Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

連載コラム

Entry 2025/11/05
Update

『ナイトフラワー』あらすじ感想評価。佐久間大介も熱演!北川景子主演サスペンスは“母の愛”が感動を呼ぶ|TIFF東京国際映画祭2025-8

  • Writer :
  • 星野しげみ

映画『ナイトフラワー』は第38回東京国際映画祭ガラ・セレクション部門 公式出品!2025年11月28日(金)より全国順次公開!

2025年10月27日(月)~11月5日(水)まで開催された第38回東京国際映画祭。

映画祭のガラ・セレクション部門に公式出品された映画『ナイトフラワー』は、昼は二児の母親、夜はドラッグの売人として、一人の女性が幸せを求めて暴走する、感涙のヒューマンサスペンスです。

『ミッドナイトスワン』(2020)の内田英治監督が原案・脚本・監督を手がけた本作。

主人公・永島夏希を演じた国民的人気俳優の北川景子は、ほぼスッピンで表情豊かに関西弁を捲し立て、大声で泣きわめくという今までにない姿を披露。罪とは何か、愛とは何か……その境界線を切なく問いかける作品です。

【連載コラム】『TIFF東京国際映画祭2025』記事一覧はこちら

映画『ナイトフラワー』の作品情報


(C)2025「ナイトフラワー」製作委員会

【日本公開】
2025年(日本映画)

【原案・脚本・監督】
内田英治

【音楽】
小林洋平

【エンディングテーマ】
角野隼斗

【企画・プロデュース】
吉條英希

【キャスト】
北川景子、森田望智、佐久間大介(Snow Man)、渋谷龍太、渋川清彦、池内博之、田中麗、光石研

【作品概要】
『ミッドナイトスワン』(2020)の内田英治監督が原案・脚本も手がけた本作は、借金取りに追われる母親が子どもたちの夢をかなえるべく、危険な世界に足を踏み入れていく姿をスリリングに描き出したヒューマンサスペンス。

主人公・永島夏希役は『ファーストラヴ』(2021)『ラーゲリより愛をこめて』(2022)などの北川景子。

夏希のボディガードとなる女性格闘家・多摩恵を実写映画『シティーハンター』(2024)の森田望智、多摩恵の幼なじみ・池田海をアイドルグループ「Snow Man」の佐久間大介、麻薬密売の元締め・サトウをロックバンド「SUPER BEAVER」の渋谷龍太が演じています。渋川清彦、田中麗奈、池内博之、光石研らも共演。

第38回東京国際映画祭ガラ・セレクション部門公式出品作。

映画『ナイトフラワー』のあらすじ


(C)2025「ナイトフラワー」製作委員会

借金取りに追われ、2人の子どもを抱えて東京へ逃げてきた夏希(北川景子)。東京では、昼はホテルの清掃員と地球儀の制作、夜はホステスと、昼夜を問わず必死に働きながらも、明日食べるものにさえ困る生活を送っています。

ある日、店の客からママがもらった夜にたった一度だけ花を咲かすという植物を譲り受け、自宅に持って帰りました。

花は全く咲く気配を見せず、また何日かが過ぎた頃、夏希は店を終わって帰宅途中、夜の街で偶然ドラッグの密売現場に遭遇し、喧嘩で倒れた売人からドラッグを手に入れました。

やがて密売にも成功し、子供たちのために自らもドラッグの売人になることを決意。しかし、夜の街のルールを何も知らない夏希に、孤独を抱える格闘家・多摩恵(森田望智)は見かねて「守ってやるよ」とボディーガード役を買って出ました。

タッグを組み、夜の街でドラッグを売り捌いていく2人。仕事は順調で、私生活でも多摩恵は夏希の子どもたちと仲良くなり、平和な日々が訪れました。

ところが、客であったある女子大生の死をきっかけに、2人の運命は思わぬ方向へ狂いだします……。

映画『ナイトフラワー』の感想と評価


(C)2025「ナイトフラワー」製作委員会

「ナイトフラワー」は夜に咲く花のことですが、比喩として、夜だけの儚い存在や、困難な状況に身を置く人々の人生を象徴する言葉としても使われています。

そんなタイトルの本作は、借金取りから逃げて来たシングルマザー・夏希が子どもたちを育てるためにドラッグの売人になるヒューマンサスペンスです。

昼は子育てで孤軍奮闘するごく普通の母親でありながら、夜は若者たちにドラッグを売り歩きます。それが悪いことだと知りながらも、生活のためにやめるわけにはいきません。

売人志願の理由を聞きたげだったドラッグの元締め・サトウ(渋谷龍太)に「子どもが2人いるから……」と言う夏希。冷酷非情を装う元締めも「かあちゃんは強いな」と感慨深そうです。

