Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

連載コラム

Entry 2019/08/02
Update

スーパー戦隊映画2019『騎士竜戦隊リュウソウジャー』ネタバレ感想。王道な要素を大胆な展開で魅せる|邦画特撮大全56

  • Writer :
  • 森谷秀

連載コラム「邦画特撮大全」第56章

2019年7月26日から公開された『騎士竜戦隊リュウソウジャーTHE MOVIE タイムスリップ!恐竜パニック‼︎』。

本作は現在放送中のスーパー戦隊シリーズの最新作『騎士竜戦隊リュウソウジャー』の劇場用オリジナル作品。リュウソウジャーの5人が6500万年前の古代にタイムスリップして活躍する物語です。

今回の邦画特撮大全は『騎士竜戦隊リュウソウジャーTHE MOVIE タイムスリップ!恐竜パニック‼︎』の見所を紹介します。

【連載コラム】『邦画特撮大全』記事一覧はこちら

映画『騎士竜戦隊リュウソウジャーTHE MOVIE タイムスリップ!恐竜パニック‼︎』の作品情報


劇場版「ジオウ・リュウソウジャー」製作委員会 (C)2019 テレビ朝日・東映AG・東映

【公開】
2019年7月26日(日本映画)

【原作】
八手三郎

【監督】
上堀内佳寿也

【脚本】
山岡潤平

【アクション監督】
福沢博文

【特撮監督】
佛田洋

【キャスト】
一之瀬颯、綱啓永、尾碕真花、小原唯和、岸田タツヤ、兵頭功海、金城茉奈、中田譲治、稲田徹、森田涼花、北原里英、佐野史郎、吹越満

【作品概要】
現在放送中の『騎士竜戦隊リュウソウジャー』(2019)の劇場版。監督はTVシリーズのメイン監督で『仮面ライダービルド Be The One』(2018)の上堀内佳寿也。脚本もTVシリーズと同じく山岡潤平。

劇場版に登場するゲストキャラクター・古代のリュウソウ族のユノには北原里英、その父親・ヴァルマには佐野史郎がキャスティングされています。佐野史郎は特撮作品に造詣が深く、自身もゴジラシリーズを初め数多くの特撮作品に出演しています。

また『侍戦隊シンケンジャー』(2009~2010)の花織ことは/シンケンイエロー役の森田涼花が博物館の女性スタッフ役で出演しています。

映画『騎士竜戦隊リュウソウジャーTHE MOVIE タイムスリップ!恐竜パニック‼︎』のあらすじとネタバレ


劇場版「ジオウ・リュウソウジャー」製作委員会 (C)2019 テレビ朝日・東映AG・東映

福井県の恐竜博物館で展示を見ていたコウたちリュウソウジャー。展示されていた6500万年前に落下した隕石のカケラが突如動き出します。

コウたちがそれを追うと、博物館の外に1人の女性が倒れていました。女性の名はユノ。彼女は6500万年前の太古から現代にタイムスリップして来た古代のリュウソウ族だったのです。

しかし出現した巨大な始祖マイナソーの力によって、リュウソウジャーの5人とユノは6500万年前の地球にタイムスリップしてしまいます。恐竜絶滅の原因となった隕石の落下が目前に迫っていたのです。

さらにリュウソウジャーの前に立ちはだかったのが古代のリュウソウ族・ヴァルマです。ヴァルマはユノの父でドルイドンに対抗するため、ガイソーグなどさまざまな兵器を作り出しました。

しかしその際に強大な力を手にしてしまい、その力に溺れ世界の支配を目論むようになったのです。ユノの願いは父の暴走を止めることだったのです。

そしてリュウソウジャーはヴァルマと刃を交えることになるのでした……。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『騎士竜戦隊リュウソウジャーTHE MOVIE タイムスリップ!恐竜パニック‼︎』ネタバレ・結末の記載がございます。『騎士竜戦隊リュウソウジャーTHE MOVIE タイムスリップ!恐竜パニック‼︎』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


劇場版「ジオウ・リュウソウジャー」製作委員会 (C)2019 テレビ朝日・東映AG・東映

ガイソーグを纏ったヴァルマと戦うリュウソウジャーたちでしたが、現代に戻ってしまいます。

リュウソウジャーの5人はまずキシリュウオーファイブナイツで、巨大な始祖マイナソーと戦います。

マイナソーを撃破した際、時空に裂け目が生じます。リュウソウジャーとユノは裂け目に飛び込んで、再び6500万年前へ向かいます。

6500万年前に戻ると隕石の落下はもはや目前に迫っていました。

隕石の大きさは記録に残っているものより遥かに巨大で、このまま落下すれば恐竜の絶滅どころか地球が滅びてしまいます。

リュウソウジャーは隕石落下を止めるため、ヴァルマが持つという太古の騎士竜を手に入れに走ります。

リュウソウジャーは再びヴァルマと対戦。コウはメルトら4人に騎士竜奪取の作戦を託し、ヴァルマと一騎討ちになります。力による支配を求めるヴァルマに、コウは真っ向から反対。

