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Entry 2019/08/23
Update

インド映画『ロボット2.0』あらすじと感想評価。続編でもスーパースターラジニは健在!

  • Writer :
  • 石井夏子

ラジニカーントが再び“ロボットたち”になって帰って来た!

インドのスーパースターにして人間国宝、ラジニカーント。2019年現在、御年68歳のラジニが、踊ります!飛びます!増えます

2010年、南インドのタミル映画として公開されインド史上最高の興行収入をたたき出し、日本でも大ヒットしたあの伝説の映画『ロボット』。

ラジニが博士とロボットの2役を演じたことでも話題を呼びました。

その続編『ロボット2.0』が2019年10月25日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて順次公開されます。

前作とは全く異なる視点から、本作は新たに物語の続きを描き出しました。

この記事では、前作の紹介も交えながら、『ロボット2.0』を観賞しての感想をお伝えしていきます。

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映画『ロボット2.0』の作品情報

©2018 Lyca Productions. All rights reserved.

【日本公開】
2019年(インド映画)

【原題】
2.0

【監督】
シャンカル

【日本語字幕】
吉田裕子

【字幕監修】
深尾淳一

【上映時間】
147分

【キャスト】
ラジニカーント、エイミー・ジャクソン、アクシャイ・クマール

【作品概要】
主演を務めるのは前作に引き続き、インドのスーパースターにして人間国宝、ラジニカーント。バシー博士とチッテイの2役を演じます。

また、本作で初登場となるのは、『パッドマン 5億人の女性を救った男』(2018)主演のアクシャイ・クマール。バシー博士の宿敵となるスマホロボットに扮し、ラジニカーントと2大スター競演を果たしました。

そして、ミス・ティーンワールド2009年グランプリのイギリス人女優、エイミー・ジャクソンがバシー博士の助手ロボット・ニラーを演じます。

監督は『ロボット』を生み出したインド映画界のヒットメーカー、シャンカルが続投。

音楽は『スラムドッグ$ミリオネア』(2008)などアカデミー賞に2度の栄冠に輝くA.R.ラフマーン、衣装デザインは『バットマン リターンズ』(1992)『メン・イン・ブラック』(1997)などを手掛けたメアリー・E・ヴォクト、『アベンジャーズ』(2012)『ジュラシック・ワールド』(2015)のVFXを務めたレガシー・エフェクツが特殊メイクとアニマトロニクスを担当し、ハリウッドで活躍するアカデミー賞スタッフが集結しました。

映画『ロボット2.0』のあらすじ

©2018 Lyca Productions. All rights reserved.

ある日、インド中のスマートフォンが空に消えました。

そして携帯業者や通信大臣がスマホに殺されるという殺人事件が次々に発生します。

バシー博士(ラジニカーント)は助手のロボット・ニラー(エイミー・ジャクソン)とスマホの行方を追ううちに、無数のスマホが合体し巨大な怪鳥に変身している現場に遭遇。

やがてその巨大怪鳥は人類を襲いだし、軍隊でも抑えきることのできないモンスターと化してしまいました。

バシー博士は、8年前に開発したもののある事件から封印し、いまは博物館に展示している伝説のロボット・チッテイ(ラジニカーント)を復活させ、人類を守ることを思い立ちます。

しかしそれはインド中を巻き込んだ、壮大なバトルの幕開けとなり…。

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まずは前作『ロボット』のおさらいから!

参考画像:『ロボット』


(C)2010 SUN PICTURES, ALL RIGHTS RESERVED.

本作『ロボット2.0』は2010年に製作された『ロボット』の続編です。

前作を観ていなくても、その圧倒的力技で納得させられる本作ですが、知っているとさらに楽しめますので、さらっとご紹介します。

前作『ロボット』のあらすじ

参考動画:『ロボット』予告編

バシー博士が開発したロボット・チッティ。人の感情を教え込まれた彼は、博士の恋人サナに恋をしてしまいます。

博士は激怒しチッティを破壊。悪の工学者に回収されたチッティは、悪の心が芽生え、自らを大量生産し、博士への復讐を図り…。

前作『ロボット』の見どころ

参考画像:『ロボット』

(C)2010 SUN PICTURES, ALL RIGHTS RESERVED.

全編見どころ!と言っても過言ではない『ロボット』。

スローモーションで歩くスーパースターラジニ。どこからか吹く風になびく髪。唐突に時空を超えるダンスシーン。謎の“蚊”モード。そして増えるラジニ。

何を見させられているのかわからないまま、チッティ(スーパースターラジニ)が画面を覆い尽くし、チッティに変装したバシー博士(スーパースターラジニ)と対峙する場面や、数多のチッティ(スーパースターラジニ)がトランスフォームするクライマックスは、ちっぽけな疑問や野暮なツッコミなぞ吹き飛ぶほどの画面力でした。

そして、最後にチッティが選んだ答えは、“人間の尊厳”そのもの。

コメディタッチの中に、ロボットと人間の違い、人間と神についてなど、サラッと深いテーマを織り込んでおり、映画というフィクションの世界を全力で楽しめるエンターテインメントとなっています。

日本で初公開されたのは2012年5月。オリジナルから40分近く短い139分の特別編集版の上映でした。

それが話題となり、同年6月には上映時間177分ノーカットの完全版が公開されました。完全版はさらにわけがわからない展開でおススメです。

なお、U-NEXTで配信されている『ロボット』は完全版ですので、未見の方も、復習されたい方も、この機会にぜひご覧ください。

『ロボット2.0』を観る上でおさえるべき前作のポイント

参考画像:『ロボット』

(C)2010 SUN PICTURES, ALL RIGHTS RESERVED.

