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犬も食わねどチャーリーは笑う|あらすじ感想と評価解説。香取慎吾が夫婦のバトルをブラックコメディとして演じる|映画という星空を知るひとよ113

  • Writer :
  • 星野しげみ

連載コラム『映画という星空を知るひとよ』第113回

結婚4年目にして訪れたある夫婦のバトルを、香取慎吾主演でコミカルに描いたブラックコメディ『犬も食わねどチャーリーは笑う』

チャーリーは夫婦が飼っているペットのモリフクロウの名前です。チャーリーが飼い主を観る視線を通して、夫婦間の笑うだけではすまないバトルの一部始終を描きます。

監督は『箱入り息子の恋』(2013)『台風家族』(2019)などのオリジナル脚本でも勝負する市井昌秀。主役の情けないダメ夫を演じるのは、『凪待ち』(2019)の香取慎吾。

また1つ新たな役どころを得た香取の映画『犬も食わねどチャーリーは笑う』は、2022年9月23日(金)にTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開!

映画公開に先駆けて、『犬も食わねどチャーリーは笑う』をご紹介します。

【連載コラム】『映画という星空を知るひとよ』一覧はこちら

映画『犬も食わねどチャーリーは笑う』の作品情報


(C)2022 “犬も食わねどチャーリーは笑う”FILM PARTNERS

【公開】
2022年(日本映画)

【脚本・監督】
市井昌秀

【音楽】
安部勇磨

【主題歌】
「こころのままに」/never young beach

【キャスト】
香取慎吾、岸井ゆきの、井之脇海、中田青渚、小篠恵奈、松岡依都美、田村健太郎、森下能幸 / 的場浩司、眞島秀和、徳永えり 峯村リエ、菊地亜美、有田あん、瑛蓮 / きたろう、浅田美代子 / 余 貴美子

【作品概要】
市井昌秀監督がオリジナル脚本を書き下ろし、ある夫婦の互いにゆずれないバトルを、香取慎吾主演でコミカルに描いたブラックコメディ。

裕次郎役を『凪待ち』(2019)の香取慎吾、日和役を『神は見返りを求める』(2022)の岸井ゆきのが演じるほか、井之脇海、的場浩司、余貴美子らが脇を固めます。

映画『犬も食わねどチャーリーは笑う』のあらすじ


(C)2022 “犬も食わねどチャーリーは笑う”FILM PARTNERS

田村裕次郎はホームセンターで働くとても平凡な男性。客として来店した日和と結婚して4年目になります。

裕次郎は身体づくりのために自宅のトレーニングマシンで汗を流す毎日を送っています。会話の少なくなった日和との日常ですが、それなりに平和に暮らしていました。

ある日、会社の同僚からあるサイトを教えられました。

それは、妻たちの恐ろしい本音とも言える、旦那たちが見たらゾッとするようなエグイ投稿がびっしり書き込まれているSNSの「旦那デスノート」でした。

裕次郎は投稿者の文を読んでいきますが、ペンネーム「チャーリー」という投稿者がいて、とても気になりました。

妻の日和と一緒に飼っているフクロウの名前もチャーリーです。それに投稿の内容も、裕次郎が身に覚えのあることばかりです。

これは、単なる偶然? それとも……。まさかこれって、俺のこと?! 

ビックリ仰天の裕次郎、日和との間で本音をぶちまける夫婦喧嘩が始まろうとしています。

映画『犬も食わねどチャーリーは笑う』の感想と評価


(C)2022 “犬も食わねどチャーリーは笑う”FILM PARTNERS

夫婦間のパンドラの箱

『犬も食わねどチャーリーは笑う』の主人公夫婦の喧嘩の発端は、妻がサイトにハンドルネームで書きこんでいた‟旦那への不満”でした。

「旦那デスノート」と称するサイトに書き綴られた、旦那への罵詈雑言。

普段、旦那と面と向かって言えないことを、その妻はサイトに気が済むまで書き込んでいたのです。それも1人や2人ではなくて何人も。

投稿内容は誰もが「ある、ある」とうなずいたり、「わかる、わかる」と共感したくなるもので笑いももれます。

ですが、面と向かっては言えない夫に対する妻の本音と思えば、あまりにリアルすぎて、背筋も凍る想いがすることは間違いありません

顔で笑って心で悪口をつぶやく夫婦。特に本作では妻・日和の心のつぶやきが、要所要所で披露されます。

夫の一挙一動に対して、妻は何を思うのか。妻の胸中を知った夫は、開けてはいけないパンドラの箱を開けた思いがしたことでしょう

そして、観客は実体験と思われるような現場の目撃者になってしまい、どちら側につくか、迷うことでしょう。

夫婦の平和はどうなるのか


(C)2022 “犬も食わねどチャーリーは笑う”FILM PARTNERS

田村夫妻は演じるのは、香取慎吾と岸井ゆきのです。

映画『凪待ち』(2019)をはじめ、多くの映画でさまざまな役柄に挑戦してきた香取慎吾。

本作の気弱なダメ夫は、これまでにないキャラと思え、香取慎吾の新しい役どころの一面を見ることになるでしょう。

また、妻の日和は、岸井ゆきのが演じています。映画『愛がなんだ』(2018)『やがて海へと届く』(2022)をはじめ、『神は見返りを求める』(2022)なで、テレビや舞台で幅広く活躍する実力派。

身長差がある2人が演じる夫婦は、どこかユーモラスで可愛らしさがあります。それなのに、結婚して4年目ともなると冷めきった空気が漂い始めています。

そんな雰囲気の中、ギリギリに追い込まれた夫婦の危機に立ち向かう、香取慎吾と岸井ゆきの演技に注目です。

まとめ


(C)2022 “犬も食わねどチャーリーは笑う”FILM PARTNERS

香取慎吾と岸井ゆきのが夫婦役をする映画『犬も食わねどチャーリーは笑う』をご紹介しました。

夫婦だからこそ言えない不満は、誰にも言えず胸に秘めておくことがありますが、本作では、その不満を妻がSNSのサイトに投稿します。

そのサイトを見てしまった夫。ハンドルネームから妻の投稿とわかり、妻が何を思っているかを知って愕然とします。

夫婦なら誰もが経験するようなマル秘な話がスクリーンに登場しました。

憎めないダメ夫を演じる香取慎吾、言葉はきついけれどチャーミングな岸井ゆきの。

2人が演じる夫婦の将来が明るいものでありますようにと、願わずにいられません。

映画『犬も食わねどチャーリーは笑う』は、2022年9月23日(金)にTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開!

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星野しげみプロフィール

滋賀県出身の元陸上自衛官。現役時代にはイベントPRなど広報の仕事に携わる。退職後、専業主婦を経て以前から好きだった「書くこと」を追求。2020年よりCinemarcheでの記事執筆・編集業を開始し現在に至る。

時間を見つけて勤しむ読書は年間100冊前後。好きな小説が映画化されるとすぐに観に行き、映像となった活字の世界を楽しむ。

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