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【ネタバレ】犯罪都市3 NO WAY OUT|あらすじ感想と結末の評価解説。人気シリーズ4作目もベルリン映画祭を席巻!本3作では“日本のヤクザと対決!”

  • Writer :
  • 糸魚川悟

ヤクザと韓国警察が火花を散らす犯罪都市シリーズ3作目!

「アベンジャーズ」シリーズとして知られる「MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)」の『エターナルズ』(2021)に出演するなど、韓国俳優としての枠を超え世界で活躍する俳優のマ・ドンソク。

日本でもEXILEなどのアーティストが所属する事務所「LDH JAPAN」とエージェント契約を締結するなど、マ・ドンソクは日本とも強い繋がりを持ち始めました。

そんな彼の代表作ともいえる刑事シリーズ「犯罪都市」に、遂に日本の俳優陣が出演。

今回は韓国警察が日本の暴力団とぶつかる最新映画『犯罪都市 NO WAY OUT』(2024)を、ネタバレあらすじを含めご紹介させていただきます。

映画『犯罪都市 NO WAY OUT』の作品情報


(C)ABO Entertainment presents a BIGPUNCH PICTURES & HONG FILM & B.A. ENTERTAINMENT production world sales by K-MOVIE ENTERTAINMENT

【日本公開】
2024年(韓国映画)

【原題】
범죄도시3

【監督】
イ・サンヨン

【脚本】
チャ・ウジン

【キャスト】
マ・ドンソク、青木崇高、國村隼、イ・ジュニョク、キム・ミンジェ、イ・ボムス、アン・セホ、チョン・ソクホ、リュ・ソンヒョン、シム・ヨンウン、コ・ギュピル

【作品概要】
実在の事件を基にして制作された映画『犯罪都市』(2018)から続く人気シリーズ3作目。

2作目『犯罪都市 THE ROUNDUP』(2022)で監督を務めたイ・サンヨンが引き続き監督として手掛けた本作では、「神と共に」シリーズに出演したイ・ジュニョクや「るろうに剣心」シリーズに出演した青木崇高がヴィランを演じました。

映画『犯罪都市 NO WAY OUT』のあらすじとネタバレ


(C)ABO Entertainment presents a BIGPUNCH PICTURES & HONG FILM & B.A. ENTERTAINMENT production world sales by K-MOVIE ENTERTAINMENT

2015年、仁川の港で日本の暴力団「一条組」の韓国支部の支部長・トモはある取引の準備をしていました。

「一条組」の韓国での活動を支援するソンチョルは、トモが捕らえた付近を嗅ぎまわっていたチョン刑事を躊躇いなく殺害すると、トモに気を引き締めるように命じました。

ソウル地方警察庁広域捜査隊のソクトは、清潭洞で8階の建物から女性が転落させられた現場へと赴きます。

司法解剖の結果、死亡した女性は転落よりも前に新型麻薬「ハイパー」によって心停止状態であったことが分かり、ソクトは部下のマンジェと共に「ハイパー」を流している疑惑のある「クラブ・オレンジ」に客を装って潜入。

売人が「ハイパー」を扱う現場を目撃したソクトはクラブの店長を逮捕すると、「ハイパー」を死亡した女性に提供した男が「ヒロシ」と言う「一条組」の人間であることを突き止めます。

一方、ソンチョルはトモと共に20㎏もの「ハイパー」を中国マフィアのジン会長に売りさばく契約を交わしていました。

ソクトがマンジェと「ハイパー」の供給源を探る中、ヒロシの隠れ家を突き止めたソクトの上司テスはヒロシの逮捕と20kgもの「ハイパー」の押収に成功。

しかし、逮捕したヒロシと「ハイパー」を乗せ署に向かう途中、覆面の男たちに襲われたテスはヒロシを殺害された上で「ハイパー」を盗まれ、自身も重症を負ってしまいます。

テスを襲ったのはソンチョルであり、トモの事務所に押しかけトモの失態を責めると、トモは自分たちが「一条組」に無断でハイパーを横流ししていることが会長に露見しつつあることをソンチョルに伝えました。

テスが襲われたことに憤慨するソクトは、仁川北部署麻薬班の刑事から「ハイパー」の捜査を行っていたチョン刑事が行方不明になっていることや、破竹の勢いで出世を重ねる九龍警察署の麻薬捜査官が今の担当刑事であることを聞きます。

