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Entry 2021/09/04
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映画『グレタ ひとりぼっちの挑戦』感想考察と評価解説。“世界で一番”有名な若き環境活動家の素顔を活写|だからドキュメンタリー映画は面白い63

  • Writer :
  • 松平光冬

連載コラム『だからドキュメンタリー映画は面白い』第63回

今回取り上げるのは、2021年10月22日(金)より、新宿ピカデリーほかにて全国順次公開の『グレタ ひとりぼっちの挑戦』。

傷つくことを恐れず、正面からNOと言う。地球を守るため声を上げ続ける若き環境活動家が、世界的な注目を集める前から密着した、貴重なドキュメンタリーです。

【連載コラム】『だからドキュメンタリー映画は面白い』記事一覧はこちら

映画『グレタ ひとりぼっちの挑戦』の作品情報

(C) 2020 B-Reel Films AB, All rights reserved.

【日本公開】
2021年(スウェーデン映画)

【原題】
I Am Greta

【監督・共同脚本・撮影】
ネイサン・グロスマン

【脚本】
ペール・K・キルケゴー、ハンナ・レヨンクビスト

【製作】
フレドリク・ハイニヒ、セシリア・ネッセン

【編集】
シャーロット・ランデリウス、ハンナ・レヨンクビスト

【キャスト】
グレタ・トゥーンベリ、スヴァンテ・トゥーンベリ、アントニオ・グテーレス、エマニュエル・マクロン、アーノルド・シュワルツェネッガー、ドナルド・トランプ

【作品概要】
スウェーデンの若き環境活動家グレタ・トゥーンベリの素顔に迫ったドキュメンタリー。

2018年8月からの学校ストライキから、翌年のニューヨーク国連本部での気候行動サミットでのスピーチ、そして太平洋横断してのヨットでの2週間の航海といった活動に密着。

スウェーデンのドキュメンタリー映画監督兼カメラマンのネイサン・グロスマンが、たった一人で抗議活動を始めた頃からグレタに密着し、1年以上の歳月をかけて完成させました。

映画『グレタ ひとりぼっちの挑戦』のあらすじ

(C) 2020 B-Reel Films AB, All rights reserved.

2018年8月、スウェーデンに暮らす当時15歳のグレタ・トゥーンベリは、気候変動に対する政府の無関心に抗議するため、たったひとりで国会議事堂前に座り込み、学校ストライキを始めます。

毎週金曜日に行っていたこの活動は、やがて世界中の多くの若者に拡散され、数カ月のうちに国内外へ広がる一大ムーブメントに。

その後、2019年のニューヨーク国連本部での気候行動サミットで涙ながらに訴えたスピーチで、グレタはさらに注目を浴びる存在となっていきます。

しかし、力強い発言故に、いつしか誹謗中傷も浴びるようになったグレタは、先行きの見えない状況に悩みを抱えるようになっていき…。

たった一人の抗議活動が世界を動かす


(C) 2020 B-Reel Films AB, All rights reserved.

2003年、オペラ歌手の母と俳優兼作家の父との間に生まれたグレタ・トゥーンベリは、2011年に学校の授業で環境問題に関する映画を見たショックで摂食障害となり、後にアスペルガー症候群と診断されます。

やがて菜食主義者になった彼女は、気候問題に関しての独学を続け、2018年には学校ストライキをはじめとする「Fridays For Future(未来のための金曜日)」活動を開始。

SNSを通じ、この活動が拡散されると、グレタは一躍時の人となり、世界各国の会議に出席しては大物政治家などの大人たちを相手に動じることなく厳しく批判し、環境活動家の若きリーダーとなります。

ついには、米タイム誌「パーソン・オブ・ザ・イヤー」に史上最年少で選出されて表紙を飾れば、2019年、2020年と2年連続でノーベル平和賞にノミネートされるまでになったのです。

メディアに映らない素顔のグレタ・トゥーンベリ

(C) 2020 B-Reel Films AB, All rights reserved.

本作『グレタ ひとりぼっちの挑戦』は、元々トゥーンベリ一家と親交があったというネイサン・グロスマン監督が、グレタが学校ストライキを始めた頃から撮影していた映像をまとめたものです。

当初グロスマンは、1~2日程度の撮影予定だったものの、すぐに彼女の座り込みに感銘を受け、ドキュメンタリー映画にすることを決意。

政府首脳らとの会談や公式行事への出席、世界中での抗議活動と、拡大していく彼女の活動をあますことなくカメラに収めることとなりました。

その一方で、家族と談笑する姿や、スピーチ原稿を懸命に執筆する姿に加え、休みなく続く旅へのストレス、世間からの目に葛藤する姿といった、メディア映像では流れないプライベートな面も垣間見ることができます。

名だたる評論家や政治家(ここでも出てくるドナルド・トランプ前米大統領!)、気候変動否定論者からの虚言に、SNSで直接向けられる殺害予告……図らずも環境活動家のオピニオンリーダーとなってしまったゆえの、苦悩する10代の素顔も捉えています。


(C) 2020 B-Reel Films AB, All rights reserved.

2019年9月23日、ニューヨークで開かれた国連気候行動サミットに出席したグレタ。そこで語ったのは、大人たちへの憤怒でした。

多くの人たちが苦しんでいます。多くの人たちが死んでいます。全ての生態系が破壊されています。私たちは大量絶滅の始まりにいます。
それなのにあなたたちが話しているのは、お金のことと、経済発展がいつまでも続くというおとぎ話ばかり。恥ずかしくないんでしょうか?
(中略)皆さんは私たちを見捨てている。しかし、若者たちはあなたたちの裏切りに気づき始めています。未来の世代の目は、あなたたちに注がれています。
もしあなたたちが裏切ることを選ぶのであれば、私たちは決して許しません。

グレタが本作で語っている、我々が迎えている危機、地球規模の気候変動、地球温暖化の影響は、地球に暮らす全生物に及びます。

今もなお、気候変動対策の活動のために船や鉄道で世界を回るグレタの、「もう時間がない」というメッセージを、あなたはどう受け取りますか?

次回の連載コラム『だからドキュメンタリー映画は面白い』もお楽しみに。

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