作家長月天音の小説『ほどなく、お別れです』が映画化決定!
長月天音のデビュー作である小説『ほどなく、お別れです』は、「小学館文庫小説賞」の大賞受賞作です。
作者は夫の5年にわたる闘病生活の末に死別し、悲しみの中、同じように悲しい想いをしている人を救いたい、そして、自身も書くことで救われるかもしれない…という想いで、2年の歳月をかけてこの小説を執筆しました。

(C)2026「ほどなく、お別れです」製作委員会
本作は、就職活動に全敗し途方に暮れるなか、とあるきっかけで葬儀会社にインターンとして就職したヒロインと、そんな彼女を厳しく指導する指南役の葬祭プランナーがタッグを組み、“最高の葬儀”を目指す感動の物語で、シリーズとして3作が発刊されています。
そんな作品が、浜辺美波と目黒蓮(Snow Man)主演で映画化され、2026年2月6日公開となりました。
映画公開に先駆けて、小説『ほどなく、お別れです』の第一弾をネタバレありでご紹介します。
CONTENTS
小説『ほどなく、お別れです』の主な登場人物
【清水美空】
坂東会館でアルバイトをする女子大生。
【漆原礼二】
坂東会館の職員で、美空の先輩
【里見】
漆原とタッグを組んで葬儀を担当することが多い僧侶。不思議な能力を持っている
小説『ほどなく、お別れです』のあらすじとネタバレ

長月天音『ほどなく、お別れです。』(小学館文庫)
大学生の清水美空は、東京スカイツリーの近くにある葬儀場「坂東会館」でアルバイトをしています。
父親の高校の同級生が「坂東会館」の社長であり、今でも付き合いのある釣り仲間という関係で、美空は大学1年生の時にアルバイトを勧められたのでした。
大学4年になり、就職活動をしますが、連戦連敗。そのうちに、バイトを休んでいた「坂東会館」のスタッフ赤坂陽子から、忙しいので手伝ってほしいと連絡が入ります。
断る理由も特にない美空は、久しぶりにバイトに行くことにしました。
その日の葬儀には、僧侶の里見とコンビを組み、事情を抱えた葬儀ばかりを担当する葬祭プランナー・漆原礼二がいました。
実は美空は普通の人よりも強い霊感を持っていました。目に見えなくてもなんとなくその場の空気で、霊の存在を感じたりしていたのです。
僧侶の里見はもっとはっきりと霊の存在がわかる能力を持っていました。
漆原は、美空にも里見と同じような“能力”が備わっていることに気づき、自らが担当する葬儀のサポートを命じます。
ある日の葬儀は妊婦さんでした。式場への案内係をしていた美空は、冷たい雨の中、臨月間近の大きなお腹をした女性の会葬者と出会います。
案内をする美空にその女性は自分ではもう持てないからと、大きなバッグを式場へ運んでくれるように頼みました。
女性と一緒に式場へ入った美空は、女性がいなくなり大きなバッグだけが残っているのを見ました、そして式場の遺影がその女性そっくりだったことに唖然とします。
そこへやって来た漆原に、美空はバッグをどうしようかと相談します。
漆原と美空は控室にいる女性の夫の元へ行きました。女性は事故死でした。買い物に行って歩道橋の上から階段を踏み外して転落したといいます。
憔悴しきった様子の夫に漆原はバッグを見せて、美空がこのバッグを持ってきた女性と会った話をします。
それは僕の妻だと夫は言い、バッグの中身を確認すると、紙おむつがいっぱいに入っていました。漆原は、夫に声をかけます。
「奥さんは天国で子供を産み、無事に育てるとあなたに伝えたかったのでしょう。だからおむつが必要だと考えたのです。」「奥さんは強く決心されたのですよ。お腹の子供は天国でしっかり育てるから、あなたもこちらで元気に過ごして欲しい」と。
励まされた夫は立ち直ります。夫を取り巻いていた悲しみの空気がゆっくりと薄れていくようでした。
漆原から休憩の許しを得た美空。ひとりで休んでいると、式場から流れて来る読経にのって、「こんなに早くサヨナラすることになってごめんなさい。子供は私がしっかり育てます」という優しい声が聞えて来たような気がしました。
小説『ほどなく、お別れです』の感想と評価
『ほどなく、お別れです』は、葬儀社で働く美空と先輩の漆原が、葬儀を通して亡き人の伝えられなかった思いを知り、人生や家族のつながりを考える心温まる物語で、シリーズとして3作が発刊されています。
父の紹介から葬儀社でアルバイトを始めた大学生の美空。死者を送り出す葬儀のお手伝いをするうちに、自分が霊の気配を感じる能力を持っていることに気が付きます。
美空には、幼い頃に不慮の事故で亡くなった姉の霊がついていました。美空が葬儀社でアルバイトをするようになって、そこで働く漆原や見えないものが見える僧侶の里見が、その存在を教えてくれました。
姉はなぜいつまでも美空についているのでしょうか。その謎は終盤、祖母が亡くなる時に明かされます。
亡き人は、生きている人に対して‟どうしても伝えたいこと”が少なからずあるようです。
霊体となり、生きている人への想いをどうやって伝えたらいいのかと悩む死者に寄り添う形で、葬儀に接してその想いを汲み取ってあげることは、美空だから出来るのです。
これは特殊な能力を持つ美空や里見にしか出来ないことで、死者が見えるのは怖い反面、彼らの気持ちを考えるという優しさを美空は持っていると言えます。
これまで葬儀は死者を送り出す儀式という認識でしたが、実は残された人が亡き人を思い悼み、これからの自分の人生に区切りをつけるために行うものなのかもしれません。
誰もが逃れることのできない「死」という別れを通して、生きることや人を想うことの大切さを教えてくれる作品でした。
映画『ほどなく、お別れです』の見どころ

