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【ネタバレ】マイ・ボディーガード(2004)あらすじ感想と結末の評価解説。実話並にリアル!デンゼル・ワシントンは主演作品で誘拐された少女を救う

  • Writer :
  • 秋國まゆ

A・J・クィネル原作のベストセラー『燃える男』を映画化!

トニー・スコットが監督を務めた、2004年製作のアメリカ・イギリス・スイス・メキシコ合作のアクション・スリラー映画『マイ・ボディーガード』。

対テロ活動という名の暗殺任務に明け暮れる日々に疲弊していた、元海兵隊員で元CIA工作員のジョン・W・クリーシー。誘拐が多発するメキシコシティの実業家ラモスに、9歳の娘ルピタのボディーガードとして雇われます。

少しずつ心を通い合わせていたルピタが目の前で誘拐され、クリーシーの過激な追跡が始まるも、事件の主犯格は意外な人物で……。

映画『マイ・ボディーガード』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。

映画『マイ・ボディーガード』の作品情報


(C)2004 Twentieth Century Fox Film Corporation and Monarchy Enterprises S.a.r.l.. All rights reserved.

【日本公開】
2004年(アメリカ・イギリス・スイス・メキシコ合作映画)

【原作】
A・J・クィネル

【監督】
トニー・スコット

【キャスト】
デンゼル・ワシントン、ダコタ・ファニング、クリストファー・ウォーケン、ラダ・ミッチェル、マーク・アンソニー、ジャンカルロ・ジャンニーニ、レイチェル・ティコティン、ミッキー・ローク

【作品概要】
トップガン』(1986)『エネミー・オブ・アメリカ』(1998)『スパイ・ゲーム』(2001)などを手がけたトニー・スコットが監督を務めた、アメリカ・イギリス・スイス・メキシコ合作のアクション・スリラー作品。

イギリスの作家A・J・クィネルによる小説『燃える男』を映画化。全米公開時には初登場1位、5日間で2279万ドルの興行収入をあげたヒット作です。

2度のアカデミー賞に輝いた『グローリー』(1990)や『トレーニング デイ』(2001)のデンゼル・ワシントンが主演を務め、『クリムゾン・タイド』(1995)に続いて再びトニー・スコット監督とタッグを組みました。

映画『マイ・ボディーガード』のあらすじとネタバレ


(C)2004 Twentieth Century Fox Film Corporation and Monarchy Enterprises S.a.r.l.. All rights reserved.

中南米では60分に1件、誘拐が起きています。犠牲者の70%は生還できません。

2003年、メキシコでは誘拐はビジネスとして成立していました。裕福な家庭はそんな不法なビジネスのターゲットにされ、ボディーガードを雇うことが常識でした。

アメリカ・メキシコ国境に接しているメキシコ・フアレスで部品工場を経営しているサムエル・ラモスは、顧問弁護士のジョーダン・カルフスから、父から継いだ誘拐保険の更新のために加入条件であるボディーガードを雇うよう助言されます。

9歳の娘ルピタ(愛称はピタ)のために雇ったボディーガードは、米軍に16年間従軍し対テロ活動を行っていた元海兵隊員で、元CIA工作員でもあるジョン・W・クリーシー。

対テロ活動という名の暗殺任務に明け暮れる日々に疲弊し、現在は仕事をせず酒に溺れる日々を送っていた彼に、彼の旧友ポール・レイバーンがボディーガードの仕事を紹介してくれたのです。

クリーシーは最初、ルピタと彼女を護衛する仕事に全く興味を示しませんでした。人に張りついて話し相手もしなくてはならないボディーガードの仕事が苦手だからです。

そのため、クリーシーはルピタの質問には何も答えず、自分の話は一切せず、ただルピタのボディーガードの仕事を淡々とこなして報酬をもらうつもりでいました。

対してルピタは「友だち」を欲していました。ルピタはクリーシーと友だちになりたくて、色々と質問しましたが「自分はあくまでボディーガードで、友だちじゃない」と拒絶されてしまいました。

