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Entry 2017/03/29
Update

映画『無限の住人』感想と結末ネタバレ!木村拓哉の演技評価は?

  • Writer :
  • 馬渕一平
  • リョータ

世界へ向けて放つ、“ぶった斬り”エンターテインメントがここに誕生!

累計発行部数750万部超の大人気同名マンガを原作とした映画『無限の住人』をご紹介します。

映画『無限の住人』の作品情報

【公開】
2017年(日本)

【監督】
三池崇史

【キャスト】
木村拓哉、杉咲花、福士蒼汰、市原隼人、戸田恵梨香、北村一輝、栗山千明、満島真之介、金子賢、山本陽子、市川海老蔵、田中泯、山崎努

【作品概要】
沙村広明さん原作の人気時代劇コミックを三池崇史監督がメガホンを取り、木村拓哉さん主演で実写映画化。

浅野凛役に杉咲花さん、天津影久役に福士蒼汰さん、他にも市原隼人さん、戸田恵梨香さんなどに加え、北村一輝さんや市川海老蔵さん、田中泯さんに山崎努さんなどの名優たちも集結した超豪華キャストが勢ぞろいしている。

映画『無限の住人』のキャスト一覧

万次 / 木村拓哉


(C)沙村広明/講談社 (C)2017映画「無限の住人」製作委員会

昨年(2016)惜しまれつつもSMAPが解散の運びとなった木村拓哉さん。

1994年の映画『シュート』では、第7回石原裕次郎新人賞やエランドール賞・新人賞を獲得するなど、アイドルとしてはもちろん俳優としても早くから高い評価を得ていました。

フジテレビドラマ『あすなろ白書』(1993)や『若者のすべて』(1994)でもその溢れんばかりの才能を見せつけてくれましたが、何と言って大きな転機は伝説的“月9”ドラマ『ロング・バケーション』(1996)でしょう!

木村さん演じる瀬名のあまりのカッコよっさにピアノを習い始める男性が急増したといういわゆる「ロンバケ現象」を巻き起こしたことでも有名ですよね。

この後もフジテレビドラマ『ラブジェネレーション』(1997)や『眠れる森』(1998)、TBSドラマ『ビューティフルライフ』(2000)など大人気となったドラマで主演を務めます。

2001年から放送が開始された『HERO』は2014年に第2シリーズとして復活するなど、今でも根強い人気がある作品ですよね。

他にも『華麗なる一族』(2007)、『CHANGE』(2008)、映画『武士の一文』(2006)、2017年には『A LIFE〜愛しき人〜』で素晴らしい演技を披露してくれました!

そんな木村さんが『無限の住人』で演じているのは、不死身の男・万次。様々な時代劇経験から殺陣には定評のある木村さんが、万次という男をどう演じているのかに注目が集まっていますね。

インタビューでは、“万次を「死ねない」と考えるか、「不死身」ととるかは一線上にあるもの”と捉えているという木村さん。果たしてどんな万次像を見せてくれるのか?非常に楽しみです!

浅野 凜‐町(二役) / 杉咲花


(C)沙村広明/講談社 (C)2017映画「無限の住人」製作委員会

味の素Cook DoのCMで山口智充さんと共に、バクバクと回鍋肉にがっつく美少女として一躍話題となった杉咲花さん。

女優としては2013年のTBSドラマ『夜行観覧車』での演技が評価され、以降ドラマ・映画などで大活躍を見せることになります。

2015年の映画『トイレのピエタ』や『愛を積む人』では、第7回TAMA映画賞最優秀新進女優賞、第37回ヨコハマ映画祭日本映画個人賞最優秀新人賞をそれぞれ受賞。

2016年にはNHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』でヒロイン・高畑充希さんの妹役を好演し、お茶の間の人気者に。

同年、『湯を沸かすほどの熱い愛』では第40回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞と新人俳優賞、第59回ブルーリボン賞助演女優賞をそれぞれ受賞するなど、若手実力派女優としてその地位を確立しました。

そんな杉咲花さんは、父の敵討ちを万次に頼む少女・浅野凛と万次の妹・町役の二役を演じています。

江戸最強と謳われる“無天一流”を受け継ぐ浅野道場の一人娘である凛と、万次の目の前で殺されてしまった町をどう演じ分けているのか、はたまたそんなアクションを見せてくれるのかに注目が集まっていますね!

