも、見つかることはできませんでした。

やがて、ティエンは、テレビ番組で呼びかけをしたり、インターネットで情報提供を呼びかけます。

しかし、寄せられる情報は、偽の情報で誘拐された親をもてあそぶイタズラなどもあります。

中でも報酬金が目当ての犯罪に近いものまで、ティアンは巻き込まれてしまいます。

愛する息子ポンポンも見つからず、ティエンは、時間ばかりが過ぎていく中で苛立ちを隠せません。

一方で2年が経ち、元妻ジュアンは現在の夫から自分たちの子どもつくろうとせがまれます。

しかし、ポンポンのことが忘れられないジュアンは求めに応じません。

ある日、ティエンは、気落ちしていた元妻ジュアンを、行方不明の児童を探す親たちの被害者の会に誘います。

会の代表ハンを中心に、親たち全員がお互いを励ましながら、行方不明の子どもの手がかりを探していました。

元夫婦のティエンとジュアンも、同じような境遇の仲間の元に参加するようになっていくのです。

被害者の会では、独自に刑事からの情報収集や、収監された誘拐犯たちとも面会をしたり、自分たちの子どもの手掛かりは無いか必死で捜索して行きます…。

以下、『最愛の子』ネタバレ・結末の記載がございます。『最愛の子』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
そんなある日、ティエンの携帯にポンポンの情報が寄せられます。

