シャーリーズ・セロンが凄腕の女性エージェントを演じる話題作。
痛々しくも華麗な超絶アクションから目が離せない。
スパイ映画の新たな快作『アトミック・ブロンド』をご紹介します。
以下、あらすじや結末が含まれる記事となりますので、まずは『アトミック・ブロンド』の作品情報をどうぞ!
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1.映画『アトミック・ブロンド』の作品情報
(C)2017 COLDEST CITY, LLC.ALL RIGHTS RESERVED.
【公開】
2017年(アメリカ映画)
【原題】
Atomic Blonde
【監督】
デビッド・リーチ
【キャスト】
シャーリーズ・セロン、ジェームズ・マカボイ、エディ・マーサン、ジョン・グッドマン、トビー・ジョーンズ、ジェームズ・フォークナー、ソフィア・ブテラ、ビル・スカルスガルド、サム・ハーグレイブ、ティル・シュワイガー
【作品概要】
スパイ・ムービーの歴史に新たな凄腕女性エージェント、ロレーン・ブロートンが登場!
演じるのは『マッド・マックス 怒りのデスロード』のフュリオサなど男前の役が多いイメージのシャーリーズ・セロン。
徹底したトレーニングによる役作りが身を結び、痛々しく壮絶なアクションを体現。
監督を務めるデビッド・リーチは、 チャド・スタルスキと共同監督を手掛けた2014年のアクション映画『ジョン・ウィック』で一躍有名に。
アクション監督としての手腕を買われ、本作で初の単体監督作品を担当。
脇を固める俳優陣も、ジェームズ・マカボイやジョン・グッドマンにトビー・ジョーンズと豪華な顔ぶれ。
世界中で多くのファンを獲得している2015年のヒット作『キングスマン』で義足の殺し屋ガゼルを演じたソフィア・ブテラも参戦。
また一つ新たなスパイ映画の快作が誕生した!
2.映画『アトミック・ブロンド』のあらすじとネタバレ
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事件の発生
1989年、東西冷戦末期のベルリン。
ベルリンに潜入していたMI6の諜報員ガスコインがKGBの殺し屋バクティンに殺され、世界中で暗躍する各国機関のスパイの名前が記されたリストが奪われました。
KGBを裏切ってそのリストを闇マーケットで売りさばこうとするバクティンの行方を世界中の機関が探し始めます。
高い情報収集力と戦闘能力を兼ね備えたロレーン・ブロートンに、冷戦の行方がかかっている重大なその任務が委ねられました。
任務終了後
ロレーンは身体のあちこちに傷を負い、それを氷水で冷やしていました。
身支度を整え、MI6の本部に向かいます。
上司の情報局主任グレイとCIAのカーツフェルド、そしてマジックミラーの裏側からMI6のチーフであるCが彼女の報告を待っていました。
ベルリンで何があったのか?
ロレーンは過酷な任務の全貌を語り始めました。
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3.映画『アトミック・ブロンド』の感想と評価
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物語の舞台は冷戦時のベルリン。
ドイツという国が東西に分裂し、その象徴であったベルリンの壁の崩壊が間近に迫っていた1989年。
ヒット曲を後ろで軽快に鳴らし、物語やアクションを進めていくやり方は近年の一つの流行りでもあり、やはり観ていて非常に気持ちが乗っていきます。
今作の最大の見どころは、期待通りの壮絶なアクションでしょう。
今作にプロデューサーとしても参加している主演のシャーリーズ・セロンの気合いの入りようは凄まじかった。
激しい肉体トレーニングによってその身体に説得力が増し、スタントも自らこなしています。
監督のデビッド・リーチはキアヌ・リーヴス主演のアクション映画『ジョン・ウィック』の共同監督としても有名です(次回監督作はなんと『デッドプール2』!)。
そのため美しく流れるような決めの画があるような、デザインされたアクションを想像した方が多いのではないでしょうか。
イメージとしてはハイヒールを履いて涼しい顔してアクションをするような。
冒頭のとある入浴シーンでもうすでにこれは違うぞと思わされるわけですが。
序盤のロープを駆使した格闘はその趣も感じましたが、今作の白眉であるビルに入ってからの一連のアクションシーンは特にカメラワークも含め、痛々しさと生々しさに溢れたものでした。
それもそのはず、いくら178センチと女性にしては大きいシャーリーズ・セロンが鍛えたところで、現実には大柄の男性には簡単には勝てっこない。
その生々しいほどの性差を、文字通りフラフラになりながらも、なんとかぶっ飛ばしていく様は凄まじいものがありました。
とある事件が今ハリウッドで大きなニュースになっていますが、シャーリーズ・セロンなら問答無用であの男をぶっ飛ばすに違いないでしょう。
ソフィア・ブテラ演じるデルフィーヌをロレーンが、慰めながら抱いてあげたのもよかった(本当に男前でした)。
男前な女優シャーリーズ・セロンの魅力全開の今作は、アクションだけでなくスパイものにつきものの騙し合いも描かれます。
ジェームズ・マカボイ演じるパーシヴァルはスパイという職業の悲哀を感じさせました(ガスコインとロレーンの恋仲も匂わす程度でした)。
「街に溶け込め」とロレーンにアドバイスする彼は、本当に溶け込み過ぎてしまい自らの目的を完全に見失い、なんとも切ない末路を辿ります。
スパイと孤独、そして悲哀は切っても切り離せない関係であり、パーシヴァルに感情移入した方は『裏切りのサーカス』というこちらもMI6を舞台にしたスパイ映画もお薦めです。
シャーリーズ・セロンが熱演する壮絶なアクションと悲哀を感じるスパイの物語。
その二つが高いレベルで融合した快作でした。
まとめ
(C)2017 COLDEST CITY, LLC.ALL RIGHTS RESERVED.
ただただ主演のシャーリーズ・セロンの格好良さを観に行くもよし。
監督のデビッド・リーチに『ジョン・ウィック』ばりのアクションを期待するもよし。
劇中で流れる当時の音楽に心を踊らせるもよし。
スパイものとしての裏切り合いにハラハラし、悲哀に泣かされるもよし。
そして観た後は、ロレーン・ブロートンという新たなキャラクターの誕生に祝杯をあげましょう。
お酒は、ジェームズ・ボンドのようにドライのマティーニ、それともロレーン・ブロートンのようにウォッカのロックでしょうか。