Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

ラブストーリー映画

Entry 2019/02/15
Update

映画『ビール・ストリートの恋人たち』感想と評価解説。バリー・ジェンキンス監督がジェイムズ・ボールドウィンの原作に挑む

  • Writer :
  • 村松健太郎

映画『ビール・ストリートの恋人たち』は、2019年2月22日(金)より、TOHOシネマズ シャンテほか全国公開

『ムーンライト』で2017年のアカデミー賞作品賞に輝いたバリー・ジェンキンス監督がジェイムズ・ボールドウィンの原作を映画化。

70年代、人種差別の意識が今よりもはるかに色濃いニューヨークを舞台に、理不尽な状況に追い込まれる若い恋人たちの姿を描きます。

若い恋人を演じるのは新鋭のキキ・レインとステファン・ジェームス。

そしてこの若い二人を支えるヒロインティッシュの母親を演じるレジーナ・キングはアカデミー賞助演女優賞の最有力候補とされています。

映画『ビール・ストリートの恋人たち』の作品情報


(c)2018 ANNAPURNA PICTURES, LLC. All Rights Reserved.

【公開】
2018年(アメリカ映画)

【原題】
If Beale Street Could Talk

【原作】
ジェイムズ・ボールドウィン『ビール・ストリートに口あらば』

【製作・脚本・監督】
バリー・ジェンキンス

【製作総指揮】
ブラット・ピット

【キャスト】
キキ・レイン、ステファン・ジェームス、コールマン・ドミンゴ、テヨナ・パリス、マイケル・ビーチ、デイブ・フランコ、ディエゴ・ルナ、ペドロ・パスカル、エド・スクレイン、ブライアン・タイリー・ヘンリー、レジーナ・キング、フィン・ウィットロック

【作品概要】
アカデミー作品賞を受賞した『ムーンライト』で知られるバリー・ジェンキンス監督が、1970年代のニューヨークにあるハーレムに生きる2人の若者のラブストーリー。

映画『私はあなたのニグロではない』の原作で知られるアメリカ黒人文学を代表するジェームズ・ボールドウィンの小説『ビール・ストリートに口あらば』を原作に映画化。

オーディションで大抜擢された新人の女優キキ・レインと、『栄光のランナー 1936ベルリン』のステファン・ジェームスが共演。また母親役ではレジーナ・キングが脇を固めています。

映画『ビール・ストリートの恋人たち』のキャラクターとキャスト


(c)2018 ANNAPURNA PICTURES, LLC. All Rights Reserved.

ティッシュ・リヴァーズ(キキ・レイン)
デパートの香水売り場の売り子として働いている。そのお腹には幼馴染で恋人のファニーとの間に新しい命を宿す。

“ファニー”アロンゾ・ハント(ステファン・ジェームズ)
無実の罪で投獄された青年。貧しいながらも芸術家として活動し、ティッシュとの結婚も考えていた。

ジョセフ、シャロンアーネスティン(コールドマン・ドミンゴ、レジーナ・キング、テョナ・パリス)
ティッシュの両親と姉。結婚に反対するファニーの家と違ってティッシュの明るい将来を応援している。

ヴィクトリア(エミリー・リオス)
事件の被害者で犯人はファニーだと証言している。

ダニエル(ブライアン・タイリー・ヘンリー)
ファニーの悪友、ファニーの無実を訴えるものの彼自身が前科者のため信用されない。

ベル(エド・スクライン)
差別的な態度を見せる白人警官

ヘイワード(フィン・ウィットロック)
差別的な視点を持たない若き白人弁護士。


(c)2018 ANNAPURNA PICTURES, LLC. All Rights Reserved.

映画『ビール・ストリートの恋人たち』のあらすじ


(c)2018 ANNAPURNA PICTURES, LLC. All Rights Reserved.

70年代のニューヨーク・ハーレム。

19歳のティッシュと21歳のファニーは、貧しいながらも将来を共に歩むことを誓い合った二人。そして二人の間には新しい命が…。

ところが、白人警官のベルによってヴィクトリア暴行犯に仕立て上げられ、ファニーは収監されてしまいます。

ティッシュの家族は、二人の将来に向けて応援してくれますが、ファニーの家族は父親のフランク以外は結婚事態にも賛成しきっていません。

それでも若手白人弁護士のヘイワードの助言を得て、証人集めに奔走します。

ジョゼフやフランクは、波止場で積み荷の横流しなどをして必死にお金を集めます。


(c)2018 ANNAPURNA PICTURES, LLC. All Rights Reserved.

ティッシュの母シャロンはプエルトリコに向かい、ヴィクトリアに証言撤回を求めますが、断られてしまいます。

限りなく無実に近いに状況にありながらも、状況の長期化を避けるためにファニーは屈辱的な選択(罪を認めて減刑を受ける)を選ぶことになります。

ティッシュは幼い我が子を連れて刑務所にいるファニーのもとに通い続けるのでした。

映画『ビール・ストリートの恋人たち』の感想と評価


(c)2018 ANNAPURNA PICTURES, LLC. All Rights Reserved.