天津 影久 / 福士蒼汰


(C)沙村広明/講談社 (C)2017映画「無限の住人」製作委員会

2011年に俳優デビューを飾った福士蒼汰さんを一躍人気者にしたのは、『仮面ライダーフォーゼ』の主人公・如月弦太朗役。

2013年にはNHK連続テレビ小説『あまちゃん』に出演し、全国的にその名を知られるようになります。

2014年には映画『好きっていいなよ。』、『イン・ザ・ヒーロー』、本作でも監督を務める三池崇史さんが手掛けた『神様の言う通り』などの話題作に立て続けに出演。

その後もフジテレビ“月9”ドラマ『恋仲』で主演を務め、『ストロボ・エッジ』、『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』でその爽やかなイケメンぶりを如何なく発揮し、世の女性を虜にしてきました。

本作『無限の住人』以降も、『ちょっと今から仕事やめてくる』(2017年5月27日公開予定)、『曇天に笑う(2018年2月公開予定)、『BLEACH』(2018年公開予定)、『旅猫リポート』(2018年公開予定)、『ラプラスの魔女』(2018年公開予定)とスケジュールがパンパンに詰まっており、今や押しも押されぬ人気若手俳優としてその名を轟かせていますね。

さて、そんな福士蒼汰さんは本作で悪役となる天津影久を演じています。三池監督からは「暴力的に、美しく」という点を強調するよう言われていたようで、冷たい眼差しの奥でメラメラと燃え盛る野心を抱くこの人物を、福士さんがどう演じているのかに要注目です!

尸良 / 市原隼人


(C)沙村広明/講談社 (C)2017映画「無限の住人」製作委員会

岩井俊二監督の映画『リリイ・シュシュのすべて』で主演として映画俳優デビューを飾った市原隼人さん。

2003年には『偶然にも最悪な少年』で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞し、早くからその才能を認められていた気鋭の若手俳優として映画界を席巻しました。

テレビの方でもT、BSドラマ『ヤンキー母校に帰る』(2003)やフジテレビドラマ『WATER BOYS2』(2004)、TBSドラマ『ROOKIES』などに出演し、さらに注目を集めるようになります。

他にも、『ボックス!』(2010)、『闇金ウシジマくん』(2012)、三池崇史監督の『極道大戦争』(2015)などの話題作に出演していますね。

『無限の住人』で市原隼人さんが演じているのは、天津影久率いる逸刀流を狙う集団である無骸流に属す男・尸良(しら)。

女子供にも容赦しないという残虐非道の暴れ者・尸良は市原さんのイメージにピッタリ当てはまりそうで、非常に楽しみですね!

乙橘 槇絵 / 戸田恵梨香


(C)沙村広明/講談社 (C)2017映画「無限の住人」製作委員会

木村拓哉さん主演のフジテレビドラマ『エンジン』(2005)や、日本テレビドラマ『野ブタ。をプロデュース』(2005)で一気に注目を集めることになった戸田恵梨香さん。

その後も、フジテレビドラマ『LIAR GAME』シリーズや『大切なことはすべて君が教えてくれた』、『鍵の掛かった部屋』シリーズ、TBSドラマの『流星の絆』や『SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜』シリーズなど、若手実力派女優としてその地位を確かなものとします。

映画の方でも『デスノート』シリーズの弥海砂役や、『エイプリルフールズ』(2015)、『駆込み女と駆出し男』(2015)、『日本のいちばん長い日』(2015)など、話題作に出演し続けていますね。

本作『無限の住人』で戸田恵梨香さんが演じているのは、天津影久が「奥の手」と呼ぶ逸刀流の剣客・乙橘槇絵(おとのたちばな まきえ)。

天津には秘かに思いを寄せているようで、戦いとは別のそういった一面も垣間見れるのでしょうか?注目して見ていきたいところですね!

