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Entry 2026/02/08
Update

【映画ネタバレ】ほどなく、お別れです|あらすじ感想と結末評価。キャストの目黒蓮が演じる漆原の過去が与える深い感銘

  • Writer :
  • 星野しげみ

目指すは最高の葬儀!心からのお見送りが感動を呼ぶ映画『ほどなく、お別れです』

映画『ほどなく、お別れです』は、「小学館文庫小説賞」大賞を受賞した長月天音の同名ベストセラー小説を、浜辺美波と目黒蓮の主演で、『アキラとあきら』(2022)『今夜、世界からこの恋が消えても』(2022)などの三木孝浩監督が映画化した作品です。

葬儀会社に就職したヒロインが、指南役の葬祭プランナーとともに「最高の葬儀」を目指す姿を描き出します。

この世から旅立つ人の現世への思い……。愛や思い出など、言葉では言い尽くせない旅立つ人の気持ちを、主人公たちが出来る限りの形で遺族に伝え、最高のお見送りを成し遂げようとします。

涙なしでは観れないと噂される映画『ほどなく、お別れです』を、ネタバレありでご紹介します。

映画『ほどなく、お別れです』の作品情報


(C)2026「ほどなく、お別れです」製作委員会

【日本公開】
2026年(日本映画)

【原作】
長月天音『ほどなく、お別れです』

【監督】
三木孝浩

【脚本】
本田隆朗

【音楽】
亀田誠治

【キャスト】
浜辺美波、目黒蓮、森田望智、古川琴音、北村匠海、志田未来、渡邊圭祐、野波麻帆、西垣匠、久保史緒里、原田泰造、光石研、鈴木浩介、永作博美、夏木マリ

【作品概要】
長月天音の人気小説『ほどなく、お別れです』を原作とした本作は、『今夜、世界からこの恋が消えても』(2022)などの三木孝浩監督が取りまとめました。

主人公の美空役を浜辺美波、美空の先輩の漆原役を目黒蓮がそれぞれ演じます。森田望智、光石研、志田未来、渡邊圭祐、古川琴音、北村匠海ら豪華キャストも顔を揃えました。脚本を担当したのは、ドラマ『ライオンのおやつ』の本田隆朗。

映画『ほどなく、お別れです』のあらすじとネタバレ


(C)2026「ほどなく、お別れです」製作委員会

東京スカイツリーに近いところの葬儀場・坂東会館では、2つの告別式の予定が入っていました。

就活中の女子大生・清水美空(浜辺美波)は、立て続けに来る就活不採用メールに落ち込みながらも、通っている大学教授の告別式に参列するために、坂東会館にやって来ました。

同じ頃、坂東会館では、臨月の妻を送る柳沢家の告別式も行われようとしていました。

喪主である柳沢亮太(北村匠海)は、歩道橋からの転落事故で出産間近の妻とお腹の子を亡くし、呆然としていました。

告別式を進行する葬祭プランナーの漆原礼二(目黒蓮)は、同僚の赤坂陽子(森田望智)に、亮太を親族控室で休ませるよう指示を出します。

一方、教授の告別式に参列した美空は出口へ向かう途中、大きなお腹をした普段着姿の女性を見かけました。美空の視線に気が付いた彼女は、まっすぐ美空を見て「お願いがあります」と話しかけてきました。

亮太の様子を見に行こうとした漆原は、柳沢家の式場の入り口で誰かと話している様子の美空を見ました。美空は漆原に気が付くと、「お腹の大きな女性から、控室にあるバッグの中身を棺の中に入れてほしい」という伝言を預かったと言います。

