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Entry 2021/11/02
Update

映画『ザ・アウトロー』ネタバレ結末感想とあらすじの解説考察。最後の伏線回収とラストどんでん返しまで続く刑事vs銀行強盗の頭脳戦

  • Writer :
  • 秋國まゆ

犯罪都市ロサンゼルスで繰り広げられる、刑事VS銀行強盗団のクライムアクション!

クリスチャン・グーデガストが原案・脚本・監督を務めた、2018年製作のアメリカのクライムアクション映画『ザ・アウトロー』。

犯罪が多発するアメリカ・ロサンゼルスの街を舞台に、冷酷な男が率いるやり手の銀行強盗団が、型破りの捜査で知られるロサンゼルス郡保安局の重犯罪特捜班の刑事たちと激しい攻防を繰り広げていく姿とは、具体的にどんな内容だったのでしょうか。

3,000万ドルの銀行強盗を企てる銀行強盗団の姿を描いた、ジェラルド・バトラー主演のクライムアクション映画『ザ・アウトロー』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。

映画『ザ・アウトロー』の作品情報


Motion Picture Artwork (C) 2017 STX FINANCING, LLC.ALL RIGHTS RESERVED.

【公開】
2018年(アメリカ映画)

【原案】
クリスチャン・グーデガスト、ポール・シェアリング

【脚本・監督】
クリスチャン・グーデガスト

【キャスト】
ジェラルド・バトラー、カーティス・“50セント”・ジャクソン、パブロ・シュレイバー、オシェア・ジャクソン・Jr、メドウ・ウィリアムズ、エヴァン・ジョーンズ、カイウィ・ライマン、モー・マクレー、ブライアン・バン・ホルト、モーリス・コンプト

【作品概要】
『ブルドッグ』(2003)や『エンド・オブ・キングダム』(2016)のクリスチャン・グーデガストが原案・脚本・監督を務めた、アメリカのクライムアクション作品です。

300スリーハンドレッド』(2007)や『エンド・オブ・ホワイトハウス』(2013)、『エンド・オブ・キングダム』(2016)や『エンド・オブ・ステイツ』(2019)、『ハンターキラー 潜航せよ』(2018)などに出演するジェラルド・バトラーが主演を務めています。

映画『ザ・アウトロー』のあらすじとネタバレ


Motion Picture Artwork (C) 2017 STX FINANCING, LLC.ALL RIGHTS RESERVED.

1年に2,400回、週に44回、1日に9回、48分ごとに銀行が襲われる街。「銀行強盗」で世界的に有名なその街の名は、アメリカ・ロサンゼルスです。

2018年、午前5時14分。カリフォルニア州ガーデナのコーヒーショップに立ち寄った1台の現金輸送車が、突如ガスマスクを着けた銀行強盗団に急襲されてしまいます。

元MARSOC(アメリカ海兵隊特殊作戦コマンド)のレイ・メリーメン率いる銀行強盗団は、現金輸送車を強奪するだけのはずが、銀行強盗団メンバーで元MARSOCのボー・“ボスコ”・オストロマンが、応戦の構えを見せた警備員を徹甲弾入りのショットガンで射殺。駆けつけた警官たちと銃撃戦を繰り広げる羽目になってしまいました。

銃撃戦の末、メリーメンたちは何とか現金輸送車を強奪し、逃走することに成功。アジトに帰還後、仲間のマーカス・ローズが警官に大腿動脈を撃たれてしまったことを知ったメリーメンは、銃撃戦を引き起こしたボスコを叱責します。

メリーメンはボスコに、マーカスの生死確認を命じました。そして警備員や警官を殺してしまったことや、盗んだ現金輸送車の中身が空だったというミスを犯したことに嘆きました。

翌朝。カリフォルニア郡保安局の刑事ニック・オブライエン率いる重大犯罪特捜班が、管轄する地域内で起きた現金輸送車襲撃事件の犯行現場に到着。

ニックは自身の部下であるベニー・“ボラッチョ”・メガロフとトニー・Z・ザパタ、ガス・ヘンダーソン、マーフィー・コナーズと共に現場検証を行いました。

その結果、ニックたちは現金輸送車を襲った犯人たちは、空港が近いこのコーヒーショップへの待ち伏せ、事前にこの空域に警察ヘリが入れないことを知っていたことから、かなりやり手の銀行強盗団であることが判明。

