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Entry 2024/04/27
Update

【ネタバレ】シティーハンターNetflix日本実写|あらすじ感想結末と評価考察。続編も期待!?キャスト鈴木亮平による“高すぎる再現度”とは⁈

  • Writer :
  • 糸魚川悟

『シティーハンター』はNetflixで独占配信中

1985年から「週刊少年ジャンプ」に掲載され、1991年まで連載が続いた北条司による漫画『シティーハンター』。

連載終了から30年以上経過した作品ではありますが、その人気は衰えることを知らず日本を始め世界中でなお高い人気を保ち続けています。

今回はそんな大人気の漫画を「Netflix」が映像化した実写映画版『シティーハンター』(2024)を、ネタバレあらすじを含めご紹介させていただきます。

映画『シティーハンター』の作品情報


2024年4月25日(木)Netflixにて世界独占配信
(C)北条司/コアミックス 1985

【配信】
2024年(日本映画)

【監督】
佐藤祐市

【脚本】
三嶋龍朗

【キャスト】
鈴木亮平、森田望智、安藤政信、華村あすか、水崎綾女、片山萌美、阿見201、杉本哲太、迫田孝也、木村文乃、橋爪功

【作品概要】
累計発行部数5000万部を突破した北条司による漫画『シティーハンター』を、『名も無き世界のエンドロール』(2021)の佐藤祐市が映像化。

エゴイスト』(2023)の鈴木亮平が主人公・冴羽獠を演じ、『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』(2021)などに出演する安藤政信が主人公の相棒であり物語の鍵を握る槇村秀幸を演じました。

映画『シティーハンター』のあらすじとネタバレ


2024年4月25日(木)Netflixにて世界独占配信
(C)北条司/コアミックス 1985

駅の伝言板に書かれた「XYZ」の書き込み。

新宿では驚異的な身体能力を持つ複数の人間による犯罪が相次いでおり、行方不明となった妹のくるみを探すナツミは「シティーハンター」に妹の捜索を依頼するために伝言板に暗号を残していました。

「シティーハンター」の冴羽獠は相棒・槇村秀幸が見つけた阿久津組系列の半グレのアジトに乱入すると、半グレたちを1人で片付けその場から逃げ出したくるみを追います。

獠と秀幸はくるみを追い詰めますが、くるみは異常な身体能力を発揮してその場を脱し、現れた刑事・冴子に2人は制止されます。

くるみの落としたアンプルを回収した秀幸は、獠にもアンプルの存在を隠したまま獠と別れ、誕生日祝いのため高級レストランに呼びだした妹・香のもとに向かいます。

その日秀幸は、大人になった香に亡き父が伝えることのできなかった、自身と香が血のつながらない兄妹であることを伝えようとしていました。

しかし、そこにトラックが突っ込み、トラックから降りた異常な身体能力を持つ男に秀幸はナイフで刺されてしまいます。異変を察知し駆けつけた獠に、秀幸はアンプルを渡すと「香を頼む」と言い残し息絶えました。

翌日、駅の伝言板に残された香からの「XYZ」の文字を見た獠は、香からの仕事の依頼を無視します。香に直談判されてもなお獠に依頼を受ける気はなく、新宿でひとり危険な捜査に踏み込もうとする香に事件に関わらないよう強く言い聞かせました。

しかし、連日に渡って香に追い回された獠は、香と共に巨大な暴力団を取り仕切る組長・阿久津の経営する裏カジノを訪れます。獠は連日遊び歩いているように見えましたが、実は秀幸の死の要因を探り回っており、その容疑者の筆頭が阿久津でした。

阿久津は驚異的な身体能力を持つ人間は、街から消えたホームレスや家出娘だと言い、何かの薬を服用し暴れた後に道端で死亡する例が相次いでいると言います。

秀幸を殺害した男も、すでに道端で息絶えた姿が警察に発見され、阿久津は薬を服用しながらも唯一正気で戻って来たくるみから、その事情を聞くべく探していました。しかし阿久津はこの件に「シティーハンター」の獠が関わっていることを知ると、手を引くと話します。

香は阿久津からくるみの所在がトー横であると聞くと、獠の制止を振り払いひとりでトー横に向かい、くるみと接触。くるみは何者かに命を狙われており、くるみを狙う殺し屋を獠が撃退し彼女を保護しました。

目を覚ましたくるみに姉からの依頼のことを話す獠でしたが、くるみには姉はおらず騙されていたことを知ります。

くるみはケントという知り合いを探すうちに何者かに攫われ、薬を強制的に投与された上で街に放されていたことを獠に語りました。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『シティーハンター』のネタバレ・結末の記載がございます。『シティーハンター』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


2024年4月25日(木)Netflixにて世界独占配信
(C)北条司/コアミックス 1985

冴子に情報を提供した獠は彼女の調べた情報から、この薬がかつて戦地で使われていた「エンジェル・ダスト」と呼ばれる一時的に筋力を増強する薬であることを確信します。

エンジェル・ダストには自我を保てなくなる副作用が存在しましたが、副作用を発症せず自我を保ち続けるくるみを攫い研究しようとする「組織」の存在がそこにあると悟る獠。

また冴子は、過去にエンジェル・ダストによる事件が発生した際、薬で暴走した男を殺害した刑事こそが槇村秀幸の父であり、秀幸の父が殺害した男の娘を引き取り育てていたことを獠に話します。

部屋に戻った獠は、コスプレイヤーであるくるみが大手化粧品会社「ローレ」が主催するイベントに招かれたことを話され、彼女の頼みでイベントに参加するくるみを香と共に警護することになります。

