大ヒット映画「トランスフォーマー」シリーズの始まりの物語!
ジョシュ・クーリーが監督を務めた、2024年製作のアメリカの3DCGアクション・エンタテインメント映画『トランスフォーマー/ONE』。
ロボット生命体が暮らす惑星サイバトロン。変形能力を持たない労働ロボットのオライオンパックス(のちのオプティマスプライム)とD-16(のちのメガトロン)は固い友情で結ばれていました。
ある日、謎のSOSメッセージを受けた2人は、仲間と一緒にSOSの座標へ。謎めいたアルファとライオンの力により、変形能力を手に入れるのです。しかし新しい力を手に入れたことで、2人の関係性に変化が………。
映画『トランスフォーマー/ONE』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。
映画『トランスフォーマー/ONE』の作品情報
【日本公開】
2024年(アメリカ映画)
【製作総指揮】
スティーヴン・スピルバーグ、ゼヴ・フォアマン、オリヴィエ・デュモン、ブラッドリー・J・フィッシャー、マット・クィッグ
【監督】
ジョシュ・クーリー
【脚本】
エリック・ピアソン、アンドリュー・バレル、ガブリエル・フェラーリ
【キャスト】
クリス・ヘムズワース、ブライアン・タイリー・ヘンリー、スカーレット・ヨハンソン、キーガン=マイケル・キー、スティーブ・ブシェーミ、ローレンス・フィッシュバーン、ジョン・ハム
【日本語吹き替え版キャスト】
中村悠一、木村昴、吉岡里帆、木村良平、佐藤せつじ、上田耀司、星野貴紀、柚木涼香、諏訪部順一、玄田哲章、稲田徹、杉田智和
【作品概要】
『インサイド・ヘッド』(2015)のストーリー監修・脚本を手がけたジョシュ・クーリーが監督を務めた、アメリカの3DCGアクション・エンタテインメント作品。世界で大ヒットを記録した「トランスフォーマー」シリーズの前日譚というべき、若き日のオプティマスプライムとメガトロンの物語を3DCGで描いた作品です。
本作の主人公オライオンパックス(オプティマスプライム)役は「マイティ・ソー」シリーズのクリス・ヘムズワース、D-16(メガトロン)役は『ロスト・マネー 偽りの報酬』(2018)のブライアン・タイリー・ヘンリー。
エネルゴン採掘チームをまとめあげる女性リーダーのエリータを「アベンジャーズ」シリーズのスカーレット・ヨハンソン、陽気でノリが軽いチームのムードメーカー的存在のB-127(バンブルビー)を『ザ・プレデター』(2018)のキーガン=マイケル・キーがそれぞれ担当します。
映画『トランスフォーマー/ONE』のあらすじとネタバレ
太古の昔、プライマスという慈悲深く強大な創造主がいました。彼は宇宙を救うために自ら犠牲となり、サイバトロンという惑星へと姿を変えました(トランスフォーム)。そのサイバトロンの中核から最初のトランスフォーマー、プライムたちが生まれました。
プライマスは、未来の世代を導き守る最強のトランスフォーマーである彼らにある大いなる力、リーダーの証「マトリクス」を与えました。
プライムたちがマトリクスを得たことによって、サイバトロンの天然エネルギー源であるエネルゴンが地下からふんだんに湧き出し、この星のあらゆる生き物の命を育んでいきました。
何世代という長きにわたり、平和と繁栄をもたらしました。しかしマトリクスが行方不明になり、エネルゴンは湧き出ることなく枯渇してしまいました。
サイバトロンの都市アイアコン。記録保管所の書庫に忍び込み、この「マトリクス伝説」を盗み見ていた採掘ロボットのオライオンパックス(のちのオプティマスプライム)。
サイバトロンの危機に、たった一人で異星人クインテッサの侵略を退けたとされるヒーロー、センチネルプライムに憧れ、地上に出てマトリクスを探す彼の手伝いがしたいと思っていました。
そのため、マトリクスを見つける手がかりがないかと古いデータを探していたのです。
