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Entry 2022/04/28
Update

『ミークス・カットオフ』ネタバレあらすじ感想と結末の評価解説。西部開拓時に実在したスティーブン・ミークと“真のリーダーという問い”

  • Writer :
  • からさわゆみこ

西部開拓時代の移民が過酷な旅から抱く疑心を描いた作品

今回ご紹介する映画は、“現代アメリカ映画の最重要作家”と評されている、ケリー・ライカート監督の『ミークス・カットオフ』です。

ケリー・ライカート監督は『First Cow』(2020)を、第70回ベルリン国際映画祭コンペティション部門にてノミネートされ、ニューヨーク批評家協会賞(NYFCC)では作品賞を受賞しました。

新天地を求める白人の3家族は西部へ向かうため、近道を知っているというガイドのミークを雇います。

しかし、目的地に到着する2週間を過ぎても、それらしい場所にたどり着かず、3家族は次第にミークに不信感を抱きはじめます。そこへ新たな疑心のきっかけとなる人物が…。

映画『ミークス・カットオフ』の作品情報

(C) 2010 by Thunderegg,LLC.

【公開】
2021年(アメリカ映画)

【監督】
ケリー・ライカート

【脚本】
ジョン・レイモンド

【原題】
Meek’s Cutoff

【キャスト】
ミシェル・ウィリアムズ、ブルース・グリーンウッド、シャーリー・ヘンダーソン、トミー・ネルソン、ニール・ハフ、ポール・ダノ、ゾーイ・カザン、ウィル・パットン、ロッド・ロンドー

【作品概要】
映画『ミークス・カットオフ』は、ケリー・ライカート監督と『ウェンディー&ルーシー』でも脚本を担当したジョン・レイモンドのタッグで描く、実在した移民ガイドのスティーブン・ミークの実話を基にした、西部開拓時代の過酷な移民の物語です。

主役のエミリー・テスロー役にはケリー・ライカート監督作品『ウェンディ&ルーシー』にも出演し、『マリリン 7日間の恋』(2011)でマリリン・モンローを演じてアカデミー賞ノミネートされた、ミシェル・ウィリアムズが務めます。

スティーブン・ミーク役は『13デイズ』でジョン・F・ケネディを演じ、『スター・トレック』(2009)などにも出演したブルース・グリーンウッドが演じ、ソロモン・テスロー役には『ウェンディ&ルーシー』にも出演し、韓国出身のアメリカ移民を描いた映画『ミナリ』に出演した、ウィル・パットンが演じます。

映画『ミークス・カットオフ』のあらすじとネタバレ

(C) 2010 by Thunderegg,LLC.

1845年、オレゴンカントリー(ウィラメットバレー)への移住が盛んになり、テスロウ、ホワイト、ゲイトリーの3家族も新天地を目指し移動していました。

家財道具を載せた“ワゴン”と呼ばれる幌牛車と3家族が川を渡ると、彼らは川の水を汲み、洗い物を済ませ、若い男が倒れた古木に”LOST(迷子)”と文字を刻むと、進路を進めるために出発します。

