Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

コメディ映画

『ミドリムシの姫』あらすじ感想と評価解説。続編キャストの河井青葉が絶妙な可笑しみの演技で“嫌われ者の駐車監視員”の日常をユーモラスに魅せる

  • Writer :
  • 谷川裕美子

映画『ミドリムシの姫』は2022年10月15日(土)より池袋シネマ・ロサほか全国順次公開!

2019年に公開された真田幹也監督の映画『ミドリムシの夢』に続く、第二弾となる『ミドリムシの姫』。2022年10月15日(土)より池袋シネマ・ロサほか全国順次公開されます。

違法駐車を取り締まる駐車監視員の日常を描いたコメディ。2019年に公開された前作に続き、演出を真田幹也監督、脚本を太田善也が務めています。

『偶然と想像』(2021)の河井青葉、『はるヲうるひと』(2021)の大高洋夫が出演。

世間から嫌われる「ミドリムシ」たちの胸を打つ人間ドラマがコミカルに描かれます。

映画『ミドリムシの姫』の作品情報


(C)ミドリムシフィルム

【公開】
2022年(日本映画)

【脚本】
太田善也

【監督】
真田幹也

【出演】
河合青葉、大高洋夫、青野竜平、三田村賢二、樋渡真司

【作品概要】
違法駐車を取り締まる駐車監視員の日常を描いた2019年製作のコメディ映画『ミドリムシの夢』(2019)の続編。前作に続き、監督を真田幹也、脚本を太田善也が務め、緑色の服を着ていることから「ミドリムシ」と呼ばれる駐車監視員の悲喜こもごもをコミカルに描きます。

男性2人組を主人公にした前作とは視点を変え、男性が多い職業の中で奮闘する女性・野上幸子が主人公となっています。主演を濱口竜介監督作品『偶然と想像』(2021)にて第35回高崎映画祭・最優秀主演俳優賞を受賞した河井青葉が務め、カリスマ駐車監視員・知念を『はるヲうるひと』(2021)の大高洋夫が演じます。

共演には青野竜平、三田村賢二、仁科貴、金田賢一、若手から実力派まで魅力的なキャストが顔を揃えます。

映画『ミドリムシの姫』のあらすじ


(C)ミドリムシフィルム

幼い頃みんなに愛されるお姫様になることを夢見ていた野上幸子は、違法駐車を取り締まる駐車監視員として働いていました。

駐車監視員はその風貌から「ミドリムシ」と世間から呼ばれバカにされ嫌われ罵られる仕事のため、野上はストレスを抱えるようになります。

高校時代の同級生と偶然再会した野上は虚勢をはり、社会奉仕の一環で働いているだけで、今はリーダーを務めていると必死で嘘をつきます。

その後、厳しいことで知られるカリスマミドリムシ・知念道夫とコンビを組むことになった野上は彼の有能さに感動し、彼から様々なことを学ぶうちに仕事へのプライドを持ち始めます。

そんな時、街では危険な若者ふたりによる「ミドリムシ狩り」が流行り始めており…。

映画『ミドリムシの姫』の感想と評価


(C)ミドリムシフィルム

仕事にプライドを見出すヒロインの勇姿

世間から嫌われる駐禁の仕事にいそしむ人たちのコミカルな奮闘記『ミドリムシの姫』。

自分の仕事に対して卑下する思いを抱いていたヒロインが温かな仲間に囲まれて仕事に向き合う中で誇りを見出し、前を向いて歩き出すまでの姿がすがすがしく描かれます。

正しいことをしているという強い気持ちと、これは本当に正しいことなのだろうかというせめぎ合う中で、自分を奮い立たせては仕事に向き合う人々の姿に胸打たれる作品です。

ひょうひょうとした野上役を好演しているのは、『ドライブ・マイ・カー』で知られる濱口竜介監督によるベルリン国際映画祭銀熊賞受賞作品『偶然と想像』にて第35回高崎映画祭・最優秀主演俳優賞を受賞した実力派の河井青葉です。河合が、絶妙なおかしみ、哀しさを醸し出しています。

お堅いカリスマ・知念との息のぴったり合ったかけあいや、人のよい同僚たちもそれぞれ魅力的で、ほんわかした会話のかけあいに引き込まれます。独特のユーモラスな空気感がたまりません。

どうしてこの仕事を始めたのかを、どうしても同僚に言えずにいる野上の心の傷。後半はその部分を核に、ミドリムシたちの苦悩がシリアスに描かれていきます。

駐車監視員に限らず、誰もが自分の仕事に誇りを感じたり逆に嫌気がさしたり、さまざまな思いを抱えて仕事に向き合っていることでしょう。そんな人々すべてに勇気と笑いをくれる素敵な作品です。

まとめ


(C)ミドリムシフィルム

世の中から冷たい目で見られ、罵倒されることも珍しくない厳しい仕事・駐車監視員たちの悲喜こもごもを描くヒューマンコメディ『ミドリムシの姫』

年配の仕事仲間に励まされ支えられながら、自信を持って歩んでいける道をみつけだす逞しいヒロインの姿がユーモアを交えながら描かれます。

映画『ミドリムシの姫』が2022年10月15日(土)より池袋シネマ・ロサほか全国順次公開です。




関連記事

コメディ映画

徳永えり映画『疑惑とダンス』あらすじネタバレと感想。二宮健監督のタランティーノ張りな密室劇の台詞の応酬やクレジットを見逃すな!

「お前こいつとヤッたの?」この言葉がきっかけで巻き起こる大論争! 50分間の短い会話劇のなかで、様々な人間ドラマと爆笑の瞬間が生まれるアドリブを活かした映画『疑惑とダンス』。 ワンシチュエーションと限 …

コメディ映画

映画『スイスアーミーマン』あらすじネタバレ感想とラスト結末の評価解説。死体役を演じた怪演ダニエル・ラドクリフに注目!

死体にまたがり!無人島脱出を試みる映画『スイス・アーミー・マン』 「ハリー・ポッター」シリーズのダニエル・ラドクリフが、なんと!死体役を演じた、映画『スイス・アーミー・マン』。 『リトル・ミス・サンシ …

コメディ映画

三谷幸喜映画『記憶にございません!』あらすじネタバレと感想。キャストの演技力が光る【記憶喪失の総理大臣】

映画『記憶にございません!』は2019年9月13日(金)より全国ロードショー公開! 脚本家・演出家・映画監督として、数多くの笑いあり涙ありのコメディ作品を手がけてきた三谷幸喜。 彼の通算8作目となる長 …

コメディ映画

【ネタバレ】パディントン2|映画あらすじ感想と結末ラスト評価解説。感想おすすめ作品が描く“小さなクマの紳士”の新たな冒険!

あの愛すべき小さなクマの紳士が帰ってきた! マイケル・ボンドによる人気児童文学「パディントン」シリーズを実写映画化し、好評を博した『パディントン』(2016)。 その続編となる実写映画化・第2弾作品が …

コメディ映画

【ネタバレ感想】銀魂2掟は破るためにこそある|あらすじ。ラスト結末も

週刊少年ジャンプに14年以上連載されている人気アクションコメディ漫画『銀魂』の完全実写化第2弾。 原作の人気エピソード「真選組動乱篇」と「将軍接待篇」を融合し、アクション、ギャグ、ドラマ全てがボリュー …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学