閑馬 永空 / 市川海老蔵


(C)沙村広明/講談社 (C)2017映画「無限の住人」製作委員会

11代目市川海老蔵さんは、現在闘病中の小林麻央さんの良き夫として、また子供たちの良きパパとして常に注目を集める存在。

歌舞伎以外の俳優としての海老蔵さんは、2003年にNHK大河ドラマ『武蔵 MUSASHI』で宮本武蔵役を演じたり、2017年には『おんな城主 直虎』で織田信長役を演じていることでも非常に話題となっていますね。

映画でも佐々部清監督の『出口のない海』(2006)、三池崇史監督の『一命』(2011)と『喰女-クイメ-』(2014)、他にも『利休にたずねよ』(2013)など、歌舞伎以外でも話題の作品に要所要所で出演し、その存在感を発揮しています。

そんな市川海老蔵さんが本作で演じているのは、どこかミステリアスな雰囲気漂う男・閑馬永空(しずま えいくう) 。

圧倒的強さを誇り、万次を追い詰めることになる“ある秘策”を持っているとのことですが、木村拓哉さんとの一騎打ちのシーンもあるようで、どんなアクションを見せてくれるのか…ワクワクしますね!

映画『無限の住人』の監督紹介

映画『無限の住人』で監督を務めるのは三池崇史さんです。

三池崇史監督作品1:『新宿黒社会 チャイナ・マフィア戦争』(1995年)

1995年に初の劇場用オリジナル作品『新宿黒社会 チャイナ・マフィア戦争』を手掛けたことを皮切りに、『極道戦国志 不動』(1996)、『岸和田少年愚連隊 血煙り純情篇』(1997)など、ヤクザ(もしくは不良)映画を中心に活躍することになります。

その後、クエンティン・タランティーノに影響を与えたと言われる『殺し屋1』(2001)、Vシネマとして初のカンヌ国際映画祭出品作品となった『極道恐怖大劇場 牛頭』(2003)などを発表し、常に注目を集め続けました。

2010年にヴェネチア国際映画祭に出品された『十三人の刺客』は、第34回日本アカデミー賞優秀作品賞や優秀監督賞を得るなど、国内外で高い評価を獲得。

三池崇史監督作品2:『一命』(2011)

さらに市川海老蔵さんが主演を務めた『一命』(2011)や『悪の教典』(2012)、『藁の楯』(2013)が続けざまに大ヒットを記録し、後者は第66回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品されるなど、世界的にもその名が知られる存在に。

以降も、『土竜の唄』シリーズ(2014/16)、『風に立つライオン』(2015)、『テラフォーマーズ』(2016)などなど、常に映画界の先頭をひた走っていますね。

2017年には『無限の住人』の他にも、『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』の公開を控えており、まさに日本が誇る巨匠といえるでしょう。

本作『無限の住人』に三池監督が起用されたのは、この作品がマンガ原作に基づいたものであるという点ももしかしたら大きいのかもしれません。

三池崇史監督作品3:『土竜の唄 香港狂騒曲』(2016)

これまで三池監督は、『サラリーマン金太郎』(1999)、『クローズZERO』(2007)、『愛と誠』(2012)、『土竜の唄』シリーズ(2014/16)、『テラフォーマーズ』(2016)、そして『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』など、数々の超人気マンガの実写化を手掛け、なおかつ成功させてきました。

今回は、累計発行部数750万部を超える超絶な人気を誇る沙村広明さんの同名マンガを原作にしているだけに、これを任せられるのは日本では三池監督しかいないと言えるでしょう!

最後に三池監督のこの作品に対する意気込みを…

我々が真剣に真剣に作れば世界中がびっくりするようなものが出来るんじゃないか。そう信じているし、そう信じていたい。観客に楽しんでもらう前に、まず自分たちが楽しまないといけない。自分たちのやりたいことを、やりたいようにやる。そうやって無我夢中で作ったものが結果的に、日本人にしか作れないにほんの物語として、世界中の人たちにとって、観たことのない価値のあるものになるはずだ。(公式サイトより抜粋)

…と、語っています!さてさて、一体どんな作品に仕上がっているのか非常に楽しみですね!