九龍警察署を訪ねたソクトは担当刑事であるソンチョルと対面。

ソクトは行方不明のチョン刑事への言及を避ける言動や協力的でない様子からソンチョルに対し不信感を抱きます。

その頃、韓国支部の人間が「ハイパー」を横流ししている事実を知った「一条組」の会長は、殺し屋のリキを韓国へ差し向けていました。

ジン会長との取引の現場にトモが現れないことにいら立ちを募らせていたソンチョルは、トモが日本からの殺し屋から逃れるために「ハイパー」を持ち逃げしたことを本人からの電話で知ります。

ジン会長はソンチョルに2日だけの猶予を与え、ソンチョルはトモの行方を部下と共に追うことにします。

かつて「一条組」と敵対関係にあった「白鮫派」の元情報屋・チョロンからトモの存在を仕入れたソクトと、トモが持つ「ハイパー」の回収のため「一条組」韓国支部の人間を皆殺しにするリキもトモを追い隠れ家のホテルへと急行。

いち早くホテルに着いたリキは、遭遇したソクトを車で跳ね飛ばしながらトモを拉致してホテルを去り、「ハイパー」の隠し場所を吐かないトモを拷問の末に殺害しました。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『犯罪都市 NO WAY OUT』のネタバレ・結末の記載がございます。『犯罪都市 NO WAY OUT』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

(C)ABO Entertainment presents a BIGPUNCH PICTURES & HONG FILM & B.A. ENTERTAINMENT production world sales by K-MOVIE ENTERTAINMENT

リキとソンチョルはトモがどこかに隠した「ハイパー」を巡って完全な敵対関係となり、リキはソンチョルの部下であるガンホをトモの事務所で殺害します。

チョロンが経営するバーで「一条組」韓国支部のヤンホを捕らえたソクトは、「一条組」の韓国での活動の手引きをしていた「謎の人物」とトモが「一条組」に無断で「ハイパー」を売り捌き、彼らの殺害と「ハイパー」の回収のために日本からリキと言う殺し屋が来たと今回の事件をまとめなおしました。

埠頭でトモの死体が発見され、トモの事務所で九龍警察署の刑事であるガンホの死体が発見されたことを受け、ソクトは「謎の人物」がソンチョルであることに確信を持ち始めます。

ヤンホの案内でトモの経営していたヨットハーバーを訪れたソクトはリキの部下であるマサを倒すと、トモの所有していた大量のヨットの中からロープを使って海の中に隠していた20kgの「ハイパー」を発見。

一方、ジン会長との取引の日となり、追い詰められたソンチョルは逆にジン会長の部下を全員殺害し、ジン会長との取引を反故にします。

リキのアジトを突き止めたソンチョルはフリーの殺し屋を集め襲撃を目論みますが、そのタイミングでかつて取引のあったチョロンから20kgの「ハイパー」が見つかったと電話が鳴ります。

チョロンは悪事の逮捕を見逃す代わりの協力をソクトに強要されており、ソンチョルは訝しみながらも「ハイパー」の受け渡し日時をチョロンに指示。

疑り深いソンチョルは計画を変更し、リキのアジトに堂々と入りリキと対峙すると取引を持ち掛けました。

ソクトは部下に本物の「ハイパー」を託し、ソンチョルが約束した受け渡し場所へとチョロンを連れて向かいますが、そこにはリキが待ち構えており、2人はリキとその部下によって捕らわれアジトへと連れていかれます。

その頃、ソクトが帰ってこないことに違和感を覚えるソクトの部下たちをソンチョルが襲撃し「ハイパー」を奪い逃走。

リキはチョロンの持っていたバッグには「ハイパー」が入っていないことを悟ると、自身がソンチョルにハメられたことに気づきます。

ソンチョルの高跳びの可能性にリキが気づくと同時にリキの部下によってリンチを受けていたソクトが反撃を開始し、リキの部下を全員倒すと、腕利きの殺し屋であるマハとリキをたった1人で殴り飛ばしました。

駆け付けた部下たちにその場を任せるとソクトは九龍警察署へと駆け付け、高跳びの準備を終え車を発進させていたソンチョルの車に自身の車を衝突させます。

復帰したテスが九龍警察署の警察官たちを押さえ、本物の「ハイパー」のバッグの中に自身のスマホを入れていたソクトは、GPSでソンチョルの行方を追跡し、署内に追い詰めます。

