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映画『炎上』あらすじ感想と結末評価。キャストの森七菜がトー横に魅せられる若者を演じる|映画という星空を知るひとよ285

  • Writer :
  • 星野しげみ

連載コラム『映画という星空を知るひとよ』第285回

新宿・歌舞伎町を舞台に、社会からはみ出して辿り着いた若者たちのリアルを描いた映画『炎上』。

2025年の『国宝』『フロントライン』といった話題作に続けて出演し、演技力の高さに評価が集まっている俳優・森七菜が主演を務めます。

映画『WE ARE LITTLE ZOMBIES』(2019)などの作品から、作家性が世界からも絶賛されている長久允監督が取りまとめました。

それぞれの生きづらさと傷を抱えた者が寄り添い集う場所・新宿歌舞伎町。そこにたどり着いた主人公は、トー横キッズと呼ばれる彼らと出会い、何を得るのでしょうか。

映画『炎上』は、2026年4月10日(金)に全国公開。現実の社会的問題をさりげなく盛り込んだ、映画『炎上』をご紹介します。

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映画『炎上』の作品情報


(C)2026「炎上」製作委員会

【日本公開】
2026年(日本映画)

【脚本・監督】
長久允

【編集】
曽根俊一

【音楽】
岩井莉子、山田勝也、小嶋翔太

【主題歌】
窓辺リカ

【キャスト】
森七菜、アオイヤマダ、曽田陵介、古舘寛治、松崎ナオ、新津ちせ、森かなた、髙橋芽以高村月、きばほのか、月街えい、川上さわ、ユシャ、みおしめじ、広田レオナ、一ノ瀬ワタル

【作品概要】
本作はオリジナル脚本で描かれる⻑編映画で、脚本・監督を手がけるのは⻑久允。

⻑久監督は 第33回サンダンス映画祭ショートフィルム部門のグランプリ受賞の短編映画『そうして私たちはプールに金魚を、』(2017)に続いて、⻑編映画デビュー作『WE ARE LITTLE ZOMBIES』(2019)も第35回サンダンス映画祭で日本映画として初めて審査員特別賞のオリジナリティ賞に輝きました。

『炎上』では、主演を務める森七菜と初タッグを組み、新宿歌舞伎町に集う若者たちの複雑な心理や事情をリアルに描き出します。

第42回サンダンス映画祭「NEXT」部門ノミネート作品。

映画『炎上』のあらすじ


(C)2026「炎上」製作委員会

両親に厳しく育てられた樹里恵(森七菜)は、吃音のため自分の感情を表現することが苦手でした。

娘がそんな状況にあるというのに、樹里恵の父(古舘寛治)は思い通りにならないと樹里恵をせっかんしていました。

妹思いの樹里恵は、妹のためにと父の暴力に耐えていましたが、心の中では父の死を願っていました。

ある日、樹里恵の願いが通じたのか、父が突然亡くなりました。神様っているんだと樹里恵がほっとしたのもつかの間、今度は母が父に代わって子供たちに暴力を振るうようになったのです。

ある日、そんな家族との関係に耐えられなくなった樹里恵は、家を飛び出してしまいます。

樹里恵がSNSを頼りに辿り着いた先は新宿・歌舞伎町。トー横キッズのリーダー・KAMIくん(一ノ瀬ワタル)の仲間になります。

そこにいる仲間たちは皆どこかしらおかしな人たちでした。ですが、誰も吃音症の樹里恵のことを馬鹿にしたりしません。

それどころか、ジュジュと呼んでグループ内で仲良くしてくれました。

初めて知る新たな世界で、様々な人との出会いを経て、自分の意思を持つことができるようになった樹里恵にとって、そこは唯一安心できる居場所となったはずだったのですが…。

映画『炎上』の感想と評価


(C)2026「炎上」製作委員会

本作は長久監督が映画化するために5年間温めていた企画で、様々な人々に取材を重ねながら物語を作り上げた作品です。

「新宿歌舞伎町のニュースを見て、現場を取材し、彼女や彼らの物語を書くべきだと思ったことがきっかけです」と、製作動機も語った本作では、なぜ若者たちが歌舞伎町、特にトー横に集まるのかという理由を、生々しく表現

厳格な家庭で生まれ育ち、親から虐待されていた主人公の樹里恵は、自分の気持ちを表現するのが苦手でした。そんな彼女が心の拠り所としたのは、歌舞伎町とそこに居つく仲間たち。

社会で行き場を無くし歌舞伎町に辿り着いた漂流者のような樹里恵を優しく迎えてくれるのは、やはり社会において普通の暮らしができない、どこかズレている若者たちだったのです。

一般の人たちが過ごす普通の生活がしづらい彼らは、同類にのみ通じるテレパシーを持っていました。

お互いが抱える心の疵を知りながらも、触れずに好きなようにさせています。それがかえって樹里恵には心地良さを与えてくれたのでしょう。

そんな暮らしが良いとは言えません。ですが、これが現実なのです。

長久監督は、普通の大人が理解しがたいトー横キッズの心の叫びを存分に作品に織り込みました

樹里恵演じる森七菜は、不自由な言葉で一生懸命に自分を表現しようとする樹里恵を熱演しています。

タイトルの意味、それは、不運続きの樹里恵の心の叫びなのかもしれません。

まとめ


(C)2026「炎上」製作委員会

長久監督が5年間温めていた企画で、オリジナル脚本も手掛けた映画『炎上』をご紹介しました。

家庭や社会からはみ出し、拠り所を探して彷徨ううちに歌舞伎町に辿り着いてたむろする若者たち。ガラス細工のように繊細で壊れやすい若者たちの心とその境遇をストレートに映し出します。

主人公を演じるのは、2025年に公開された『国宝』と『フロントライン』とヒット作の出演を果たしている森七菜です。

自分の気持ちをうまく表現できない主人公を素直な演技で表現しました。主人公の樹里恵が辿る数奇な半生を見届けてください。

映画『炎上』は、2026年4月10日(金)全国公開!

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星野しげみプロフィール

滋賀県出身の元陸上自衛官。現役時代にはイベントPRなど広報の仕事に携わる。退職後、専業主婦を経て以前から好きだった「書くこと」を追求。2020年よりCinemarcheでの記事執筆・編集業を開始し現在に至る。

時間を見つけて勤しむ読書は年間100冊前後。好きな小説が映画化されるとすぐに観に行き、映像となった活字の世界を楽しむ。



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