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Entry 2019/01/16
Update

ホラー映画『サスぺリア』いわくつきの原作リメイクを内容解説|SF恐怖映画という名の観覧車32

  • Writer :
  • 糸魚川悟

連載コラム「SF恐怖映画という名の観覧車」profile032

2019年も3週目を迎えました。

皆さまの初映画はどんな作品だったでしょうか。

今回は、初映画はまだと言う方にも、大作ホラーを期待していた方にもオススメの、ゾッとするホラー映画『サスペリア』をご紹介させていただきます。

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映画『サスペリア』の作品情報


(C)Courtesy of Amazon Studios

【原題】
Suspiria

【製作】
2018年(アメリカ・イタリア合作映画)

【監督】
ルカ・グァダニーノ

【キャスト】
ダコタ・ジョンソン、ティルダ・スウィントン、クロエ・グレース・モレッツ、ミア・ゴス、シルヴィー・テステュー、アンゲラ・ヴィンクラー、ジェシカ・ハーパー

『サスペリア』のあらすじ


(C)Courtesy of Amazon Studios

バレエを学ぶため、はるばるアメリカからドイツの名門舞踊団マルコス・ダンスアカデミーにやってきたスージー(ダコタ・ジョンソン)。

スージーは異質な雰囲気に違和感を覚えますが、無事に入団に成功します。

初のオーディションでカリスマ振付師マダム・ブラン(ティルダ・スウィントン)の目に留まり、すぐに大事な演目のセンターに抜擢されたスージー。

一方その頃、パトリシア(クロエ・グレース・モレッツ)は自身の通っていたダンスアカデミーに「魔女」がいると訴えていました…。

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どれが本当の続編?原作の『サスペリア』とは


©1977 SEDA SPETTACOLI S.P.A ©2004 CDE / VIDEA

遂に日本でも公開されるホラー映画『サスペリア』。

実は本作、ダリオ・アルジェントによって製作されたイタリア製ホラー映画『サスペリア』(1977)のリメイクです。

1977年に公開された『サスペリア』は、日本でも海外製ホラー映画としては異例のヒットを記録しましたが、ヒットしたが故のエピソードも有名です。

ダリオ・アルジェントが1975年に製作した『Profondo Rosso』と言う映画は、ホラーのテクニックを最大限に使用した、今でも多くの人から支持を受けるミステリー作品。

しかし、日本の配給会社は『サスペリア』のヒットに便乗するため、『サスペリア』とは物語上一切の関係の無い『Profondo Rosso』を『サスペリア PART2』(1978)とタイトルを変更し公開したんです。

そのため、後に製作された『インフェルノ』(1980)が『サスペリア』の続編であることへの認知度は低く、様々な意味で日本ではいわくつきの作品と言えます。

若い女性からの支持を受ける主演女優ダコタ・ジョンソン


(C)Courtesy of Amazon Studios

リメイク版『サスペリア』で主演に抜擢されたのは、アメリカで大人気の女優ダコタ・ジョンソン。

ドン・ジョンソンとメラニー・グリフィスと言う偉大な俳優の間に生まれ、メラニーの再婚相手である『デスペラード』(1995)のアントニオ・バンデラスが継父と言うダコタも、今やハリウッドスター。

『ソーシャル・ネットワーク』(2010)や『21ジャンプストリート』(2012)など批評家から高い評価を受ける作品に出演後、『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』(2015)のオーディションで主演を勝ち取ったことにより世界的に名が知れ渡ります。

二世俳優と言う恵まれた生まれでありながらも、オーディションで役を掴み取り、ヌードや激しい性描写シーンにも真正面から挑む彼女の在り方は好感を持てます。

そんなダコタ・ジョンソンが『サスペリア』で見せる演技は果たしてどのようなものか、必見です。

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豪華すぎる共演女優たち

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There is no escape. #Suspiria

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『キックアス』(2010)で猟奇的なのに愛くるしいヒットガールを演じ、世界中を虜にしたクロエ・グレース・モレッツ。

彼女が『サスペリア』での序盤の重要な鍵を握るパトリシア役で起用されたことでも、本作は映画ファンの中で話題となりました。

しかし、それだけでなく物語のメインともなるブランク夫人役に『コンスタンティン』(2005)のガブリエル役で綺麗さと格好良さを体現し、『フィクサー』(2007)でアカデミー助演女優賞を受賞したティルダ・スウィントンが起用され騒然となります。

ここまでだけでも豪華すぎる布陣でしたが、更に意外な俳優が参加することが分かりました。

その俳優こそが1977年版の『サスペリア』で主人公のスージーを演じたジェシカ・ハーパーです。

今では映画界だけではなく、児童小説などの分野で活躍する彼女。

再びジェシカ・ハーパーを『サスペリア』の世界で観ることが出来るだけで充分すぎます。

全員が全員、己の身体全てで表現する「異質ホラー」な作品です。

まとめ


(C)Courtesy of Amazon Studios

本作の監督を務めたルカ・グァダニーノは、同性愛に揺れ動く若者の青春を描いた『君の名前で僕を呼んで』(2018)が話題となった名監督。

繊細な感情を丁寧に表現した『君の名前で僕を呼んで』と違い、本作では先鋭かつ独創性に満ちた映像表現で『サスペリア』の世界を彩っています。

既にアメリカでは劇場公開され、“『サスペリア』はホラージャンルの注目すべき一歩”と言う評価がなされるほどの注目作。

「ホラー」と言うジャンルを語る上で見逃せない作品であることは間違いありません。

鮮烈な映像表現を全身で感じるために、ぜひ劇場でご覧いただきたい作品です。

次回の「SF恐怖映画という名の観覧車」は…

いかがでしたか。

次回のprofile033では、2019年1月25日に劇場公開される『PSYCHO-PASS Sinners of the System Case.1 罪と罰』を前に、シリーズのこれまでのおさらいと作品に込められたメッセージを考察していきたいと思います。

1月22日(火)の掲載をお楽しみに!

【連載コラム】『SF恐怖映画という名の観覧車』記事一覧はこちら

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