ティアンは、ジュアンと被害者の会の代表ハンと一緒に、目撃情報のあった農村に出かけてみます。

高台からティアンとジュアンが、ある家の裏庭から覗いてみると、息子ポンポンに似ている男の子がいました。

ハンが告げた警察の到着を待ち待機しようという約束も忘れ、ティエンとジュアンは男の子の元に向かいます。

ティエンは、男の子を抱きかかえ走り出します。

屋内からその様子を見つけた男の子の母親らしき女が飛び出して、男の子を抱えたティエンたちを追いかけます。

必死でポンポンを連れ戻そうと逃げるティエンとジュアン。

泣き叫ぶポンポン。その後を泣きながら母親が追いかけ、村人たちも見知らすティエンたちを捕まえようと追いかけます。

そこに、ハンの呼んでいた警察がパトカー到着、騒ぎを鎮める銃声を空に響かせます。

警察署で事情聴取を受ける男の子の母親ホンチン。

すると男の子は実子ではなく、今では亡くなってしまった夫が連れてきた養子だと言います。

刑事は、その夫が防犯カメラでポンポンを誘拐した際の証拠を見せ、夫は誘拐容疑者とホンチンに迫ります。

そこに、刑事が女の子を連れて入ってきます。ホンチンは自分の子ではないと言いますが、刑事の質問に答えた女の子は母親だと指をさします。

2人の子どもと引き離されたホンチンは、逃走をはかり刑事と揉めて警察署に拘留されてしまいます。

DNA鑑定を済ませたティエンとジュアンは、ポンポンを連れて帰理ます。

しかし、幼かったポンポンには昔の記憶が全くありません、彼らが本当の両親であるとポンポンには認識は持てませんでした。

ポンポンにとっては、すでにホンチンが母親になっていたのです。

一方で、ホンチンは、警察が誘拐を断定するだけのの証拠もなく、公務執行妨害の罪のみで半年後に出所します。

子どもたちのことが忘れられないホンチンは、深圳に上京します。

ポンポンのことは、もうどうしようもできなかったが、養護施設に預けられた娘だけは連れ戻したいと、施設を相手に裁判を起こそうとするのです。

弁護士事務所からは門前払いでしたが、世間知らずの田舎者のホンチンを相手にしてくれません。

しかし、同郷出身のカオ弁護士と出会ったことで協力の何度も申し出るホンチン。

カオは、徐々にホンチンに同情するようになると、娘が捨て子であったことを証明しようと努力をしていきます。

ホンチンの亡くなった夫の元同僚を訪ねますが、その男は、面倒に巻き込まれたく無いと、証言をしないと言い張ります。

ホンチンは、夜に話がしたいとその男を誘い、性行為の代償までして、裁判の証言をしてもらいます。

また、一方で、ポンポンを取り戻したジュアンは、妹思いのポンポンの様子を見ながら施設から妹も引き取る決意をします。

しかし、裁判の当日。ジュアンは、再婚相手から離婚しようと言われる情報を、裁判所の協議でカオ弁護士に暴露されます。

ジュリアンは、ポンポンの妹を引き取るための養育権に該当しないことになってします。

また、裁判所は、誘拐容疑者の元妻ホンチンの裁判請求には初めから応じるつもりもなかったのです。

カオ弁護士は、絶望するホンチンに、次の裁判を待つことを提案します。

しばらくは、次の就職先が決まるまでは、カオ弁護士の認知症の母親の面倒を働き口に提案。

健康診断受けに行ったホンチンは、看護婦から妊娠を告げられます。あの時の夫の元同僚の子どもです。

病院の廊下で泣き崩れるホンチン。彼女は不妊症ではなかったのです…。

エンディングには、実際に起きた事件当時のニュース映像が流れます。

さらに、現在のその親子が登場すると、映画の中で自分たち演じた俳優陣と面会を実際にします。

また、今も離れ離れの施設の女の子も様子も映像で登場します。

映画『最愛の子』の感想と評価

最愛の子
(C)2014 We Pictures Ltd.

中国では公表されているだけで、年間1万人の子どもたちが行方不明となり、累計およそ20万人にも及ぶ子どもが誘拐されているといわれます。

この背景には、中国の急激な経済発展にともない生じた格差の構造が根底にあり、映画でも地域、民族、学歴、職業などの様々な格差を描いていきます。

また、この作品では、「赤色」が各所に散りばめられ、繰り返し登場します。

「赤」に対する、監督のこだわりと演出の意図を感じさせます。

 冒頭の深圳に暮らす父親ティエンの赤いポロシャツに始まり、電線の目印の赤い紐、母親の自動車を追っていく少年ポンポンの後方にある赤い紐や、ポンポンの赤い靴、赤い風船…など、枚挙にいとまがありません。

「赤色」は、「愛情、勇気、勝利」を意味する一方、「危険、緊張、怒り、争い」を暗示します。

中国の国旗の地色「赤色」は、革命を意味します。

香港のピーター・チャン監督が、中国の社会問題をテーマに挑み、検閲の厳しい中国当局との交渉に苦労した末に完成させたこの作品。

映画にとって重要な色彩設計という表現1つは取り上げても、大きな意味があるように感じますね。

まとめ

最愛の子
(C)2014 We Pictures Ltd.

実話をもとにしながらも、エンターテーメントとして見せる辺りは、香港映画を代表するチャン監督らしさを感じます。

香港映画の特徴は、ジャッキー・チェン映画や、カンフーアクションを思い起こせば、すぐにいくつか要素を挙げられると思います。

例えば、込み入った路地や狭い室内、逃走した際には必ず市場や食べ物、食堂がよく出てきます。

また、建物の屋上を逃げて走り、そこから飛び降りのも香港映画には欠かせない特徴といえます。

『最愛の子』の中でも、その特徴的なシーンはいくつか確認することが出来るのではないでしょうか。

また、作品の大きなテーマである、“生みの親と育ての親という問題”は、国家としての中国と特別地区である香港そのものように感じてなりません。

それらの“自分の意思で選んだ訳ではない状況や環境に揺れる子ども”は、国民そのもの姿ではないでしょうか。

この難しい問題を娯楽としての要素をふんだんに盛り込みながら、最後まで飽きさせずに見せるあたりには秀作。

そして、ピーター・チャン監督の確かな実力を感じられる作品になっています。

どなたも楽しみながら、深いヒューマンドラマを見つめる作品『最愛の子』。

ご覧になられたことのない方は、ぜひ観ていただいて損のないオススメの1本です。

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