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Entry 2021/09/23
Update

『イングロリアス・バスターズ』ネタバレあらすじ結末と考察解説。“実話”を映画という表現でタランティーノは娯楽へと華麗なる昇華

  • Writer :
  • 秋國まゆ

極秘部隊と映画館館主がナチスに復讐していく戦争アクション!

クエンティン・タランティーノが脚本・監督を務め、クエンティン・タランティーノ監督自らも作品に出演した、2009年製作のアメリカのR15+指定の戦争アクション映画『イングロリアス・バスターズ』。

ナチスに家族を殺された映画館館主と、ナチス軍人を標的とする連合軍の極秘部隊が、ナチス根絶の復讐計画を実行していく姿とは、具体的にどんな内容だったのでしょうか。

物語を5章に分けて、連合軍の極秘部隊と映画館館主によるナチスへの復讐劇を描いた、戦争アクション映画『イングロリアス・バスターズ』のネタバレあらすじと作品情報をご紹介いたします。

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映画『イングロリアス・バスターズ』の作品情報


(C)2009 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

【公開】
2009年(アメリカ映画)

【脚本・監督】
クエンティン・タランティーノ

【キャスト】
ブラッド・ピット、メラニー・ロラン、クリストフ・ヴァルツ、イーライ・ロス、ダイアン・クルーガー、ダニエル・ブリュール、ティル・シュヴァイガー、B・J・ノヴァク、サム・レヴァイン、マイケル・ファスベンダー、ポール・ラスト、ギデオン・ブルクハルト、オマー・ドゥーム、マイケル・バコール、アウグスト・ディール、ジュリー・ドレフュス、シルヴェスター・グロート、ジャッキー・イド、ドゥニ・メノーシェ、マイク・マイヤーズ、ロッド・テイラー、マルティン・ヴトケ、リチャード・サメル、アルンドゥト・シュヴェリング=ゾーンレイ、ザック・フォルカー・ミヒャロウスキ、ケン・デュケン、クリスチャン・ベルケル、アン=ソフィー・フランク、レア・セドゥ、ティナ・ロドリゲス、レナ・フリードリヒ、ルドガー・ピストール、ボー・スヴェンソン、エンツォ・G・カステラッリ、ジャナ・パラスキー、ハーヴェイ・カイテル、ソンケ・モーリング、ヒルマー・アイヒホルン、アレクサンダー・フェリング、クエンティン・タランティーノ

【作品概要】
『デスペラード』(1995)や『シン・シティ』(2005)、『ワンス・アポン・ア・タイム・ハリウッド』(2019)などを手掛けた、クエンティン・タランティーノが脚本・監督を務めただけでなく、クエンティン・タランティーノ監督自らも出演したアメリカのR15+指定の戦争アクション作品です。

「オーシャンズ」シリーズや『ワールド・ウォーZ』(2013)、『フューリー』(2014)、『デッドプール2』(2018)などに出演するブラットピットが、主演を務めています。

映画『イングロリアス・バスターズ』のあらすじとネタバレ


(C)2009 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

第1章 その昔…ナチ占領下のフランスで

1941年、第二次世界大戦中のナチス・ドイツ軍占領下のフランスの田園地帯。

この地に赴任した国家社会主義ドイツ労働者党「ナチス親衛隊(SS)」のハンス・ランダ大佐は、党の指導者アドルフ・ヒトラー総統の特命により、この地に隠れているユダヤ人酪農家のドレフュス一家を捕まえるべく、彼らを知るフランス人酪農家のペリエ・ラパディットの家を訪ねました。

ユダヤ人の目線に立って考え行動を読み、ユダヤ人を確実に捕らえ始末する死刑執行人「ユダヤ・ハンター」の異名を持つランダは、魅力的な妻子を持つラパディットを1人にして尋問した結果、床下にドレフュス一家を匿っていることを突き止めます。