しかし立ち入りを禁じられている書庫への侵入がバレてしまったオライオンパックスは、駆けつけた警備ロボットとの逃走劇を繰り広げていきます。逃走劇の末、追い詰められたオライオンパックスを救ってくれたのは、彼の親友D-16でした。
オライオンパックスとD-16ら採掘ロボットは、変形能力を持っていません。それ故に、変形能力を持つ採掘ロボットの監督役ダークウィングらトランスフォーマーからいつも馬鹿にされていました。
ときに無鉄砲でルールに縛られない性格のオライオンパックスと、正義感にあふれ仲間想いなD-16。不完全なお互いをかばい合い、気の合った掛け合いと友情のグータッチを交わして、共に採掘ロボットとして働いていました。
そんなある日、地上から帰還したセンチネルプライムが、変形能力を持つトランスフォーマーたちが街を駆け巡るレース「アイアコン5000」の開催を宣言。
優勝しなくとも誰か一人にでも勝つことができれば、不可能を成し遂げたとして歴史に残り、自分たちの能力を示すことができると考えたオライオンパックスは、親友を巻き込んでレースに飛び入り参加します。
採掘仲間がレースに出ていると沸き立つ採掘ロボットたち。主催者のセンチネルプライムも、史上初の快挙を成し遂げるかも知れないと彼らに期待を寄せていました。
激戦の末、オライオンパックスたちは健闘虚しく、あと一歩のところで優勝を逃してしまいました。
降格を覚悟した2人でしたが、センチネルプライムは彼らの勇気ある行動によって、レース後の採掘ロボットたちの作業効率が大きく上昇したとしたとして褒めたたえ、自身の修理ポッドでの修理という褒美を与えます。
ですがセンチネルプライムと入れ違いできたダークウィングによって、2人は最下層のレベル40よりもさらに下、溶鉱炉があるレベル50の地下に閉じ込められてしまいました。
そこで彼らは、永遠に近い昔から、搬送ベルトから落ちてきたスクラップの選別を行っている焼却ゴミの監視係をしている黄色のトランスフォーマー、B-127(のちのバンブルビー)と出会います。
さらに2人は、ずっと孤独だったB-127の話し相手となっていた廃棄ロボットから、謎のSOS信号をキャッチ。
「クインテッサの襲撃だ。親衛隊に連絡し援軍を」「ゼータプライムは倒された。マトリクスを守れ、現在位置を送信する」
その場所はプライムたちが戦死した場所、そこに行けばマトリクスが見つかるかもしれないと考えたオライオンパックスは、D-16とB-127と一緒に地上にまで行ける廃棄物運搬列車に忍び込みます。
そこには、オライオンパックスのしでかしたヘマで廃棄管理部にとばされた元エネルゴン採掘チームの女性リーダー、エリータの姿が……。
エリータはオライオンパックスへの恨みゆえに、最初は彼の話に聞く耳を持ちませんでした。
しかし彼らに巻き込まれる形で廃棄物運搬列車で地上に出た後、美しい地上の光景を見て冷静さを取り戻し、彼らの話を聞いて協力することに……。
すると背後から、成長し続ける巨大な鉱脈が迫ってきて、4人は成すすべなく廃棄物運搬列車から振り落とされてしまったのです。
何かを探しているクインテッサの船に見つからないように、SOSの信号の座標へ向かう4人。
不思議な形をした洞窟の中で、D-16が憧れるプライムの1人メガトロナスプライムや、ゼータプライムたちの遺体を発見。
さらに動力は切れているものの、トランスフォーマーの魂「スパーク」は消えていないアルファトライオンを発見。SOSのメッセージを残したプライムの1人です。
オライオンパックスたちによって再起動したアルファトライオンは、センチネルはプライムではないと否定。自分が見た真実を話します。
映画『トランスフォーマー/ONE』の感想と評価
