連載コラム『映画という星空を知るひとよ』第273回
オリジナルTV アニメ『オッドタクシー』(2021)を⼿掛けた⽊下⻨監督と脚本担当の此元和津也が、再びタッグを組んで作成した映画『ホウセンカ』。
『映画⼤好きポンポさん』(2021)『夏へのトンネル、さよならの出⼝』(2022)を⼿掛けた制作スタジオ・CLAP によるオリジナルアニメです。
独房で孤独な死を迎えようとしていた無期懲役囚の⽼⼈・阿久津。「ろくでもない⼀⽣だったな」と声を掛けたのは、⼈の⾔葉を操るホウセンカでした。
ホウセンカとの“会話”の中で、阿久津は⾃⾝の過去を振り返り始めます。死にかけのヤクザが起こす⼤逆転とは︖
映画『ホウセンカ』は、2025年10/10(⾦) 新宿バルト9 ほか全国ロードショー!
映画『ホウセンカ』の作品情報

(C)此元和津也/ホウセンカ製作委員会
【日本公開】
2025年(日本映画)
【監督・キャラクターデザイン】
⽊下⻨
【原作・脚本】
此元和津也
【企画・制作】
CLAP
【⾳楽】
cero / 髙城晶平 荒内佑 橋本翼
【声のキャスト】
⼩林薫、⼾塚純貴、満島ひかり、宮崎美⼦、安元洋貴、⻫藤壮⾺、村⽥秀亮(とろサーモン)、中⼭功太、ピエール瀧
【作品概要】
映画『ホウセンカ』は、監督・キャラクターデザイン担当の⽊下⻨と原作・脚本担当の此元和津也が取りまとめ、国内外の映画祭で注⽬を集めた『映画⼤好きポンポさん』(2021)『夏へのトンネル、さよならの出⼝』(2022)を⼿掛けた制作スタジオCLAP によるオリジナルアニメーション。
主⼈公の男・阿久津実の過去と現在をそれぞれ演じるのは、⼩林薫、⼾塚純貴。阿久津のパートナー・永⽥那奈の声を務めるのは、満島ひかり、宮崎美⼦。謎の喋るホウセンカは、ピエール滝が担当します。
「アヌシー国際アニメーション映画祭2025」⻑編コンペティション部⾨選出作品。
映画『ホウセンカ』のあらすじ

(C)此元和津也/ホウセンカ製作委員会
「ろくでもない⼀⽣だったな」。
独房で孤独な死を迎えようとしていた無期懲役囚の⽼⼈がいました。枕元に置かれたホウセンカが、老人に声を掛けました。
それは⼈の⾔葉を操るホウセンカでした。ゆっくり目を開けた老人は「なぜ今ごろ聞こえるんだ」と言い、ホウセンカは「生まれたてか死にかけには、聞こえるんだ」と言います。
意味深な“会話”の中で、⽼⼈は30年以上前になる⾃⾝の過去を振り返り始めます。
老人は阿久津実という名前のヤクザでした。入籍をしていなけれど、永⽥那奈という恋人と那奈が産んだ子供がいました。
ヤクザとしてそれなりに生活をしていたのですが、ある日子供に心臓病が見つかり、渡米して手術をしなければ命の保証がないことがわかりました。
大金を手に入れるために、阿久津はある決心をします。
映画『ホウセンカ』の感想と評価

(C)此元和津也/ホウセンカ製作委員会
冒頭、いきなりホウセンカが死にかけのヤクザ・阿久津に語りかけます。それも「ろくでもない一生だったな」と、あっさりと無意味な人生を指摘する言葉で……。
乱暴な言葉遣いで可愛げのないホウセンカですが、阿久津に寄り添うように語り掛け、阿久津は徐々に過ぎ去った過去を思い出していきます。
恋人の那奈のことは、行く所がないから一緒にいてやっていると言い張りますが、本心は「好きだから」。それを那奈に言ったのかとホウセンカに問われ、首を横にふる阿久津。だからダメなんだと、ホウセンカのダメ出しが飛んできます。
阿久津の生涯はすべてこのような調子でした。自分の素直な気持ちを表に出せない阿久津は、常に兄貴分をたてて動きます。
ヤクザ者の血縁者になると辛い目にあうと那奈との入籍もしません。ですが、いつかはこんな人生の大逆転をすると言います。
そんな彼がなぜ牢獄にいるのでしょう。阿久津が住んでいた家の庭に咲いていたホウセンカは、これまでの阿久津をずっと見ていました。
ホウセンカを通して語られる阿久津と那奈との物語。人間とは意地っ張りですが情のアツい生き物だと思えることでしょう。
まとめ

(C)此元和津也/ホウセンカ製作委員会
死にかけのヤクザ・阿久津がホウセンカの語り掛けに過去を思い出していきます。
ヤクザと言っても、恋人がいて家庭があってと平凡な暮らしをしていた阿久津。ある出来事で牢獄に入り、孤独な生涯を終えようとしています。
そんな阿久津を見守るように、寄り添って話しかけるホウセンカ。阿久津はホウセンカとの会話で自身がやりたかった大逆転をすることができるのでしょうか。
映画『ホウセンカ』は、2025年10/10(⾦) 新宿バルト9 ほか全国ロードショー!
星野しげみプロフィール
滋賀県出身の元陸上自衛官。現役時代にはイベントPRなど広報の仕事に携わる。退職後、専業主婦を経て以前から好きだった「書くこと」を追求。2020年よりCinemarcheでの記事執筆・編集業を開始し現在に至る。
時間を見つけて勤しむ読書は年間100冊前後。好きな小説が映画化されるとすぐに観に行き、映像となった活字の世界を楽しむ。


































