リチャード・スタークの犯罪小説を実写映画化したクライムアクション!
テイラー・ハックフォードが製作・監督を務めた、2013年製作のアメリカのPG12指定のクライムアクション映画『PARKER/パーカー』。
強盗のプロとして闇社会を生きる男パーカーが、同じ目的で集まった4人組と組んで150万ドルを強盗するも裏切られ、銃で撃たれて手に入れた金も奪われたため復讐しにいく姿とは、具体的にどんな内容だったのでしょうか。
リチャード・スタークの犯罪小説「悪党パーカー」シリーズの1作、「悪党パーカー/地獄の分け前」を実写映画化した、ジェイソン・ステイサム主演のクライムアクション映画『PARKER/パーカー』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。
CONTENTS
映画『PARKER/パーカー』の作品情報
(C)2012 INCENTIVE FILM PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTSRESERVED.
【公開】
2013年(アメリカ映画)
【原作】
リチャード・スタークの犯罪小説「悪党パーカー」シリーズより、「悪党パーカー/地獄の分け前」
【監督】
テイラー・ハックフォード
【キャスト】
ジェイソン・ステイサム、ジェニファー・ロペス、マイケル・チクリス、ボビー・カナヴェイル、ニック・ノルティ、ウェンデル・ピアース、クリフトン・コリンズ・Jr、パティ・ルポーン、カルロス・カラスコ、エマ・ブース、ダニエル・バーンハード、キップ・ギルマン、マイカ・ハウプトマン、ノエル・ウィルコックス、シャーリー・ハーモン、アリシア・オクセ、ビリー・スローター、ダニエル・バーンハード、キップ・ギルマン
【作品概要】
『ディアボロス/悪魔の扉』(1997)や『RAY レイ』(2004)などを手掛けた、テイラー・ハックフォードが製作・監督を務めたアメリカのクライムアクション作品。
原作は、リチャード・スタークの犯罪小説「悪党パーカー」シリーズの1作、『悪党パーカー/地獄の分け前』です。
「トランスポーター」シリーズや「エクスペンダブルズ」シリーズ、「メカニック」シリーズ、「ワイルド・スピード」シリーズなどに出演している、ジェイソン・ステイサムが主演を務めています。
映画『PARKER/パーカー』のあらすじとネタバレ
(C)2012 INCENTIVE FILM PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTSRESERVED.
強盗のプロとして闇社会を生きる男パーカーは、同じ目的のために集められた4人組カールソンとロス、ハードウィックとメランダーと共に、アメリカ・オハイオにある遊園地「ステート・フェア」で強盗を行います。
このステート・フェアへの強盗は、パーカーの相棒ボブ・ハーリーが計画してくれたものでした。ハーリーは8年間、ステート・フェアで働く男から見取り図まで揃った情報を仕入れます。
最も売り上げがある強盗のプロとして闇社会を生きる男パーカーは、相棒のボブ・ハーリーが計画したアメリカ・オハイオにある遊園地「ステート・フェア」での強盗を行いました。
その際、ハーリーから「この強盗には5人が必要だ」と言われます。だからパーカーは彼の知人であり凄腕のフリーの強盗メランダーと、カールソンとロス、ハードウィックと共に、ステート・フェアの売上金150万ドルの強盗をすることになりました。
月曜日。最も売上が集まる週末の金が、警備室の金庫に集められたことを確認したパーカーたちは、パーカーが指揮を執り、強盗計画を実行。
無事成功しましたが、ハードウィックが計画とは違い、人が多く集まるサーカスのテント裏に放火してしまったため、予想以上の騒ぎが起きてしまいました。
これに激怒するパーカー。彼が合流地点でハードウィックを叱っていると、そこへ金を積んだ車に乗ったメランダーたちが到着。
5人はハードウィックが用意したシルバーの車に乗り換え、違う場所へ移動しました。その道中、メランダーたちはパーカーの腕を見込んで、今回得た金を軍資金とした、大きな仕事を一緒にやらないかと誘います。
これに対し、パーカーは事前に決めていた20万ドルだけで十分だと言い、メランダーたちの誘いを断りました。
すると、メランダーたちの態度は豹変し、車内に隠していた銃でパーカーを襲い、瀕死の重傷を負わせたのです。
メランダーたちはパーカーを殺したと思い、金を持ってその場から逃亡。ですが、辛うじて息があったパーカーは、偶然通りかかった農夫のおかげで一命を取り留めました。
銃で撃たれた挙句、強盗した金を持ち逃げされたことに怒るパーカー。彼は早速病院から抜け出し、行く先々で車と服と資金を調達。
ハーリーに連絡を取り、メランダーたちについて教えてもらいます。
その結果、メランダーたちはハードウィックのおじであり、シカゴのマフィアのボス・ダンジンガーという巨大なコネを持っていることや、ハードウィックの兄ボビーが、バーボン通りでバーとロッククラブを経営しているという情報を入手。
パーカーはすぐさまボビーの元を訪ね、強引にメランダーたちと一緒にいるハードウィックの居場所を聞き出します。
「ハードウィックは、フロリダのウェストパームビーチにいる」と知ったパーカーは、襲い掛かってきたボビーの仲間を返り討ちにした後、ウェストパームビーチへ向かいました。
一方、ボビーからの連絡でパーカーが生きていることを知ったメランダーたちは、ダンジンガーに連絡を取り、パーカーに向けて刺客を放つよう頼みます。
ダンジンガーが放った殺し屋は、ハーリーの娘でありパーカーの恋人でもあるクレアを襲撃。クレアは命からがら自宅から逃げ出し、運転する車からパーカーに連絡を取り、そのことを伝えました。