2人が話す英語が分からないドレフュス一家は、ランダがうった芝居にまんまと騙され、彼が家に呼び寄せた部下たちに床板越しにマシンガンで射殺されてしまうのです。

ただ1人、生き残っていた娘のショシャナは床下から脱出し、田園地帯を駆け抜け逃走。ランダは走り去る彼女の背中目掛けてピストルを構えましたが、何を思ってか引き金は引かず、代わりに「達者でな!ショシャナ!」と叫びました。

第2章 名誉なき野郎ども(イングロリアス・バスターズ)


(C)2009 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

アメリカ陸軍中尉アルド・レインは、ユダヤ系アメリカ人8名からなる連合軍の極秘部隊、「名誉なき野郎ども(イングロリアス・バスターズ)」を組織します。

イングロリアス・バスターズ(以後、バスターズと表記)の任務とは、大編成部隊がフランスに送り込まれる前に、民間人に成りすましてフランスへ向かい、敵地に潜り込み国家社会主義者「ナチ」を始末することです。

猟師ジム・ブリシャーの直系の子孫で、インディアン部族(アパッチ)の血が混ざっているレインは、バスターズもアパッチのように敵と戦うことを指示します。

さらにレインは部下たちに、「俺に死んだナチ100人の頭の皮を剝いで持ってこい」と命じるのです。

その後、バスターズはフランスへ向かい、見つけたナチを次々と血祭りにあげていきました。

そしてレインの狙い通り、ナチはバスターズへの恐怖に震え上がり、狂乱状態に陥りました。

ナチに広がるバスターズの噂を聞いて、ヒトラーは顔を真っ赤にして大激怒。彼は唯一の生存者、SSの偵察隊ブッツ二等兵から、バスターズの所業を聞くことにしました。

ブッツの話によると、彼とSSの偵察隊ラハトマン軍曹とルートヴィヒは、死んだナチの頭の皮を剝いでいるバスターズと遭遇。

バスターズの中に通訳として、ドイツ警察の中にある秘密国家警察「ゲハイメ・シュターツポリツァイ(通称ゲシュタポ)」の将校を13名殺害したことで有名な元ドイツ軍兵士、ヒューゴ・スティーグリッツ軍曹がいることが判明したのです。

ナチス・ドイツ軍の司令部はヒューゴを銃殺刑にはせず、ドイツ・ベルリンに移送することで彼を排除しようとしましたが、彼の噂を聞きつけたバスターズが牢屋を襲撃し級須臾したことで、彼はベルリン行きを免れました。

そしてバスターズは、ナチを始末することが目的であるため、捕まえたナチを捕虜にはしません。

レインはラハトマン軍曹に、ある提案をします。「お前の始末は2つに1つ、殺すか逃げるかだ。ここから生きて戻れるかはお前次第だ」

「この先にある果樹園に、お前らの他にナチの偵察隊がいるんだろう?奴らが隠れている場所、奴らの人数と持っている火器の種類を教えてもらおう」

ラハトマン軍曹は強気に協力を拒んだ結果、野球のバットでドイツ兵の脳みそを叩き潰し殴殺する「ユダヤの熊」の異名を持つバスターズのメンバー、ドニー・ドノウィッツ軍曹の手で葬られてしまいました。

その直後、ルートヴィヒが他のバスターズのメンバーに射殺され死亡。唯一生き残ったブッツは、バスターズのもう1人のユダヤ系アメリカ人通訳、ドイツから逃亡したものの復讐のために戻ってきた元オーストラリア系ユダヤ人のウィルヘルム・ウィキを介して、レインに味方の位置を教えます。

レインはナチに自分たちの存在を知らしめるため、ブッツの額にナイフでナチ党のシンボル「ハーケンクロイツ」を刻んでから解放しました。

第3章 パリにおけるドイツの宵


(C)2009 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

1944年6月、フランス・パリ。家族を惨殺されてしまったショシャナは、亡くなった伯父夫婦から映画館の経営を引き継ぎ、「身寄りのない若きフランス人女性映画館館主、エマニュエル・ミミュー」という別人に成りすまし、この街で暮らしていました。

