「ジョン・ウィック」シリーズ、待望の第2弾!
アクション映画ファンを熱狂させたキアヌ・リーヴス主演『ジョン・ウィック』から2年。あの伝説の殺し屋が帰ってきた!
アクションも、キャラクターも、ストーリーの世界観も、前作よりさらにパワーアップした『ジョン・ウィック:チャプター2』。
本作の魅力をネタバレあらすじとともにご紹介します!
CONTENTS
映画『ジョン・ウィック:チャプター2』の作品情報
【公開】
2017年(アメリカ映画)
【原題】
JOHN WICK : CHAPTER 2
【監督】
チャド・スタエルスキ
【キャスト】
キアヌ・リーブス、イアン・マクシェーン、ルビー・ローズ、ローレンス・フィッシュバーン、リッカルド・スカマルチョ、コモン
【作品概要】
愛犬を殺したロシアン・マフィアを相手に繰り広げた壮絶な復讐劇から5日後。愛車を取り戻したジョン・ウィックは、イタリアン・マフィアのサンティーノから殺しの依頼を持ちかけられる。
引退した身だからと断ると、サンティーノはジョンの自宅を爆破。殺し屋稼業の掟にしばられ、ジョンはサンティーノの悪巧みに巻き込まれていく。
映画『ジョン・ウィック:チャプター2』あらすじとネタバレ
車を取り戻せ!
伝説の殺し屋ジョン・ウィックの凄絶な復讐劇から5日後。
一台の車がバイクを執拗に追跡していました。バイクの運転手は巧みなハンドリングで逃走していましたが、車に激突され、吹っ飛びます。
車から降りてきた男はバイカーの胸からカードを引き抜き、再び、車に乗り込みました。
ある車の修理工場では車に隠された麻薬などが効率よく分類されていきます。ロシアン・マフィアのアジトのようです。次々と車に金が積み込まれていきます。
その組織のボス、アブラム・タラソフは葉巻をくゆらしながら、苦渋に満ちた顔つきをしていました。「バカな甥が犬を殺し、ジョン・ウィックに復讐された。そして今、ジョン・ウィックの車がここにある」。
彼らはジョン・ウィックが現れる前にここを捨てて別の場所へ向かう準備をしているのでした。「奴を消してしまえば?」という別の男の問いかけにアブラムは言うのでした。「ジョン・ウィックは必ず仕事をやり遂げる」。
部屋の電話が鳴りました。「俺の車を持っているな?」ジョン・ウィックからの電話でした。
ジョンは既に奪ったカードで工場の敷地に侵入していました。彼は自分の車を見つけるとそれに乗車。彼を行かせまいと、部下たちも車に乗り込んで妨害を始めます。車と車が激しくぶつかりあいます。
部下たちの激しい抵抗にもかかわらず、ジョンは彼らをなぎ倒し、アブラムの部屋へ。2つのグラスに酒を注ぎ「平和に」と言ってグラスを合わました。
「引退生活を楽しめ。ミスター・ウィック」ジョンはボコボコにへこんだ車に乗り込むとエンジンをかけ、自宅へと戻っていきました。
暗殺の依頼人
そんな彼の元に一人の男が訪ねてきます。イタリアン・マフィアのサンティーノです。彼はジョンに自分の姉のジアーナの殺害を依頼します。
自分は既に引退した身だと断るジョンでしたが、サンティーノはかつてジョンと交わした誓印書を盾に、依頼を受けるよう迫ります。「誓印を押したものは、断ればどうなるかわかっているな」。
「力にはなれない」と言うジョンを睨みつけるサンティーノでしたが、「分かったよ。今の君には無理ということか」と諦める姿勢を見せ「美しい家だな」と微笑むと出ていきました。
しかし、当然のことながら彼は諦めてはいませんでした。この展開を予期していたかのように彼が車から取り出したのは焼夷弾。躊躇なくそれを撃ち込むとジョンの家を焼き払ってしまいます。
裏庭にふっ飛ばされたジョンと新しい愛犬は、我が家が激しく燃え盛る様を呆然とみつめるしかありませんでした。
