連載コラム「シネマダイバー推薦のNetflix映画おすすめ」第47回
夏の暑さが本格的になり、ホラー映画が恋しくなる季節に始まったホラー映画シリーズ「フィアー・ストリート」。
映像配信サービス「Netflix」の独占配信となるこのシリーズは3週に渡って連続配信される「ホラー」&「スラッシャー」映画として話題を集めています。
今回は「魔女の呪い」の正体が徐々に明らかになるシリーズ第2作『フィアー・ストリート Part2:1978』(2021)を、ネタバレあらすじを含めご紹介させていただきます。
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CONTENTS
映画『フィアー・ストリート Part2:1978』の作品情報
【原題】
Fear Street Part Two: 1978
【配信日】
2021年7月9日(アメリカ映画)
【監督】
リー・ジャニアク
【キャスト】
セイディー・シンク、エミリー・ラッド、ライアン・シンプキンス、マッケイブ・スライ、テッド・サザーランド、ジョルダーナ・スパイロ、ジリアン・ジェイコブス
【作品概要】
映画化もされた「グースバンプス」などのシリーズで知られるホラー小説家R・L・スタインによるホラー小説「フィアー・ストリート」シリーズをリー・ジャニアクが3部作で映像化した作品。
第2弾となる本作は「ストレンジャー・シングス」シリーズに出演する俳優セイディー・シンクが主演を務めました。
映画『フィアー・ストリート Part2:1978』のあらすじとネタバレ
ナイトウィングでの惨劇から30年以上が経過しても、家の中から一切出ずに常に警戒し過ごすバーマンのもとにディーナとジョシュが現れます。
彼女たちが魔女に狙われていることを知るバーマンは、2人が魔女に操られているサムも連れてきていることを知ると追い返そうとしますが、彼女たちの懇願を断りきれずに家の中へと招きます。
サムを風呂場に縛りつけたバーマンは、1978年にナイトウィングキャンプ場で発生した惨劇をディーナとジョシュに話し始めます。
1978年7月19日、ジギー・バーマンはシェイディサイド内にあるナイトウィングキャンプ場のコミュニティに属していましたが、問題行動が多く同世代のリーダー格であるシーラに魔女が乗り移っていると目の敵にされるだけでなく、コミュニティから追い出されそうになり、そのたびに町の権力者の息子であるグッドに助けられていました。
ジギーの姉であるシンディはコミュニティのスタッフとして活動していましたが、妹の問題行動やスタッフの風紀の乱れに頭を悩ませていました。
コミュニティ内の医者であるレーンは、娘のルビーが大量殺人を犯し自殺したことに疑問を覚え、噂の元凶である魔女についてを独自に調査します。
ある日、同僚スタッフであるボーイフレンドのトミーと掃除をしているとシンディは「トミーの名前が壁に刻まれていた」と話すレーンに包丁で襲われます。
頭を打ちながらもレーンを投げ飛ばし気絶させたことでトミーは助かりますが、コミュニティは魔女による呪いであると動揺が広まります。
しかし、その日の夜はシェイディサイドと隣町のサニーヴェイルとのカラー戦争というゲーム対決があり、子供たちは盛り上がっていました。
シンディはレーンが狂気の行動に走る前に最後に話したジギーから話を聞こうとしますが、彼女は町が呪われていると話すばかりで2人の溝は広まり続けます。
夜、トミーと共にレーンの医務室に侵入したシンディは、レーンが執筆した魔女に対する研究本を見つけます、
研究本には1666年にシェイディサイドの場所に入植地があったことが書かれており、シェイディサイドの地図の様々な箇所にバツ印が記されていました。
シンディの同僚でありドラッグを日常的に利用するアリスがその場に現れ、シンディから研究本を奪うとシンディたちと共にバツ印のある地点へと向かいます。
バツ印の場所にある墓は何者かに荒らされ、その奥には魔法陣や様々な魔術に関する本が置かれた魔女「サラ・フィアー」の小屋があり、壁には歴代のシェイディサイドの殺人鬼の名前が刻まれ、その中にはトミーの名前が刻まれていました。
気分の悪そうな顔をするトミーは、突如斧を持ちアリスの恋人アーニーを殺害すると、シンディとアリスを追い始めます。
洞窟に落ちたことでトミーの強襲を逃れた2人はレーンは、魔女について調べている間に壁の文字を見てトミーが操られることに気づき、殺害しようとしたのだと気づきます。
一方、トミーはキャンプ場へと辿り着きキャンパーの少年ジェレミーを殺害。
その後もトミーは次々とキャンプ場のスタッフとキャンパーを斧で斬殺していきます。
ジギーとグッドは仲を深めている間に悲鳴を聞きつけジェレミーの死体を発見します。
ジェレミーの死体の発見後、キャンプ場内の至る所で死体が発見されナイトウィングはパニックとなります。
映画『フィアー・ストリート Part2:1978』の感想と評価
サマーキャンプを襲う惨劇
『ハロウィン』(1978)と同様にスラッシャー映画の金字塔となり、後発のスラッシャー映画に多くの影響を与えた映画『13日の金曜日』(1980)。
「サマーキャンプ」を舞台とした「ホラー映画」といえばこの作品を思い浮かべる人も多く、さまざまなスラッシャー映画の定番要素が生み出されました。
「フィアー・ストリート」シリーズ第2作となる本作では、そんな「13日の金曜日」シリーズへのオマージュがさまざまシーンで用いられています。
しかし、本作は単にオマージュが散りばめられた作品では終わらず、「分かりやすく定番をなぞるシーン」と「敢えて定番を裏切るシーン」を交差させることで先を読ませない展開を作り上げていました。
「魔女の呪い」の正体が明らかになり始める第2作
1666年に「サラ・フィアー」が魔女の嫌疑をかけられ処刑されたことを契機に始まるシェイディサイドの呪い。
前作ではその呪いを一時的に無効化する方法は見つかれど、町にかけられた呪いを解くことは出来ずに状況はさらに悪化してしまいました。
第2作となる本作では、前作の主人公ディーナが1978年に発生した惨劇の物語を聞き、自身の持つ情報と重ね合わせることで「魔女の呪い」の正体に本格的に迫っていくことになります。
前作に登場した呪いの存在を信じない町の保安官グッドの過去も描かれており、「家族の栄光」に縛られるグッドが実は高い正義感と勇気を持ち合わせていることが明らかになり、彼が本格的に動き出す最終作での活躍に期待が高まる中継ぎ作となっていました。
まとめ
「フィアー・ストリート」は本作で描かれる1978年の惨劇を経て、物語は呪いの元凶となる1666年へと遡っていきます。
「魔女はなぜ処刑されたのか」、「魔女はシェイディサイドをなぜ呪うのか」、そして1994年を生きるディーナたちが「呪いを解く方法」とは。
全てが明らかになる第3作に備えて、サマーキャンプが血に染まる第2作『フィアー・ストリート Part2:1978』をぜひ「Netflix」で鑑賞してみてください。
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