野営をした翌朝、ホワイト家は息子のジミーが、聖書を朗読することから始まります。テスロー家は簡単な朝食をとり、ゲイトリー家のトーマスは焚火の始末をします。

小さなテントから初老の男が出てきて、朝日を浴びながら伸びをします。彼は3家族がガイドとして雇った、スティーブン・ミークです。

ひび割れた広大な荒野を一行は移動し始めます。ミークは弟のジョーが避難した洞窟で、ヒグマと遭遇し、格闘した話をジミーにしています。

外は嵐、洞窟には眠っているヒグマ・・・、進んでも退いても「死」しか予感できない、そんな状況下で果敢に闘って、生き延びた話です。

次の野営地に到着し陽が落ちた頃、エミリー・テスローは夫ソロモンに、男たちで何を話し合っていたのか聞きます。

トーマスがミークについて、わざと自分達をさまよわせているのではないかと、疑い始めていると言います。

その頃のアメリカ西部では、イギリス人とアメリカ人が領土争いをしていたため、移民たちの入植を阻止しようと、イギリス人がミークを雇っているのではと疑いました。

そもそも不信の原因はミークが当初、2週間で目的地に到着すると説明したにもかかわらず、すでに5週間も経っていたからです。

移民家族は高地砂漠を延々と歩く過酷な旅となり、水の不足が深刻になりはじめていました。

岩陰で休憩する一行は野営を組むか、先を進むか話し合いミークと意見が分かれます。少しでも先に進みたい一行ですが、ミークは近くに見えそうな岩山も実際は遠いと反対します。

水があるかもしれないという可能性に、進むことに決めた一行は出発します。水が必要なのは人間だけではなく、荷を運ぶ牛や馬にも与えなければ、死んでしまうからです。

ホワイト家の夫人グローリーは、夫のウィリアムに食事を勧めますが、彼は食料を温存するため食べようとしません。そんなホワイト家にエミリーは、パンのおすそ分けをします。

ミークはゲイトリー夫妻に、コロンビア川周辺での毛皮商は、ビーバーを乱獲したため衰退したと話します。

トーマスはがっかりしますが、ミークは大地の恵みはビーバーだけではないと、新天地には金になる資源があると、期待するように言います。

次の日、テスロー夫妻は牛の負担を軽くするため、ワゴンの荷物を減らしていきます。道なき道の石をどけて歩くジミーに、エミリーは水を与えます。

そして、自分も水を飲もうと水筒に口をつけようとした時、遥か岩山の上に馬に乗った人影をみつけました。

その時ミークは一行から離れていませんでした。家族たちは彼は逃げたと思い、トーマスがミークは戻って来ないだろうと疑い始めると、ミークは水場を発見して帰ってきました。

一行の期待は勇み足に終わります。ミークが発見した湖の水は、動物すら飲まないアルカリ性だったからです。

湖の前でソロモンは北に行き、コロンビア川の移民団と合流することを提案します。しかし、ミークは西あるいは南への移動を主張しました。

結局、ミークは解雇され北へ向かうことに決まり、男たちは水を探しに出かけてしまいます。

夕方、残った女たちが焚き木拾いをしていると、エミリーの目の前に先住民が立っていました。彼女が岩山で見た白い馬もいたので、同じ人間だと思います。

エミリーは動転して野営に戻ると、慌ててショットガンを持ち出し、空に向かって威嚇射撃します。

その晩、エミリーは先住民についてミークに報告します。ミークは先住民の特徴を聞き、それは攻撃的な部族のカイユースではないかと言います。

以下、『ミークス・カットオフ』のネタバレ・結末の記載がございます。『ミークス・カットオフ』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

(C) 2010 by Thunderegg,LLC.