ジョンは愛犬を連れ、コンティネンタルホテルへと向かいました。支配人のウィンストンに意見を求めると、彼は「誓印は絶対だ。ルールを守れ」と応えました。どうやらこの世界の規則に沿って、引き受けるしかないようです。
犬はホテルのフロント係が個人的に預かってくれることになりました。ジョンはサンティーノの経営する美術館へと出向きました。
「その様子だと私を殺したがっているようだな」とサンティーノは憎まれ口を叩きました。
「お前の望みを言え」というジョンに対して、サンティーノは改めて「姉を殺してほしい」と告げました。「主席の座席は12。父は遺言で姉を指名した。それが私だったら何ができるか、考えたんだ。やってくれれば誓印から開放する」。
ローマへ
コンティネンタル・ローマにやってきたジョンにオーナーのジュリアスが話しかけてきました。「法王に会いに来たのか? 違う?それならいい。ここで一番いい部屋だ」。ジョンはキーを受け取りました。
ジョンは武器の「ソムリエ」を訪ね、希望を出しては強力な武器を手に入れ、仕立て屋では特殊な戦闘用の衣装をオーダーしました。そんな彼の行動を見張っている者がいました。アレスという少年のような、あるいは男装の麗人のような人物です。
ロックバンドの演奏に熱狂する人々の中をジアーナが悠々と闊歩していました。彼女は恐怖政治を行い、とりわけ、子どもに暴力を振るうことで、住民を従わせていました。
ボディガードのカシアンに「お客の相手をして。私はメイクを治すわ」と告げると、一人、鏡の前に立つジアーナ。鏡にジョンが映っているのに気が付きあわてて振り向きます。
サンティーノの依頼でやって来たことを告げると、彼女は、死は逃れられないと悟ったようでした。そして、殺されるくらいなら自分で死ぬと裸になって手首を切り、風呂に身を横たえました。
徐々に血に染まっていくお湯。ジョンは彼女の頭部を撃ち、とどめを指します。
仕事を終えたジョンは、カシアンとすれ違います。「仕事か?」「そうだ」彼がジアーナを暗殺したことを察したカシアンは銃を取り、二人は撃ち合います。
「逃がすな!」大勢の部下たちが次々と襲ってきますが、ジョンは確実に敵を倒していきます。そこへアレスが加わり、彼を殺そうとします。ジョンが仕事を終えたら始末するようにサンティーノに命じられていたのです。
アレスたちを撒き、外に出て路地に入った途端、ジョンは車に轢かれてしまいます。カシアンたちが追ってきたのです。
ジョンはカシアン以外の敵を皆殺しにしますが、カシアンは強靭でした。二人は取っ組み合い、階段を転げ落ちます。ガラスを突き破ったところで「君たちやめたまえ」「コンティネンタルで仕事をしてはいけないことを知っているだろう?」と声がかかりました。
「ジンだったな」「バーボンだったな」互いに好みを知っているジョンとカシアンは、ホテルのバーで酒を交わしました。事情を聞いたカシアンは「お前は自由か?」とジョンに問いかけました。
「そうかな?」と返したジョンに対して彼は続けました。「違う。お前は俺が守っていた大事な人を殺した。目には目をだ」二人は睨み合いました。
「俺の奢りだ。プロとしての礼儀だ」とカシアンは会計を済ませ、その場を立ち去りました。ジョンは背後のソファーにアレスが座っているのに気が付きました。「彼じゃなく、私があんたを殺る。また会いましょう」手話でそう語ると、アレスも去っていきました。
その夜、ジョンの部屋の電話がなりました。サンティーノでした。「姉を殺したやつに復讐するのは当然だよな」抜け抜けと彼はそう言い放ちました。
ジョンは翌朝チェックアウトし、ホテルの誘導のもと、無事ニューヨークへと戻りました。
殺し屋がいっぱい!