ナチス・ドイツ軍の狙撃兵フレデリック・ツォラー国防軍一等兵は、ショシャナがユダヤ人とは知らず、同じ映画好きの彼女に想いを寄せていました。

第二次世界大戦のイタリア戦線において、フレデリックはただ1人街の鐘楼から、敵兵300人を迎え撃ち、たった3日間で250人狙撃し撤退まで追い込んだ功績がある有名人でした。

ナチス・ドイツ軍のナンバー2であり、SSのヨーゼフ・ゲッベルス宣伝大臣は、そんなフレデリックの活躍をもとにプロパカンダ映画『国家の誇り』を製作し、彼自身を出演させ「戦争の英雄」として祭り上げたのです。

フレデリックはショシャナを、無理矢理ゲッベルスに引き合わせ、自身が主演を務める映画のプレミア上映会「ドイツの宵」を彼女の映画館でやるよう、一緒にゲッベルスに説得させようとします。

その会合の場に、「ドイツの宵」で警護を担当するランダが突如現れ、ショシャナの体に緊張が走りました。

ゲッベルスがSSのフランス語通訳フランチェスカ・モンディーノと次の会合へ向かった後、ランダは自身の権限を利用してフレデリックを無理矢理退席させ、会合の場にショシャナ1人だけを残し尋問します。

ランダはフレデリックとの出会いや、ショシャナが何故映画館館主になったのか、フランス人の黒人従業員マルセルの映写の腕は確かかと尋ねてきただけで、最後まで彼女の正体に気づきもしませんでした。

ランダが去り、極度の緊張から解放されたショシャナは、家族を酸雑された復讐として、「ドイツの宵」に集うSSとゲシュタポの高官を殺そうと企みます。

そこでショシャナは、自分の正体を知る恋人でもあるマルセルに協力を仰ぎ、SSとゲシュタポの高官を殺す方法として、可燃性フィルム「ニトロセルロースフィルム」を使って映画館もろとも焼き尽くすことを思いつきました。

以下、『イングロリアス・バスターズ』ネタバレ・結末の記載がございます。『イングロリアス・バスターズ』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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(C)2009 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

第4章 プレミア大作戦

イギリス軍は、SSとゲシュタポの高官が一堂に会する「ドイツの宵」の情報を掴み、イギリス軍の将軍エド・フェネクはドイツ語が得意で、戦前は映画評論家だったイギリス軍の兵士アーチー・ヒコックス中尉を呼び出します。

フェネクはイギリスの首相ウィンストン・チャーチルがいる場で、ヒコックスに「プレミア作戦」という、3日後に開催される「ドイツの宵」に集まったSSとゲシュタポの高官ごと、映画館を爆破する作戦について説明しました。

ヒコックスに与えられた任務内容は、ヒコックスはドイツ語を話せるバスターズ2人と行動を共にし、イギリス軍に協力するドイツ人人気女優ブリジット・フォン・ハマーシュマルクと接触。彼女を入れて4人で「ドイツの宵」に出席することです。

プレミア作戦の前夜。ヒコックスはフランスの村ナディーヌで、レインが連れて来たスティーグリッツとウィキと合流。ハマーシュマルクが待つ地下酒場に、ナチス・ドイツ軍の将校に扮して訪れます。

しかしここで、ヒコックスたちに予想外な展開が待ち受けていました。それはその日に限って、普段来ないナチス・ドイツ軍の下士官ヴィルヘルム曹長が、自身の赤ん坊が生まれたお祝いとして部下たちを連れて来ていたのです。