完全に追い詰められたソンチョルはソクトを殺害しようと対峙しますが、ソンチョルを拳のみで圧倒するソクトに全身を殴られ、ロッカーの形が変形するほどに叩きつけられ失神。

ソクトは後のことをテスに任せるとその場を去り、「ハイパー」を巡り日本の暴力団員であるリキと現役の警察官であるソンチョルが逮捕されたというニュースが巷に流れます。

ソクトは仲間たちと飲み会を開き、事件の解決を祝いました。

3年後、ゲームセンターの運営をするチャン・イス(前作の登場人物)の前にソクトが現れ、「もう一度俺と仕事をしよう」と言います。

ソクトを見たイスは「また俺を困らせるつもりか」と悲痛な声をあげました。

映画『犯罪都市 NO WAY OUT』の感想と評価


(C)ABO Entertainment presents a BIGPUNCH PICTURES & HONG FILM & B.A. ENTERTAINMENT production world sales by K-MOVIE ENTERTAINMENT

またも悪を穿つ正義の拳

アメリカでミュージカル俳優としてデビューしたマ・ドンソクは、シリアスもコメディもこなす演技派の俳優ではありますが、やはり期待してしまうのは巨体から繰り広げられる圧倒的な破壊力のアクションです。

前作『犯罪都市 THE ROUNDUP』では、冷酷な殺人鬼であり敵対マフィアを次々と殺害していく恐ろしいメインヴィランのカンを、ほぼ寄せ付けることなく圧倒したマ・ドンソク演じるソクト刑事。

本作でのソクトはボクシングの技術を習得しており、巨漢でありながらスウェーやダッキングなどの防御技術を用いて悪人に次々と拳を撃ち込んでいきます。

身体が後ろに吹き飛ぶほどの鉄拳がさく裂するこのシリーズは、ヴィランが凶悪であればあるほどソクトの戦闘力が鑑賞者にとっての癒しとなる構図を理解しており、ソクトはシリーズを重ねるごとにより無敵と化していきます。

そんなソクトが日本のヤクザとの対峙で遂に窮地に陥る本作では、日本刀を持った青木崇高演じるリキと戦うソクトに特に注目していただきたいです。

シリーズとしての構想が広がる「犯罪都市」の世界


(C)ABO Entertainment presents a BIGPUNCH PICTURES & HONG FILM & B.A. ENTERTAINMENT production world sales by K-MOVIE ENTERTAINMENT

2004年に実際に発生した「黒社派」事件を題材として製作された『犯罪都市』ですが、実は2024年現在ですでに8作目までの構想があり、そのすべてがマ・ドンソクが刑事から聞いた実際の事件を題材としているとされています。

2作目では「拉致殺人」、3作目となる本作は「麻薬組織と暴力団」、既にベルリン映画祭で公開された4作目は「違法オンライン賭博」が題材であり、このシリーズで描かれる猟奇的な事件の数々は決して絵空事ではありません。

巨悪であり凶悪である世界の闇を、ソクトという怪物刑事が粉砕するこのシリーズは「The Roundup Series」としてアメリカでも注目を集めており、ハリウッドでのリメイクも計画されています。

主演となるマ・ドンソクがアクション俳優として活躍できる時期にシリーズを撮りきるために、過密なスケジュールでの撮影が行われていることも分かり、短いスパンでシリーズの波が押し寄せる期待に胸が膨らむばかりです。

まとめ


(C)ABO Entertainment presents a BIGPUNCH PICTURES & HONG FILM & B.A. ENTERTAINMENT production world sales by K-MOVIE ENTERTAINMENT

残虐非道で犯罪に躊躇いのないサイコパスを、無法刑事のソクトが執念の捜査と鋼の肉体で追い詰める「犯罪都市」シリーズ。

3作目となり鑑賞者も楽しみ方が分かり始めたところで、求めていたものをしっかりと届けてくれる本作は、制作陣に強い感謝の気持ちを覚えること間違いなしの安定の続編。

『犯罪都市 NO WAY OUT』はマ・ドンソクのアクションを楽しみたい方にも、巨悪と凶悪を描いた刑事サスペンスを楽しみたい方にもオススメな作品です。


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