それでもルピタは、毎晩一緒に寝ているぬいぐるみのクマに似ている、大きくてどこか寂し気なクリーシーのことを放っておけませんでした。

水泳の授業を受けるルピタを見たクリーシーは、彼女の両親がデトロイトに仕事に出掛けて不在の間、彼女に泳ぎを教えることになりました。

ルピタは泳ぎが速いのですが、スタートの合図を示す銃声が怖くてスタートが遅くなってしまい、いつも3位どまりでした。3週間後に水泳の大会が控えていました。

またクリーシーは、ルピタに勉強も教えました。その最中にクリーシーは初めて、ルピタの前で笑いました。その出来事をきっかけに、クリーシーはルピタと少しずつ心を通い合わせるようになります。

そして迎えた水泳大会当日、ルピタはクリーシーとの特訓の成果を発揮し、150メートルの自由形で見事1着でゴールしました。クリーシーはレイバーンとその妻アリシアを誘い、ルピタのお祝いをしました。

ルピタは水泳と勉強を教えてくれたお礼にと、お小遣いを貯めて買った小さいクマの箱に入った、希望を亡くした人の守護聖人・聖ユダのネックレスを彼にプレゼントしました。

その日の夜。クリーシーは初めて、酒を飲みませんでした。

一方ルピタは、父にピアノを辞めたいと直談判するも、教えてくれているロッシが著名な演奏家だからと断られてしまいました。そこで翌日、ルピタはクリーシーにピアノを弾けないようにしてほしいとお願いしました。

珍しく弱音を吐いたルピタに対し、クリーシーは金持ちの子に教えたり交響楽の演奏をしていたりするロッシのピアノレッスン中、一応謝りながら何度もオエッとえずき、神経を逆なでしてやれとアドバイスしました。

そのクリーシーの案に、後部座席に座るルピタの愛犬サム(サムエルが出張から帰った日に彼女にプレゼントした犬)は肯定するように笑顔を浮かべていました。

ルピタは、ピアノ教室の前の道端に咲いていた花をクリーシーにプレゼントしました。クリーシーはルピタがくれた花を服の胸ポケットに入れて、彼女のピアノレッスンが終わるまでの間、サムと戯れることに。

そこへ、パトカーが何台も集まってきて警戒態勢に。さらに、先日クリーシーたちの後をつけていた不審な車を発見したクリーシーは嫌な予感がしました。

ルピタがピアノ教室から出たと同時に、不審な車のドアが開きます。その瞬間、クリーシーはルピタを逃がすために持っていた銃で空砲を撃ちました。


(C)2004 Twentieth Century Fox Film Corporation and Monarchy Enterprises S.a.r.l.. All rights reserved.

さらにクリーシーは、ルピタを狙う警官たちと不審な車の男たちと銃撃戦を繰り広げることに。

しかし2発の銃撃を受けて負傷してしまい、自分を心配して駆け寄ってきたルピタが、目の前で男たちに誘拐され車に乗せられてしまったのです。

その後、病院に搬送されるも意識が戻らないクリーシーを、連邦司法警察のラミレス本部長は警官2名の殺害容疑で逮捕し、ルピタの誘拐事件にも関与している疑いがあるとマスコミに発表しました。

しかし死亡した警官たちは、この日非番でした。「なぜ制服を着て誘拐の現場にいたのか」と新聞記者のマリアナ・ガルシア・ゲレロがラミレスに尋ねるも、まともに取り合ってくれません。

そこへ、ルピタ誘拐事件を捜査する連邦捜査局(AFI)の局長ミゲル・マンサーノがやってきて、「汚職で名を挙げて、おまけに殉職か」と失笑しました。

その日の夜。自身の息子が身代金を払った2日後、片耳を失って戻ってきた過去を持つカルフスは「警察の手は借りず自分たちで解決する」と連邦司法警察誘拐課のヴィクター・フエンテスに宣言。

しかしフエンテスは検察庁から、この事件への非公式の関与を許可されていることを理由に、彼らを黙らせ捜査を続行させます。

さらにフエンテスは「犯人は身代金を1人で運んでこいと要求しているが応じるな」「応じたらメキシコの地獄を味わうことになる」と彼らに釘をさしました。

ルピタが誘拐されてから2日後。レイバーンが警察の目を盗んでクリーシーに会いに行くと、ミゲルがやってきました。

レイバーンの呼びかけに反応し、意識を取り戻したクリーシー。2人から、ルピタが誘拐されてから2日経った今も、誘拐犯と交渉中であると聞かされます。

同時刻。フエンテスたち連邦司法警察と一緒に自宅にいるサムエルのもとに、誘拐犯から電話がかかってきます。サムエルに代わって電話に出たカルフスは、誘拐犯からの指示を復唱しました。