映画『無限の住人』のあらすじ


(C)沙村広明/講談社 (C)2017映画「無限の住人」製作委員会

時は江戸時代 ―

両親を殺され、復讐を誓う少女・浅野凛はある日、謎の老婆からひょんなことを耳にします。

なんでも“不死身の侍”がいるのだというのです。

凛は江戸中を駆け回り、その“不死身の侍”万次を見つけることに成功します。

顔に傷があり、奇妙な武器を携えた万次は、妹を半世紀ほど前に亡くして以来、生きる糧もなく、ただただ無為な日々を過ごしていました。

そこへ突然現れた凛にどことなく妹の面影を見出した万次は、凛の頼みを聞き入れ、敵討ちを手伝うことにします。

その相手は、逸刀流統主・天津影久

強さのみを追い求める最強の剣客集団である彼らは、流派統一を図るため、江戸中の道場を潰して回り、その過程で“無天一流”の浅野道場で凛の父を殺すことになったのです。

しかし、その裏には何やら凛も関係する壮絶な過去が隠されているのだとか。

一方、万次たち以外にも逸刀流を狙う集団・無骸流が不気味な動きを見せ始めていました。

利害が一致したことにより、万次に共闘を持ち掛ける無骸流の面々でしたが…そこに何やら別の思惑が隠されているよう。

そして、ついに万次と天津が対峙した時、そこには天津を追っていた300人の幕府軍の姿があり…。

果たして万次と凛の運命はどうなってしまうのか?!

壮絶な戦いの末に彼らを待っているものとは一体?!

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『無限の住人』ネタバレ・結末の記載がございます。『無限の住人』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
万次は身体に傷を負いながらも黒衣鯖人、凶戴斗といった逸刀流の刺客たちを次々と斬っていきます。

閑馬永空と対峙した時に、彼もまた万次と同じ不死身の身体の持ち主であることが分かります。傷の治りが遅くなる薬を刀に塗った閑馬との激しい斬り合いの末、万次は見事に勝利。切り刻まれた閑馬は200年以上に渡る命を終えました。万次はこの戦いのせいで傷の治りが遅くなっていました。

ある日、万次と凜が歩いて帰っているところに話しかける女性がいました。彼女は、逸刀流を狙う万次を殺すよう命じられた凄腕の殺し屋・乙橘槇絵。圧倒的な強さの前に死を覚悟した万次でしたが、彼女は本当は殺しなどしたくないと告白します。そこに、凜が駆け付けてその身を呈して万次の命を守ります。その姿を見た乙橘は立ち去ります。

幕府お抱えの流派として逸刀流が認められたとの一報を吐鉤から聞いた天津は、逸刀流の傘下に入ることを認めてくれた名門・心形唐流の統主である伊羽研水の元へ挨拶に向かいます。

万次たち以外にも逸刀流の天津の命を狙うやつらがいました。得体の知れない無骸流の尺良たちは信用できないながらも、天津の命を確実に取るため万次たちはしぶしぶ手を組みます。伊羽の元へ向かう天津を狙おうと計画した万次たちでしたが、天津の罠にハメられ刺客たちに取り囲まれます。難なくそいつらを倒した尺良は止めに入る凜を殴り、囮の女を襲おうとします。そこに戻って来た万次によって尺良の腕は斬り落とされ、尺良はそのまま逃げ出します。計画は失敗に終わりました。

その後、万次の身を想った凜は、置き手紙を残し、一人で天津の命を取りにいきます。その手紙を読んだ万次も慌てて駆け出しました。

一方、伊羽に傘下入りの話を断られ帰ろうとした天津を幕府の役人が取り囲みます。逸刀流が幕府のお抱えになるというのは真っ赤な嘘で、真の狙いは手のつけられなくなった逸刀流を一掃することでした。天津以外の逸刀流は毒によって全員殺されてしまいました。

役人たちを斬り捨てながら山を降りていく天津の前に、凜が現れます。しかし、仇を討つ余裕もない状況に、凜も天津と一緒に逃げ出します。

天津と凜、吐鉤と幕府軍、凜を助けに来た万次、天津の助太刀に来た乙橘槇絵、万次に復讐しに来た尺良、ついに役者が揃いました。

激しい斬り合い、殺し合いの末、戦場に立っているのは万次と凜、そして仇的である天津だけでした。

すでに体力の尽きた天津との斬り合いに勝った万次は、止めの一振りを凜にやらせようとします。凜が躊躇したため天津はふらふらと歩きながら、逃げ去ろうとします。凜が逃げる天津を殺そうと向かっていったところに、天津は反撃の一手を繰り出しました。その一撃は凜を庇った万次がまともに受け、凜は天津の心臓を突き刺し、仇を討ち取りました。

さすがに致命傷をくらいすぎた万次はその場に倒れ込み、眼を閉じました。不死身の男がついに力尽きたのかと思ったその時、凜の呼び掛けに呆れながら答えた万次の左目が開きました。

