メガヒットカーアクション「ワイルド・スピード」シリーズの第3作。
ジャスティン・リンが監督を務めた、2006年製作のアメリカのメガヒットカー・アクション映画『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』。
ストリート・レースで事故を起こした高校生が、少年院行きを免れるために向かった東京で、ドリフトの世界を知り熱中する姿とは、具体的にどんな内容だったのでしょうか。
東京を舞台に繰り広げられる、高校生と天才ドライバーによるドリフト合戦を描いた、「ワイルド・スピード」シリーズ第3作目『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。
CONTENTS
映画『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』の作品情報
【公開】
2006年(アメリカ映画)
【脚本】
クリス・モーガン
【監督】
ジャスティン・リン
【キャスト】
ルーカス・ブラック、バウ・ワウ、千葉真一、サン・カン、ナタリー・ケリー、ブライアン・ティー、北川景子、妻夫木聡、柴田理恵、KONISHIKI、中川翔子、ザカリー・ブライアン、ニッキー・グリフィン、虎牙光揮、波岡一喜、リンダ・ボイド、ブライアン・グッドマン、矢野未希子、土屋圭市、真木よう子、デヴィッド・V・トーマス、アンバー・スティーヴンス、ヴィンセント・ラレスカ、レオナルド・ナム、ジェイソン・トビン、オールデン・レイ、ヴィン・ディーゼル
【作品概要】
『Better Luck Tomorrow(原題)』(2002)のジャスティン・リンが監督を務めた、アメリカのメガヒットカー・アクション作品。
本作は前作『ワイルド・スピードX2』(2003)の独立した続編となる、「ワイルド・スピード」シリーズ第3作です。
『クレイジーインアラバマ』(1998)や『ジャーヘッド』(2005)などに出演するルーカス・ブラックが主演を務め、『間宮兄弟』(2006)の北川景子や『キル・ビル』(2003)の千葉真一ら多くの日本人キャストも出演しています。
映画『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』のあらすじとネタバレ
アリゾナ州に暮らす、路上のカーレースにのめりこんでいる高校生ショーン・ボズウェルは、2年間で2度も無謀運転と器物損壊で捕まり、そのたびに州外へ引っ越してきました。
そんなある日、ショーンは愛車シボレー・モンテカルロ(1970年式)を傷つけられたことをきっかけに、同じ学校のアメフト部員クレイと、車と彼の恋人シンディを賭けたレース対決をすることになりました。
結果、ショーンはレースに勝ったものの、建設中の住宅地内で大事故を引き起こし、クレイたちと一緒に無謀運転と器物損壊で逮捕されました。
親が偉い人であるクレイたちは無罪放免ですが、これで三度目となるショーンは少年院行きが確定。母親にも愛想を尽かされてしまいます。
ショーンが少年行きを免れるために向かったのは、東京に暮らす父親のところでした。在日米軍軍人である父親は来日したショーンを自宅に迎え入れ、「真面目に学校に通い、終わったらまっすぐ家に帰る。車には絶対近づかない」というルールを課しました。
しかし転校初日、ショーンはそのルールを破ってしまいます。ショーンは転校先で知り合った同級生トゥインクに連れられ、改造車が集まる夜の立体駐車場へ。
そこにはショーンの同級生ニーラもおり、ショーンは彼女の愛車SE3P RX-8(2006年式)に目をつけ、彼女と話をします。
そこへ「ドリフト・キング(DK)」の異名を持つ走り屋タカシが現れ、「俺の女(ニーラ)に口聞くな」とショーンを凄みました。
一触即発となったショーンとタカシを止めたのは、タカシの相棒ハンでした。タカシはハンに促され、ここで連夜行われているドリフト・バトルをしに行こうとします。
すると今度はショーンがタカシを挑発し、ハンが貸してくれた車S15 シルビア(2001年式)に乗り、ドリフト・バトルで勝負をつけることになりました。
しかし、ショーンは肝心のドリフトがどんなものなのか知りません。それでも諦めず、ショーンはタカシに挑みましたが、結果は惨敗。
挙句の果てに、狭い立体駐車場内でショーンが荒っぽい運転をしたせいで、S15 シルビアは大破寸前までになってしまいました。
ですがハンはそれを咎めることなく、ショーンに「逃げるなよ」と言って去っていきました。