作中のオライオンパックスは、ときに無鉄砲で、理由によっては決められた規則を破る危なっかしい性格。対して、正義感にあふれるD-16は、オライオンパックスが起こす厄介ごとに巻き込まれても、なんだかんだ言いつつ彼を助けてくれる仲間想いな性格。
互いに変形能力を持たず、不足しているところを補い合っている2人の姿は、こんな親友欲しいなと羨ましくなる気持ちになります。
視聴者も憧れるほど、固い友情で結ばれた2人の関係性に変化が生じたのは、センチネルの裏切りを知ってからでした。
それまでの仲がとても良い2人を見ていたからこそ、作中で徐々に2人の間に亀裂が生じていく様はとても切なくもどかしいさを感じます。
今まで信じて疑わなかったカリスマ性あふれるトランスフォーマーたちのヒーロー、センチネルの裏切りに対するオライオンパックスとD-16の正義感は違いました。
センチネルの裏切りを皆に知らせ、一致団結してセンチネルを倒そうとするオライオンパックス。
対してD-16は、自分たちを裏切り利用したことへの怒り、自分のヒーローを殺し侮辱したことへの怒り、センチネルをどう痛めつけて殺してやろうかという憎悪と怒りでいっぱいでした。
彼らの立場になって考えれば、どちらの気持ちも共感できます。ですがD-16の考えるとおりにしてしまったら、作中でオライオンパックスが言っていたように、センチネルと同じになってしまう……それはD-16だって分かっているはずです。
分かっていても止められない怒りがあるD-16は、ついに親友と袂を分かつ決心をしてしまいます。
2人で協力してトランスフォーマーの未来を築いていくこともできたのに……と、彼にいった時のオライオンパックスの悲しい表情、複雑で切ないです。
かけがえのない親友を失ったオライオンパックス改めオプティマスプライムですが、同時にともに新しい未来を築いていく親友が出来ました。B-127です。
物語が進んでいくにつれてシリアス要素が多くなっていく中、B-127は長く孤独でいた故にとてもおしゃべりで、おちゃめな性格。
エリータがB-127のおしゃべりにずっと付き合うより、恨みがあるオプティマスプライムの話を聞いて協力した方がマシと思えるほど。
サウンドウェーブとショックウェーブがオプティマスプライムたちを捕まえた時、B-127はテープで口を塞ぐ前より後の方がやかましいと辟易していたほどの、B-127のおしゃべりっぷりに視聴者を大いに笑わせてくれることでしょう。
まとめ
変形能力を持たないエネルゴン採掘ロボットのオライオンパックスたち4人の日常。SOSのメッセージの発信者であるプライムの1人、アルファトライオンが彼らに与えた新しい力。新しい力を得たと同時に知った、偽りの王センチネルの裏切り。
それによって固い友情で結ばれていたオライオンパックスとD-16は、正義のトランスフォーマー・オプティマスプライムと、破壊大帝メガトロンとして敵対関係になってしまう、ワクワクドキドキハラハラする「トランスフォーマー」シリーズの始まりの物語でした。
作中でオプティマスプライムが言った、「友人と敵との境界性は思っていた以上にあいまいだ。その線を越えたら二度と戻れない」「永遠に変わったままになるものもある」というセリフが、メガトロンと敵になってしまった時の彼の心情を現していてとても印象的でした。
エンドロール前。話し相手だった古いロボットたちに、変形能力と戦う武器を手に入れたことを嬉しそうに報告するも、両腕に装着されたソードで2体のロボットを破壊してしまい、嘆くB-127の姿が描かれていました。
対してエンドロール後。オプティマスプライムと袂を分かち敵となったメガトロンは、自分に付き従うスタースクリームたちのボディーに自分と同じマークを刻みました。
そして彼らにこう言いました。「裏切り者のセンチネルは死んだ」「彼の死により、新たな敵が生まれた。より強く、憎らしき敵だ」
「我々は奴の欺瞞(ディセプション)にだまされない」「我々はこう名乗る。“ディセプティコン”!立ち上がれ!」