酔っ払ったヴィルヘルムがヒコックスたちの会話に割って入り、ハマーシュマルクに生まれた息子へのサインをねだってきます。

この時、ヴィルヘルムを追い返そうとしたヒコックスのドイツ語の奇妙なアクセントが、彼とその場に居合わせたSSのヘルシュトローム少佐に不審に思われてしまうのです。

さらに、ヒコックスの飲み物を頼む際に出した仕草が決め手となり、ヘルシュトロームにドイツ人ではないことがバレてしまいます。

開き直ったヒコックスとスティーグリッツたちは、ヘルシュトロームたちドイツ兵と、地下酒場の店主とウエイトレスを巻き込んだ、激しい銃撃戦を繰り広げていきました。

激しい銃撃戦の末、ヴィルヘルムと足に銃弾を受けたハマーシュマルクだけが生き残りました。

そこへ、向かいの建物の中で待っていたレインが、ドニーを伴って地下酒場へ続く階段に駆けつけ、ヴィルヘルムに取引を持ち掛けます。

「俺ともう1人が女を救出しに行く。俺たちは銃を持たずに、女を連れて出ていくから手出しはするな。そうすれば息子に会えるぜ」

ヴィルヘルムはこの取引を受け入れ、レインが姿を現した直後、ハマーシュマルクは床に転がっていた銃を使い、自身を罵倒したヴィルヘルムを射殺。

その後、救出された彼女は近くの動物病院で治療を受けるものの、彼女に裏切られたと感じたレインから拷問されてしまいます。

ハマーシュマルクは激痛に悶えながら、地下酒場で起きた銃撃戦の理由や、地下酒場にドイツ兵がいたのは単なる偶然だとレインに説明しました。

さらにハマーシュマルクは、レインとドニー、バスターズのメンバーであるオマー・ウルマーにこう言いました。

「“ドイツの宵”に軍服で出席するのは怪しまれるから、ドイツ映画業界の関係者としてタキシードで行けば怪しまれない」

「英国人の中尉が私のエスコート、他の2人はドイツのカメラマンとその助手を務める予定だったけど、3人は死んでしまったし私はこの有様」

「でも、あなたが知らない情報が2つある。その1、“ドイツの宵”の会場がリッツから狭い映画館に変更されたこと」「その2、ヒトラーが“ドイツの宵”に出席すること」

これを聞いたレインは、バスターズのメンバーの中で1番イタリア語が得意なため、ドイツ人もあまり得意ではないイタリア語を話すドイツ映画業界の関係者を装い、ハマーシュマルクのエスコート役を担当。

2番目にイタリア語が得意なドニーがイタリア人カメラマン、3番目にイタリア語が得意なオマーを彼の助手に役割を振り分けていきます。

肝心の「ドイツの宵」に出席するハマーシュマルクには、レインの提案で獣医に治療を受けた上で、モルヒネを打ってでも出席してもらうことになりました。

一方その頃、ランダは部下を伴い、銃撃戦が行われた地下酒場を捜索。ハマーシュマルクが履いていたハイヒールと、彼女がヴィルヘルムに贈ったサイン入りのナプキンを発見します。

第5章 巨大な顔の復讐


(C)2009 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

「ドイツの宵」の開催日当日の夜。映画館のロビーには、フレデリックと彼と共演したドイツ人俳優エミール・ヤニングス、ゲッベルスたちSSとゲシュタポの高官たちが集まっていました。

赤いドレスに身を包んだショシャナが、フレデリックたちと接触した頃、警備にあたるランダは黒いドレスに身を包んだハマーシュマルクと、イタリア人エスコートのレインたちと接触します。

ランダは堪能なイタリア語で、アメリカ訛りのイタリア語を話すレインたちをからかった後、ハマーシュマルクを言葉巧みに別室へ誘導しました。

ランダはハマーシュマルクを椅子に座らせ、地下酒場から持ち出したハイヒールを履かせ、サイズがピッタリなことを確認。

地下酒場にいたのがハマーシュマルクだと確かめた直後、彼は状況を察した彼女に飛び掛かり、首を絞めて殺害します。

さらにランダは、部下たちに命じてロビーで待つレインを確保。先に映画館の席に着いていたドニーたち同様、レインはズボンの下に時限爆弾を忍ばせていましたが、それはランダに押収されてしまいます。

