新キャラクターはだれが演じる? キャスティングを大胆予想!
大人気コミック『鬼滅の刃』の今後のアニメ化・映像化について様々な考察していく連載コラム「鬼滅の刃全集中の考察」。
前回記事の「吉原遊郭編」堕姫・妓夫太郎編に続き、今回も劇場版映画としてアニメ化された「無限列車編」以降の物語に登場する新キャラクターのキャスティングを予想していきます。
本記事では「刀鍛冶の里編」で炭治郎たちに襲い掛かった“上弦の伍”の玉壺(ぎょっこ)、“上弦の肆”の半天狗(はんてんぐ)のキャスティングを予想します。
上弦の鬼たちの中でも一二を争うほどクセが強いキャラクターであり、その強烈でおぞましい個性は多くのファンの記憶にも焼き付いているであろう玉壺と半天狗。キャラクターの特徴や性格から、キャスティングが期待される声優の演技の傾向などと照らし合わせ予想していきます。
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“偉大な芸術家”を気取る異形の鬼:玉壺を演じるのは?
“上弦の伍”である玉壺は人型が多い鬼の中では珍しい「異形の鬼」として最上位の存在であり、小さな壺の中に不定形の肉体が出入りするという、“上弦”の中にあっても抜きんでて奇怪な容姿を持っています。
自らを「至高の芸術家」と称する玉壺ですが、自尊心・自己顕示欲が高く、作中で自らの作品が理解されない事に激怒し、とある理由により驚異的な集中力で作業に没頭する鋼鐵塚に対しても、「自称・芸術家」ゆえの対抗意識から妨害しようとするなど、屈曲した性格の持ち主です。
また鬼として人間を見下す傲慢さもあわせ持ち、自らの信じる芸術作品として「人間の遺体」を用いた身の毛もよだつオブジェを制作し、あまつさえ犠牲者たちについては「光栄に思うべき」と豪語しています。
他の上弦の鬼よりも人外性が強い容姿も含め、「自称・芸術家」ならではの変態性・猟奇性が前面に押し出されたキャラクターである玉壺を演じる声優には、やはり「アクの強さ」を演じられる演技が求められるでしょう。
候補1:チョー/声質と演技力で「得体の知れなさ」を醸し出す
これまで様々な作品に出演し、声優界のバイプレイヤーの一人に数えられるチョー。
声優以外にも俳優や作詞家・作曲家としても活躍し、中でも1996年から続く長寿の子供向け教養番組『いないいないばあっ!』ではメインキャラクター・ワンワンのCVとスーツアクターを兼任するというマルチな活躍ぶりで知られています。
そんなチョーは特徴的な声質を活かし、特異なキャラクターも多く演じています。『ONE PIECE』ブルック役や『犬夜叉』邪見役が代表的ですが、映画「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズに登場するゴラムの吹き替えキャストはその最たる例ではないでしょうか。
ゴラムが持つ不気味な雰囲気はもちろん、言葉を発する際の奇妙な発音を持ち前の演技力で表現し、ゴラムの得体の知れなさを見事に表現しています。ゴラムは「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのクライマックスを盛り上げる重要な存在ですが、吹き替え版でもチョーの名演により、その役割を十二分に発揮しています。
『鬼滅の刃』で最も不気味なキャラクターと評しても過言ではない玉壺も、チョーはファンの期待以上の不気味さをもって演じてくれるはずです。
候補2:中尾隆聖/キャラクターの魅力を引き出し“悪”を表現
