連載コラム「邦画特撮大全」第66章
2018年から2019年にかけて放送された平成仮面ライダーシリーズ20作記念作品『仮面ライダージオウ』。劇場版にゲスト出演した佐藤健を筆頭に、各作品のオリジナルキャストが多数ゲスト出演し、仮面ライダーファンたちを沸かせました。
その『ジオウ』のスピンオフであるオリジナルビデオ作品『仮面ライダージオウNEXT TIME ゲイツ、マジェスティ』(2020)が現在期間限定上映中。
今回の邦画特撮大全は『仮面ライダージオウNEXT TIME ゲイツ、マジェスティ』(2020)を紹介します。
CONTENTS
映画『仮面ライダージオウNEXT TIME ゲイツ、マジェスティ』の作品情報
【公開】
2020年2月28日(日本映画)
【原作】
石ノ森章太郎
【監督】
諸田敏
【脚本】
毛利亘宏
【キャスト】
押田岳、奥野壮、大幡しえり、渡邊圭祐、板垣李光人、紺野彩夏、兼崎健太郎、村上幸平、木ノ本嶺浩、岩永洋昭、戸谷公人、小山力也、津田健次郎、生瀬勝久
映画『仮面ライダージオウNEXT TIME ゲイツ、マジェスティ』の作品概要
平成最後の仮面ライダー『仮面ライダージオウ』のスピンオフ作品で、主人公は『仮面ライダージオウ』の2号ライダーである明光院ゲイツ/仮面ライダーゲイツ。
明光院ゲイツ役の押田岳をはじめ、奥野壮、大幡しえり、渡邊圭祐ら『ジオウ』のメインキャストが集結。さらには戸谷公人(『仮面ライダーディケイド』)や村上幸平(『仮面ライダー555』)、木ノ本嶺浩(『仮面ライダーW』)、岩永洋昭(『仮面ライダーオーズ/OOO』)と歴代の2号ライダーたちがゲスト出演。
監督は『百獣戦隊ガオレンジャー』や『仮面ライダーゴースト』でメイン監督を務めたベテラン、諸田敏監督。脚本は劇団少年社中の主宰で『宇宙戦隊キュウレンジャー』のメイン脚本を担当した毛利亘宏。
2人は『仮面ライダージオウ』のメインスタッフでもあり、TVシリーズでは「ゴースト」編や「響鬼」編などでタッグを組んでいました。
映画『仮面ライダージオウNEXT TIME ゲイツ、マジェスティ』のあらすじとネタバレ
2018年9月―光ヶ森高校の学生・明光院ゲイツは柔道部に所属し、メダリストになる夢を追っていました。同級生の常盤ソウゴやツクヨミと共に高校生活を送っています。
しかしゲイツは柔道大会で大ケガをしてしまい、選手生命を絶たれてしまいました。
入院中のゲイツの前に、白ウォズが現れてドライバーとライドウォッチを渡します。ウォズの目的はゲイツを救世主に導き、最低最悪の魔王オーマジオウが君臨する未来を防ぐこと。
突然の事態に戸惑うゲイツでしたが、ゲイツをオーマジオウの配下・カッシーンが強襲。なぜかゲイツの主治医である伊達明が仮面ライダーバースに変身し、カッシーンを撃破します。
さらに高校には謎の転校生・海東大樹が現れ、なれなれしくゲイツに接近します。一体、彼は何者なのか…。
ふさぎ込むゲイツはソウゴから掛けられた言葉で、「みんなを守るために柔道を始めた」ことを思い出します。
そんな中、再びカッシーンがゲイツを強襲。海東と仮面ライダーカイザが介入し、ゲイツは間一髪で攻撃を逃れます。しかしソウゴがカッシーンにさらわれてしまいました。
『仮面ライダージオウNEXT TIME ゲイツ、マジェスティ』の感想と評価
本作『仮面ライダージオウNEXT TIME ゲイツ、マジェスティ』は、『仮面ライダージオウ』のTVシリーズ後を描いた作品です。
常盤ソウゴ/仮面ライダージオウによって最低最悪の魔王オーマジオウが君臨する未来が変わり、ソウゴやゲイツら『ジオウ』の登場人物たちはTVシリーズで戦いに費やした時間の代りに、高校生活を送っています。「ありえたかもしれない未来」が学生生活というのは、TVアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の最終回を思わせます。
『ゲイツ、マジェスティ』のテーマは「青春の挫折と再起」。柔道のメダリストを目指していた明光院ゲイツ/仮面ライダーゲイツが、ケガのため選手生命を絶たれ、そこから再起することが物語の柱です。
本作『仮面ライダージオウNEXT TIME ゲイツ、マジェスティ』は特撮ヒーロー作品であるのはもちろん、青春ドラマとしても楽しめるのです。
本作は『ジオウ』の登場人物たちの高校生活をメインに描いているため、進路や部活動などが登場。ゲイツやソウゴも変身能力がないため、TVシリーズよりも等身大の人物に描かれています。
本作の敵はアナザーディエンド。『仮面ライダーディケイド』(2010)に登場した仮面ライダーディエンドがモチーフ。大きな角や牙など、『ジオウ』のTVシリーズでスウォルツが変身したアナザーディケイドと共通するデザインをしています。
まとめ
明光院ゲイツ/仮面ライダーゲイツを主人公にした『仮面ライダージオウNEXT TIME ゲイツ、マジェスティ』。
歴代2号ライダーの中でも癖が強い面々が客演しており、『仮面ライダージオウ』が本来持つお祭り作品の側面ももちろんありますが、それ以上にゲイツを主人公にした“青春ドラマ”として楽しむことが出来る作品となっています。
次回の『邦画特撮大全』は…
次回の邦画特撮大全は、スーパー戦隊シリーズが海を越えアメリカに渡ったことで生み出された異色作「パワーレンジャー」シリーズを紹介します。
お楽しみに。