そしてランダは、外で待機していたバスターズのメンバーであるスミッソン・ユティヴィッチを捕まえ、レインたちを映画館から離れた場所へ連行し尋問しました。

「私が今この電話で映画館に知らせれば、君たちの作戦、足首に巻いた時限爆弾によるテロ工作は失敗に終わるだろう」

「もし私が電話をしなければ、戦争終結に必要なヒトラーもゲッベルスも、ゲシュタポの創始者ヘルマン・ゲーリングも、ヒトラーの側近であり秘書でもあるマルティン・ボルマンの4人を殺すことができる」

「そうしたいのであれば、君たちは私の取引に応じるしかない。この場所にある高性能の双方向無線を使って、君たちの上官である戦略情報局(OSS)の将軍に連絡を取り、私の要求である“降伏条件”を提示したい」

レインたちが取引に応じたことにより、ランダは双方向無線を使ってOSSの将軍に連絡を取り、早速自身の要求を伝えます。

ランダが出した要求とは、映画館に残るドニーたちによるヒトラーとゲッベルスの暗殺を赦す代わりに、ランダは初めからOSSの指示の下動いていた二重スパイとして、プレミア作戦に参加していたことにすること。

そしてプレミア作戦に参加したバスターズとランダには、ドイツを倒し戦争を終結させた功労者として、名誉勲章を授与すること。

立役者であるランダには、地位に応じた年金と給付金を満額支払い、アメリカに不動産を買い、市民権を与えるよう手配して欲しいということでした。

一方、映画館では、ショシャナとマルセルがナチへの復讐のために水面下で動いており、マルセルは映画館の出入り口を封鎖。

映写室に残ったショシャナは、自分たちで事前に編集しておいたフィルムと、『国家の誇り』のフィルムを交換します。

しかしそこへ、フレデリックが押しかけてきてしまうのです。強く拒絶しても映写室から出ていこうとしないフレデリックを見て、ショシャナは彼を追い払うことを諦め、映写室の扉を鍵かけさせに行かせた彼の背中目掛けて、鞄に忍ばせていたピストルを発砲。

ところが、殺したはずのフレデリックは呻き声をあげだしたのです。フレデリックは最期の力を振り絞り、うつ伏せから体の向きを変え、近寄ってきたショシャナを射殺します。

フレデリックは死に、ショシャナも激痛に悶え苦しみながら絶命しました。その直後、劇中で「何かメッセージはあるか?」と連合軍に問うフレデリックの顔から、ショシャナの顔に切り替わり、劇場にいるヒトラーたちにこう言いました。

「お前たちドイツ人は全員死ぬ。お前たちを殺すユダヤ人の顔をよく見るがいい。マルセル、焼き尽くすのよ」

これを合図に、マルセルはスクリーン背後に積まれた可燃性フィルムに、持っていた煙草の火を放ちました。

劇場を抜け出したドニーたちは、愕然と立ち尽くすヒトラーとゲッベルスを襲撃。直前に殺した護衛から奪ったマシンガンで、ヒトラーたちとその場に居合わせたフランチェスカ、炎から逃げ惑うSSやゲシュタポの高官たちを次々と射殺していきます。