サンティーノはアカウント部に電話をし、ジョン・ウィックの名義で口座を開きたいと告げました。そこに700万ドルを振り込みます。これは、ジョン暗殺のため、ニューヨーク中の殺し屋に報奨金をかけたことを意味します。
こうして大勢の殺し屋たちに襲われることとなったジョン。ストリートミュージシャンを装った殺し屋など、街のいたるところに彼を狙う者が潜んでいました。
アジア人の殺し屋を二人まとめて「鉛筆」で殺害。巨漢の力士は格闘の末、脳天を銃で撃ち、しとめました。
その中でカシアンがやってきて、二人はともに地下鉄に乗り込みます。乗客が次々と降りていき、比較的人が減った車両で二人はナイフを出しました。
ジョンは足をさされながらも、終点のブロード・ストリートで、カシアンを座席に座らせます。「大動脈を刺した。動くと死ぬぞ。プロの礼儀だ」胸にナイフがつきささったまま、呆然としているカシアン。
しかし、地下鉄から降りた後も、清掃人に化けた殺し屋たちが襲ってきます。ジョンはホームレスの男に金貨を渡し、匿ってもらうのでした。
気がつくと、ジョンは点滴を受けていました。横には殺されたさっきの暗殺者たち。ホームレスの男がジョンに言いました。「引退が苦手なようだな」「頑張っているんだが」。
映画『ジョン・ウィック:チャプター2』の感想と評価
物語は「前作『ジョン・ウィック』ラストの5日後」という設定で始まります。盗まれた車を取り戻すため、敵のアジトに侵入したジョン・ウィックが真正面から、あるいは真横から車を突進させ、ぶつかっていく無骨さがまず目を惹きます。
まさに体当たり。取り返した車もひしゃげてボロボロ。ジョン・ウィックの洗練とは無縁の泥臭さが際立ちます。
またバトルは前作と同様、銃とカンフーを融合させた新銃術「ガンフー」が展開。比較的長めのカットをつないでいくことで、流れるような軽快なリズムを生み出しています。
ここでジョン・ウィックは圧倒的な「確実さ」を示してみせます。向かってくる敵の頭部を撃って確実に仕留める様子は、チャンバラの殺陣に近いスタイルにも感じられます。
前作では「コンティネンタルホテル内で殺し屋は仕事をしてはいけない」という掟がユニークでしたが、今回は殺し屋たちの掟がより詳細にバージョンアップされ、それも見どころの一つとなっています。とりわけ、アカウント部のユニークなこと!滅茶苦茶アナログなのも愉快です。
また地下組織の武器ソムリエ、戦闘用衣装の仕立屋は、『キングスマン』の影響を受けているように思えます。
ただ、ジョンの注文の仕方が「ごつくて正確なのがほしい」「でかくて大胆なのが欲しい」という調子で、お洒落で洗練された英国紳士とはほど遠いもの。あくまでも「無骨さ」が魅力のジョン・ウィックです。
カシアンとの対決では、二人とも大勢の市民とともに歩きながら、周りに一切悟られず、さりげなく撃ち合っている場面には思わず笑ってしまいました。
カシアンとはニューヨークの地下鉄車両内での決闘がありますが、カナール・ストリート、レクター・ストリート、終点ブロード・ストリートと各駅に着くたびに人の出入りが起こり、その度に二人の位置が変わる描写など、定点観測のようにも見え非常に面白いです。
「電車内でのアクション」はこれまでにも多くの作品で描かれてきていますが、どの作品にも似ていない魅力ある場面となっています。「一般市民を巻き添えにしてはいけない」というのも、掟の一つなのでしょう。プロとしての誇りが、清々しさをも与えてくれます。
「『電車でのアクション』が面白い作品は良作が多い」とはしばしば映画ファンの間で交わされる言葉ですが、その定義に沿ってみても、本作は紛れもない良作といえるでしょう。
まとめ
本作を語るために忘れてはならないのは、ジョン・ウィックを包囲する豊富なキャラクターたちです。
本来なら良き仲間たり得ただろう、仁義溢れる殺し屋カシアンについては前述しました。日本の任侠映画に例えるとしたら、ジョンは高倉健、カシアンは池部良といえましょうか。
一方、サンティーノは安部徹がぴったり。あの憎々しい様といったら!
そして、そのサンティーノの部下アレスがまた実に魅力的です。演じるのはオーストラリア出身のルビー・ローズ。男装姿が麗しいだけでなく身のこなしも軽快で、アクションも巧みにこなしており、運動神経の良さを感じさせしびれます!
キングを演じるのは、ローレンス・フィッシュバーン。キアヌとかつて共演した「マトリックス」シリーズのモーフィアスを思い出して嬉しくなってしまいました。
終盤の美術館での光と鏡を使った展示室でのアクションは、『燃えよドラゴン』やオーソン・ウエルズの『上海から来た女』の鏡張りの場面を連想させます。まさにてんこ盛りの内容で、目一杯楽しませてくれる作品となっています。
「チャプター3」への期待も持てる幕切れとなっていますので、シリーズの今後の展開を楽しみに待ちたいと思います。