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Entry 2021/02/16
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鬼滅の刃遊郭編 アニメPV解説感想!新キャラ登場に“宇随イヤー”を予感させるド派手な演出【鬼滅の刃全集中の考察7】

  • Writer :
  • 薬師寺源次郎

連載コラム『鬼滅の刃全集中の考察』第7回

2021年2月14日に配信された『鬼滅の刃』アニメ化2周年記念番組「鬼滅祭オンライン‐アニメ弐周年記念祭-」。その番組内でついに、『鬼滅の刃』テレビアニメ2期「遊郭編」の2021年内の放送決定が発表されました。


(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

本記事では、「遊郭編」の放送決定発表とあわせて公開された「遊郭編」第1弾PVの映像内容を解説・考察。

「鬼滅祭オンライン‐アニメ弐周年記念祭-」の模様にも触れつつも、「遊郭編」第1弾PVそしてアニメ本編の見どころをご紹介させていただきます。

【連載コラム】『鬼滅の刃全集中の考察』記事一覧はこちら

「遊郭編」第1弾PVの解説・考察

「遊郭編」第1弾PV

絢爛と欲望渦巻く“夜”の世界・遊郭

2021年2月14日に公開された「遊郭編」第1弾PV。その映像全編に渡って、「遊郭編」の物語の舞台となる吉原の遊郭の煌びやかな街並みと艶やかな雰囲気が映し出されています。

煌びやかな街並みと同居する、深く濃い影と闇。それは一見華やかに見えながらも、PV中の宇随の言葉通りに「男と女の見栄と欲、愛憎うずまく夜の街」としての闇を垣間見せています。

また太陽光が致命的な弱点である「鬼」にとって、太陽なき「夜」の世界である遊郭は格好の潜伏場所であり「餌場」でもあります。宇随の嫁にして「くノ一」の須磨・まきを・雛鶴が遊郭にて潜入捜査を行っていたのもそれが理由であり、三人が消息を絶ったことから「遊郭編」の物語は始まります。

蕨姫花魁/堕姫の妖艶にして恐ろしき姿

第1弾PVでは、音柱・宇随天元と並んで「遊郭編」の物語の要を担っている重要なキャラクターであり、吉原遊郭の「京極屋」の看板花魁である蕨姫も登場。妖艶な笑みをPVを観る者に向けている一方で、映像00分40秒では恐ろしき形相で睨む姿も映し出されています。

そして原作コミックを既読済みの『鬼滅』ファンならば、蕨姫花魁の登場は同時に、その真の正体であり「上弦の陸」堕姫の登場も意味していると察するでしょう。

また映像00分16秒では、堕姫の鬼としての異能「血鬼術」を象徴する蠢く帯も描かれています。蛇のごとく遊郭内の一室へと忍び寄ってゆくその光景はPV内のほんの数秒ですが、「遊郭編」のアニメ本編にて展開されるであろう堕姫たち鬼と炭治郎・宇随たち鬼殺隊の激闘を期待させるには十分なものであるはずです。

遊郭見つめる音柱・宇随天元と“祭囃子”なBGM

そして映像00分41秒はじめ、第1弾PVでは「派手」な街・吉原の遊郭を屋根の上から見つめ続ける音柱・宇随天元の姿には、『鬼滅』ファン並びに宇随天元ファンの誰も歓喜したでしょう。

またPV内で使用されているBGMは、三味線の音がしとやかに鳴り響くように始まり、笛の音や掛け声、様々な楽器の音が入り混じり、次第に三味線は激しく掻き鳴らしてゆく……。

「祭囃子」とも感じられるそのBGMは、毎夜が祭りかのごとく煌びやかな「遊郭」という物語の舞台、自身を「祭りの神」を称する宇随天元のキャラクターそのものをイメージしたものと解釈することができます。

そして原作コミックにおいて、「遊郭編」は宇随にとって最大の見せ場の一つとなる物語である以上、アニメ本編のBGMや音楽演出もまた、第1弾PV同様に祭囃子を意識した「ド派手」なものとなるはずです。

堕姫らのCVキャスト声優はいまだ不明

一方でこの度公開された第1弾PVでは、蕨姫花魁/堕姫はその姿を現したものの、彼女にとっては「自身の命」そのものといって過言ではない「鬼」や前述の須磨・まきを・雛鶴などは登場しておらず、加えて堕姫を含めてそのCVキャスト声優は明かされていません。

果たしてアニメ新キャラクターたちは今後公開されるであろう「第2弾PV」には登場するのか。そしてそのCVキャスト声優は誰が務めることになるのか。第1弾PVが公開されたことによって、その謎と期待は膨らみ続けるばかりです。

2021年は“宇随イヤー”に!:「鬼滅祭オンライン」にて

2021年2月14日に配信された『鬼滅の刃』アニメ化2周年記念番組「鬼滅祭オンライン‐アニメ弐周年記念祭-」にて、突如発表された『鬼滅の刃』テレビアニメ2期「遊郭編」の2021年内の放送決定という朗報。

竈門炭治郎役の花江夏樹、竈門禰豆子役の鬼頭明里、吾妻善逸役の下野紘、嘴平伊之助役の松岡禎丞、煉獄杏寿郎役の日野聡がゲスト出演した番組では、「遊郭編」放送決定の発表に際しての“サプライズゲスト”として、宇随天元役の声優・小西克幸が登場。

『遊郭編』への意気込みを聞かれた彼は、「隣に“300億の男”(映画『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』の中心人物・煉獄を演じた日野)がいますし……」と茶化しつつも「相当気合入れて頑張んなきゃまずいなと思っています」とコメント。そのハードルが高まり続けるアニメ『鬼滅の刃』に対する強い想いを明かしました。

そして番組の最後、花江夏樹の「2021年を宇随イヤーに!」という締めの言葉とともに「鬼滅祭オンライン」は幕を閉じました。

まとめ/次回の『鬼滅の刃全集中の考察』は……

2021年2月14日配信の特別番組「鬼滅祭オンライン‐アニメ弐周年記念祭-」にて発表された、『鬼滅の刃』テレビアニメ2期「遊郭編」の2021年内の放送決定。それと同時に公開された「遊郭編」第1弾PVの解説・考察を本記事では行いました。

“煉獄イヤー”となった2020年。続く2021年もまた“宇随イヤー”として『鬼滅の刃』にさらなる盛り上がりをもたらしてくれることを、そして「遊郭編」の放送が開始されることを期待するばかりです。

また次回記事以降からは、『鬼滅の刃』の物語を盛り上げた主要キャラクターたちの名言及び名シーンを紹介・解説。

過去に放送されたテレビアニメ1期や映画『無限列車編』の復習、2021年放送予定の「遊郭編」や今後アニメ化されるであろう原作コミックのストーリーの予習を進めていきます。

【連載コラム】『鬼滅の刃全集中の考察』記事一覧はこちら





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