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Entry 2019/01/02
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【2019年公開映画】邦画・洋画・アニメの期待のSFホラー作品とは?『ITイット』や大人気シリーズ続編に目が離せない|SF恐怖映画という名の観覧車30

  • Writer :
  • 糸魚川悟

連載コラム「SF恐怖映画という名の観覧車」profile030

新年あけましておめでとうございます。


©︎Cinemarche

初詣や親戚回り、もしくは家でゆっくり寝正月となっても頭から離れないのは映画のこと。

そんなわけで、今回のコラムでは2019年が「SF」・「ホラー」と言うジャンルにとってどんな年になるのかを考えていきます。

【連載コラム】『SF恐怖映画という名の観覧車』記事一覧はこちら

2019年の注目SF映画

2019年の公開が決定、または噂されている「SF」映画にはどのようなものがあるかをまとめてみると、やはり「大作映画」に注目が集まります。

昨年と同様に、やはりSFと言うジャンルでは大作が2019年を代表することになるのでしょうか。

大作SFの年になるか


(C)2018 MARVEL

「アベンジャーズ」シリーズでお馴染みのMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)からは、3つの作品が予定されています。

その中でも、圧倒的に注目を集めるのは何と言っても『アベンジャーズ/エンドゲーム』。

2018年の『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の完結編にあたる今作は世界的にも注目が高く、2019年の顔となることが期待されています。

シリーズ作品を次々と公開するこの形式はファンの熱気を冷まさない力技ですが、とあるシリーズはこの方法が裏目に出て苦戦を強いられています。

それは「スター・ウォーズ」シリーズ。

シリーズ最新作『スター・ウォーズ エピソード9(仮)』は2019年末公開予定です。

2017年に公開された『スター・ウォーズ/最期のジェダイ』は、世界各国で爆発的な売上を記録した一方で、ファンの間でも意見の分かれるシリーズ屈指の問題作となりました。

翌年に製作されたシリーズのスピンオフ『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』は、高いクオリティでのスピンオフで評価を受けますが、2016年に製作された『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』に比べ大きく興行収入を落としています。

「ブランド疲れ」という言葉が、シリーズの売上に強く響き始めた2018年。

果たして今年の大人気シリーズの行方は一体どうなってしまうのでしょうか。

ジャパニメーションにも注目


(C)サイコパス製作委員会

2019年は「ジャパニメーション」もSFジャンルでは見逃すことが出来ません。

3部作で公開される『PSYCHO-PASS Sinners of the System』は、2019年のSFアニメの本命作品。

「犯罪行為に手を染めやすい心理状態」を数値化し、それによって人生も何もかもを管理される世界を題材にした、人気アニメシリーズの劇場版2作目です。

本シリーズは公開される章ごとに、それぞれ別のメッセージが込められています。

完全管理の世界で犯罪率が低下することが果たして倫理的に正しいものなのか、を問いかける注目作です。

深夜アニメ枠「ノイタミナ」の人気シリーズの劇場版が話題になる中、国民的アニメの劇場版からも目を離せない2019年。

アニメ「ドラえもん」の最新映画『ドラえもん のび太の月面探査記』は、脚本に直木賞を始め数々の賞を受賞した作家の辻村深月が採用されました。

ミステリー作家としても名高い辻村深月が「ドラえもん」と「SF」を題材にどんな物語を見せてくれるのか、今から楽しみです。

2019年の注目ホラー映画

2018年は「モンスターパニック」が「ホラー」ジャンルで圧倒的な強さを見せた1年でしたが、2019年は注目ホラーが小ジャンルを飛び越え縦横無尽。

果たしてどんなホラー映画が覇権を握るのでしょうか。

名作ホラーのリメイクや続編が見逃せない


(C)Courtesy of Amazon Studios

何と言っても本命なのは『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』(2017)の続編『IT:chapter two(原題)』です。

前作では子供だった登場人物たちが大人になり、またしてもペニーワイズと対峙。

『ミスター・ガラス』、『X-MEN: ダーク・フェニックス』など2019年も大忙しの俳優ジェームズ・マカヴォイが主人公ビル役で起用されるなど、間違いなく覇権を取りに来ている作品です。

このように、過去作のリメイクや続編企画は目白押しであり、大人気スラッシャー映画の最新作『ハロウィン』やイタリア名作ホラーのリメイク『サスペリア』も「シナリオや怖さの方向性が想像出来る」ゆえに、堅実かつ安定したクオリティが約束されています。

異質な発想に惹かれるホラー映画


(C)2019「がっこうぐらし!」製作委員会

一部の映画を除き、基本的に低予算で製作される「ホラー」映画の界隈は、いつでも観客を驚かせようとする発想に満ちています。

そんな、ホラー映画界の「伏兵」的存在は2019年も健在。

和製ホラー映画からは、遊園地の全面協力のもと呪いを解くために遊園地を駆け回る「アトラクションホラー」映画『映画 としまえん』が目を惹きます。

「ホラー」と「遊園地」と言うどうしても心惹かれる組み合わせがある一方で、「日常生活」と「ホラー」と言う異質すぎる組み合わせの作品も登場。

同名漫画の実写化作『がっこうぐらし!』はホラーであるという作中の大きな「どんでん返し」をポスターなどで宣伝しましたが、スタッフはこのことすらも「仕掛け」の一部であると発言するほどであり、楽しみな作品です。

この他にも殺人鬼に襲われ死亡する日を繰り返し、打開策を探す『ハッピー・デス・デイ』など、異質な発想を持つホラー映画は盛りだくさん。

果たして2019年の覇権を握るホラー映画はどの作品なのか、ますます目の離せないジャンルです。

次回の「SF恐怖映画という名の観覧車」は…

いかがでしたか。

次回のprofile031では、「隔離」や「差別」を題材とした「SF」映画たちから、現代にも残る社会問題との繋がりを考えていきたいと思います。

1月9日(水)の掲載をお楽しみに!

【連載コラム】『SF恐怖映画という名の観覧車』記事一覧はこちら

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