仲間の笑顔や優しさの大切さを説き、ヴァルマを下すのでした。敗れたヴァルマは改心し、ユノと和解します。

一方、メルトたち4人は太古の騎士竜を合体させたキシリュウジンで宇宙へ飛び、隕石落下を防ぎました。4人はその際に生じた時空の裂け目に飛び込み現代へ戻ります。しかしコウは1人、地上に残ったまま…。

現代に戻った4人のリュウソウジャーはコウを探します。コウは隕石のカケラが落下した時に生じた時空の裂け目から現代に戻ってきたのでした。

映画『騎士竜戦隊リュウソウジャーTHE MOVIE タイムスリップ!恐竜パニック‼︎』の感想と評価


劇場版「ジオウ・リュウソウジャー」製作委員会 (C)2019 テレビ朝日・東映AG・東映

火口の俯瞰ショットと溶岩流という、壮大な映像から始まった本作『騎士竜戦隊リュウソウジャーTHE MOVIE タイムスリップ!恐竜パニック‼︎』。

恐竜が生息していた6500万年前の古代へタイムスリップするため、『ジュラシックパーク』のようにCGで描かれた恐竜たちも多数登場します。

メンバーが最終的に12人になる『宇宙戦隊キュウレンジャー』(2017~2018)、2つの戦隊の対決を描いた『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』(2018~2019)など。

スーパー戦隊シリーズは異色作が続いてこともあり、本作『騎士竜戦隊リュウソウジャー』は“王道”を掲げて制作されています。

しかしそれは用いる要素が“恐竜”や“5人の戦士”などのように王道なのであって、意表を突いた大胆な展開を導入している点が『リュウソウジャー』の魅力です。

今回の劇場版では、本来ならクライマックスになるはずの巨大ロボ戦を中盤に持っていき、超巨大隕石落下を物語のクライマックスに持ってきています。

また6人目のリュウソウジャーであるカナロだけ現代に残ってしまうという展開も衝撃的でした。

まとめ


劇場版「ジオウ・リュウソウジャー」製作委員会 (C)2019 テレビ朝日・東映AG・東映

王道な要素を大胆な展開で魅せるスーパー戦隊シリーズ最新作『騎士竜戦隊リュウソウジャー』。そのサプライズ精神は劇場版でも健在でした。

次回の邦画特撮大全は…

次回の邦画特撮大全は、1992年のオリジナルビデオ作品『真・仮面ライダー 序章(プロローグ)』を特集します。

お楽しみに。

【連載コラム】『邦画特撮大全』記事一覧はこちら


関連記事

連載コラム

『恐怖の報酬 オリジナル完全版』感想と評価。1977年の名作フリードキン版で描かれた映画的サスペンス手法を解説|サスペンスの神様の鼓動2

こんにちは、映画ライターの金田まこちゃです。 このコラムでは、毎回サスペンス映画を1本取り上げて、作品の面白さや手法について考察していきます。 今回ピックアップする作品は、40年の歳月を経て復活した、 …

連載コラム

『クリード過去の逆襲』あらすじ感想と評価解説。“クリード3”でマイケルBジョーダンは“ロッキーの魂”を最後に受け継ぐ|映画という星空を知るひとよ149

連載コラム『映画という星空を知るひとよ』第149回 2023年5月26日(金)に全国ロードショーを迎える映画『クリード 過去の逆襲』。ボクシング映画の名作『ロッキー』に登場した世界ヘビー級チャンピオン …

連載コラム

【パワーレンジャー】映画版3作あらすじと感想・評価。アメリカ発のスーパー戦隊シリーズを観る|邦画特撮大全67

連載コラム「邦画特撮大全」第67章 東映製作の特撮作品「スーパー戦隊」シリーズは、現在も毎年新作が製作・放送されています。現在放送中の『魔進戦隊キラメイジャー』で数えること44作品目。シリーズの息の長 …

連載コラム

映画サイレンサー4破壊部隊|ネタバレあらすじ感想と結末解説。ディーン・マーティンが沈黙部隊で魅力を発揮するスパイアクション|B級映画 ザ・虎の穴ロードショー30

連載コラム「B級映画 ザ・虎の穴ロードショー」第30回 深夜テレビの放送や、レンタルビデオ店で目にする機会があったB級映画たち。現在では、新作・旧作含めたB級映画の数々を、動画配信U-NEXTで鑑賞す …

連載コラム

映画『左様なら』あらすじと感想レビュー。少女の不在がもたらすものと“教室ごと”描く青春|銀幕の月光遊戯 38

連載コラム「銀幕の月光遊戯」第38回 映像と音楽がコラボレーションした作品を送り出す若手作家の登竜門「MOOSIC LAB 2018」長編部門として制作された映画『左様なら』。 監督は本作が長編映画デ …

U-NEXT
【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学