さらにドニーたちが劇場の座席に仕掛けた時限爆弾により、映画館は爆発し、映画館にいた全員が死んでしまいました。

その後、レインたちとランダ、ナチス・ドイツ軍の通信兵を乗せたトラックが、アメリカ軍の支配地域へ到着。

事前にOSSの将軍と打ち合わせしたとおり、ランダはレインたちを解放し、捕虜として投降しようとします。

しかしランダの目論見は外れ、銃とナイフを受け取ったレインは、その場で通信兵を射殺。ユティヴィッチに頭の皮を剝ぐよう命じます。

突然の出来事に混乱し怒鳴るランダに対し、レインは「将軍との取引で手に入れた、ナンタケット島(アメリカ・マサチューセッツ州ケープ・コッドの南30マイルに位置する島)に着いたら、ナチだと分からないようにSSの軍服を脱いでしまうんだろう?」と尋ねました。

レインがランダを押さえつけ、ナイフで額にハーケンクロイツを刻み、ユティヴィッチに「こいつは俺の最高傑作だぜ」と言ったところで、物語は幕を閉じました。

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映画『イングロリアス・バスターズ』の感想と評価


(C)2009 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

ナチを血祭りにあげていくバスターズ

レインが組織した連合軍の極秘部隊、「名誉なき野郎ども(イングロリアス・バスターズ)」。レインとユダヤ系アメリカ人たちのナチへの復讐心は、ただ殺すだけではおさまりません。

ユダヤを毛嫌いし大量殺戮したナチに対し、レインたちはアパッチのように戦い、冷酷で残忍に殺した上で頭の皮を剥いでいきました。

今までナチに虐げられ、多くの仲間の命が葬られてきたレインたちの目線に立って考えると、彼らの怒りと殺意がこもった復讐劇は、敵以上に残忍に殺せてスカッとした気持ちになります。

地下酒場での銃撃戦では、ヒコックスと共にハマーシュマルクへの接触を図ったバスターズのメンバー、スティーグリッツとウィキが戦死。

けれどスティーグリッツにとっては、ドイツ軍時代のことを思い出させるSSのヘルシュトロームを、自らの手でめった刺しにして恨みを晴らせて満足したことでしょう。

ナチへの復讐心に燃えるショシャナ


(C)2009 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

ランダはピストルの射程範囲外にショシャナが逃げ去ったからか、もしくはショシャナ1人取り逃がしても問題ないと思ったからなのか、ショシャナ1人だけ殺しませんでした。

恐らく後者を選択したであろうランダも、ショシャナがずっと自分やナチへの復讐心を抱き、仇を討つチャンスを窺っていたとは思いもしなかったのでしょう。

ショシャナの正体を最後まで気づかぬまま、ランダはバスターズによって討たれ、彼がアメリカへの亡命のために売ったヒトラーたちはショシャナの作戦通り、映画館ごと燃やされて死んでしまいました。

ずっと復讐を遂げる日を待ち望んでいたショシャナが、フレデリックによって殺されてしまうのは予想外の展開で衝撃を受けます。

ただショシャナの死後であるものの、結果的にナチへの復讐は遂げられたので、死んだ彼女の気持ちも浮かばれることでしょう。

まとめ


(C)2009 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

連合軍の極秘部隊「イングロリアス・バスターズ」と、家族をナチに殺された映画館館主が繰り広げる、ナチへの復讐劇を描いた戦争アクション作品でした。

ブラッド・ピット演じるレインが、バスターズを率いて冷酷で残忍にナチを血祭りにあげていく姿は、甘いマスクを持ちセクシーなスター俳優の顔とのギャップがあり、観る人は彼の意外な一面に魅了されること間違いなしです。

ただバスターズによるナチへの復讐劇は、一部頭の皮を剥ぐというグロイ描写があるので、15歳以上の人は心の準備をしてから、本作を鑑賞するようにしましょう。

物語が5章に分けられていることによって、水面下で同時進行で行われるバスターズとショシャナの復讐劇が、より分かりやすくなっているため、本作の世界観にどっぷり没入できます。

連合軍の極秘部隊と家族を殺された映画館館主が、命懸けでナチへ復讐を遂げようとする戦争アクション映画が観たい人に、とてもオススメな作品です。

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