その銀行強盗団は、空の現金輸送車を奪って空港へ逃走。現場に残されていた犯人の車は、証拠隠滅のため爆破されていました。

ニックはボラッチョたちに、爆破された犯人の車の調査と、コーヒーショップの監視カメラの映像の確認を命じます。

するとそこへ、ニックが敬遠するFBI捜査官のロビン・ボブが現場に到着。互いに嫌い合っているせいか、ニックとロビンは出会って早々口論となりました。

ニックたちの様子を少し離れた場所から見ていたボスコは、メリーメンに撮影した写真を見せながら、昨夜の事件はガーデナ署が現場保全した後、重大犯罪特捜班に捜査が引き継がれたと報告。

ニックの顔に見覚えがあったメリーメンは、すぐさまニックのことをネットで調べます。その結果、メリーメンはニックが、自身の部下エンドーを殺した張本人であることを思い出しました。

カリフォルニア郡保安局に戻ったニックたちは、カジノから連邦銀行への現金輸送は通常の予定にないのに、何故銀行強盗団は知っていたのか、内部の人間が情報を漏らしたのかなどを話し合っていました。

するとトニーから「犯人はメリーメンではないか」との声が挙がります。メリーメンは8ヶ月前、カリフォルニア州ロングビーチにあるターミナル・アイランド連邦刑務所から仮釈放された強盗犯でした。


Motion Picture Artwork (C) 2017 STX FINANCING, LLC.ALL RIGHTS RESERVED.

そこでニックは、メリーメンの手下である元海兵隊員ドニー・ウィルソンの元を訪ねてみることにしました。

仕事が終わったドニーが車に乗り込んだのを見計らい、ニックが開いた窓からスタンガンで彼を気絶させ、トニーたちが待つホテルの部屋へ拉致しました。

17歳の時に強盗で逮捕され、殺人未遂でも群刑務所に服役したなどの前科があるドニー。次に犯罪を犯せば終身刑になると脅しつつ、ニックたちは彼にメリーメンのことについて尋問します。ドニーがメリーメンの銀行強盗に加担しているのではないかと踏んでいたからです。

最初はメリーメンなんて知らぬ存ぜぬを貫こうとしたドニーでしたが、ニックに絞め殺されそうになったことで、素直に白状しました。

「2ヶ月前に連中が(職場である)バーに来た。常連客であり刑務所仲間でもあるマーカスに紹介され、メリーメンに仕事を頼まれた」「メリーメンには俺の運転の腕を買われて、ドライバーとして雇われただけだから、強盗には関わっていない。それ以上は何も知らない」

翌朝。カリフォルニア州サンペドロにある自宅に帰宅したニック。彼は仕事熱心なあまり家庭を蔑ろにしてしまい、妻のデビーに浮気を疑われ、2人の娘を連れて家を出て行かれてしまったのです。

その後、カリフォルニア郡保安局に戻ったニックは、トニーたちから「指紋を調べた結果、現場に残された遺体はマーカス・ローズ。メリーメンと同時期に海兵隊に入隊した指名手配犯だ」と、報告を受けます。

それを聞いたニックは、トニーたちと一緒に、メリーメンとその一味の共通点と、彼らが犯した犯罪についての情報を洗い直しました。

その結果、メリーメンと彼の相棒エンソン・ルヴォーは高校時代の部活仲間であり、メリーメン・ルヴォー・ボスコ・ドニーの4人の共通点は海兵隊に所属していたこと。特にメリーメンとルヴォー、ボスコの3人は、専門は違うが同じMARSOCに所属していた隊員であることが判明します。

それと2004年のナショナル銀行襲撃は、メリーメンたちは下水道から穴を掘って侵入していました。当時の彼らの手口は用意周到だったことから、今回の事件同様、内通者がいた可能性が高いです。

2005年の装甲車襲撃では、メリーメンたちは指向性爆薬で金庫を爆破。しかしメリーメンが別件で逮捕され、2016年までに服役していた期間は、高度な強盗事件は起きていません。

これらの情報を踏まえ、ニックたちはメリーメンたちが、何故コーヒーショップ店員を撃たなかった理由について、武装していない市民は撃つなと訓練された軍人だからという結論づけました。ニックたちは必ずメリーメンたちを捕まえ、彼らが犯した未解決事件すべてに片を付けると決心しました。

トニーたちと食事に出かけようとしたニックの元に、デビーが寄越した弁護士が現れ、離婚届を渡されました。


Motion Picture Artwork (C) 2017 STX FINANCING, LLC.ALL RIGHTS RESERVED.