サナ

バシー博士の恋人・サナは絶世の美女で、産婦人科医を目指しています。ちょっと束縛しがちなのが玉に瑕で、研究に没頭するバシーに何度も電話をかけてきます。

チッティは彼女にキスをされたことで恋心が芽生え、理性を失って行きました。

前作ではバシー博士と結婚式を挙げるシーンがありましたが、本作でのふたりの関係は…?

チッティ“バージョン2.0”

バシー博士に破壊され、廃棄されたチッティでしたが、彼を悪用しようと企むボラ博士に拾われ、修復されます。

しかしその時に、破壊プログラムが組み込まれた赤いチップを入れられてしまいます。

それにより、“バージョン2.0”となったチッティは破壊と悪の限りを尽くすようになったんです。

ボラ博士

ボラ博士は、バシーの師匠にあたる工学博士です。

弟子のバシーへの嫉妬と、大金欲しさにチッティを武器商人に売ることを企みますが、悪の心を持ったチッティ2.0には敵いませんでした。

本作『ロボット2.0』にはボラ博士に関連した人物が出ており、バシーを事あるごとに邪魔して来ます。

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映画『ロボット2.0』はここが違う

©2018 Lyca Productions. All rights reserved.

待ちに待った続編『ロボット2.0』。観賞して驚いたのが、前作とは全く作風が違うということです。

前述したように、緊迫感溢れるシーンでもどこかお茶目さがあり、コメディ寄りだった前作。

ですが本作はシリアスなホラー・サスペンスのような幕開け。作品を間違えたのかと思うほど緊張の糸が張り詰めています。

それもそのはず、本作は“大いなる喪失”から始まっているためです。

8年前のチッティによる善業も悪業も世間はみな知っています。そして彼の不在について、生みの親であるバシー博士に遠慮なく問いかけるんです。

誰よりも責任と罪の意識を抱いてきたバシー博士にとって、どんなに辛い8年間だったでしょう。

彼は再び人間型のロボット・ニラーを作り、側に置いていますが、ニラーは女性型で非戦闘型。チッティの影を拭い去るかの様に正反対に作られています。

若さと希望に満ちていた前作冒頭と対照的に、翳りを濃く描いた本作冒頭

この冒頭の時間で、観客もチッティの不在を実感し、彼の復活を願うようになるんです。

そして、無数のスマホに勝つにはチッティを復活させるしかないと、法を犯してまで彼を修復するバシー博士。

チッティが復活してからは、「待ってました」の展開が繰り広げられます。

金属をくっつける・くっつく機能を利用し、街中を飛び回るチッティの姿や、割と大雑把な市民救出方法など、8年の不在を吹き飛ばすチッティの通常運転に胸が熱くなること間違いなしです。

魅力的なキャラクターたち


©2018 Lyca Productions. All rights reserved.
本作で新たに登場したメインキャラクター、助手のロボット・ニラーと、スマホを操る強敵パクシ。どちらも本作のカギを握るキャラクターです。

美しく知的で、ユーモアを忘れないニラーは、緊迫感溢れる本作の箸休めのような癒しの存在です。

ロボットらしい無機質な立ち振る舞いが、エイミー・ジャクソンの細身ながらボリュームのある肢体と端正な目鼻立ちと相まって、人ならざるモノとしての説得力を与えています。

冷徹な印象になりそうなところですが、非戦闘型のニラーはコメディ映画や情報番組から学習を行っているという設定のため、どこかとぼけたところがあります。

エイミー・ジャクソンのコメディエンヌとしての才能と、真っすぐに対象を見つめる大きな瞳に魅了されるはずです。


©2018 Lyca Productions. All rights reserved.

そして本作の敵役パクシ。敵ではあるんですが、ひとくくりに“悪役”と言えない過去と理由が彼にはあります。

演じたのはアクシャイ・クマール。実話ベースの『パッドマン 5億人の女性を救った男』(2018)では、愛する妻のために生理用ナプキン開発に挑んだ男性役に扮し、ラストの心震わせる演説シーンはワンテイクで演じ切ったという、確かな実力の俳優です。

トンデモ設定のパクシですが、アクシャイ・クマールの演技力によってリアリティが生まれ、観客に一石を投じます。

パクシの過去が語られるシーンは、まるでドキュメンタリーや伝記映画を見ているかのような現実感があり、彼を“悪”とは呼べなくなってしまうんです。

彼が取った行動は決して正しくは無いけれど、そうなってしまっても仕方が無いと同情してしまうことでしょう。

100人分の力を備えたチッティでも敵わないパクシ。そこでバシー博士が出した策は“悪には悪を”。ここでさらなる展開が待っています。

本作がただの勧善懲悪ものになっていないのは、パクシの背景と、遅れてやってくるダークヒーローの存在です。

クライマックスのアクションは、これぞ「ロボット」シリーズと拍手したくなる、どっちが正義か悪かなどどうでも良くなるほどの力技が連続で繰り出されますので、どうぞご期待下さい。

まとめ


©2018 Lyca Productions. All rights reserved.

ハリウッドで活躍するスタッフの力を得たシャンカル監督は、自ら作った偉大な前作に打ち勝とうと様々な手法を取り入れています。

シャンカル監督と「ロボット」シリーズの在り方は、バシー博士とチッティの関係そのものです。バージョンアップを重ねながら、破天荒なわが子を導き続ける。

創造主にプログラムされた存在は、いつしか創造主の予測を超えた行動を取り、多くの人間をその熱狂の渦の中に巻き込んでいきます。

スーパースター・ラジニが健在な限り、長く続けて欲しいシリーズです。

映画『ロボット2.0』は2019年10月25日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて順次公開

前作を凌駕する“無限ラジニ”をお楽しみに。


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