「身代金1000万ドルは、銀行で黒の麻袋2つに分けて入れる。中身は保険代理人が確認」「武装車で自宅へ運び、運搬車に積み替える」

そこで、カルフスはサムエルが持病の心臓病を患っていることを理由に、彼が身代金を運ぶには運転手が必要だと誘拐犯に交渉しました。

誘拐犯は「頑丈な車ではなく、トランクのフタを外したメイドの車に乗り込む」という条件つきでこれを承諾。午前1時に広場の噴水に着き、噴水のまわりを2周した上で、シャツを脱いで窓の外へ掲げろと指示しました。

その指示は時刻以外、カルフスが息子を誘拐した犯人から指示されたものと同じでした。さらに誘拐犯は、南東の角にある公衆電話が鳴ったら受話器を取って指示を待てといいました。

その日の深夜。サムエルはフエンテスと一緒に、誘拐犯からの指示に従いました。電話の上の地図に書かれていた指示「IMSS橋 3時」に従い、IMSS橋に到着したサムエルは、500万ドルずつ入った黒の麻袋を2つ、近くに置かれた白い車のトランクに入れました。

しかしこの身代金の受け渡しに邪魔が入り、誘拐犯の甥が殺されてしまいました。

翌日。これに怒った誘拐犯は、サムエルとその妻リサに「娘を神のもとへ送る」と、暗にルピタを殺すと電話してきたのです。

以下、『マイ・ボディーガード』ネタバレ・結末の記載がございます。『マイ・ボディーガード』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


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一方、ミゲルたち連邦捜査局とレイバーンによって、連邦司法警察から守るため病室から運び出され、動物病院で治療と保護をされていたクリーシーは、レイバーンから「ルピタが殺された」と聞かされます。

クリーシーはミゲルたちの捜査に協力し、連邦司法警察の汚職警官たちの顔写真を見て誘拐現場にいた男たちがいないか調べていきます。

ミゲル曰く、連邦司法警察の汚職警官たちは「兄弟団(ラ・エルマンダー)」という政府の幹部や汚職警官の堅牢な組織に守られているという……。

その日の夜。胸部と腹部を撃たれ重傷のクリーシーは復讐に燃え、レイバーンの手を借りて動物病院から抜け出します。

誘拐犯を探し始めた矢先、マリアナの尾行に気づいたクリーシーは、国境でレイバーンの友人と合流し海軍病院に行くという予定を変更。誘拐現場に向かい、ここへ誘導されたとは知らずに偶然を装って声をかけてきたゲレロと話をしました。

ゲレロは、クリーシーとルピタは兄弟団の犠牲になったのだと彼に言いました。そして自分の暴露記事に協力してくれれば、クリーシーの誘拐犯探しに友達として協力するといいました。

ゲレロの協力を受け入れ、レイバーンの車に乗り込んだクリーシーは、彼に殺し以外の頼みごとをしました。

自分の荷物を取りにラモス家に戻ったクリーシーは、ルピタの部屋で彼女の日記を発見。「私のことを愛してねクリーシー、私のクマさん」と記されたルピタの文字に目を留めました。

そこへリサがやってきます。ナイトクラブに明け暮れ、自分のことばかり考えていたせいで、自分の命より大事な娘を誘拐されたのだと彼女は責め続けていました。

そんなリサに、クリーシーは誓いました。ルピタ誘拐事件に関わった者、甘い汁を吸った者を殺すために最善を尽くすと。

クリーシーはレイバーンから、誘拐犯と誘拐に関与した者たちと戦うための武器を調達。さらに事件前に自分たちを尾行していた不審な車のナンバーの一部を、ルピタの日記から入手。その車の持ち主とその住所を教えてほしいと、ゲレロに頼みました。

ゲレロはメキシコシティにある連邦捜査局に行き、クリーシーに頼まれた車の持ち主の特定をミゲルに依頼しました。

その結果、クリーシーは車の持ち主の住所を入手。車の持ち主であり兄弟団の一員でもあるホルヘ・ゴンザレスに銃で脅し、車を出させます。人気のない場所で、車のハンドルにゴンザレスの両手をテープで固定し、誘拐実行犯の1人でもある彼を尋問しました。

