メガヒットカーアクション「ワイルド・スピード」シリーズの第9作。
ジャスティン・リンが監督・製作・原案・脚本を務めた、2021年製作のアメリカのカーアクション映画、『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』。
息子のブライアンと妻レティの3人で静かな生活を送っていた主人公ドミニクが、否応なく過去の因果に向き合うことになり、再び仲間と共に世界を揺るがす陰謀を阻止しようとする姿とは、具体的にどんな内容だったのでしょうか。
ドミニクの実の弟ジェイコブの存在が明らかとなる、『ワイルド・スピード ICE BREAK』の続編、『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』のネタバレあらすじと作品情報をご紹介いたします。
CONTENTS
映画『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』の作品情報
【日本公開】
2021年(アメリカ映画)
【原案・脚本】
ダニエル・ケイシー、ジャスティン・リン、アルフレッド・ボテーロ(原案のみ)、ダン・ケイシー(脚本のみ)
【監督】
ジャスティン・リン
【キャスト】
ヴィン・ディーゼル、ミシェル・ロドリゲス、ジョーダナ・ブリュースター、タイリース・ギブソン、クリス・“リュダクリス”・ブリッジス、ナタリー・エマニュエル、ジョン・シナ、サン・カン、シャーリーズ・セロン、アンナ・サワイ、ヘレン・ミレン、カート・ラッセル、カーディ・B、トゥエ・エルステッド・ラスムッセン、ドン・オマール、シェー・ウィガム、ルーカス・ブラック、バウ・ワウ、ジェイソン・トビン
【作品概要】
「ワイルド・スピード」シリーズの第3作「ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT」(2006)から、第6作「ワイルド・スピード EURO MISSION」(2013)まで手掛けた、ジャスティン・リンが監督・製作・原案・脚本を務めた、アメリカのカーアクション作品です。
「ワイルド・スピード」シリーズに出演する、ヴィン・ディーゼルやミシェル・ロドリゲスら豪華俳優陣と、『バンブルビー』(2018)のジョン・シナが共演しています。
映画『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』のあらすじとネタバレ
1989年、ストックカーレース。ストックカーレーサーとして活動しているジャック・トレットは、この年のシーズン最後のレースで、他のレーサーであるケニー・リンダ―に執拗な妨害を受けた末、バンバーに衝突されコースアウトしてしまいました。
そしてジャックは、息子のドミニクとジェイコブの目の前で、炎上した車と共に命を落としてしまいます。
それがのちに、ドミニクたちの間に因縁をもたらすことになるとは知らずに…。
「ワイルド・スピード ICE BREAK」から5年後。
非常に高い運転能力と、戦闘術にも長けている元トラック強盗団のリーダー、ドミニク・トレットは、「ワイルド・スピード/ICE BREAK」で死んだ元恋人エレナとの間にできた息子ブライアンと、妻レティ・オルティスと静かな生活を送っていました。
そこへ、ドミニクの仲間(ファミリー)の一員であるローマン・ピアースとテズ・パーカー、ラムジーが2018年式のジープ・グランドチェロキートラックホールに乗って、ドミニクに新たなミッションを言い渡しに来ました。
それは、ドミニクの宿敵サイファーを逮捕した、アメリカ諜報組織の長ミスター・ノーバディが乗る輸送機が南米で墜落し、サイファーが脱走。
ラムジーたちが受け取った、ミスター・ノーバディから送信された秘密暗号の救難信号には、ドミニクたちに、輸送機に積まれていた「アリエス」というものの回収を求めていました。
ドミニクは葛藤の末、ブライアンを寝かしつけ家に残し、レティやローマンたちファミリーと共に、輸送機が墜落した現地へ向かいます。
南米モンテキント。敵対国家の地域内の荒野に墜落した輸送機の内部から、ドミニクたちは首尾よく「アリエス」を回収できましたが、ミスター・ノーバディの姿はありませんでした。
しかしそこへ、突如敵対国の軍隊が現れ、ドミニクたちは「アリエス」を持ったまま、激しい銃撃戦の中やむなく逃亡。さらにそこへ、別の武将集団が現れ、逃亡するドミニクたちの行く手を阻みます。
地雷原を駆け抜け、国境近くまで辿り着いたドミニクたち。しかし、「アリエス」を持っていたレティが攻撃を受け、直後に現れた人物に横取りされてしまいました。
その人物は、ドミニクの実の弟ジェイコブ・トレットでした。武装集団を率いているジェイコブが乗る、ブルーに白のストライプがボディに描かれた2015年式のフォード・マスタングと、ドミニクとレティが乗る2020年式のブラックのダッジ・チャージャーヘルキャット ワイドボディは、激しいカーチェイスを繰り広げます。
ジェイコブはドミニクとの激しいカーチェイスの末、崖へ飛び込み、直後に現れた磁力付きの戦闘機に収納され、飛び去ってしまいました。
「アリエス」を奪われてしまったドミニクたちはアジトに戻り、「アリエス」とは何なのか、ジェイコブは何故「アリエス」を狙っていたのか知るため、情報収集します。
電子機器の扱いに長けたテズと、若き凄腕ハッカーのラムジーが調べた結果、「アリエス」とは、世界中のコンピュータを制御・掌握できるデジタル装置であること。
「アリエス」は対で稼働するため、単体だけでは危険はないものの、ミスター・ノーバディは慎重を期し、もう1つの「アリエス」と起動に必要なアクティベーション・キーを世界のどこかに隠しているということ。
アクティベーション・キーについて知っているのは、死んだ仲間ハン・ルーだということ。