俳優や歌手としても活躍する中尾隆聖ですが、声優においてのキャリアを振り返ると、やはり多数の代表作にて演じてきた「悪役」の印象が強いことは否めません。
『それゆけ!アンパンマン』ばいきんまん役、「ドラゴンボール」シリーズのフリーザ役はもちろん、近年では『ミッション:インポッシブル フォールアウト』をはじめ映画「ミッション:インポッシブル」シリーズにてショーン・ハリス扮するソロモン・レーンの吹き替えキャストも担当しました。
いずれのキャラクターも、悪役ながらもどこか魅力を感じさせるキャラクターであり、現在の声優界においてもこれほど魅力的に「悪役」を演じ切れるのは中尾隆聖を置いていないと評しても過言ではありません。
またどのキャラクターも悪を成すこと自体が目的ではなく、それぞれの目的を果たそうとするがため悪を成していたように感じられます。例えば、ばいきんまんはいたずら心を満たすため、フリーザは自らの欲望を満たすため、ソロモン・レーンは自らが考える世界の在り方を実現しようと、ある種の「正義」を宿していました。
「至高の芸術」を追求するがために唾棄すべき「悪」を成す玉壺も、中尾隆聖ならばその魅力を存分に引き出し演じてくれるのではないでしょうか。
候補3:立木文彦/独特なハスキーボイスが不気味さを放つ
声優として長年活躍する立木文彦は、「エヴァンゲリオン」シリーズの碇ゲンドウ役をはじめ、『BLEACH』更木剣八役、『ONE PIECE』赤犬ことサカズキ役など、数多くの人気キャラクターを演じてきました。
アニメや吹き替えキャスト以外にも、ナレーターとしてテレビCMやバラエティ番組に出演し、その声は多くの人々に親しまれています。また近年では実写映画『銀魂2 掟は破るためにこそある』(2018)で長年演じてきた長谷川泰三役を俳優として演じ話題を呼びました。
持ち前の低音を活かした渋い演技で確かな存在感を発揮し、多くの個性的なキャラクターを演じてきた立木文彦。強烈なインパクトを放つハスキーボイスは、人々の印象に残ることからこそ様々なナレーションを担ってきました。
基本的には渋い男性を演じることが多いのですが、「戦国BASARA」シリーズの大谷吉継役は自慢のハスキーボイスをわざとしゃがれさせ、かすれさせることで作中で妖しい術を操る大谷吉継の不気味さを表現していました。
立木文彦なら、不気味さを全身から感じさせる玉壺を強い印象に残るハスキーボイスと見事な演技力で表現できるでしょう。
卑怯者、ゆえに厄介な感情の鬼:半天狗を演じるのは?
卑怯・卑屈を常とする人間が鬼となった半天狗は、「分裂」という厄介な血鬼術を使用。「喜怒哀楽」それぞれの感情のみを宿した鬼たち、人間時代の卑屈さを引き継いだような性格の本体、本体を守るため現れた「恨」の鬼、喜怒哀楽すべての分裂体が融合した最後の姿「憎拍天」と合計7体の姿で炭治郎たちと対峙します。
また本体はネズミほどの大きさの老爺の姿、喜怒哀楽の鬼たちは青年の容姿、恨の鬼は大男、憎拍天は少年のような姿と、本体及び分裂体それぞれが異なる容姿や特徴を備えています。
この半天狗を演じるとなると必然的に「一人7役」を担うことになり、それをふまえると『鬼滅の刃』の登場キャラクターの中では最も演じるのが難しい役なのではないでしょうか。
候補1:山寺宏一/“七色の声を持つ男”は一人7役もお手の物?
声優のみならず、俳優・タレントとしても活躍する山寺宏一。アニメ作品や吹き替えキャストはもちろん、テレビCMなどのナレーションも多く担当してきたことから、少なくとも日本国内では「山寺宏一の声を聞いたことがない人間」はいないのではないでしょうか?