(C)2026「ほどなく、お別れです」製作委員会
原作を基に、葬儀プランナーの美空と先輩の漆原が故人の葬儀を通して、「故人が納得できる、最高の葬儀」とは何かを模索していく物語です。
葬祭プランナーとは、遺族の希望に沿って亡き人に合った葬儀を提案し、全ての手配と進行(葬儀の段取り、会場設営、式の進行など)を執り行う仕事のこと。
映画では、就職活動全敗の末に、葬儀会社「坂東会館」にインターンとして入社した新人葬祭プランナー・清水美空を浜辺美波、美空をスカウトし厳しく指導する葬祭プランナー・漆原礼二に目黒蓮(Snow Man)が扮しています。
監督は、『きみの瞳が問いかけている』(2020)『今夜、世界からこの恋が消えても』(2022)などを手掛けた三木孝浩が務めました。
様々な思いを抱える遺族や亡き人に必死で向き合う美空と、美空への人遣いの荒さとは裏腹に、遺族や亡き人に対しては誰よりも誠実で、納棺師としての顔も持つ漆原。
上司と部下でもある2人はなにもかもが対照的なのですが、ともに、遺族・亡き人が前を向くきっかけとなる “最高のお見送り”を目指して奮闘します。
甘酸っぱいラブストーリーをいくつも手掛けた三木監督の手腕によって、死者を扱う葬儀に奮闘する2人の奇跡の物語にもラブの花が咲くのかも知れません。
いつどのようにして美空が漆原に惹かれていくのかという期待もあり、2人が目指す“最高のお見送り”を見届けたくなりました。映画の公開をどうぞお楽しみに。
映画『ほどなく、お別れです』の作品情報

(C)2026「ほどなく、お別れです」製作委員会
【日本公開】
2026年(日本映画)
【原作】
『ほどなく、お別れです』(著者・長月天音/小学館文庫より)
【監督】
三木孝浩
【脚本】
本田隆朗
【脚本監修】
岡田惠和
【音楽】
亀田誠治
【キャスト】
浜辺美波、目黒蓮
まとめ

(C)2026「ほどなく、お別れです」製作委員会
長月天音の人気小説『ほどなく、お別れです』をネタバレありでご紹介しました。
葬儀社で働く美空が葬儀で出会う、亡き人の伝えたかった願いや、遺族が届けたかった想いが、さまざまな形で交錯。お互いの気持ちが、つながり合い、最期の区切りがつくように、美空は尽くします。
漆原が遺族に言う「ほどなく、お別れです」という言葉に込められた本当の意味を、美空と一緒に追求してみてください。



