次の日、出発しようとすると、ワゴンの車軸が壊れていて、男たちは修理をはじめます。時間を持て余した女性陣は編み物を始めました。

ミークはジミーと話をしていましたが、ジミーが散策に行ってしまうと、編み物をしている女たちに話しかけます。

エミリーはミークにもこの旅にもうんざりしていました。道に迷っていると思うエミリーに、ミークは新たに開拓していると否定し、安心するよう言いました。

そして、女のことをわかっていないとエミリーが言うと、ミークは女の本質は混沌、男の本質は破壊だと、男女の違いについて自論を語りました。

そこへジミーが金の粒を拾って戻ってきます。トーマスはそれを見て興奮し、どこにあったのか聞きます。ジミーは溝にいっぱいあったと答えます。

ミークは本物の金だと言い、彼が大地の恵みがあると示した通り、これは神による導きだと言います。

ところがソロモンは金は飲めない、今は水を探しに行こうと皆を促します。トーマスはあとで戻ってこられるよう、道しるべを残して旅を再開します。

途中で好奇心旺盛なジミーは、岩山からエミリーが遭ったという先住民を見たと叫びます。去って行った方をミークとソロモンは追いかけて行きます。

ソロモンを心配するエミリーは岩山に椅子を置いて座り、帰ってくるのを見守っています。しばらくすると馬に乗った人影が2つと、もう1人の影が近づいてくるのをみました。

2人は先住民を捕まえて帰ってきました。男の頭からは流血しミークが暴力をふるったことがわかりました。それでも男は落ち着きはらって白人達を見つめます。

ミークは男を野蛮な部族だと決めつけ、今すぐ殺すべきだと言いますが、ソロモンはこの辺の人間なら土地勘があり、水の在りかを知っていると考えます。

最初は男を連れていくことに反対した一行も、ソロモンの考えに同意し旅に同行させることにしました。

ところが言語の違う男には、彼らが求めていることが通じません。お互いにコミュニケーションを取ろうとしますが、意思疎通はできませんでした。

その晩、エミリーは男に夕食を分け与えます。餓えた彼はそれを口にしますが、空になった皿を投げ、食べたものは吐き出しました。

深夜、男は満月に向かって何かをしゃべりだします。その声は闇の中で響き渡り、エミリーはその声で目覚めます。彼の言葉は祈りを捧げているようでした。

翌日から男の縄を解き彼の後を追う旅になります。彼は遥かに見える山へと向かいました。ソロモンは磁石を見つめ、ミークは「ブルー山脈が見えた」とつぶやきます。

男はブツブツとしゃべり続けながら、歩き続けています。その姿を興味深げにみつめるエミリーにミークは、「奴は人殺しだ」と離れるよう忠告しました。

しかし、エミリーは岩に絵を彫っている男に水を差しだし、コンタクトを試みます。男は水を飲み干すとコップを地面に優しく置きました。

次にエミリーは男の破けた靴を指さし、脱ぐようにジェスチャーします。男が靴を脱ぐと彼女は受け取り、縫い目のほつれた部分を修理をしてあげました。

エミリーは男にあと何日で着くのか聞きますが、男はしゃがんで彼女の目線になり、黙って聞いているだけです。しかし、その目は穏やかで優しいものでした。

ミークはエミリーに男の様子を聞くと、彼女は自分達と同じで餓えて水を欲していると言います。

するとミークは自らの武勇伝を話し始めますが、それは無防備の先住民をミズーリ川に追い込み、顔を出すと躊躇なく銃で撃ち殺したというものでした。

ある日の晩、ゲートリー夫妻が外で騒いでいました。トーマスが男の描いた絵を見て、仲間に何かメッセージを残していると叫びます。

男が行く先々の岩に何かを描いていたからです。しかし、ソロモンはこれは彼らの宗教上のものであろうと諭し、メッセージではないと不安がる皆を説得しました。

ところがトーマスに感化されたミリーは、道中に誰かの残した道しるべを見つけると、先住民のメッセージだと取り乱してしまい、トーマスがなだめても効果はありませんでした。

男は崖を目の前に立ち止まり、身振り手振りで語り始めます。皆は奇異な目で見つめますが、エミリーは解読しようと真剣にみつめます。

そして、目的地はもうすぐで、丘を越えた向こうにあると解釈します。一行はその言葉を信じて、向かうことを決心し動き出します。

しかし、その前にワゴンを谷の下に降ろす必要がありました。力を合わせて1台1台ゆっくり降ろします。ミークが男の様子を見ると彼は、我関せずと言う風に眺めていました。

最後にテスロー家のワゴンを下す番です。そこで、ロープが外れる事態になり、勢いよく下ると、大破し貴重な水も失ってしまいました。それを見ていた男の目は笑っていました。

