名作アクションアドベンチャー「インディー・ジョーンズ」シリーズ第1作!
スティーヴン・スピルバーグが監督を務めた、1981年製作のアメリカの名作アクションアドベンチャー映画『レイダース 失われたアーク《聖櫃》』。
第二次世界大戦前夜の1936年を舞台に、高名な考古学者であり凄腕のトレジャーハンターが、神秘の力を宿しているという契約の箱「聖櫃」を巡って争う姿とは、具体的にどんな内容だったのでしょうか。
1981年の初公開から40周年を記念して、2021年に体感型上映システム「4DX」で4Kリマスター版が上映されるほど、映画史に残る名作アクションアドベンチャー映画『レイダース 失われたアーク《聖櫃》』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。
CONTENTS
映画『レイダース 失われたアーク《聖櫃》』の作品情報
【公開】
1981年(アメリカ映画)
【原案】
ジョージ・ルーカス、フィリップ・カウフマン
【監督】
スティーヴン・スピルバーグ
【キャスト】
ハリソン・フォード、カレン・アレン、ウォルフ・カーラー、ウォルフ・カーラー、ロナルド・レイシー、ジョン・リス=デイヴィス、デンホルム・エリオット、アルフレッド・モリナ、アンソニー・ヒギンズ
【作品概要】
『ジョーズ』(1975)や『E.T.』(1982)などを手掛けるスティーヴン・スピルバーグが監督を務め、「スター・ウォーズ」シリーズのジョージ・ルーカスとタッグを組んだアメリカのアクションアドベンチャー作品。
「スター・ウォーズ」シリーズのジョージ・ルーカスと、『ワンダラーズ』(1979)のフィリップ・カウフマンが手掛けた原案をもとに脚本が作られた作品です。
『スター・ウォーズ』シリーズや『パトリオット・ゲーム』(1992)、『逃亡者』(1993)などに出演するハリソン・フォードが主演を務めています。
映画『レイダース 失われたアーク《聖櫃》』のあらすじとネタバレ
第二次世界大戦前夜の1936年、南アメリカ。アメリカの私立大学「プリンストン大学」で教鞭を執る考古学者インディアナ・ジョーンズ博士(インディ)は、愛用のハットと鞭を手にして秘境や遺跡を探検し、世界中の宝物を探し出す凄腕のトレジャーハンターでもありました。
インディは、友人であるプリンストン大学の副学部長マーカス・ブロディが館長を務める博物館のために、チャチャポヤンの遺跡に眠る宝「ゴールデンアイドル」を手に入れました。
その途中、インディは一緒にいた仲間2人の裏切りに遭いましたが、1人はインディの鞭で返り討ちにされ、1人はトラップに引っかかり死亡しました。
数多のトラップを何とか回避し、ゴールデンアイドルを手に、遺跡から脱出したインディ。しかし、出入り口に待ち構えていた彼のライバル、フランス人考古学者ルネ・ベロックに手柄を横取りされてしまいます。
狡猾な現実主義者であるベロックは、インディが苦労して手に入れた宝を、いつも横取りしていました。
今回べロックは、ホビト族を利用して、インディに宝を渡すよう強要しました。インディは森の中を駆け抜け、友人のジョック・リンゼイがいる水上飛行機に乗り込みます。
何とかホビト族の追跡から逃れたインディでしたが、自身の座席にいたリンゼイのペットである蛇に気づき大絶叫。実は彼、蛇が大の苦手なのです。
後日、プリンストン大学に戻り、マーカスに今回の冒険の話をしたインディの元に、アメリカ陸軍情報部の大佐マスグローブと、彼の同僚イートン少佐が訪ねてきました。
「昨日、我々はカイロからベルリンに宛てられた、ドイツ軍の極秘電文を手に入れた」「ナチは最近、考古学者を総動員して、宗教に関する資料を集めている」
「ヒトラーがオカルトに熱中しておるのだ。現に今も、エジプト・カイロ郊外の砂漠で発掘作業が行われている」
「そこで問題の電文だが意味が分からん」「“タニスの発掘作業は進行中。ラーの錫杖飾りを入手せよ。合衆国 レイブンウッド”」
マスグローブたちの話を聞いたインディとマーカスは、彼らが分からないタニスとは、ヘブライ人が十戒を納めた「聖櫃(アーク)」の眠る古代都市のことだとすぐに分かりました。
「アーク」とは、旧約聖書『出エジプト記』などに現れる、紀元前13世紀ごろに活躍したとされているイスラエル民族の指導者モーセが、神から十戒を授かったエジプトの山「シナイ山」から持って下りて、打ち砕いた石板です。
ヘブライ人はアークの中に石板の破片を集め、エルサレムの神殿に納めました。しかしその後、アークは盗まれてしまい、以来行方知れずなのです。
歴史によれば、紀元前980年にエジプト軍が聖地(エルサレム)を襲いました。彼らはアークをタニスに持ち帰り、「霊魂の井戸」と呼ばれる場所に隠しました。
