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Entry 2021/06/29
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『白頭山大噴火』感想解説とレビュー考察。韓国人気俳優イビョンホン×ハジョンウがバディムービーで活躍!

  • Writer :
  • 咲田真菜

映画『白頭山大噴火』は2021年8月27日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほかで全国ロードショーされます。

北朝鮮と中国の国境にそびえ立つ白頭山の噴火によって引き起こされる朝鮮半島の大パニックが描かれる本作。

イ・ビョンホン、ハ・ジョンウ、マ・ドンソクといった豪華キャストが出演、『彼とわたしの漂流日記』のイ・ヘジュン監督と、『神と共に』シリーズの撮影監督キム・ビョンソが共同で監督・脚本を手掛けています。

映画『白頭山大噴火』の作品情報

(C)2019 CJ ENM CORPORATION, DEXTER STUDIOS & DEXTER PICTURES ALL RIGHTS RESERVED

【日本公開】
2021年(韓国映画)

【監督・脚本】
イ・ヘジュン、キム・ビョンソ

【キャスト】
イ・ビョンホン、ハ・ジョンウ、マ・ドンソク、チョン・ヘジン、ぺ・スジ

【作品概要】
北朝鮮と中国の国境付近に位置する火山・白頭山で、観測史上最大の噴火が発生。地質学者で、米・プリンストン大学のカン・ボンネ教授(マ・ドンソク)は、朝鮮半島を崩壊させるほどの大噴火が75時間後に起こると予測します。

カン教授が提案した大惨事を食い止める作戦を実行すべく、韓国軍爆発物処理班のチョ・インチャン(ハ・ジョンウ)は北朝鮮へ乗り込みます。北朝鮮の工作員リ・ジュンピョン(イ・ビョンホン)とともに成功率わずか3.48%の朝鮮半島救出ミッションに挑みます。

映画『白頭山大噴火』のあらすじ

(C)2019 CJ ENM CORPORATION, DEXTER STUDIOS & DEXTER PICTURES ALL RIGHTS RESERVED

北朝鮮と中国の国境にそびえる火山・白頭山で観測史上最大の噴火が発生し、マグニチュード7.8の地震が遠く離れたソウルを直撃。

ビルは倒壊し、漢江は荒れ、陸橋は崩壊します。未曾有の事態に朝鮮半島は大パニックに陥り、史上最悪の災害を止めるため、政府は白頭山噴火の研究をしてきた大学教授のカン・ボンネ(マ・ドンソク)に協力を要請。

ボンネは半島を崩壊させるほどのさらなる大噴火が起こると予測し、タイムリミットは75時間だと言います。

韓国軍爆発物処理班の大尉チョ・インチャン(ハ・ジョンウ)は部隊を率いて、北朝鮮へ潜入し火山の鎮静化を図る秘密作戦を実行に移すのですが、そのためには作戦成功のカギを握る北朝鮮・人民武力部の工作員リ・ジュンピョン(イ・ビョンホン)を見つけ出す必要がありました。

なんとかジュンピョンの身柄を確保したインチャンですが、突拍子もない行動をとるジュンピョンに翻弄されます。果たして、インチャンたちは朝鮮半島を救うことができるのでしょうか…。

映画『白頭山大噴火』の感想と評価

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崩壊するソウルを激走するハ・ジョンウ

韓国軍爆発物処理班の大尉チョ・インチャンは任務を終え、妊娠中の愛妻・ジヨン(ぺ・スジ)のもとへ車を走らせていたところ、街角の大画面でピョンヤンからのニュース中継を目にします。突然記者が、大きな揺れが起きたことを伝え、そのまま中継は遮断されてしまいました。

次の瞬間、ソウルの街中に緊急地震速報が鳴り響き、間髪入れずに道路が陥没、高層ビルが崩壊し始めます。何が起こっているのか分からないまま、車で逃走するインチャンですが、その後、白頭山がこれまでにない爆発を起こしたことによる地震だと報道されます。

ハ・ジョンウが演じるチョ・インチャンが、運転をしながら穏やかな表情で愛妻・ジヨンへ「今から帰るよ」と電話をしてから、ソウル市内がパニック状態に陥るまで、怒涛の勢いで展開していきます。

緊急地震速報で茫然としているのもつかの間、地面はメリメリ音をたて亀裂が入り、高層ビルがものすごい勢いで倒れ、人々を襲います。一瞬にして街が崩壊していく様が、迫力ある映像で迫ってきます。

阿鼻叫喚な中、車で脱出しようとするインチャンの目線で街中のパニック状態が描かれます。思わず目を閉じてしまうような恐ろしい光景が広がりますが、危機的状況をかいくぐるインチャンのカーアクションが見どころとなっています。冒頭のおよそ10分で、観ている私たちは手に汗を握り、天災の前では人間はいかに無力かを思い知り、そしてこの物語の中へ飲み込まれていくのです。