壊れたワゴンからテスロー家の荷物を荷台に移し始めると、ミリーはこれも彼の計画だと騒ぎ始めます。

男は壊れた水樽に土を蹴ってかけていました。そして、必要最低限の物を集めていると、男もまた興味深そうに、物色し始めました。

ミークはそれを目撃するとやめるよう激怒しますが、エミリーは好きにさせていいと言います。男はエミリーの使っていた裁縫道具に興味を持っていました。

その様子を見てミークはついに彼に銃を向けます。ソロモンは無用な殺しはしないよう言います。そして、エミリーも殺害を阻止するように、ミークに銃を向けました。

ミークは先住民の怖ろしさは知っていましたが、エミリーが丘の向こうに何があるのか、誰も知らない賭けにでていると知り銃を下ろします。

その日の晩、テスロー夫妻はホワイト家族と夕食を食べ、グローリーの昔話を聞きながら、和やかにすごしました。

食事が済みテントに戻ったソロモンは、エミリーに男を信用するのか問います。エミリーは信用できるとは言えない、ソロモンを信じていると答えました。

エミリーはソロモンが男を信用していると思っていましたが、エミリーがミークを嫌うがあまり、男に傾倒していると感じ、自分の判断に誤りがあったと思い始めていました。

次の日、歩きはじめた一行は岩壁に、先住民の描いたと思われる絵を見ます。行けども行けども荒野が続き、とうとうウィリアムが倒れてしまいました。

何日も食べ物や水を口にしていないと、グローリーは嘆きます。そこに男が近寄ってくると、何か言葉を話すと唄を歌い始めます。

ウイリアムは水を少し飲み、荷台に寝かされ再び歩き始めます。しばらく行くとソロモンが止まるように言います。

彼が荒野の先に緑の葉を生やす木をみつけたからです。ジミーは水がなければ木は育たないと言います。

コロンビア川が近いのか、別の土地なのかもはやわからない状態で、ミリーは今ならコロンビア川に戻れると言います。

ソロモンはグローリーにどうしたいか尋ね、彼女は選ぶ道はもうなく、先に進むしかないと言います。

最後にトーマスがミークに問うと、彼はテスロー夫妻に従うと告げ、つまりこの先は先住民の男に従う運命なのだと言います。

エミリーは木の枝の隙間から男を見つめます。すると男もエミリーを見ますが、やがて背を向け歩き始めました。道なき荒野を進んでいきます。

映画『ミークス・カットオフ』の感想と評価

(C) 2010 by Thunderegg,LLC.

2021年に本作を含む初期の4作が『ケリー・ライカートの映画たち 漂流のアメリカ』と題され劇場公開されました。

女流監督でアメリカ西部を舞台にした作品といえば、アカデミー賞にもノミネートされた『パワー・オブ・ザ・ドック』(2021)のジェーン・カンピオン監督がいます。

そして、カンピオン監督は『ピアノ・レッスン』(1994)で、ニュージーランドの先住民族とのラブストーリーも描いています。

女性監督の目線で描かれる先住民族との関係は、暴力と偏見がいかに無意味であるかを象徴しているように感じます。

そして、男性がいかに武勇伝をステータスとして、重んじているのかを伝えています。

西部開拓時代に実在した「スティーブン・ミーク」

映画『ミークス・カットオフ』の「Meek’s Cutoff」とは“ミークの分かれ道”と言う意味です。それが何を意味したのか考えていきます。

オレゴントレイルとは、ミズーリ州からカンザス州、ネブラスカ州、ワイオミング州、アイダホ州およびオレゴン州にまたがる、冒険家や移民たちが開拓した経路です。

1830年代には毛皮交易で栄え、ミークも猟師で生計を立てていました。ところが1930年代後半には乱獲が横行し、毛皮となるビーバーも絶滅の危機に・・・ミークは失業していました。

1840年代に開拓集団が到着するようになると、オレゴンは領地の争奪で、アメリカ人とイギリス人が争っていました(オレゴン協会紛争)。

そんな時、オレゴン東部の地理に詳しいミークは、オレゴンカントリーへ移住をする人々をガイドする役目となりました。

すでに多くの人々が正規のオレゴントレイルを通って、コロラド川周辺の地域に入植をしていきましたが、ミークは到着してもそこにはすでにめぼしい資源はないとわかっていました。