その結果、誘拐グループは役目が分かれており、ゴンザレスの役目は電話の指示で標的を攫い用心棒のところへ連れていくこと。誘拐グループのボス、通称「声(ボイス)」は標的を見ずに身代金の交渉だけをすることが判明。

ゴンザレスはボスの正体は知らないものの、用心棒は顔の左側に痣がある男(通称ブッチャー)で、「レイブ」というナイトクラブにいることは知っていました。クリーシーは用済みとなったゴンザレスを射殺し、彼もろとも車を崖の下へ落としました。

クリーシーの次の標的はブッチャー。ブッチャーとその仲間の男女を尋問し、まずは男をショットガンで射殺しました。そしてブッチャーを尋問した結果、ブッチャーの役目は、携帯電話で指示が来るのを待ち、実行犯たちから標的を受け取ることだと判明。

それによって得られるブッチャーへの報酬は、銀行から2週間ごとに引き出す200ドル。ルピタの所在はボスかその弟が知っていると、ブッチャーは言いました。

ブッチャーもボスの顔は知りませんでしたが、ルピタに向かって「甥っ子が殺されて身代金も盗られた」と怒鳴っている声は聞いたという。その身代金を奪ったのは、フエンテスだとも……。

クリーシーは用済みとなったブッチャーを射殺。残った女性にもルピタについて知っていることを聞き出します。すっかり怯え切った女性は「ボスの弟が、壁に叩きつけられぐったりしたあの子を車に放り込んでどこかへ連れていった」とクリーシーに教えました。

その女性も、ボスとその弟の正体を知りませんでした。しかも女性が「あの子を返す」と言って案内をした少女は、昨夜誘拐された12歳くらいの少女カミラで、ルピタではありません。

クリーシーは2人を連れてクラブに躍り出て、空砲を2発。クラブの客を外に追い出し、それに紛れてクラブの外に出ました。無人となったクラブはクリーシーによって爆発・炎上し、ブッチャーたちを殺した証拠を隠滅しました。

クリーシーから電話を受けたゲレロは、彼によって保護されたカミラと、彼が手錠をかけた女性の身柄を引き取りました。さらにブッチャーが持っていたキャッシュカードの関連講座と入金者の調査を引き受け、フエンテスに関する情報を彼に教えました。

3年前、フエンテスの車に5万ドルと死体が載っていました。ですが兄弟団によって無罪放免となり、担当捜査官が殺されました。

フエンテスがいるのは、警察の官舎。移動は、大統領より厳重な警護付きだという情報を入手したクリーシー。

一方連邦捜査局では、レイバーンがミゲルに「国の法廷よりも彼(クリーシー)の方が正義を行えるから邪魔をするな」と警告していました。

ミゲルは最初からクリーシーに協力するつもりでいました。ですが、なぜ誘拐事件に関与した者たちを皆殺しにしようとしているのか疑問でした。

その疑問に対しレイバーンは、ミゲルにとってルピタは誘拐事件の犠牲者の1人ですが、彼にとって彼女は新しい命を与えてくれた大事な存在なのだと答えました。

その日の夜。ゲレロは一夜を共にすることを条件に、ミゲルにクリーシーから預かったキャッシュカードの関連口座を調べて欲しいとお願いしました。

翌日。クリーシーは、警察の官舎の出入り口が見える場所に暮らす老夫婦に事情を話し、その家の窓から官舎から出て車にロケットランチャーを放ち、フエンテスを殺そうとします。

クリーシーの狙い通り、フエンテスが乗る車の前を走る車にロケットランチャーが命中。これにより足止めを食らったフエンテスが乗る車に向かって銃撃します。


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運転席から出てきたフエンテスの警護を殺し、車を奪取。フエンテスをアンダーパス(道路や鉄道などの下を通るため、周辺の地面よりも低くなっている道路や地下道)へ連れていきました。

そしてフエンテスを車のボンネットに縛りつけた状態で、クリーシーは身代金を奪った理由について尋問しました。

フエンテスは兄弟団のボスでした。クリーシーは、フエンテスの尻に破壊力抜群の即席爆弾(鉛筆型の起爆装置に、送受信機用のタイマー、強力な爆薬「C4」で作製)を入れたと脅し、タイマーを5分にセットしました。