イベントが始まりくるみが登壇する中、組織の殺し屋である「熊」と「蠍」が現れます。

蠍は嘘の依頼を獠に持ち込んだナツミであり、激しい攻防の末に獠は蠍を生かしたまま捕らえることに成功。香はくるみを冴子の上司・伊東に引き渡し、冴子は蠍を警察署へと連行しようとします。

しかし伊東は、くるみを狙う組織「ユニオン」と賄賂でくるみを引き渡す取引をしており、伊東によって連れ去られたくるみはユニオンに引き渡された上で、伊東は殺害されます。

さらにユニオンの構成員の首筋には小型の爆弾が仕込まれており、証拠隠滅のために蠍は護送中に爆殺されました。事態の深刻化を悟った獠は香を再び遠ざけようとしますが、秀幸の敵討ちを強く心に決める香は一歩も引く気はありませんでした。

獠は秀幸の残した拳銃を香に持たせると、敵討ちとくるみを取り戻すために香の依頼を受けることに決めました。

実はローレの社長である瀬田こそがエンジェル・ダスト研究の中心人物でしたが、実験が最終段階に突入し「用済み」と見なされたことでユニオンの今野に殺害され、実験データとくるみを奪われます。

くるみのピアスには獠の仕込んだ発信機がつけられており、獠はくるみの居場所を特定。

獠は阿久津にユニオンの情報を集めさせており、「ユニオン・テオーペ」と呼ばれる海外の経済界にも食い込む組織であること、ローレが日本におけるユニオンのフロント企業であることを知ります。

発信機が指し示したローレの本社ビルでユニオンの研究所を目撃した獠と香は、発信機に気付き待ち構えていたユニオンの兵隊を撃退。

そこにくるみを人質に取った今野が現れ、獠をユニオンへと勧誘しますが、獠は秀幸を殺害したことを理由に拒否します。

すると多量のエンジェル・ダストとボディアーマーによって強化された熊が現れ、獠が熊と戦う中、香は屋上から逃げようとする今野を追跡します。

今野は香の本当の父親もユニオンによって殺害されたと煽りますが、熊を倒し駆けつけた獠によって銃と脚を撃たれ、今野を迎えに来たユニオンのヘリコプターも彼を助けることなく去っていきます。

父親と兄の復讐のために今野に銃を向ける香でしたが、その命を奪うことはできず、首筋の爆弾が起動されたことで錯乱した今野を獠が撃ち倒しました。

事件が終わり、秀幸の墓参りをする香はくるみがコスプレイヤーとして活躍していることを知ります。

目を覚ました獠は、自分の部屋を勝手に掃除している香を発見。香は獠の相棒になることを勝手に決め、秘蔵のAVを捨てられ憤慨する獠を追い回すのでした。

映画『シティーハンター』の感想と評価


2024年4月25日(木)Netflixにて世界独占配信
(C)北条司/コアミックス 1985

時を越え、国境を越え愛される『シティーハンター』

作品そのものの展開をリメイクした漫画『エンジェル・ハート』などの続編的作品はあるものの、漫画『シティーハンター』そのものは1991年に連載が終了しています。

しかし、2019年に完全新作のアニメ映画『劇場版シティーハンター 〈新宿プライベート・アイズ〉』(2019)が公開されただけでなく、2023年には『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』(2023)が公開されました。

連載終了からおよそ30年前後が経ってから公開された両作ですが、両作共に興行収入10億円を突破するほどのヒットを記録するなど、今もなお色褪せぬ人気を持続しています。

この人気は日本だけに留まらず、1993年には香港で、2019年にはフランスで実写映画化が行われ、フランスでの映像化は160万人以上の観客動員数を記録しました。

そんな、時代も国も超えて愛される「シティーハンター」が、2024年に遂に日本で実写映画化。

異常なほどの再現度と言われたフランス版の後に公開された本作は、あるひとりの俳優によってフランス版に勝るとも劣らない「シティーハンター」が完成していました

鈴木亮平によって完全再現される「シティーハンター」


2024年4月25日(木)Netflixにて世界独占配信
(C)北条司/コアミックス 1985

「スイーパー(掃除屋)」と呼ばれる裏家業の人間である主人公の冴羽獠ですが、シリアスな職業とは裏腹にスケベでノリの軽さが目立つお調子者。

ですが、実は誰よりも身近な人間に対する親愛の気持ちと正義心を持っており、大事なものを傷つけようとする人間を決して許すことのない熱い心を持っています。

Netflixで公開された本作ではスケベでアホな冴羽獠と、圧倒的な強さで新宿の伝説となっている「シティーハンター」としての冴羽獠の二面性を主演俳優・鈴木亮平が熱演。

真剣な話をしていたかと思えば即座にノリが軽くなり、戦闘シーンでは体の一部になったような動きで愛銃コルト・パイソン357を扱う鈴木亮平は思い描いていた冴羽獠像に100%合致しており、彼の存在だけで完璧とも言える「シティーハンター」が出来上がっていました。

まとめ


2024年4月25日(木)Netflixにて世界独占配信
(C)北条司/コアミックス 1985

原作の終了がコンテンツの終了とイコールにはならないということを、コンテンツの拡張と持続する高い人気で証明している漫画『シティーハンター』。

長年愛されているがゆえにハードルが高まり続けていた、「本国での映像化」という高い壁を2024年に配信された映画『シティーハンター』は冴羽獠の高すぎる再現度で乗り越えてくれました。

「エンジェル・ダスト」をメインとした物語も、迫力とスピード感もあるガンアクションも楽しめる本作は、2024年4月25日よりNetflixで配信開始。

『シティーハンター』が好きな人にも、これまでの作品を全く知らないという人にも、自信を持ってお勧めできる作品です。



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