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【ネタバレ】キャプテン・アメリカ4|あらすじ感想と結末評価レビュー。ブレイブニューワールド:サム/ファルコンへ交代後初の単独作で魅せる受け継がれる不屈の意思

  • Writer :
  • 糸魚川悟

揺れる世界に立ち向かうのは、受け継がれた正義の心……

「アベンジャーズ」の中心人物であり、ブレることなく己の正義を貫き続けた「キャプテン・アメリカ」。

しかし、世界のために命を懸け続けた「キャプテン・アメリカ」ことスティーブ・ロジャースは、己の人生を生きるためにその使命を次世代に託し引退しました。

そんな大人気シリーズの大人気キャラクターの世代交代が行われ、次なる主人公が看板を受け継いだ初の作品が全世界で公開。

今回は映画『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』(2025)を、ネタバレあらすじを含めご紹介させていただきます。

映画『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』の作品情報

【日本公開】
2025年(アメリカ映画)

【原題】
Captain America:Brave New World

【監督】
ジュリアス・オナー

【脚本】
マルコム・スペルマン、ダリル・マッソン、マシュー・オートン

【キャスト】
アンソニー・マッキー、ダニー・ラミレス、シーラ・ハース、カール・ランブリー、ショシャ・ロケモア、ヨハネス・ヘイクル・ヨハネソン、ジャンカルロ・エスポジート、ティム・ブレイク・ネルソン、リヴ・タイラー、ハリソン・フォード

【作品概要】
「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU」34作目にして、「キャプテン・アメリカ」を主人公としたシリーズの4作目に当たる作品。

シリーズ2作目より相棒となるサムを演じていたアンソニー・マッキーが本作から主演を務め、『クローバーフィールド・パラドックス』(2018)などの作品で知られるジュリアス・オナーが本作を手がけました。

映画『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』のあらすじとネタバレ

かつて「ハルク」ことブルース・バナーを軍事利用するために攻撃し、バナーの恋人であった娘ベティとは疎遠になった陸軍将軍のサディアス・ロス。

ロスは今やアメリカ合衆国大統領に就任し、サノスによる攻撃の爪痕が残る世界に平和を作ることを宣言していました。

メキシコにて日本から盗み出された品物の奪還と人質の救出を命じられた「キャプテン・アメリカ」ことサム・ウィルソンは、陸軍中尉であり自身から「ファルコン」を継いだホアキン・トレスと共に傭兵集団「サーペント」と接敵。

ボスである「サイドワインダー」を捕らえ損ねたものの、サムとトレスは極秘とされている品物の奪還に成功しました。

功績を称えられロスが主催する国際会議の場に招かれたサムは、無実の罪で30年間投獄され国に不信感を抱く超人兵士イザイアの同行を条件に、会議への参加を承諾。

ホワイトハウス内でサムはロスに呼び出され、ロスから「アベンジャーズ」の再結成を依頼されます。しかし「ソコヴィア協定」をめぐりアベンジャーズを解散に追い込み、自身やクリントを投獄した過去のあるロスを、サムは信じ切れず快諾していません。

国際会議が始まり、ロスはセレスティアル島に突如現れた未知の物質が「アダマンチウム」と呼ばれる最高硬度かつ取り扱いの容易な未来の鉱物であると宣言し、一国が独占せずに各国に平等に分ける条約の締結を各国に求めます。

しかし次の瞬間、会場内に音楽が鳴り響くとイザイアをはじめとした6人の男がロスを襲撃。現場に居合わせたサムやトレスは襲撃者に立ち向かいます。

サムたちの活躍によりロスは負傷することなく事態は収拾しますが、イザイアたち襲撃者は襲撃時の記憶を失っていました。

イザイアの人となりを知るサムは彼の無実を信じ、ロスに事件の捜査の許可を求めますが、条約の締結を最優先に置くロスはサムの介入を断り二人は決別。

捜査は政府高官であり元「ウィドウ」のルース・バット=セラフに委任され、怒りを収められないサムはトレスと独自の捜査を開始するでした。

サムがイザイアとの面談を行った帰り、サムの乗る車が市街地でサイドワインダーに襲撃されます。

辛くもサイドワインダーを打倒したサムは、サイドワインダーがロス襲撃の黒幕とつながっていることを知り、彼の携帯をトレスに解析させ最後の通話の発信源が極秘の軍事施設「キャンプ・エコーワン」だと突き止めました。

イザイアを除く襲撃者が刑務所内で殺害され、ルースも今回の襲撃に黒幕がいることを感じとっていました。

一方、シェルターに避難を続けるロスは自身の弱気な態度によって各国の求心力を失っていると感じ、条約締結のために重要な鍵を握る日本の尾崎首相に謁見するため日本へと向かいます。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』のネタバレ・結末の記載がございます。『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

キャンプ・エコーワンの地下施設に潜入したサムとトレスは、かつてバナーに協力し彼の治療を行っていた研究者「ブルー」ことサミュエル・スターンズがロス襲撃の黒幕であることにたどり着きます。

バナーの血を浴び、あらゆる状況を先読みできる頭脳を手にしたスターンズはロスによって長く幽閉されており、その恨みを晴らすべくロスに対する復讐の計画を立てていました。

スターンズによる洗脳装置によって洗脳された兵士に取り囲まれた二人は、同じくスターンズに辿り着いたルースと協力しその場を乗り切りますが、肝心のスターンズを獲り逃してしまいます。