また1945年、オレゴントレイルでは白人を狙った先住民の虐殺が噂されていたため、ミークはあえて別のルートを切り開こうと考えます。

その出発点となったのは「ベール」という地域で、これが「ミークス・カットオフ」の由来となります。

北西の正規ルートへ行く大きなグループと、ミークの提案に同意し西へ向かう小さなグループとで分かれます。

彼らの過酷な旅はミークの発見したアルカリ湖(ハーニー盆地)で、新たな明暗を分けます。移民たちはミークの意見を聞かなくなり、進路を北に変えました。

北に向かっている途中、ジミーが金の粒を発見します。ジミーは青いバケツを持っていましたが、そこに留まっていればバケツ一杯の金が発掘できたという、「ロストブルーバケットマイン」という伝説が実際に残っています。

ミークは南の進路にこだわっていましたが、後にカリフォルニアでゴールドラッシュが起こるので、その伏線とも見ることができます。

先住民による道案内も史実にあり、彼に毛布と引き換えに水場の案内を頼んでいます。この作品のラストシーンの先には「デシューツ川」が見えてくるはずです。

希望の旅から疑心暗鬼の旅へ、本物のリーダーとは?

(C) 2010 by Thunderegg,LLC.

ミークはエミリー達に嘘をついてまで、ウィラメットバレーまでの新しいルートを開きたかったのか?あるいは南の地に新天地を探しに行くつもりだったのか?

この作品では史実にはない、ミークの野望も見え隠れします。彼は猟師であり探検家でもありました。そうであれば、名を残す偉業を成し遂げたかったとも思えます。

しかし、彼の嘘やその場しのぎの強引な行動に、次第にリーダーとしての資質が問われるようになり、移民者達からの信頼が失われました。

現代社会の中でも経営者の判断ミスで、大きな損失を出すことや、プロチームの監督であれば采配次第で、ゲームの行方が変わったりもします。

何かあれば責任が問われ、時と次第によってはリーダーが交代します。この旅でいえばミークからソロモンへと変わります。

ミークは何者かもわからない先住民に対し、ただの怯えから暴力をふるい、白人の正義をふるいかざすだけでした。

彼は先住民に「敬意を払え」と叫びますが、勝手に侵攻してきた白人こそが、彼らに敬意を払うべきなのです。

また、根拠のない先住民に対する偏見で、若い夫婦を怯えさせ混乱させました。しかし、本物のリーダーがソロモンともいえません。

女に意見や決定権がない時代、エミリーは野蛮な態度の先住民に、信頼にも似た期待を込め、親切に接し食べ物や水を与え、まず自分達の“誠意”を示しました

エミリーは理屈ではなく、道理としてその土地で暮し、地理もわかる者に対して、真摯に理解しようと努力し、先住民の男に道案内を期待しました。

ミークへの不信以上に生命への不安と恐怖があり、その恐怖は先住民の男も同じだと感じたからです。

そんなエミリーに対してソロモンは、ただの好き嫌いで判断していると思っています。彼は先住民を利用しようとしただけで、エミリーのような誠意がなかったからです。

ラストでは男がエミリーの裁縫道具とスキレットを持ち、黙って先を歩いて行きます。その前の2人のアイコンタクトには、信頼関係が築けた・・・そんな雰囲気が漂っていました。

まとめ

(C) 2010 by Thunderegg,LLC.

映画『ミークス・カットオフ』は実在したスティーブン・ミークと、ソロモン・テスロー一行との史実を基に、過酷な移動の旅を描きました。

そして、未知で過酷な状況の中、不安を払拭しチームをまとめて、最善な方へと導くリーダー力についても描かれています。

エミリーには大変な時には「お互い様」という気持ちや、郷に入っては郷に従うという概念がありました。

知ったかぶることや人を下に見る、偏ったプライドがいかに人を危険にさらすのかを伝えています。

作品では旅の結末は描かれませんでしたが、史実には多くの犠牲をはらいつつも、目的地に到着したとあります。それには先住民の助けもあったとありました。

処世術にはいろいろありますが、自業自得でいうならば人に善くしておけば、悪いようにはならない、そのことを教えてくれた作品です。

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