「いったい、誰から」と漆原が言うと、美空は祭壇を見つめました。そこには美空が話していた女性とそっくりの遺影が飾られていました。

女性が誰か気が付いた、漆原と美空。「こんなこと、気味が悪いですよね」と叫んで帰ろうとする美空の腕を抑え、漆原は「君から喪主に伝えてくれ」と言いました。

美空は漆原とともに亮太の元へ行き、伝言を伝えました。バッグの中には、赤ちゃんのおむつが入っていました。

「きっと、あちらの世界で奥さんは赤ちゃんを育てるつもりなんですよ」漆原は亮太にささやきます。

そして美空は「赤ちゃんと一緒に見守っているから、亮太さんは生きてね」という、女性からのもう一つの伝言も伝えました。

泣き崩れていた亮太は、少し前向きな気持ちになったようです。滞りなく進む告別式で、司会を務める漆原の声が厳かに響きます。「ほどなく、お別れです」。

その後、美空の持つ「亡くなった人が見える」能力に気が付いた漆原は、就活中の美空をスカウト。葬祭プランナーとして、葬儀社で働くよう、強く勧めてきました。

美空は自分の能力を隠していましたので、その能力は家族の者は誰も知りません。漆原は、葬祭プランナーという職業を美空の両親に説明し、美空はやっとインターンとして坂東会館で働くことの了承を得ることができたのでした。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『ほどなく、お別れです』ネタバレ・結末の記載がございます。『ほどなく、お別れです』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


(C)2026「ほどなく、お別れです」製作委員会

インターンとしての毎日が始まりましたが、仕事に厳しい漆原の指導を受け、美空はへとへとになっていました。

ある日、美空は漆原からお寺で行われる、5歳の少女の葬儀を手伝うように言われました。

それは先天性の心疾患でずっと病院暮らしだった比奈という少女でした。美空は泣き崩れる比奈の両親の側にまとわりつくようにくっついている比奈の姿を見つけます。

比奈は自分の死が理解できず、自分だけ遠いところへ行かねばならないのが納得できない様子でした。

その夜、美空は自宅で祖母の花子(夏木マリ)に、自分が生まれた時に亡くなった5歳の姉・美鳥のことを聞きました。美鳥は、美空が生まれた時、病院へ面会に行く途中で河川敷を祖母と歩いていて、誤って川に落ちて死んだのです。

美鳥の話はなぜか家族間でタブーとされています。ですが、花子は自分が逝くときは美鳥が迎えに来てくれるはずだと言いました。

翌朝、寺の庭にいた比奈に美空は、「少しの間だけみなより早くあちらの世界へ行くだけだ。時期が来たらみんなをお迎えにくればいいのよ」と優しく語りました。比奈は納得したようでした。

そして比奈の願いごとも美空を聞いてあげます。比奈は願いどおりに、母親に三つ編みをしてもらいました。比奈が大事にしていたカンガルーのぬいぐるみは、形見として母親が預かることとなりました。

5歳の少女は、漆原の声に送られて旅立ちました。一方、その夜、美空の祖母・花子は患っていた心臓病が悪化して入院します。

それからしばらくして、会社では交通事故で亡くなった長野敬子という女性の葬儀が予定されました。離婚したという彼女は、本当はわけあって離婚した元夫に会いたいようでした。

美空は彼女の霊から話を聞き、不仲になっていた子供たちとその父の間を取り持ちます。敬子の葬儀が終わったとき、漆原は自分も喪主を経験したと告白します。

6年前に最愛の妻を交通事故で亡くしたのだそうです。そして、漆原は「もっと逝く人の気持ちにも目を向けるべきなのに、いまだに区切りなんてつけられない、遺族のままだ」と語りました。

美空は、「漆原さんと一緒に、区切りの儀式を目指したい」と心に誓いました。

そんなある日、美空は両親から入院中の祖母の余命が長くないことを聞かされました。それを知った漆原は、勤務中にもかかわらず、「会えなくなってから自分を責めても、時間は取り戻せない」と言って、美空を祖母のいる病院へと送り届けました。

病室では自らの死を悟った花子が美空に語ります。「向こうでおじいさんと美鳥が待っているから、何も怖くない」。
「美空が来るまで空から見守っている。ちょっとの間お別れするだけだ」と。

そして花子は旅立ちました。祖母が河川敷で美鳥と歩いていた時の事故は、美空の母と祖母の心に深い爪痕を残していました。

亡くなった祖母と話をした美空は、これまで黙っていた「亡くなった人が見えるという能力」があることを両親に告げ、祖母が母と同じ気持ちだったことを母に伝えました。

祖母の告別式が終わる頃、美鳥が亡くなった川べりで最期のお見送りをすることになりました。祖母だけでなく姉・美鳥も一緒に見送ろうというのです。

川べりでの儀式。そこで漆原は美空に最期のお別れを告げるのは、君がいいと言います。「故人・清水花子、そして清水美鳥の、旅立ちの準備が整いました。ほどなく、お別れです」。美空は力強く宣言しました。