その頃、ロスは尾崎との会談が失敗に終わり、日本がセレスティアル島に独断で向かっていることを知ると、怒りから軍をセレスティアル島へ向かわせます。

戦争の危険を察知したサムたちはアメリカ軍艦に乗り込み、軍を向かわせるロスと対峙します。

ロスは重い心臓病を患っていましたが、死を恐れるロスは幽閉したスターンズを使い、心臓病の薬を作成させていたことを自白。

その一方でロスは、短気で傲慢な性格によって娘が出ていったことを強く悔やんでおり、大統領として世界に平和を取り戻し、娘に自分が変わったことを証明したいと言う気持ちも告白しました。

ロスに少しの共感を覚えたサムは、スターンズの洗脳によって攻撃を始めてしまった戦闘機を止めるため、空へと上がります。

ミサイルに巻き込まれトレスが重傷を負いながらも、二人の活躍によって日本とアメリカは本格的な戦闘が始まることなく事態は収拾。

心臓が一時止まり、緊急手術を受けるトレスを見つめるサムの前に親友の「ウィンターソルジャー」ことバッキー・バーンズが現れます。

サムは自身も初代「キャプテン・アメリカ」のスティーブ・ロジャースやバッキーのように超人血清を打っていれば、今回のような事態にはならなかったと後悔を吐露。

しかし、バッキーはサムはスティーブのように人々の「希望」にはなれないが「目標」になる事はできると、超人でないからこそ進める自身の道を信じるように言いました。

ロスによる演説が行われる日、サムの前にスターンズが現れ「最後の計画が実行に移される」と宣言し、大人しく確保されます。

ロスに心臓病の薬として投与されていた薬は「ガンマ線」を少量ずつ蓄える薬であり、演説の場で心を乱されたロスは「レッドハルク」に変貌。

ホワイトハウスを破壊し暴れまわるレッドハルクを止めるため、サムは単身でレッドハルクと対峙。

圧倒的な戦闘力を持つレッドハルクに対して懸命に立ち向かうサムは、レッドハルクの一瞬の隙を突き翼を突き刺すことに成功します。

互いに気を失い、ルースたちによってサムが救い出された時、未だ収まることのないレッドハルクも再び立ち上がりました。

サムはロスの中に残る善の精神や彼の「変わりたい」と願う心を信じ、レッドハルクに語りかけることでロスを正気に戻すことに成功。

その後ロスが全責任を一人で負い、海底に存在する「ラフト刑務所」に自ら収容されたことで事態は収束し、ロスの悲願であった条約は尾崎の承諾を持って無事締結されました。

サムは刑務所内でロスと面会すると彼と和解。さらにサムの執り成しで、ロスは娘ベティとの再会を果たしました。

ロスの決断とスターンズの逮捕によってイザイアは釈放され、サムは目を覚ましたトレスにアベンジャーズの再結成を宣言しました。

刑務所でスターンズと面会するサムは、復讐のために多くの犠牲者を生みかねない計画を実行したスターンズを罵倒します。

スターンズはロスの排除は復讐であると同時に世界のためであったと確信しており、スターンズはサムに対し「命を犠牲にしてでも世界を守らねばならない脅威」が迫っていると忠告するのでした。

映画『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』の感想と評価

受け継がれる不屈の意思

本作は「キャプテン・アメリカ」という大人気キャラクターの世代交代から初となる単独主演映画であり、物語も象徴を受け継いだ重圧と戦いながら、世界のために行動していく新たな「キャプテン・アメリカ」を描いています。

先代のスティーブ・ロジャースと異なり、新たな「キャプテン・アメリカ」であるサム・ウィルソンは身体能力を底上げする「超人血清」を用いていないため、相手が特別な力を持たない傭兵であっても苦戦を強いられることも。

「偉大なる先代」という眩し過ぎる光と自身を比較しながらも、先代でも勝てるか分からない「レッドハルク」に立ち向かうサムの姿に「キャプテン・アメリカ」らしい不屈の意思を感じることがで、いる作品でした。

また本作では、2022年に他界したウィリアム・ハートが演じていたサディアス・ロスを、ハリソン・フォードが引き継いでおり、二つの意味で意志を受け継いだ作品となっていました。

誰が世界を守り、誰が世界を壊すのか

「キャプテン・アメリカ」が大統領襲撃事件の黒幕を突き止めるため各地を奔走する本作は、全体的にサスペンス調に仕上げられています。

シリーズの2作目に当たる『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)も同様のテイストで物語が進行しており、サムのシールドを使ったアクションのカメラワークとも合わせて、意図的に共通点を作っていることが感じられました。

これは主人公が変わっても本作は「キャプテン・アメリカ」であるという強い意志の表れであり、単独主演作品としても次なる「アベンジャーズ」の前段階作品としても、「MCU」にとって間違いなく主軸となる映画でした。

まとめ

2025年は3月よりドラマ『デアデビル:ボーン・アゲイン』の配信が始まり、5月には『サンダーボルツ』(2025)、夏には『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』(2025)と次々と新作が公開されるMCUイヤー。

次なる「アベンジャーズ」集結作へと至るまでの情報が次々と公開されていくこの年は、ファンにとってはもちろん嬉しい1年ですが、これからMCUに入っていく方には少々入りがたく感じてしまうかもしれません。

しかし、どの作品も単体でも十分に楽しめる作品であり、無理に予習することなく気になる作品を観ることをぜひオススメしたいと思います。

2025年のMCU先駆けとなる『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』はそんな単体作品としても、MCUの魅力がたっぷりと詰まった作品でした。



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