そんな山寺宏一は「七色の声を持つ男」で知られ、高音低音を自在に操り、少年から老人、シリアスからコメディ、はたまた動物の役までこなす脅威の演技力を有しています。
それを裏付けるかのように、エディー・マーフィー主演のアメリカ映画『ナッティ・プロフェッサー2 クランプ家の面々』(2000)では、エディー・マーフィーが演じた「一人9役」を吹き替えにて見事に演じています。
同作について、後に山寺宏一は「太ってるキャラが多く演じ分けが難しかった」と語るほど演じるのに苦労した様子ですが、その言葉とは裏腹に、それぞれのキャラクターの特徴を表現し違和感なく演じています。
また2016年にネット配信されたショートアニメ『彼岸島X』では「50役」を一人で演じ切ると言う畏怖すらも感じさせる快挙を達成。その演技力は当時ネットを中心に話題になりました。
これらの声優にとっても「離れ業」の如き演じ分けをやってのける山寺宏一ならば、「一人7役」など朝飯前だとばかりに半天狗も見事に演じきってくれることでしょう。
候補2:うえだゆうじ/多彩な声質のバラエティに富んだ演じ分け
うえだゆうじは声優としてのキャリアの中で多くの作品に出演。『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』の相良左之助役、「ポケットモンスター」シリーズのタケシ役などを演じ、『機動戦艦ナデシコ』では主人公のテンカワ・アキト役を務めました。
そんなうえだゆうじは、演技力の高さもさることながら、声質を自在に操り全くタイプの異なるキャラクターを演じています。
例を挙げると、『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』相良左之助役のように血気盛んな青年を演じる一方で、『機動戦士ガンダム00』で演じたビリー・カタギリ役のように穏やかで知性的な演技を見せ、はたまた『おじゃる丸』キスケ役では非常に声の高い幼い「子鬼」を演じています。
一見して同一人物が演じているとは思えないほど、様々な声質を使い分けるうえだゆうじ。それを人々に最も印象付けたのは、『ギャグマンガ日和』での活躍ではないでしょうか。
毎話ごとに登場キャラクターが変化する『ギャグマンガ日和』においてほぼ全話に出演。時には複数の役を一つのエピソードの中で演じ切り、それでも違和感を感じさせない演技であるため、エンディングクレジットでうえだゆうじの出演に気が付き驚いたファンも多かったことでしょう。
彼ならば、特色が異なる半天狗達をバラエティ豊かに演じ分けられるのではないでしょうか。
候補3:野沢雅子/微妙な表現による演じ分けは神業の領域
1963年の『鉄腕アトム(第1シリーズ)』で声優デビューを果たし、声優の創成期から現在に足るまで第一線をかけ続ける野沢雅子は、まさに「レジェンド声優」と言う他表現しようがありません。そんな彼女を語るうえで、「ドラゴンボール」シリーズは決して外すことはできません。
誰もが知る主人公・孫悟空を1986年~1989年放送のテレビアニメ『ドラゴンボール』から2018年公開の映画『ドラゴンボール超(スーパー) ブロリー』まではもちろん、2021年1月現在も関連作品にてCVを担当し続けています。
この「ドラゴンボール」シリーズにて、野沢雅子は孫悟空や悟空の息子である孫悟飯・孫悟天の三人を演じ、それぞれの成長や性格の違いを見事に表現しています。
またシリーズ内に登場する悟空の実の父・バーダックや悟空と瓜二つの戦士・ターレス、悟空の体を乗っ取った邪悪な戦士・ゴクウブラックについても、同じ声質を保ちつつも演じ分けており、その表現力はまさに神業です。
野沢雅子ならば、半天狗のそれぞれのキャラクターをしっかり演じ分け、存在感を放つ演技が期待できるのではないでしょうか?
まとめ/次回の『鬼滅の刃全集中の考察』は……
本記事にて取り上げた「刀鍛冶の里編」玉壺・半天狗のキャスティング予想。
玉壺、半天狗はこれまで炭治郎たちが対峙してきた鬼達と特性が大きく異なる上、激しさを増す戦いの中で強く印象を残す演技が求められ、必然的にレジェンド声優たちが起用されることが予想されます。
誰が演じることになったとしても、あまりにもクセの強い両キャラクターをどのように演じるのか、期待されます。
次回の連載コラム「鬼滅の刃全集中の考察」でも引き続き、新キャラクターのキャスティングを予想。2020年に発表された第二回『鬼滅の刃』キャラクター人気投票では、鬼たちの首魁であるはずの鬼舞辻無惨以上の得票数を勝ち取った“上弦の弐”こと童磨、“上弦の壱”こと黒死牟をとりあげます。