転校2日目の朝。朝帰りしたショーンに、彼の父親はこう言いました。「ここがダメなら少年院だ。それが嫌なら私のルールに従え」
ところが学校が終わり、帰路につこうとしたショーンの前に、ハンが現れます。ハンは有無を言わさず、ショーンを自身の愛車FD3S RX-7(VeilSide Fortune Model。1994年式)に乗せ、「これからは(壊された車の弁償として)借金の取り立てをしろ」と命じました。
ハン曰く、タカシの叔父が東京を縄張りとしているヤクザの組長なだけで、彼自身はただのチンピラでしかないと言います。
そんなタカシとレースする意味を見出せずにいたハンでしたが、ショーンが現れたことで、彼を使ってタカシを潰そうと企てるようになりました。
そのためハンは、ショーンを自身が経営するクラブの奥にある、チューンアップ工場へ連れて行き、ドリフトの練習用として赤/黒のCT9A ランサーエボリューションIX(2005年式)を無償で提供しました。
ショーンはハンに、なぜ高い車を壊すと知っていながら、自分に貸すのか尋ねます。これに対しハンは、こう答えました。
「金はある。信頼できる奴が欲しい」「人は付き合えば正体が分かる。そいつを知るためなら、車なんて安いもんだ」
映画『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』の感想と評価
ショーンvsタカシの因縁の対決
ショーンが、タカシと付き合いが長いニーラと話していたことをきっかけに、出会ってすぐに狭い立体駐車場でドリフトバトルをします。
その時、ショーンはドリフトが何なのか知らなかったため、DKという異名を持つタカシに惨敗。しかしそれを見ていたタカシの相棒ハンに気に入られ、彼直々にドリフトのことを教わるようになりました。
タカシは付き合いが長いとはいえ、交際はしていないニーラのことを自分の女だと思っているのでしょう。ショーンがニーラと親密になっていくにつれて、タカシの嫉妬心と独占欲に火がつきます。
それに加え、叔父のカマタへの上納金をハンが着服したことにより、タカシの怒りは爆発。タカシはハンとショーン、2人を殺そうとするのです。
さすがにショーンも、師であり恩人でもあるハンを殺したタカシに激怒し、2人の仲はより険悪に……。それでもショーンは、こうなった責任は自分にあると父親に言い、タカシとの因縁にカタをつけに行きました。
そうしたことによって始まった、峠道でのタカシとショーンのレース対決。物語の前半に描かれているドリフトバトルも迫力がありますが、それ以上の迫力と臨場感がある最終決戦は、拮抗するショーンたちの実力がぶつかり合っているため、観ているだけで胸が熱くなります。
ハンの突然の死
ショーンの出現により、相棒を務めていたタカシへの下克上を企てるようになったハン。ショーンにドリフトを教える彼の運転技術と実力も、とても素晴らしく感嘆します。
そのハンの腕前がいかんなく発揮されているのが、物語の後半に描かれている、都心でのカーチェイスです。猛追するタカシを、ハンはショーンと一緒に撒こうと爆走します。
しかし、銃撃してくるタカシに気を取られたあまり、ハンは横から来た一般車メルセデス・ベンツ Sクラスと衝突。愛車と共に炎上してしまうのです。
ショーンにドリフトを教えてくれたハンが死んでしまったこの場面は、彼を助けようとしていたショーン同様、画面の前で愕然としてしまうほどの衝撃を受けます。
まとめ
ストリート・レースに夢中の高校生ショーンが、東京で初めてドリフトの世界を知り、ドリフト・キングであるタカシと熱いバトルを繰り広げていくアメリカのカー・アクション作品でした。
本作では他の「ワイルド・スピード」シリーズ作品とは違い、ストリート・レース以外にドリフトバトルが繰り広げられています。
ショーンたちが作中で繰り広げるドリフトバトルやレースは、どれも他の「ワイルド・スピード」シリーズ作品にあるカーアクション場面に引けを取らない、格好良さと迫力と臨場感がありました。
さらに物語の最後には、タカシとの最終決戦後の後日談として、ショーンがハンの仲間ドミニクとレースをする場面が描かれています。
「ワイルド・スピード」シリーズの主人公であるドミニクが、まさかのカメオ出演したこの場面に、「ワイルド・スピード」シリーズのファンはとても驚き歓喜したことでしょう。
エンドロール前には、こんなテロップが流れていました。「この映画のカーアクションは、プロのスタントマンによる演技である。この映画のマネは危険なので絶対しないように」
ショーンたちが魅せるドリフトの世界と、白熱したバトルが魅力のカー・アクション映画が観たい人に、とてもオススメな作品です。