イ・ビョンホンがつかみどころのない軍人を熱演

(C)2019 CJ ENM CORPORATION, DEXTER STUDIOS & DEXTER PICTURES ALL RIGHTS RESERVED

白頭山の噴火による未曾有の災害に見舞われた朝鮮半島を救うためにはどうすればよいのか。かねてから白頭山の噴火について研究し、警鐘を鳴らしてきた地質学者のカン・ボンネは、白頭山の地盤を崩壊することが、朝鮮半島を救う唯一の道だと提案。そのために北朝鮮から核を奪い、核爆発を起こさせるミッションが提示されます。

その作戦を実行するためには、北朝鮮へ乗り込まなければならず、無謀で危険な作戦に関わることを躊躇するインチャン。しかし、身重の妻をアメリカに逃がすことを条件に作戦に加わることになりました。

「さっさと任務を終わらせて国へ帰ろう」というインチャンの思惑とはうらはらに、事態は悪い方向へ進んでいきます。そして上官に言われるまま、作戦の鍵を握る北朝鮮の軍人・リ・ジュンピョンの身柄を拘束。ここから、「全くソリが合わない」ジュンピョン&インチャンのバディが誕生します。

イ・ビョンホンが演じるリ・ジュンピョンは、北朝鮮の軍人らしく、暗い目をした男。スパイ容疑で収監されていたジュンピョンが最初に登場した時は、あまりの汚らしい姿に驚きます。

自分の身柄を拘束しようとするインチャンとその部下たちを注意深く観察するジュンピョンは、何を考えているか分からない人物。戦闘に慣れておらず、おどおどしているインチャンたちをからかい、翻弄します。

軽口をたたき、インチャンたちを見下したような発言をしたり、「トイレに行きたい」と草むらで躊躇なくパンツをおろしたり姿に、二枚目スターとしての面影はありません。

しかしひとたび銃を握らせると、それまでのらりくらりとしていたジュンピョンが豹変します。鮮やかな銃さばき、そしてアクションの数々はさすがです。

ジュンピョンは、インチャンが指揮をする作戦に協力するふりをするのですが、腹の中では何かを企んでいます。常にジュンピョンがいつインチャンたちを裏切るのか、ハラハラしながら見なければならないのですが、ラストは意外な展開となります。

シリアスな内容の話ではあるものの、実はジュンピョンとインチャンの会話には、笑いの要素も盛りだくさんです。戦闘経験があまりないにもかかわらず、部下たちを指揮しなければならず、四苦八苦するインチャンをからかうジュンピョン。殺伐とした戦闘シーンの合間にある笑いのシーンにも注目です。

マ・ドンソクが人間味あふれる学者を好演

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白頭山の大噴火から朝鮮半島を守ろうとするのは、ジュンピョンとインチャンだけではありません。学術的な面でアドバイスを続けるプリンストン大学の地質学者、カン・ボンネと、彼を信じて政治的な面で支える韓国大統領府のチョン・ユギョン(チョン・ヘジン)もバディとなって活躍します。

ボンネは、以前から自身が警告していた白頭山の噴火について耳を貸さなかった韓国政府に落胆をしていました。自身の予想どおり噴火が起きると「それみたことか!」と言わんばかりに、さっさとアメリカへ避難しようとします。

しかしそんなボンネを半ば脅迫するようにユギョンは引き留め、協力を求めます。ボンネは、強制的に韓国政府に協力をさせられ、不満を隠せません。「この国に未練はない。こんな事態になったのは、自国の運命も決められない無能な政府のせいだ」とユギョンに叫びます。

「3時間だけ」という条件で、ボンネは朝鮮半島を救うための方法を大統領に提言し、ここでユギョンは「北朝鮮から核を奪い取る」という大胆な提言をします。

マ・ドンソクは、典型的な学者肌であるボンネを人間味あふれるキャラクターで演じています。韓国政府に絶望し、一度は国を出ようとするのですが、仁川港へ向かうバスでインチャンの妻・ジヨンに出会ったことで、運命が大きく変わります。バスの中でのジヨンとのやり取りは、なかなかのコメディーで笑ってしまいます。

ユギョンは、エリートにありがちな冷たい雰囲気を持ちつつも、「国を助けたい」という想いが深い正義感あふれる女性です。成功率3.48%の無謀な作戦に挑むことに反対する韓国大統領に対し「大統領の支持率よりは高いのでは?」とキッパリ言うところは爽快です。チョン・ヘジンは、クールにかっこよく、そして芯のある女性を好演しています。

まとめ

(C)2019 CJ ENM CORPORATION, DEXTER STUDIOS & DEXTER PICTURES ALL RIGHTS RESERVED

標高2,744mの白頭山が大噴火を起こしたら、こんな大惨事になるのかということを目の当たりにする本作品。火山国・日本に住む私たちにとっても、無関係な話ではないな…と考える人も少なくないでしょう。

物語の中ではあらゆる敵が登場しますが、自然を敵にまわすことが一番恐ろしいと本作で実感。そんな最強の敵に挑んでいくイ・ビョンホン、ハ・ジョンウの初共演コンビは、やっぱりかっこいい! 心臓をバクバクさせながら、勇敢な二人のアクションを目いっぱい楽しみたい作品です。

映画『白頭山大噴火』は2021年8月27日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー

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