これに対しパーカーは、クレアにこう言いました。「オーキチョービー湖にある別荘に身を隠せ。あそこなら安全だが、念のため尾行はされるな」
「俺がそこに行けるのは金曜だが、最悪の場合、現金を持って逃げろ」
さらにダンジンガーは殺し屋を放ち、パーカーが身分を装うために、新しい身分証の発行を頼んだ会社を襲撃させます。
そこへ駆けつけたパーカー、パニック状態の会社の男に銃を持つよう言い、既に彼らが取り押さえていた殺し屋たちを射殺するよう強要しました。
新たな身分証を入手しただけでなく、自分を殺しに来た殺し屋の始末も済ませたパーカー。彼は一度ハーリーと会い、家族ともども別荘に身を隠すよう伝えます。
ハーリーはパーカーに、メランダーたちとダンジンガーは約5000万ドルほどの値がつく宝石強盗を企てていること。
成功すれば、メランダーたちには1人200万ドルずつ、ダンジンガーには宝石の買い取り額2割が入ることになっていること。
オハイオでのことを全て丸く収めたいダンジンガーから、パーカーが貰うはずだったオハイオの取り分と、プラス1割の金をパーカーに渡すよう頼んできたことを話しました。
その話を聞いても、「メランダーたちから金を取り戻す」というパーカーの強盗としての決意と道義は揺らぎません。
ハーリーはそんなパーカーに、こう尋ねました。「その道義のために、私たち家族を犠牲にするのか?」
これに対しパーカーは、ハーリーにこう言いました。「仕事じゃ信頼が大事だ。相手の非礼を許せば、秩序がなくなる」
そしてパーカーは、その言葉に納得してくれたハーリーにこう尋ねました。「仮定の話だが、メランダーたちが隠れ家として家を買うことは考えられないか?」
映画『PARKER/パーカー』の感想と評価
(C)2012 INCENTIVE FILM PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTSRESERVED.
己のルールを貫き通す義賊パーカー
強盗のプロであるパーカーは、「汚い金しか奪わない、悪者しか殺さない、仕事は完璧に美しく行う」という厳格な3つのルールを己に課しています。
そのルールを破った悪者メランダーたちに復讐を誓うパーカー。完璧主義者であるが故の強いこだわりによるメランダーたちへの復讐は、相棒も最愛の恋人も止めることは出来ません。
だからといって、パーカーがハーリーたちを蔑ろにしているわけではなく、マフィアのボスが絡むメランダーたちとの戦いから少しでも遠ざけようと、別荘への避難を勧めます。
それに最愛の恋人クレアに対する、パーカーの一途すぎる愛情と、彼に別れを勧められてもなお彼のそばを離れず、傷の手当てをしに来てくれたクレアの献身的な愛。2人の愛は美しく尊いものです。
天才犯罪者でありながら、愛情深い一面を持つパーカー。そのギャップだけでも惚れ惚れしますが、パーカーは最後、自分に協力してくれたレスリーと、自分を助けてくれた農夫に大金を送ります。
悪事に手を染めた者の汚い金を奪い、盗品で得た金を善良な市民に渡すという、まるで義賊のようなことをするパーカーの活躍は、終始格好良いです。
パーカーに協力するレスリーの察知能力
(C)2012 INCENTIVE FILM PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTSRESERVED.
職場では客にセクハラをされ、自宅では同居する母親にあれこれ言われ続け、それに耐え続けるだけの日常にうんざりしていたレスリー。
どうにか上客を得ようと、同僚の顧客を奪った結果、石油業者に扮したパーカーに出会い、恋に落ちました。
クレアという恋人がいる以上、パーカーがレスリーに靡くはずがないのですが、それでもどうにかパーカーと親密になろうと奮闘するレスリーの姿は、とても健気で可愛らしいです。
レスリーは、パーカーが身分証を偽造した強盗だと見抜いただけでなく、彼が興味を示したロドリゴが、パーカーと同じく身分証を偽造した強盗メランダーたちであることに気づきます。
さらにレスリーは、パーカーから宝石の値段を聞いただけで、メランダーたちが宝石強盗しようとしているのが、社交界の元女王クレンドンの宝石であると察したのです。
不動産会社の社員ならではの知識から導き出されたとはいえ、レスリーの察知能力は素晴らしいもので感嘆させられます。
まとめ
(C)2012 INCENTIVE FILM PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTSRESERVED.
強盗のプロとして闇社会を生きる男パーカーが、自分を裏切って大金を持ち逃げした挙句、殺そうとした4人組の強盗に復讐しに行く、アメリカのクライムアクション作品でした。
パーカーがメランダーたちにした復讐は、彼らが盗んだ宝石を奪い、現金化してその金を奪うという強盗としての復讐で、ハラハラドキドキするスリルが楽しめます。
エンドロールには、「ドナルド・E・ウェストレイクに捧げる」というテロップが流れていました。
ドナルド・E・ウェストレイクという人物は、1962年から1974年にかけて、リチャード・スタークのペンネームで「悪党パーカー」シリーズを16作執筆し、1997年に「パーカー」シリーズを復活させたアメリカの小説家です。
映画の公開より前に、ドナルド・E・ウェストレイクは2008年12月31日、メキシコでの妻との休暇中、心臓発作で亡くなってしまいました。
原作小説を復活させた小説家に捧げられた、クライムノベル史上最強の悪党の復讐劇を描いた、スリリングなアクション映画が観たい人に、とてもオススメな作品です。