それから間もなく、美空はインターンを終えて正式な葬祭プランナーとなりました。

ですが、姉・美鳥が祖母と一緒に逝ってしまったせいか、もう以前のような「見える力」はなくなったようです。だから役に立たないのではないかと、漆原に告げます。

漆原は「不思議な力がなくても、君は立派にやっていける」と美空を励ましました。

映画『ほどなく、お別れです』の感想と評価


(C)2026「ほどなく、お別れです」製作委員会

原作小説との違い

死者が見える女子大生清水美空が、葬儀会社に就職して、亡き人への心のこもったお見送りをする物語『ほどなく、お別れです』。

原作は「小学館文庫小説賞」大賞を受賞した長月天音の同名ベストセラーシリーズです。美空と指南役の葬祭プランナー漆原との掛け合いは原作通りのユニークなもので、ほのぼのとした名コンビぶりが伝わってきます。

その一方で原作との大きな違いもありました。

漆原の片腕とも言える霊の存在を感じることのできる僧侶・里見がいないこと。原作では居るのですが……。そして、漆原が妻帯者で妻を事故で亡くしていることです。

里見が映画でも登場していれば、もっと深く霊の存在と死後の世界のことが描かれたのでしょう。

ですが、里見の代わりに漆原の妻を設定し、漆原自身が‟見送る側の人”の経験を持つことで、葬祭プランナーとしてのリアルな意識を持たせたと言えます

劇中で漆原が語る、「もっと逝く人の気持ちにも目を向けるべきなのに、いまだに区切りなんてつけられない、遺族のままだ」という言葉には、急に別れることになった人への、果たせなかった約束についての後悔が込められているのです。

時間は戻せません。先が短いとわかっている人には、出来る限り近くで見守ってあげるのが一番なのでしょう。あとで後悔しないように……。

切ない体験を持つ葬祭プランナー・漆原の、故人との別れを惜しむ人に寄り添う姿に胸を打たれます

葬儀セレモニーを知る


(C)2026「ほどなく、お別れです」製作委員会

ところで、葬儀について一般の人はどれだけ知っているのでしょう。

親しい人が逝ってしまった場合、葬儀会社の人の誘導に任せて式次第をやり通すことで精一杯なのではないでしょうか。

告別式の裏側で葬儀会社のスタッフが何をしているのか。本作ではその人々にもスポットを当てていると言えます。

劇中の漆原は、葬祭プランナーと納棺師を兼ねている優秀な人物でした。この2つを兼ねている人は意外と少ないそうです。

納棺師は、ご遺体に直接触れて、化粧をし装束を整えます。作法にのっとり、心を込めながら一連の所作をこなします。

漆原演じる目黒蓮のこのシーンは、厳かな雰囲気の中でも死者への敬意のこもった美しいものとなっていました。目黒蓮のファンならずとも、その一連の動作に魅入ってしまうことは間違いありません。

納棺師の仕事を描いた映画としては、2008年の本木雅弘主演の『おくりびと』があります。この作品との違いは、納棺師だけでなく、霊が見える美空を通して、死者の気持ちを代弁させているところでしょう。

本作は、主役の清水美空を演じる浜辺美波のストレートな表現力と相まって、葬儀を舞台にし、亡くなった人を送り出すセレモニーの大切さを諭してくれる作品となっていました。

まとめ


(C)2026「ほどなく、お別れです」製作委員会

浜辺美波と目黒蓮がW主演を演じた『ほどなく、お別れです』をネタバレありでご紹介しました。

亡くなった人をどう送ってあげれば喜んでもらえるのか、また残された遺族が一番心を和ませる葬儀とはどんなものなのか。

主役の2人は自分たちの経験から、最高の葬儀を目指そうとします。逝く人も残された遺族も心からのお別れが出来るようにとお手伝いをする2人に、胸が熱くなることは間違いありません。

「ほどなく、お別れです」のフレーズの奥には、つかの間のお別れという意味があるようです。鑑賞後は、いつか誰にでも訪れる‟その日”が、怖いものではなくなることでしょう。




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