映画『無限の住人』感想と評価


(C)沙村広明/講談社 (C)2017映画「無限の住人」製作委員会

変わった武器やヘアスタイルのキャラクターたちが次々に登場。
主人公の万次は斬られても、不思議な虫の力によって身体の傷が治るという設定。
平凡な監督と俳優がやってしまえば漫画っぽさが強調されすぎて、とても観ていられない代物になる危険性を孕んでいます。

見事! 三池監督と主演の木村拓哉は観たことのないエンタメ時代劇に仕上げました。

まずこの主人公が斬られまくるという設定が非常に面白く、まさに肉を切らせて骨を断つの剣術スタイルで次々と敵を倒していきます。
その斬られ役となる主人公が大スターの木村拓哉、その美しい顔が身体が切り刻まれていく。
企画がOKになったのも、おそらく三池監督の2010年の傑作時代劇『十三人の刺客』の成功があったからではないでしょうか(あくまで推測です)。

正直この映画、本当に場面が戦いから戦いへ飛ぶので、ドラマ部分はとっても薄いです。
そして、仇的となる天津の立ち位置が悪に振り切れていないのであまりカタルシスもありません。
この作品は、宣伝文句からもわかるように映画館の大スクリーンで“ぶった斬りアクション”を純粋に楽しみましょう!

キャスト陣はなんといってもキムタクの頑張りだと思います。
インタビューを読む限りでは、足元は常に裸足に草履で、右ひざ靭帯を損傷するほどの大立ち回りを熱演。
こんなに大変な役をさらっと演じ切ってしまうのがキムタクの凄さですね。

演技はいつものキムタク演技でも、その軽さがこの作品にいい味を加えているのではないでしょうか。
普通なら、死ねないということを背負うのは、想像し得ないくらいの絶望でしょう。
重厚な演技の市川海老蔵との対比がうまく生きていたと思います。

度々繰り返される「あぶねぇ」や「めんどくせぇ」といった言葉が緊迫したシーンのいい緩和剤に。
また、ついふざけがちの三池タッチと相まって、コミカルなシーンが多めなのもよかったです。

ここからは個人的な見方になりますが。
木村拓哉はここ十数年間、見た目もほとんど変わらず、芸能界のトップという立ち位置も変わらない稀有な存在。
いまだにドラマや映画の主演を務めるだけでトップニュースになるのは、他に思い付くのは福山雅治くらいでしょうか。

斬りかかってくる敵たちは、そのキムタクの位置に挑戦しようと次々と挑む若手俳優やアイドルたちと置き換えることもできました。
着実に傷つきながらそれでも格好良さを失わず、グループが解散しても耐え抜く。
ラストシーンの力強い眼差しは、キムタクの新たな決意表明のようなものにも取れました。

そして、凜役を演じた杉咲花はやはり素晴らしい(個人的にドラマ『なぞの転校生』のお姫様役の彼女の空間支配力は本当に驚きです)。
19歳にしてすでに安定感があるので、彼女が出てれば間違いないという感じですね。

残念だったのは、栗山千明の戦闘シーンがなかったことでしょうか。
『キル・ビル』のGOGO夕張みたいなやつ観たかったですね・・・(もしかしたら三池監督からタランティーノへの逆オマージュ⁇)。
でも今回は、代わりに戸田恵梨香が頑張っていますが(1カットも吹き替えがないそうです)。

濃厚なドラマばかり観ていては疲れてしまうこともあるので、たまにはこういった大味なエンタメ大作もいかがでしょうか。
この映画の白眉はラストではなく、間違いなく冒頭の白黒シーンでのアクションです。
余裕を持って席に着くことをオススメいたします。

まとめ

超絶な人気マンガである『無限の住人』の実写映画化である上、木村拓哉さん主演ということで公開前から非常に話題を集めていますね。

主題歌を世界的にも有名なギタリストであるMIYAVIさんの『Live to Die Another Day -存在証明-』に決定しており、監督からキャストから音楽まであらゆる面で注目されている作品だと言えるでしょう。

そんな大大大注目の劇場公開は2017年4月29日(土)より全国ロードショー!1人対300人のド迫力のアクションをぜひ劇場でご覧ください!

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