残り4分を切ったとき、フエンテスは「指示した地点に部下を待機させた。誘拐犯の甥を殺すために」と答えました。しかもこの手は、もう何度も使っていると……。

残り2分30秒。フエンテスは「2袋のうち半分は紙で250万ドルしか入っておらず、もう片方は全部紙だった」「車に積み替えたカルフスが盗んだんだ」と答えました。クリーシーがその場を離れた直後、時間切れとなりフエンテスは爆死しました。

クリーシーの次の標的はカルフス。彼の邸宅に行くと、庭のプールでカルフスの死体を発見。書斎のデスクには、凶器のナイフが置かれていました。そして稼働中のコピー機から、カルフスの預金明細書が出てきました。そこにはなぜか、サムエルの名前が……。

クリーシーはゲレロに電話をかけ、カルフスが金を預けていたケイマン諸島にあるコースト銀行の暗号らしきものの解読を依頼。

クリーシーはラモス家に戻り、フエンテスが身代金の250万ドルを盗んだことをサムエルとカルフスは知っていて、残りの250万ドルがカルフスの口座に入金されていたことを夫妻に話しました。

クリーシーはサムエルに、残りの500万ドルの行方について尋ねました。

激昂した妻に詰め寄られ、サムエルは「僕は借金まみれの家(亡き父の賭博による借金と業績不振による借金)を相続した」「ピタは誘拐先でもテレビを見たり、アイスももらえる。2日で戻るとジョーダンは嘘を!だから彼を殺した!」と答えます。

さらにサムエルは、ルピタの誘拐に同意したことを認めました。罪を認めたサムエルに、クリーシーは一発の弾丸と銃を渡して自決を求めました。

一方、ミゲルたち連邦捜査局は、暗証番号からキャッシュカードの示す住所を特定。

ミゲルはその住所に部下を向かわせ、コレラ(汚染された水や食物を摂取することによって感染する経口感染症)の予防接種だと嘘をついてそこに住む者全員に注射し、その間にカメラを仕掛け、ボイスと思われる男の顔写真を入手しました。

その日の夜。ゲレロはクリーシーに連絡をとり、キャッシュカードの持ち主はボイスの妻レイナ・R・サンチェス、住所はロス・アルコス通りにあるアパート26D、それからボイスの写真を新聞に載せたことを伝えました。

脅迫に屈さず、ミゲルの指示通りゲレロが朝刊にのせたボイスの写真を手に、クリーシーはアパートに侵入。逃走を図った不審な男を捕まえ、レイナに質問します。

その結果、ボイスの正体はダニエル・サンチェス、捕まえた男は彼の弟で誘拐グループの一員アウレリオ・R・サンチェスであることが判明。

クリーシーはレイナに、今すぐダニエルに連絡を取るよう命じました。ミゲルたちはその電話を逆探知し、ダニエルの居所を割り出そうとします。


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クリーシーは妊婦のレイナとアウレリオを、ダニエルはルピタをそれぞれ人質に取った状態で交渉がスタート。

金が欲しいのかと尋ねるダニエルに対し、クリーシーは彼に左手の指を何本か吹き飛ばしたアウレリオの絶叫した声を聞かせ、「金など要らん、俺の望みはお前だ。(ルピタに何かあれば)家族の体をバラバラにして殺してやる」と脅迫しました。

弟の絶叫を聞いたダニエルは、ルピタが生きていることを証明し、彼女と弟の命を交換しようとクリーシーに提案。ルピタの生存を確認したクリーシーはこれに応じました。

取引現場へ向かう道中、クリーシーはリサにルピタの生存を報告。取引現場の場所を教えます。

取引現場に、クリーシーとアウレリオが乗った車とリサの車、そしてダニエルとその一味の車、合わせて4台の車が到着しました。

そしてついに、クリーシーはルピタを無事奪還。駆け寄ってきた彼女を強く抱きしめ、橋の下で待つリサのもとへ向かうよう言いました。それを見たリサは、見張っていたアウレリオを解放し、娘を強く抱きしめました。

ルピタの姿を横目に、クリーシーは死を覚悟し、アウレリオを取り戻したダニエル一味に自ら捕まりに行きました。

現場を後にするダニエル一味の車の中で、クリーシーはアウレリオを捕まえる前に撃たれた傷が致命傷となり、ルピタにもらったペンダントを握りしめながら息を引き取りました。