キーポイントは、やはり夏希が「かあちゃん」であること。サトウは子分たちに「お前は、かあちゃんいるのか?」と聞きます。

「あれをそう呼ぶなら、それらしき者はいます」「自分はいません」と答えは様々ですが、子分たちが母の愛をほとんど受けずに育ってきたのは明らかです。そして、夏希とタッグを組む女性格闘家の多摩恵も、幼いころに母が蒸発しています。

寂しい心を埋めるように、孤独な闘いの世界に飛び込んだ多摩恵。彼女は危ない仕事をしながらも、夏希とその子供たちとの温かい交流にいつしか人を愛おしく思う気持ちが生まれました。徐々に多摩恵が心を開いていく様子はこちらも心温まります。

キャスト陣には、子供を守ることに命を懸けるシングルマザー・夏希に北川景子。関西弁でなりふり構わずに過酷な社会と戦うたくましい母親という、今までにない役柄を見事に演じきっています。

相棒の多摩恵に扮するのは、実写映画『シティーハンター』(2024)の森田望智。役作りの一環で7キロも増量したという彼女の意気込みそのものが、作中にはあふれています。

本作は過酷な現実と向き合い、悪の道へと入りながらも、必死で家族を守ろうとする母の姿に、何が悪で何が正しいのかと考えさせられる作品です。

優しい母の顔と、お金を稼ぐために売人をする悪の顔。二つの顔を使い分ける北川景子に注目してください。

また「Snow Man」の佐久間大介が、トレードマークのピンクの髪を黒系にして、多摩恵の幼馴染役として出演しています。ピンク髪以外の佐久間大介はファン必見であり、その役から目が離せません。


(C)2025「ナイトフラワー」製作委員会

まとめ


(C)2025「ナイトフラワー」製作委員会

『ミッドナイトスワン』(2020)の内田英治監督が、原案・脚本・監督を務めた『ナイトフラワー』をご紹介しました。

主人公のシングルマザーの夏希は、借金を抱えているため昼夜を問わずに働いていますが、生活は困窮しています。ひょんなことからドラッグの売人になってしまうのですが、それもこれも子どもたちを育てるためでした。

夏希と多摩恵の行き着く先はどうなっているのでしょう。また夏希がもらったナイトフラワーは無事に咲くのでしょうか。

すべては、夏希の子どもたちへの愛満載の作品を鑑賞することで明らかになります。

映画『ナイトフラワー』は第38回東京国際映画祭ガラ・セレクション部門 公式出品!2025年11月28日(金)より全国順次公開!

【連載コラム】『TIFF東京国際映画祭2025』記事一覧はこちら







関連記事

連載コラム

【ネタバレ】シン・ウルトラマン考察解説|ザラブこと“にせウルトラマン”が横須賀を襲った意味と“外星人”の表象とは【光の国からシンは来る?11】

連載コラム「光の国からシンは来る?」第11回 2016年に公開され大ヒットを記録した『シン・ゴジラ』(2016)を手がけた庵野秀明・樋口真嗣が再びタッグを組み制作した新たな「シン」映画。 それが、19 …

連載コラム

映画『ナイチンゲール』あらすじと感想レビュー。評価が大きく分かれたヴェネチア映画祭での前半30分の衝撃とは⁈|銀幕の月光遊戯 56

連載コラム「銀幕の月光遊戯」第56回 映画『ナイチンゲール』が2020年3月20日(金・祝)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて全国公開されます。 『ナイチンゲール』は、19世紀、英国植民地時代の …

連載コラム

映画『お姉ちゃん、弟といく』あらすじ感想と評価解説。江口のり子主演で描く“個性派女優”に相応しい青春ドラマ|インディーズ映画発見伝14

連載コラム「インディーズ映画発見伝」第14回 日本のインディペンデント映画をメインに、厳選された質の高い映画をCinemarcheのシネマダイバー 菅浪瑛子が厳選する連載コラム「インディーズ映画発見伝 …

連載コラム

ゲーム『デス・ストランディング』や動画配信とゲームとの境界線について考察と解説。CG技術の進歩がもたらした可能性とは|SF恐怖映画という名の観覧車87

連載コラム「SF恐怖映画という名の観覧車」profile087 「シナリオ重視」のゲームは古くから存在し、選択肢を選び物語が展開する「ノベルゲーム」や探索をメインとした「アドベンチャーゲーム」はその代 …

連載コラム

韓国映画『コンジアム』感想と解説。廃病院402号室からYouTube世代へ向けた恐怖の真相を考察|サスペンスの神様の鼓動15

こんにちは、映画ライターの金田まこちゃです。 このコラムでは、毎回サスペンス映画を1本取り上げて、作品の面白さや手法について考察していきます。 今回取り上げる作品は、2019年3月23日(土)より全国 …

『還り花』
Cinemago|想像力の海へ、シネマダイビング。
ACT1|次の物語は、人からはじまる。
Cinemagoオンラインショップ|DVD・鑑賞チケット・オリジナルグッズ
『血を吸うスマトラオオコンニャク』
【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学