一方メリーメンたちは、ドニーを交えた4人である壮大な銀行強盗計画を企てていました。

メリーメンはルヴォーたちに、次に狙うロサンゼルス連邦準備銀行にある3,000万ドルの強盗計画について説明します。

「未だ強盗に遭ったことがない連邦準備銀行は、ロビーに入ると警察のデータと照合され、身体検査の前に大昔の駐車違反まで調べ上げられる」「全警備員は磁気カードで要所を通行する、そのアクセスは厳重に制限されている」

「金庫室は地下2階、中央警備室は連邦準備銀行の要だ。輸送車はここに現金を落とす」「それを運搬するのは銀行員で、常時5,000~8,000億ドルが保管されている」

「監視カメラと動作感知装置が設置された金庫室に保管される札には、シリアル番号が登録されている。たとえ札が消えても誰かが使用すれば、現在位置が即座に割り出され追跡される」

「銀行から受け取った預金はカウントルームへ運ばれ、計数機にかけられる」「預金額が正確かどうか二重チェックされ、貸方か借方へ振り分けられる。それと同時に、新札と古い札により分けられる」

「ここで大事なのは、古い札からシリアル番号が消されることだ。世界から見て番号が消された札は、存在しない札になる」「100ドル札だけでも、毎日3,000万ドル分が処分用に振り分けられている。古い札は午後4時~5時に裁断機にかけられ、裁断される。それをゴミ処理会社が廃棄する」

「つまり、裁断される前に古い札を手に入れれば、誰も捜さない大金が手に入る」

以下、『ザ・アウトロー』ネタバレ・結末の記載がございます。『ザ・アウトロー』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


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その日の午後12時41分。ドニーは、連邦準備銀行の従業員がよく出前を頼む中華料理店の配達員として雇ってもらい、メリーメンが考えた計画通り、連邦準備銀行への侵入経路を確保しようとします。

ドニーは出前を配達後、男子トイレの一番奥の個室に入り、天井裏に配達の袋とカードキーを隠しました。ドニーが連邦準備銀行から出てくる様子を、それぞれの場所で待機しているメリーメンたちとニックたち双方が確認しました。

その日の夜。ニックたちは食事しに行った鉄板焼き屋で、偶然メリーメンたちと食事をしているドニーと遭遇。ニックは単身、ドニーたちの食事の席に割って入り、メリーメンに話しかけます。

メリーメンは仲間と共に店を出た後、ドニーの知り合いだと言ってきたニックとの関係について、ドニーを尋問しました。

「あいつの方から接触してきたが、俺は何も話していない」と訴えるドニーに、メリーメンは「計画実行は金曜日」と、ニックたちに伝えるよう命じました。

その頃ニックは、ローリング・ヒルズ・エステーツにあるデビーの妹の家を訪問。そこにいたデビーに当てつけるかのように、彼女の新しい恋人の前で離婚届にサインし、デビーの恋人に「俺の娘たちに触れたり話しかけたりするな。見ることも許さない」と威嚇して立ち去りました。

翌日。ニックたちは立ち寄った服屋にドニーを呼び出し、メリーメンたちが企てる銀行強盗計画の実行日はいつかと尋ねます。ドニーはメリーメンの命令通り、金曜日だと伝えました。

場面は変わり、イングルウッドにある射撃場。ニックは、そこで射撃訓練を行っていたメリーメンたちを挑発するかのように、彼らの近くで銃を連射。

その挑発にまんまと乗っかったメリーメンは、ニックの挑発を返すように銃を連射。メリーメンたちはニックを一睨みしながら、射撃場を後にしました。

ニックが確認したメリーメンが撃った弾は、どれも的の中心部を射抜いていました。その後、ニックはストリップクラブへ行き、ストリッパーをしているメリーメンの恋人を引っかけます。

翌朝。ニックはメリーメンの恋人の家で、彼女に会いに来たメリーメンと遭遇。ニックは彼と無言で睨み合ったものの、何もされませんでした。

ニックはメリーメンの恋人から、メリーメンたちが金曜日に、モンテベロにあるピコ・リベラ・タウンセンター銀行を襲撃するという情報を入手。メリーメンが恋人に、わざとその情報を漏らすよう指示していたことだとは知らず………。

そして迎えた金曜日の昼頃、メリーメンたちはピコ・リベラ・タウンセンター銀行を急襲。瞬く間に銀行を占拠し、支店長を脅して、警察へこう伝えるよう命じます。

「強盗事件が発生し、人質をとられている。1時間以内に1,000万ドルをシリアル番号なしで用意し、燃料満タンのヘリで運べ」「この要求をのむまで、1時間に1人殺す。警官を近づけるな。もし交渉人を立てたりしたら、やはり人質を殺す」

