Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

ヒューマンドラマ映画

Entry 2016/12/05
Update

『百円の恋』ネタバレあらすじ感想と結末ラストの評価解説。安藤サクラが減量してボクサー役に挑む

  • Writer :
  • シネマルコヴィッチ

第27回東京国際映画祭の日本映画スプラッシュ部門で作品賞を受賞した映画『百円の恋』

女優・安藤サクラの両親は、父が俳優の奥田瑛二、母はエッセイストの安藤和津。

才能の豊かな両親に育てられた安藤サクラ。しかし、世間に広く知られるようになったのは、2014年に公開された映画『百円の恋』がきっかけのようです。

今回は、安藤サクラが主演を果たし、注目を集めた武正晴監督の代表作でもある『百円の恋』をご紹介いたします。

映画『百円の恋』の作品情報


(C)2014東映ビデオ

【公開】
2014年(日本)

【脚本・監督】
武正晴

【キャスト】
安藤サクラ、新井浩文、伊藤洋三郎、早織、稲川実代子、坂田聡、沖田裕樹、宇野祥平、吉村界人、松浦慎一郎、重松収、根岸季衣、白岩佐季子、和宇慶勇二

【作品概要】
2012年に開催された、山口県周南市で行われた『周南「絆」映画祭』で、「第1回松田優作賞」のグランプリ受賞をした脚本家・足立紳のオリジナル脚本を映画化した作品。

安藤サクラは、主演の斎藤一子役を演じて、国内の多くの映画賞を独占。確かな演技力の評価されると共に、撮影が短期間の短い中で、まるでボクサーのように大幅な体重の減量と、アスリートらしい体型作りに成功させたことも話題になりました。

映画『百円の恋』のあらすじとネタバレ


(C)2014東映ビデオ

この物語の主人公の斎藤一子は、32歳になっても働きもせずテレビゲームばかりをして、実家に引きこもり自堕落な日々を過ごしています。

母親の斎藤佳子は、息子を連れて出戻りの娘の二三子と、家業の弁当屋を切盛りしている。一方で父親の孝夫は、やる気がなく役立たずになっていた。

それでも一子なりには、二三子の息子とは、ボクシングのテレビゲームを教えながら、面倒をみる良い関係を築いていました。

しかし、母親の佳子が、一子の歯科医院に行く治療費を出す出さないというに、二三子と姉妹ケンカを起こすと、一子は家を飛び出してしまいます。

どうにかこうにか、不動産屋からアパートを借りた一子。初めて一人暮らしをすると、今度は職探しに深夜の百円ショップの店員に応募します。

一子がはじめてアルバイトをした百円ショップの同僚たちは変わり者ばかり。

店長の岡野淳は、うつ病。先輩店員の野間明は、バツイチで他人の話も聞かずに自分の話ばかりをするしつこい男。

また、元店員の池内敏子は、レジのお金を盗んで解雇されたあげく、廃棄された焼きうどん弁当を貰いに来るという職場でした。

そんな日々を過ごしていた一子は、職場からアパートへの行き帰りの毎日で、ボクシングジムで練習をする狩野祐二に惹かれていくきます。

ある時、狩野が、百円ショップで購入したバナナをレジに忘れたことをきっかけに、一子は動物園デートに誘われるのですが…。

以下、『百円の恋』ネタバレ・結末の記載がございます。『百円の恋』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


(C)2014東映ビデオ

やがて、一子は、狩野にフラれた悔しさを忘れたようと、自身がボクシングジムに通い出します。

日々の練習に成果を上げて初めてのボクシング試合に参戦します。

しかし、健闘むなしく敢え無くノックダウン。

それでも試合観戦に来てくれた狩野との恋の行方だけは…、殴られまくりだった、傷が痛いながらも一子は、めでたくハッピーエンド??

映画『百円の恋』の感想と評価

この作品でオリジナル脚本を書き上げた足立伸は、これがダメなら映画をやめる覚悟でつもりで書いたそうです。

それまでは、40歳を過ぎてもアルバイト生活を送りながらの脚本家としての執筆活動。

しかし、これを機に足立紳は、数々の映画賞を受賞。たちまち脚本家の第一人者となりました。

今作に登場した主人公の斎藤一子のように、人生の苦汁を嘗め続けてきた足立紳ならではの物語なのですね。

また、弱者の世界観を映画として丹念に描ききった武正晴監督は、この作品で、米アカデミー賞外国映画部門の日本代表に選ばれます!

まとめ


(C)2014東映ビデオ

安藤サクラは、この役柄を演じたことで才能を開花。懸命にボクシングに励む姿が、まるで、ボクシング映画の名作『ロッキー』のように印象的で、多くの観客たちを魅了。

今なお映画館で『百円の恋』が再上映されると、多くの安藤サクラファンが集まるようです。

斎藤一子は、劇中のボクシング対戦で敗れはしたものの、演じた安藤サクラは、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞の栄冠に輝いた作品。

ちょっとワイルドなボクシング映画と思い込んで敬遠していた女性たちには、ご覧いただきたい傑作!

日頃の憂さを晴らすまでには至りませんが、きっと、涙で納得のヒューマン・ラブストーリーの傑作。

ぜひ、ハンカチ片手に、お見逃しなく!

関連記事

ヒューマンドラマ映画

【ネタバレ】ソウルに帰る|あらすじ結末感想と評価考察。パク・ジミンが主人公“フレディの複雑な内面”を見事に演じる

ひょんなことから始まる自分のルーツを探す旅 映画『ソウルに帰る』では、自分の原点である韓国で自分の居場所を探し始めるフレディの25歳から33歳までを映し出します。 韓国で生まれ、養子としてフランスで育 …

ヒューマンドラマ映画

映画『15時17分、パリ行き』あらすじネタバレと感想。ラスト結末も

2015年にヨーロッパで起こった無差別テロ「タリス銃乱射事件」を映画化。 現場に居合わせ、犯人を取り押さえた3人の若者の幼少時代から事件に遭遇するまでの半生を描く実話がモチーフの『15時17分、パリ行 …

ヒューマンドラマ映画

映画『ある殺人、落葉のころに』三澤拓哉を支えるウォン・フェイパン(黄飛鵬)とは

日本と香港の若き才能が集いクランク・インした映画『ある殺人、落葉のころに』。 冬空の下、神奈川県の大磯で行われるロケーション現場では、三澤組のスタッフたちの間に日本語、英語、中国語の掛け声が飛び交って …

ヒューマンドラマ映画

『土を喰らう十二ヵ月』映画原作ネタバレとあらすじ感想。水上勉の精進レシピは“食することの奥深さ”

水上勉の『土を喰らう日々-わが精進十二ヵ月-』を原案とする 映画『土を喰らう十二ヵ月』が2022年11月11日(金)から新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国公開! 昭和36年(1961)に『雁の寺 …

ヒューマンドラマ映画

映画『異邦人』あらすじ感想と内容解説。ヴィスコンティおすすめの芸術至上作品が《デジタル復元版・イタリア語バージョン》で蘇る!

ヴィスコンティ没後45年封印された幻の名作が、本邦初公開となるイタリア語バージョンで復活! ノーベル文学賞作家アルベール・カミュのベストセラー「異邦人」をイタリア映画界の至宝ルキノ・ヴィスコンティ監督 …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学