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韓国映画『クレアのカメラ』あらすじとキャスト。ホン・サンス監督の紹介も

  • Writer :
  • 若松れん

映画『クレアのカメラ』は、7月14日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか、全国順次ロードショー

韓国の鬼才ホン・サンス監督がお気に入りの女優二人を主人公に、カンヌ映画祭の裏側での人間模様を描いた映画『クレアのカメラ』。

自分のカメラで写真を撮ると未来が写るという自説を持つ、ちょっと不思議なクレアがシャッターに収めた男女3人の人生はどう変わっていくのでしょうか…。

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映画『クレアのカメラ』の作品情報

【公開】
2018年7月14日(韓国映画)

【原題】
Clare’s Camera

【監督】
ホン・サンス

【キャスト】

イザベル・ユペール、キム・ミニ、チャン・ミヒ、チョン・ジニョン

【作品概要】
『クレアのカメラ』は、2016年のカンヌ国際映画祭期間中に、ホン・サンス監督がお気に入りの女優二人を起用して製作した中編映画。

映画会社で働いていたマニが、突然女社長に解雇。一人残ったカンヌで、写真を撮ると別人になると自説するクレアという女性と出会い、運命が変わっていく物語。

監督は韓国の鬼才と呼ばれているホン・サンス。クレア役は数多くの賞を受賞しているフランスのベテラン女優イザベル・ユペールが、マニ役は『夜の浜辺でひとり』でベルリン国際映画祭銀熊賞最優秀女優賞を受賞したキム・ミニが演じています。

ホン・サンスのプロフィール

監督作品:夜の海辺でひとり

本作品『クレアのカメラ』の監督を務めたホン・サンスは、『ハハハ』(2010)でカンヌ国際映画祭ある視点賞を受賞し、『Yourself and yours』(2016)には、スペインのサンセバスチャン映画祭で最優秀監督賞を受賞しました。

監督作品『それから』

また、日本でも2018年6月9日(土)には、『それから』が順次公開され、人間ドラマの最高傑作と評されています。

監督は、2016年のカンヌ映画祭で、クレア役のイザベル・ユペールは『エル ELLE』の上映で、マニ役のキム・ミニは『お嬢さん』の上映でカンヌを訪れていた数日間を利用して撮影をおこなったのです。

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『クレアのカメラ』主もキャスト

クレア役/イザベル・ユペール

クレア役を演じているのは、ホン・サンス監督お気に入りの女優だというイザベル・ユペール。

パリのフランス国立高等演劇学校 (コンセルヴァトワール)で演技を学び、1972年に映画デビューしました。

『Violette Nozière』(1978)や『ピアニスト』(2001)で、カンヌ国際映画祭女優賞を受賞し、2009年にはカンヌ国際映画祭の審査委員長を務めたフランスを代表する女優です。

また2017年にはポール・バーホーベン監督による映画『エル ELLE』で、アカデミー賞主演女優賞にノミネート。

イザベルの役者人生の中で、アカデミー賞にノミネートされたのはこれが初となります。

若い頃からフケ顔と言われていたせいか、年齢を重ねても風貌に変化は見られず、63歳という年齢にも係わらず美しさも健在。

派手なメイクに頼らずとも圧倒的な存在感で数々の作品に出演。

容姿はもとより、世界屈指の演劇校であるフランス国立高等演劇学校で磨き抜かれた演技は圧巻です。

マニ役/キム・ミニ

マニ役のキム・ミニはモデルから女優へと転身し、テレビドラマ『学校2』(1999)への出演で注目された韓国の女優です。

キム自ら監督に直談判して出演を勝ち取った韓国のテレビドラマシリーズ『グッバイソロ』への出演は、彼女の女優人生を大きく変えるきっかけとなった作品。

その後も、数多くの韓国製作の映画やドラマに出演し、一躍スターの座を掴んだキムは、映画『夜の浜辺でひとり』(2017年)でヒロインを演じ、ベルリン国際映画祭銀熊賞最優秀女優賞を、韓国人として初めて受賞しました。