しかしエジプト軍が帰還して1年後、タニスに砂嵐が吹き荒れて、町は砂漠の下に埋もれました。このタニスに関する研究は、インディの恩師であるアブナー・レイブンウッド教授の専門分野です。
インディはレイブンウッドが、ラーの錫杖飾りを持っているから、ドイツ軍の極秘電文に名前が載っていると推測しました。
ラーの錫杖飾りとは、先端に太陽(ラー)をかたどったメダル型の飾り(以下、杖飾りと表記)がついている錫杖のことです。
それを持ってタニスの模型を並べた「地図の間」に行き、ある時刻ある場所に立つと、太陽光線が一条の光となって差し込み、アークがある「霊魂の井戸」の位置を示します。
聖書によれば、山をも覆し、肥沃な土地を荒野に変えられるアークを掲げる軍隊は無敵でした。
インディたちのおかげで、ナチの狙いが分かったマスグローブたちは、「ナチよりも先にそのアークを手に入れて欲しい」とインディに依頼しました。
依頼を受けたインディはまず、レイブンウッドに会いに行こうと思い、ネパール・ヒマラヤ山脈奥地の寒村へ向かいました。そこには、彼の娘マリオンが営む酒場があるからです。
しかし、既にレイブンウッドは亡くなっていました。かつてインディの恋人であったマリオンも、今やインディに協力的ではなく、「明日来て」と言って追い返します。
インディが店から去った直後、彼を尾行していたドイツの秘密警察「ゲシュタポ」のエージェント、アーノルド・エルンスト・トートが手下を引き連れ、マリオンの店を訪れました。
荒手の拷問を得意とするトートは、マリオンの顔に火かき棒を近づけ、杖飾りを渡すよう強要します。
マリオンの右目が焼き潰されそうになった瞬間、インディが現れ、愛用の鞭を使って阻止しました。
銃撃戦が始まり、酒場が炎に包まれる中、トートはどさくさに紛れてラーの錫杖飾りを手に入れようとします。
しかし、杖飾りが近くの炎に炙られていたせいで手に火傷を負い、トートはあまりの苦痛に耐えきれず、杖飾りから手を離してその場から逃走。
インディとマリオンは協力してトートの手下全員を倒し、杖飾りを持って脱出。酒場が焼け落ちてしまったため、彼女は渋々インディに協力することにしました。
映画『レイダース 失われたアーク《聖櫃》』の感想と評価
アークに秘められた恐ろしい力
アメリカ陸軍情報部から依頼を受け、エジプト・カイロへ聖櫃(アーク)探しの旅に出たインディ。彼はエジプト・カイロで、同じく考古学に身を捧げるライバルであるベロックと、アークを巡って壮絶な争奪戦を繰り広げていきます。
ただそのアークの中にあったのは、十戒の石片だけではありません。精霊たちや、ドイツ兵を串刺しにするほどの威力を持つ雷撃、燃え盛る炎も秘められていたのです。
サラーはインディに会った時、「アークは発見されても触れてはならない。あれは常に死を招く、この世のものではない」と警告していました。
おそらく雷撃と炎は、十戒の石片を奪おうとする者を排除するための呪いか何かでしょう。インディとマーカスは、恐ろしい力を解明しようとしましたが、マスグローブたちによってさせてもらえませんでした。
ただ、ベロックたちが死んだ惨状を見ると、インディたちはある意味解明しなくて良かったのかもしれません。
インディと争奪戦を繰り広げるドイツ軍とベロック
ナチス・ドイツ軍の総統アドルフ・ヒトラーから、アークを発掘しベルリンへ持ち帰る任務を言い渡されたディートリッヒたちドイツ軍。
ベロックと手を組んだ彼らは、インディとネパールやエジプトで壮絶な争奪戦を繰り広げていきます。
血湧き肉躍るアクション場面で描かれる争奪戦の末、アークを手に入れたベロックたちは、中身を確認するべくユダヤの儀式を行いました。
その結果、雷撃と炎によってベロックたちは壮絶な死を遂げることに………彼らの死の場面は、思わず悲鳴を上げそうになるぐらいグロテスクで怖いです。
まとめ
不思議な力を秘めた聖櫃(アーク)を巡って、インディとベロックたち考古学者と発掘者、ドイツ軍が壮絶な争奪戦を繰り広げていくアメリカのアクションアドベンチャー作品でした。
本作の見どころは、遺跡に眠る宝を求めるインディの冒険と、国を挙げてアークを狙うドイツ軍とベロックvsインディの戦いです。
スリルがあり、迫力もあるアクション場面が多い中、インディがかつての恋人マリオンとの仲を修復していくラブロマンス要素もあります。
それにベロックは、花嫁衣装を着せるほどマリオンのことが好きなため、アークはもちろん、マリオンを巡るインディたちの恋のバトルも面白いです。
また、インディがアークを無事アメリカに持ち帰ることが出来たのは、彼の友人サラーとカタンガのおかげであるため、2人のサポートと活躍も見逃さないでください。
ハリソン・フォード演じるインディの冒険と戦い、そしてマリオンとの恋に魅了されるアクションアドベンチャー映画が観たい人に、とてもオススメな作品となっています。