メリーメンの言葉は無線を通じて、銀行前で監視していたニックたちにも伝わり、駆けつけたロサンゼルス市警の警官たちを追い払い、メリーメンたちを自分たちで捕まえようとします。しかしそこへ、ロビンたちFBIまで駆けつけたことにより、ニックたちの計画が狂わされてしまうのです。

FBIの指示により、ロサンゼルス市警の警官ダニーが交渉人となり、メリーメンたちと交渉しようとしましたが、交渉する気がないメリーメンたちは応じず、人質の女性1人を射殺。

銀行から聞こえてきた1発の銃声を聞き、地団駄を踏むニックはロビンと口論。するとそこへ、メリーメンからニックに、直接電話がかかってくるのです。

恋人からニックの番号を聞いていたメリーメンは、ニックに「俺は捕まらねえ」と宣言し、電話を切りました。


Motion Picture Artwork (C) 2017 STX FINANCING, LLC.ALL RIGHTS RESERVED.

ニックたちが銀行への突入方法を話し合っていたその時、突如銀行から爆発音が聞こえてきました。

銀行周辺に下水道があることに気づいたニックは、単身バールを持って銀行へ突入。何と銀行内にいた人質は全員無事だったことから、メリーメンたちが人質を殺したフリをしていたことが判明。

爆破して開けた穴から、メリーメンたちは下水道を伝って逃走したこと。その下水道は連邦準備銀行前のマンホールに繋がっていることに気づき、FBIに後始末を任せ、ニックたちは連邦準備銀行へ急行しました。

この間、メリーメンの仲間マーク・ギャンブルが、ピコ・リベラ・タウンセンター銀行の従業員に成りすまし、連邦準備銀行へ金を輸送する手筈を整えました。

メリーメンとルヴォーはピコ・リベラ・タウンセンター銀行の輸送係に扮し、盗んだ現金輸送車を使って連邦準備銀行へ侵入。盗んだ金とドニーが入った輸送箱をカウントルームへ運び入れます。

メリーメンの合図により、ボスコはEMPを使って停電を起こしました。停電により、カウントルームの監視カメラの映像が乱れ、動作感知装置が停止。警備員によって行員が皆退室させられます。

さらにルヴォーが、警備員と行員の通信を妨害。その隙に輸送箱から出たドニーは、もう1つの輸送箱に入っている金を半分袋に詰め、ゴミ箱に投げ捨てました。

ドニーは通気孔を伝って男子トイレへ向かい、隠していたカードキーと配達の袋を持って、配達員に扮して連邦準備銀行から脱出。しかしその直後、駆けつけたニックたちによって逮捕されてしまいました。

ニックたちはドニーを痛めつけ尋問し、メリーメンたちがホライゾン解体場にいることを突き止めます。その様子を見ていたマークは、メリーメンにそのことを伝え、今後どうしたら良いか指示を乞いましたが、返答はありませんでした。

ゴミ収集車を強奪したボスコたち他の仲間と、ホライゾン解体場で合流したメリーメンたち。ドニーの逮捕を受け、金を積み終えた車で撤収します。

ニックたちは、ホライゾン解体場から出てきたメリーメンたちの車を発見。双方の車は渋滞により、道路で立ち往生してしまいます。

そこでニックたちは、逮捕したドニーを手錠で後部座席に繋ぎ止め、すぐさま武装し民間人に避難を促しつつ、メリーメンたちの逮捕に向かいました。


Motion Picture Artwork (C) 2017 STX FINANCING, LLC.ALL RIGHTS RESERVED.

ニックたちの追跡に気づいたメリーメンたちも武装し、車を降ります。メリーメンのマシンガンによる射撃を合図に、激しい銃撃戦を繰り広げていくメリーメン一味とニックたち。

道路上での激しい銃撃戦の末、ボスコとボラッチョが死亡し、ニックの援護をしていたトニーが左膝を撃たれて負傷してしまいました。

道路脇に逃げたメリーメンとルヴォーでしたが、ニックの指示により、マーフィーと共に回り込んでいたガスの奇襲に遭い、ルヴォーが撃たれて死亡。マーフィーはメリーメンに撃たれて負傷してしまいます。

ニックは最後に残ったメリーメンを追い詰め、互いに負傷した状態で戦いを続けた結果、最後の悪あがきとして空の銃を向けたメリーメンを警戒し、射殺しました。

これにて事件は一件落着したかに見えましたが、車に繋いでおいたはずのドニーが逃走し、メリーメンたちの車に金はなく、袋に詰められていたのは裁断された紙の束でした。

後日。ドニーが働いていたバーを訪れたニックは、カウンター席でビールを飲んだ時、ふと店に飾られた写真を見ます。サッカーチームを写した写真には、以前客を装った際にバーで見かけたマークと、ドニーが一緒に映っていました。

