圧倒的な歌唱力で紡がれるショームービー第2作!
スティーヴィー・ワンダーとアリアナ・グランデによるオリジナル楽曲を始め、エルトン・ジョンやテイラー・スウィフトなど名だたる歌手の楽曲を起用し大ヒットとなった映画『SING/シング』(2017)。
その人気は日本でも根強く、2019年にはアミューズメント施設「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」内に『SING/シング』を題材としたアトラクションがオープンされるほどとなりました。
そして2022年、さらにスケールアップした『SING/シング』の続編が日本に上陸。
今回は映画『SING/シング: ネクストステージ』(2022)を、ネタバレあらすじを含めご紹介させていただきます。
CONTENTS
映画『SING/シング: ネクストステージ』の作品情報
【日本公開】
2022年(アメリカ映画)
【原題】
Sing 2
【監督】
ガース・ジェニングス
【脚本】
ガース・ジェニングス
【キャスト】
マシュー・マコノヒー、リース・ウィザースプーン、スカーレット・ヨハンソン、タロン・エガートン、トリー・ケリー、ニック・クロール、ファレル・ウィリアムス、ホールジー、ボノ、ガース・ジェニングス
【日本語吹き替え版キャスト】
内村光良、坂本真綾、長澤まさみ、大橋卓弥、MISIA、斎藤司、ジェシー、アイナ・ジ・エンド、稲葉浩志、田中真弓
【作品概要】
『SING/シング: ネクストステージ』は、ランボーに憧れる少年たちの物語を描いた『リトル・ランボーズ』(2010)を製作したガース・ジェニングスが前作から引き続きとりまとめた作品。
『ダラス・バイヤーズクラブ』(2014)でアカデミー主演男優賞を受賞した名優マシュー・マコノヒーが再び主人公のバスター・ムーンの声を演じました。
映画『SING/シング: ネクストステージ』のあらすじとネタバレ
ムーンが支配人を務めるニュー・ムーン・シアターは、野外ライブを成功させたロジータ、ジョニー、ミーナ、グンターの人気によって連日に渡って公演のチケットが売り切れるほどに盛況となっていました。
ある日、「不思議の国のアリス」の公演にエンターテイメントの聖地「レッド・ショア・シティ」に居を構える大企業「クリスタル・エンターテインメント」の社長秘書のスーキーが現れます。
その日の公演はキャストも客も満足のいくものではありましたが、スーキーは第2幕を見ることなく劇場を去ってしまい、ムーンは彼女を追い何が良くなかったのかを訪ねますが、「一流の場では通用しない」とだけ言われてしまいます。
スーキーの言葉に心折られたムーンでしたが、劇場の後援者であり伝説的な歌姫の過去を持つナナに「一流を目指すなら挫折から立ち直る精神がなくてはいけない」と諭されます。
ナナの言葉を噛み締めたムーンはかつて野外ライブを共に成功させたアッシュを再び仲間に加え、劇場の仲間と共に「レッド・ショア・シティ」行きのバスへと乗りました。
街に着いたムーンたちは「クリスタル・エンターテインメント」を訪ね社長への直談判を企み、従業員に扮してビルの最上階へと潜入。
そこでは社長のジミーが公演企画のオーディションを審査しており、高い技術を持つアーティストたちが次々と失格していく様子を目にすることになります。
ムーンたちは参加者として紛れ込みミーナを主演とした「高校生の物語」を紹介しますが、ジミーはありきたりだと否定し演目を見ることなく失格。
しかし、舞台からの去り間際にグンターの発した「伝説のロックシンガー、クレイ・キャロウェイの楽曲を利用」と言う出鱈目な言葉にジミーは強く惹かれます。
クレイは十数年間表舞台に出ておらず、楽曲使用の許可すら降りない人物ではありましたが、ジミーの反応を見たムーンはクレイと知り合いであると嘘をつき、「クレイの出演」を条件に公演を認められます。