ジェイコブは、兄ドミニクに負けない運転技術や戦闘センスを持ち、影の世界で活動しているスーパースパイであることが判明したのです。
今のジェイコブの素性を知ったドミニクの回想場面。ジャックの死後、彼のピットクルー兼メカニック担当のバディから、ジャックが所有していた車を譲り受けようとしていたドミニクたち兄弟。
そこへ、ジャックを死に追いやったケニーが訪ねてきます。ケニーは自らの妨害のせいで、悲惨な事故を招きジャックを死なせたのに関わらず、何の責任も追っていませんでした。
それを咎めるドミニクたち兄弟を、挑発するケニー。彼は激怒したドミニクに、レンチでボコボコにされました。
その結果、ケニーは左顔面に重傷を負い、レースができなくなり引退。ケニーを殴ったドミニクは、警察に捕まってしまいました。
場面転換。ジェイコブと彼が率いる武装集団は、「アリエス」を持って自分たちのアジトに帰還。そこには、ジェイコブと手を組み、「アリエス」を使って世界を掌握しようと企む某国独裁者の息子オットーと、彼に幽閉されたサイファーがいました。
ジェイコブとオットーは、幽閉したサイファーに、ミスター・ノーバディが世界のどこかに隠したもう1つの「アリエス」がどこにあるのか、その在り処を調べるよう命じました。
対で稼働する「アリエス」は、いざとなれば人工衛星や軍の兵器すら乗っ取ることが可能であり、「アリエス」を操作して乗っ取った人工衛星や軍の兵器で、世界各地にいつでも攻撃することができるのです。
ラムジーをも凌ぐ凄腕のハッカーであるサイファーは、瞬く間にもう1つの「アリエス」の在り処を探し当てます。その隠し場所は、イギリス・エディンバラでした。
一方ドミニクたちの元に、ドミニクの実の妹ミアが駆けつけ、彼らファミリーの協力を申し出ます。
ミアを新たな仲間に加えたドミニクは、「アリエス」とアクティベーション・キーについて知っているハンと、古い友人を頼ることにしました。
ドミニクの過去回想の場面。ドミニクは服役中、車について詳しい他の囚人から聞いた話で、エンジンが失火している状態で燃料ポンプに誰かが細工したことで、ジャックの車が大炎上したのだと知ります。
事故当時、エンジンが失火したジャックの車を修理したのは、ジェイコブでした。ドミニクはジェイコブが故意に細工したせいで、父親が死んだと思い激怒します。
ドミニクは出所後、ジェイコブと再会。彼は父親から受け継ぎ、独自に改造したダッジ・チャージャーヘルキャット ワイドボディに乗り、ジェイコブと賭けレースをしました。
その結果、敗北したジェイコブは、勝ったドミニクがトレット家を放逐させたことを長年恨むことに。そこからジェイコブは、誰からも愛され頼られる兄より賢く、兄より速く、兄より強くあろうとしました。
場面転換。ジェイコブとの決戦を控えたドミニクは、バディの元を尋ねました。バディはドミニクが逮捕されて以降、ジェイコブとミアの面倒をみてくれていました。
バディはドミニクに、「誰からも愛され、頼りにされていたドム(ドミニクの愛称)とは違い、ジェイコブは孤独だった。だからジェイコブは、兄への恨みが深く、それは死ぬまで続く」と話しました。
そしてバディは、ドミニクにジェイコブの居場所を尋ねられ、彼がイギリス・ロンドンに向かったことを伝えました。
映画『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』の感想と評価
ドミニクvsジェイコブの因縁の兄弟対決
本作の最大の見どころは、何といってもドミニクvsジェイコブの、避けられない因縁の兄弟対決です。
昔も今も、誰からも愛され頼られる、カリスマ性を持ったドミニク。対して、ジャックの死まで、ずっとドミニクの影であり続けた孤独のジェイコブ。
対照的な兄弟たちが、南米のモンテキントやイギリスのエディンバラで、激しいカーアクションとデッドヒートを繰り広げていきます。
非常に高い運転能力と格闘センスがある2人が、時に殴り合い、時に爆走する車で追走劇を繰り広げていく場面は、ハラハラドキドキするスリリングと大迫力のアクションによる興奮を味わえること間違いなしです。
そんなバチバチなドミニクたちが、物語の後半で共闘する場面や、和解する場面は、本作で一番感動します。
世界各地で繰り広げられるカーアクション
本作では1つの国に限らず、南米とイギリスを舞台に、大迫力のカーアクションが繰り広げられています。
まず南米での地雷原エリアを疾走する場面と、ドミニクたちが崖を飛び降りた後の行動は、観ているこちらが冷や冷やさせられるほど、スリル満点です。
イギリスでは、ジェイコブとドミニクの激しいデッドヒートもとてもスリルがありますが、何といっても強力なマグネット装置を使ったアクションが、一番格好良く興奮します。
ドミニクたちが乗る車よりも大きいビーストが、ひっくり返るところは、特に衝撃的な場面です。
まとめ
世界征服を企むジェイコブたちの計画を阻止するため、ドミニクとそのファミリーが力と絆を結集させ、彼らに立ち向かっていくカーアクション作品でした。
本作の見どころは、トレット兄弟の対決と世界各地で繰り広げられるカーアクション、そしてこれまでのシリーズに登場したキャラとの再会です。
死んだと思われていたドミニクの仲間ハンが、実はミスター・ノーバディの計らいで死を偽装し、東京で彼から依頼される仕事をしていたことが、劇中で明かされています。
物語のラストには、姿は出ていないものの、ブライアンが再建中のドミニクの家に向かう場面が描かれていました。
さらにエンドロール後には、そのハンが因縁の相手、デッカード・ショウの元を訪ねる姿が描かれており、次回作は彼らの対決なのではないかと期待されます。
因縁ある兄弟の対決と、世界各地を舞台に繰り広げられる大迫力のカーアクションが描かれた映画が観たい人に、特にオススメな作品です。