ジョン・W・クリーシー、1956年1月4日生まれ、2003年12月16日死亡。2003年12月16日、ダニエル・R・サンチェスは、逮捕手続きの間に射殺されました。

映画『マイ・ボディーガード』の感想と評価


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誘拐グループと汚職警官たちを追い詰めていく者

最初はルピタにも、彼女を護衛する仕事にも全く関心がなかったクリーシー。ですが彼女の両親が不在の間、彼女に水泳と勉強を教えたことをきっかけに、少しずつ彼女と心を通い合わせていきます。

心を通い合わせる前と後ではクリーシーの表情が全然違いますし、また2人の間に友情に似た絆が生まれていくのが感じられてとても微笑ましいです。

その一方で、復讐に燃えたクリーシーが、ルピタ誘拐事件に関与した誘拐グループと、その甘い汁を啜っていた者たちへ正義の鉄槌を下していく様はとてもスカッとした爽快感があります。


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そんなクリーシーには、頼もしい協力者がいました。新聞記者のゲレロと連邦捜査局の長官ミゲルです。

ゲレロは誘拐事件に関与する誘拐グループと「兄弟団」の暴露記事を書くため、ミゲルは相次ぐ誘拐事件の真相解明と真犯人逮捕のため、クリーシーに有力な情報を渡していきました。

クリーシーだけ、ゲレロとミゲルたち連邦捜査局だけでは兄弟団に阻まれて無理でした。しかし3人が利害の一致で協力したことで、犯人たちを追い詰めることができたのです。

クリーシーの活躍はもちろん、彼を支えたゲレロたちの活躍も注視してみてください

暴かれた誘拐事件の真相

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クリーシーたちが暴いた誘拐事件の真相。まず誘拐グループがルピタを含む金持ちの子息令嬢を誘拐し、身代金を要求。

その身代金を狙うフエンテスたち汚職警官が、身代金の受け渡しを妨害。これに怒った誘拐グループは被害者を無傷では返さない、もしくは殺すなどの処置をとり、また身代金欲しさに誘拐を続けていく。このループによって、誘拐事件は相次いで起きていたのです。

ですがルピタ誘拐事件では、もっと計画的なものでした。被害者家族であるサムエルが借金返済のためか、カルフスの話に乗っかり娘の誘拐に同意したのです。

カルフスも息子を誘拐され、身代金を渡して取り戻した息子は片耳を失っていた経験をしています。息子を誘拐し傷つけた誘拐グループと、息子を救ってくれなかった汚職警官たちへの復讐ゆえの考えだったのかとも考察できますが、死人に口なしのため理由は分かりません。

汚職警官たちは「私はプロだから」を強く主張し、ルピタたち子どもを危険な目に遭わせたことへの謝罪は一切なし。そんな彼らと、金を得るための商品としてしか子どもを見ていない誘拐グループも、借金から家族を守るために娘を誘拐させたサムエルの末路は、まさに因果応報。自業自得です。

まとめ


(C)2004 Twentieth Century Fox Film Corporation and Monarchy Enterprises S.a.r.l.. All rights reserved.

元アメリカ海兵隊員であり元CIA工作員のクリーシーが、生きる希望をくれた少女の誘拐事件の真相を暴いていくアクション・スリラー作品でした。

暗殺任務に明け暮れる日々に心が疲弊していたクリーシーと、彼の護衛対象である少女ルピタが少しずつ心を通い合わせ、最後は互いのことを大事に思うほどの強い絆で結ばれていく様は微笑ましく感涙します。

そんな2人がやっと再会できたというのに、橋でのやりとりが最後の会話となってしまうなんてとても悲しいです。せっかくルピタの日記にあったように、クリーシーもルピタのことが大好きになり、そのことを告白したばっかりだというのに……。

それとは別に、物語の前半ではクリーシーが銃の扱いに不得手な姿が描かれていました。諸事情でそうなってしまったクリーシーは、サムエルを撃たなかったのではなく撃てなかったのではないかと考察できます。

デンゼル・ワシントンが疲弊した男クリーシー役を、子役時代のダコタ・ファニングがクリーシーに生きる希望を与えてくれた少女ルピタを熱演。ボディーガードと護衛対象の間に生まれた純粋すぎる愛に感動する本作をぜひ一度ご鑑賞ください



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