ムーンはジミーの資金力を最大限に使った設備やキャストの利用を許可されますが、ジミーに「恥をかかされたらビルの屋上から突き落とす」と脅され、山積みの問題をひとつずつ潰すことに奔走。
発端であるグンターと共にSFミュージカル「この世界のかなたへ」の脚本とステージ案を決定したムーンは、早速ステージの開発とリハーサルに取り掛かります。
しかし、恋人役のダリウスとミーナは息が合わず、ジョニーは経験のないダンスを学ぶために用意された業界トップのコーチであるクラウスにいびられてしまうなど、練習は順調には進みませんでした。
さらに主演に抜擢したロジータが高所から飛び降りるシーンに怯え実行ができず、クレイのファンであり現場を見に来たジミーの娘ポーシャのワガママによって主演の座を交代させられてしまいます。
数日後、ムーンの秘書であるクローリーはクレイの住所を突き止め家を訪ねますが、クレイはペイントガンを使った過激な方法で彼女を追い返します。
クレイの弁護士を通してムーンの嘘がジミーに伝わってしまい、1週間以内にクレイの出演交渉を成功させなければムーンの命が脅かされる状況に陥りました。
ムーンは現場の指揮をクローリーに任せ、志願するアッシュと共にクレイの住居へと向かいますが、クレイの家を囲む高圧電流に触れてしまい、意識を失ってしまいました。
映画『SING/シング: ネクストステージ』の感想と評価
何のために歌うのかを問いかける進化した物語
一度も成功を収めたことのない劇場支配人のムーンと、彼の見出した新人アーティストたちが奇跡のショーで世界を魅了した前作のラスト。
数年経ってもショーの評価は落ちることが無く、本作では楽天家かつ夢想家のムーンはさらにスケールを広げたショーのために画策し始めます。
しかし、ムーンが引き入れようとする伝説のロックスターであるクレイは、愛する妻を失った痛みから歌うことを止めていました。
25人の息子を持つロジータやマフィアの息子であるジョニーなど、夢の世界での活躍と現実の間に葛藤しながらも歩みを続けてきた歌手たちと前しか見ないムーンは再びクレイにマイクを持たせることが出来るのか。
『SING/シング: ネクストステージ』は、前作以上に「何のために歌うのか」が伝わる心温まる物語になっていました。
圧巻の歌声が披露されるオリジナル版と日本語吹き替え
『ブラック・ウィドウ』(2021)の俳優として広く知られるスカーレット・ヨハンソンや『ロケットマン』(2019)でエルトン・ジョンを演じたタロン・エガートンが再びその美声を振るう本作。
前作から続投したキャストによる歌唱だけでも価値のある「SING」シリーズですが、続編となる本作にはポップ歌手として高い評価を受けるホールジーや人気バンド「U2」のボーカルであるボノが新たに出演しました。
世界から絶賛されるシンガーによる歌唱シーンは圧巻のクオリティであり、座席すらも揺らす爆音の映画館での鑑賞が映える作品です。
そして、そんなオリジナルキャストに引けを取らない日本語吹き替え版にも要注目。
MISIAや「スキマスイッチ」の大橋卓弥などの前作出演シンガーに加え、 世界的ロックユニット「B’z」の稲葉浩志や、一発撮りのYoutubeチャンネル「THE FIRST TAKE」で話題となった「BiSH」のアイナ・ジ・エンドと「SixTONES」のジェシーなど各ジャンルのシンガーが新たに出演。
原語版でも日本語吹き替え版でも大迫力の歌唱シーンとなっていました。
まとめ
俳優やシンガーによる歌唱だけでなく、本作はアニメーションの演出も前作に比べて大幅にスケールアップしています。
「ミニオンズ」シリーズを手掛ける「イルミネーション」らしい破天荒かつ派手な映像は演奏シーンの迫力を増す効果を生んでおり、歌唱だけでは到達できない「映画」としての面白味に溢れている作品となっていました。
映画『SING/シング: ネクストステージ』は前作が好きな方はもちろん、大迫力の歌唱シーンに興味がある人や、大きな挫折を経験し明るい気持ちになりたい人まで、多くの方に自身を持ってオススメ出来る作品です。