さらにニックは、バーが連邦準備銀行のすぐ近くにあることに気づき、事件の黒幕はドニーだったことを悟りました。

実はドニーは、連邦準備銀行への強盗を企てており、長い時間をかけてバーで働きながら、内部の情報を集めていました。必要な情報が全て揃った時、ドニーはメリーメンに声をかけ、彼の要望通りに彼の仲間を使い、彼をリーダーとした銀行強盗計画を実行したのです。

そしてドニーは、盗んだ金を裁断された紙の束にすり替え、その金を車のタイヤに隠してマーク宛てに輸送しました。

イギリス・ロンドンでバーを経営するドニーが、カウンター席にいるマークと目配せしながら、客として訪れたバーの向かいで働くダイヤ商に目をつけた姿を最後に、物語は幕を閉じました。

映画『ザ・アウトロー』の感想と評価


Motion Picture Artwork (C) 2017 STX FINANCING, LLC.ALL RIGHTS RESERVED.

メリーメン一味と重犯罪特捜班の激しい攻防

ニック率いるカリフォルニア郡保安局の重犯罪特捜班は、現場に残された情報だけで、現金輸送車を襲った事件の犯人はメリーメンとその一味だということを突き止めました。

ニックたちの鋭い洞察力は、メリーメン一味を逮捕するにあたって、時にメリーメンの考えを先読みし、犯行現場に先回りしては彼らを追い詰めていきます。

ただ、メリーメン一味は元MARSOC(アメリカ海兵隊特殊作戦コマンド)の隊員ともあって、すんなり捕まってくれるわけではありません。

メリーメン一味はニックの挑発に乗っかることもあれば、逆にニックたちを挑発するかのように、目の前で銀行強盗を行い、下水道を使って逃走するのです。

ニックたちがわざと泳がせているドニーや、ニックと一夜を過ごしたメリーメンの恋人から得た情報も、全てメリーメンの策略だというのだから、観ているこちらも驚かされます。

互いの動向を窺い、常に相手の先を行こうとするニックたちの攻防による、ハラハラドキドキするスリルもいいですが、物語の終盤で見せるニックたちの激しい銃撃戦はそれ以上に迫力とスリルがあって誰もが楽しめることでしょう。

衝撃的な事件の黒幕の正体


Motion Picture Artwork (C) 2017 STX FINANCING, LLC.ALL RIGHTS RESERVED.

メリーメン一味による銀行強盗だと誰もがそう思いましたが、彼らが起こした連邦準備銀行への強盗事件の黒幕は他にいました。

事件の黒幕の正体は、ニックたちもメリーメンたちも、メリーメンにただ利用されているだけの手下だと思っていた、ドニーだったのです。

物語の終盤に描かれている後日談には、ニックがドニーが働いていたバーが連邦準備銀行の近くであったことと、ドニーがメリーメンの仲間マークと交友関係にあったことを知ります。

事件の首謀者が誰もマークしていなかったドニーというだけでも衝撃を受けますが、ドニーはメリーメンたちを計画に参加させておきながら、実際には彼らを裏切って大金を持ち逃げしたのです。

ドニーの本性を知った時、これまで彼をただの手下だと侮っていたニックたち同様、観ているこちらも大きな衝撃を受けることでしょう。

まとめ


Motion Picture Artwork (C) 2017 STX FINANCING, LLC.ALL RIGHTS RESERVED.

ニックたちカリフォルニア郡保安局の重犯罪特捜班が、元MARSOC隊員で構成された銀行強盗団を逮捕するべく、激しい攻防を繰り広げていくアメリカのクライムアクション作品でした。

本作の見どころは、ニックたち重犯罪特捜班とメリーメン一味による攻防と、物語の後半で描かれている激しい銃撃戦です。

ジェラルド・バトラー演じるニックの、物語の合間で見せる娘を大事に想う父親の姿は、メリーメン一味を追っている時に見せる格好良いワイルド刑事の姿とのギャップを感じ、ファンのみならず女性の誰もが胸キュンすることでしょう。

また、パブロ・シュレイバー演じるメリーメンや、オシェア・ジャクソン・Jr演じるドニーが、元海兵隊だから武闘派の強盗かと思いきや、実は頭脳派の強盗であることも本作の魅力の1つと言えます。

頭脳派強盗vsワイルド刑事たち重犯罪特捜班による、アウトローvsアウトローの究極の対決を描いたクライムアクション映画が観たい人に、とてもオススメな作品です。






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