黒人作家の巨頭ジェイムズ・ボールドウィン

ニューヨーク・ハーレムで生まれ育ち、50年代に作家としてデビューしたジェイムズ・ボールドウィンは、キング牧師たちと共に公民権運動の担い手の一人としても活躍した黒人作家の巨星です。

ドキュメンタリー映画『私はあなたのニグロではない』でも描かれている通り、常に人種差別と闘いながら多くの作品を残した彼の存在と、彼の作品に惹かれる黒人クリエイターは多くいます。

そして、『ムーンライト』で成功を収めたバリー・ジェンキンスが再びブラット・ピットの製作会社プランBと組み、本作を映像化しました。


(c)2018 ANNAPURNA PICTURES, LLC. All Rights Reserved.

“百合のように白いオスカー”から


(c)2018 ANNAPURNA PICTURES, LLC. All Rights Reserved.
スパイク・リー監督が“百合のように白いオスカー”と皮肉った主演・助演の男女優部門候補者の20人がすべて白人だった2016年から3年。

2019年は『ブラックパンサー』、『ブラック・クランズマン』そして本作『ビール・ストリートの恋人たち』という黒人監督により黒人を主役にした映画たちが主役になりました。

また白人監督ピーター・ファレーリ監督による『グリーンブック』もブラックムービーの一つ言っていいでしょう。

そのほか、最優良候補の『ROMA/ローマ』もヒスパニック系の人々の物語です。

また『グリーンブック』と『ボヘミアン・ラプソディ』は中心人物の持つLGBTの要素をちゃんと描いています。

非白人、若者などの新規会員を集め始めたアカデミー賞のリベラルさが一定の成果を出し始めたと言っていいでしょう。

しかし、その一方で女性クリエイターのノミネートは今年もありませんでした

昨年2018年の『スリー・ビルボード』で主演女優賞を受賞したフランシス・マクドーマンドが同席したメリル・ストリープたちに声をかけてハリウッドで活躍する女性はこれだけいる!と宣言しました。

多様性を認めることが求められるなかでアカデミー賞はまだ道半ばというところでしょうか?

まとめ


(c)2018 ANNAPURNA PICTURES, LLC. All Rights Reserved.

主人公を支える母親役で出演したレジーナ・キングが出演。

1971年1月15日、アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルス出身の女優です。

彼女はテレビ作品で俳優のキャリアをスタートさせ、テレビドラマ「アメリカン・クライム」シリーズで、2015年と2016年のエミー賞リミテッドシリーズ/テレビムービー部門助演女優賞を受賞しています。

またドラマ『運命の7秒』で同賞の主演女優賞受賞を獲得。

そのほか、1996年の『ザ・エージェント』、1998年の『エネミー・オブ・アメリカ』、また同年の『マイティ・ジョー』。

2004年に『Ray/レイ』などの出演作があります。

本作『ビール・ストリートの恋人たち』で、第76回ゴールデン・グローブ賞助演女優賞を受賞

レジナー・キングは2019年の第91回の米アカデミー賞助演女優賞の最有力候補とされています。

映画『ビール・ストリートの恋人たち』は、2019年2月22日(金)より、TOHOシネマズ シャンテほか全国公開


Warning: Use of undefined constant php - assumed 'php' (this will throw an Error in a future version of PHP) in /home/demachi2026/cinemarche.net/public_html/wp-content/themes/stinger8-child/single.php on line 150

関連記事

ラブストーリー映画

『麗しのサブリナ』ネタバレあらすじ感想と結末の解説評価。オードリーヘプバーンをファッション・アイコンに決定づけた名作映画

ファッションの最先端となった永遠のアイコン・サブリナ 『ローマの休日』(1954)の銀幕の妖精オードリー・ヘプバーン主演のロマンティックコメディ。 『アパートの鍵貸します』(1960)『お熱いのがお好 …

ラブストーリー映画

アニメ映画『あさがおと加瀬さん。』あらすじとキャスト。劇場情報も

アニメ映画『あさがおと加瀬さん。』は、6月9日より、新宿バルト9、池袋HUMAXシネマズほかにて公開。 高嶋ひろみによる人気コミックの「加瀬さん。」シリーズは、女子高生同士のピュアな恋と青春を描いたス …

ラブストーリー映画

【ネタバレ映画】モブ子の恋|あらすじ感想と結末の評価解説。キャスト桜田ひより×木戸大聖で描く“脇役同士のラブストーリー”

中心から外れた脇役の主人公のハートフルな初恋物語が展開! 田村茜による同名コミックを、『チェリまほ THE MOVIE』(2022)の風間太樹監督が実写映画化した『モブ子の恋』。 主人公“じゃない”脇 …

ラブストーリー映画

映画『夕霧花園』感想評価とレビュー解説。阿部寛が海外マレーシアの主演作品で“自分らしさ”を発揮する

映画『夕霧花園』は2021年7月24日(土)より全国順次ロードショー! 阿部寛出演、戦後のマレーシアを舞台にとある日本人庭師が一人の女性との出会い、そして激動の中でたどり着いた愛の姿を描いた映画『夕霧 …

ラブストーリー映画

映画『ずっと独身でいるつもり?』ネタバレあらすじ結末と感想解説。田中みな実初主演で“30代独身女性の特徴”を描く応援歌

フリーアナウンサーの田中みな実初主演 結婚、独身……私らしく生きるために悩み、闘う女性らのリアルを描くドラマ 10年前に執筆したエッセイが大ヒットするもその後ヒット作は書けていないライターの本田まみ。 …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学