ソ監督役/チョン・ジニョン

ソ監督役を演じたのは、1988年に韓国で俳優デビューし、映画『約束』(1998)を初めとする数多くの作品に出演たチョン・ジニョン。

芸能事務所への所属はないまま、国内で数々の受賞を手にし、順調にキャリアを積んで行きました。

主に韓国国内でのドラマを中心に活躍していますが、テレビ番組の進行役を務めるなど活動の幅を広げています。

映画『クレアのカメラ』のあらすじ

韓国の映画会社で働いているマニは、社長のナムから最も信頼されている社員でした。

仕事でカンヌ映画祭を訪れていたマニでしたが、突然社長から解雇を言い渡され、アパートも追い出されてしまうことに。

社長に帰国するよう言い渡されましたが、帰国日程が変更できなかったためマニはカンヌに残ることにしたのです。

一方で、フランスで音楽教師をしているクレアという女性もカンヌを訪れていました。

彼女の趣味はカメラで、写真を取られた人は運命が変わると自説する、ちょっと不思議な女性。

クレアは、カンヌに来て早々に、韓国のド監督と出会いました。ふたりの間で話が進むと、マニを解雇した映画会社の女社長ナムと3人で食事することに…。

2人を写真に収めたクレアは、私に写真に撮られた人は別人になれるのよと自説を語り、二人を残して店を後にしました。

ナム社長とソ監督は大人の関係にありましたが、ソ監督はナムとも関係を持っており、それはナム社長の耳にもはいっていたのです。

しかし酒が入り、少し酔い気味になったソ監督は、ナム社長にふたりの関係を清算しようと切り出しました。

その頃、ひとりで海岸沿いを散歩していたマニは、偶然クレアと出会い意気投合。

クレアが撮影した写真を見せてもらうとそこには、ソ監督とナム社長の姿が写っていました。

マニは、その写真からナム社長とソ監督は深い関係にあり、ソ監督の火遊びの相手となった自分にナム社長が嫉妬していたことが解雇の原因だとわかったのです。

マニから事情を聞いたクレアは、彼女と一緒に解雇を言い渡されたというカフェに向かうと、同じ場所でマニの写真を撮りました。

そしてついにカンヌ映画祭が最終日を迎えた日。

そこには、手際よく映画祭の備品を片付けているマニの姿があったのです。

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映画『クレアのカメラ』の感想と評価

本作の見どころは、カンヌ映画祭という華やかな舞台裏で起こる人間模様。嫉妬で社員を解雇した女社長、女癖の悪い監督、監督と深い関係になった若い女性の思うところ。

また、クレアがシャッターを切ると彼らの人生がどう変わっていくのかというところでしょう。

短い期間で撮影されたとは思えないほど、ユーモアが漂うキュートな作品

会社をクビになって途方に暮れるマニ、女癖のわるい監督、自分の感情でマニを解雇した女社長など、登場人物それぞれの思惑が交錯し、素の人間らしさを感じさせます。

そういった男女のもつれのなかで、クレアは最初から最後まで第3者であり続けるというのが本作のキーポイント

クレアが出てきたときから、この物語はすべてクレアの目線で描かれていることに気づかれることでしょう。

「写真は後でゆっくり見直せるわ」というクレアの言葉通り、写真はその瞬間の一部

撮った写真を見返すことで、物事には変化が訪れるということを伝えようとしているのかもしれません。

まとめ

『クレアのカメラ』クレアの写真の意味が分かると、なんてユーモアたっぷりの作品なのかと、思わずクスッと笑いたくなってしまうような作品で、人は理屈ではなく感情で動いているのだとつくづく感じさせてくれるはず。

男女3人の思惑、それを外側から見ているクレアの目線でご覧頂けると、面白い人間模様が見られるかもしれませんよ。

映画『クレアのカメラ』は、7月14日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか、全国順次ロードショー

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