2人の男が麻薬組織と激しいバトルを繰り広げるアクション・サスペンス
スタントマン出身のリック・ローマン・ウォーが監督を務めた、2013年製作のアメリカのアクション・サスペンス映画『オーバードライヴ』。
元WWFのスター「ザ・ロック」としても知られる俳優ドウェイン・ジョンソンが、タフな父親に扮して危険なミッションに挑んでいくというのは、具体的にどんな内容だったのでしょうか。
友人にはめられて現行犯逮捕された息子を減刑するため、麻薬犯罪組織に潜入して戦う父親の姿を実話をもとに描かれた、アメリカのPG12指定のアクション・サスペンス映画『オーバー・ドライヴ』のネタバレあらすじと作品情報をご紹介いたします。
映画『オーバードライヴ』の作品情報
(C)2012 SNITCH FILM HOLDINGS, LLC ALL RIGHTS RESERVED.
【公開】
2013年(アメリカ映画)
【脚本】
ジャスティン・ヘイス、リック・ローマン・ウォー
【監督】
リック・ローマン・ウォー
【キャスト】
ドウェイン・ジョンソン、バリー・ペッパー、ジョン・バーンサル、マイケル・K・ウィリアムズ、メリナ・カナカレデス、ナディーン・ベラスケス、ラフィ・ガブロン、デビッド・ハーバー、ベンジャミン・ブラット、スーザン・サランドン
【作品概要】
『プリズン・サバイブ』(2008)を手掛けた、スタントマン出身のリック・ローマン・ウォーの長編映画監督作品2作目である、アメリカのアクション・サスペンス映画です。
主演を務めるのは、「ワイルド・スピード」シリーズや『G.I.ジョー バック2リベンジ』(2013)、「ジュマンジ」シリーズなど出演作が立て続けにヒットを飛ばしたドウェイン・ジョンソン。
他に『プライベート・ライアン』(1998)でブレイクしたバリー・ペッパーと、『トラフィック』(2001)、『ドクター・ストレンジ』(2017)などに出演するベンジャミン・ブラッドら、豪華キャスト陣が出演しています。
映画『オーバードライヴ』のあらすじとネタバレ
(C)2012 SNITCH FILM HOLDINGS, LLC ALL RIGHTS RESERVED.
ジェイソン・コリンズは、子供の頃からの親友クレイグ・ジョンソンとスカイプ中、自分の代わりに麻薬2000錠預かって欲しいと頼まれました。
ジェイソンは最初、嫌がって断りましたが、友達のアマンダと楽しもうかなと欲が出て引き受けてしまいます。
その後、ジェイソンはクレイグが郵送した麻薬2000錠を受け取ります。しかしその下には、ランプが点滅した機械があり、ジェイソンが訝しげに見ていると…。
突如ジェイソンの家へ、麻薬取締局(DEA)の麻薬取締官たちが押しかけてきました。驚いたジェイソンは、慌てて家を飛び出し、逃走を図りましたが、数分後に逮捕されました。
一方、運送会社の社長ジョン・マシューズは、仕事が終わると、足早に車に乗り込んで帰宅します。
この日は、娘のイザベルの誕生パーティーが自宅で行われており、ジョンは妻のアナリサや友人家族と一緒に楽しんでいました。
そんなジョンへ、彼の元妻シルビー・コリンズが電話をかけてきます。ジョンはその電話の内容に驚き、急いで警察署にいるシルビーと合流。
そこでジョンは、シルビーとの間にできた息子のジェイソンが、友人のクレイグにはめられ、麻薬密売の容疑で現行犯逮捕されたことを知りました。
ジョンは知り合いの弁護士を呼び、ジェイソンについて相談します。
弁護士は、ジェイソンは最低でも懲役10年を言い渡される可能性が高いものの、司法取引をして密売人の逮捕に協力すれば、懲役2年に減刑されるかもしれないと伝えました。
ジョンは早速、シルビーと弁護士とジェイソンと面会しその事を話します。これに対しジェイソンは、友達を裏切る真似はしたくないから、裁判で戦うと主張。
しかし、既に麻薬を輸送した容疑で逮捕されていたクレイグは、減刑を求めて司法取引に応じ、ジェイソンを密売人と言って密告していたのです。
ジェイソン自身は以前、アマンダの父親が持つ医療用の麻薬をくすねて吸ったことがあるだけで、大量の麻薬を売り捌く気は全くありません。
ジョンは次の日、友人の伝手によって、米国連邦検事局のジョアン・キーガン検事にアポを取りました。
ジョンはキーガンに、息子を救うため、自分に何かできることはないか尋ねます。
これに対しキーガンは、やはり司法取引に応じて、減刑するしかないと答えました。
ジョンはキーガンに追い出される直前、自分が運び屋に扮して、クレイグとは別の密売人を密告すると提案したのです。
キーガンは止めるよう忠告しましたが、ジョンはその夜、街に屯していた密売人を見つけ、客を装って近づきます。
しかしその結果、密売人たちに集団リンチにあった挙句、ジョンは車まで奪われそうになりました。
そこへ巡回中のパトカーが駆けつけ、ジョンを無事救出。ジョンは警察署でキーガンの名前を出し、もう一度交渉しに行きます。
キーガンは、息子のために危険な橋を自ら渡ろうとするジョンの頑固さに呆れ、ジェイソンが減刑される方法を教えました。
密売目的の麻薬の所持を完璧に立証するならば、大量の麻薬を押収する必要があることを…。
これを聞いたジョンは、次は麻薬売買で捕まった前科がある従業員から、密売人を紹介してもらおうとします。
ジョンは会社に戻り、従業員名簿で該当する従業員を1人、見つけました。
その従業員は、入社して3週間経つ新人、ダニエル・ジェームズ。彼は麻薬売買で2回、逮捕されたことがありました。
ジョンは早速、ダニエルを食事に誘い、密売人を紹介する仲介役をやってくれないかと頼みます。
しかしダニエルは、妻のバネッサと息子のアンソニーと今度こそ人生をやり直したいと考えていたため、即座に断られてしまいました。
ジョンと別れ、帰路につくダニエル。彼はアンソニーが引っ越したばかりで友達がいないからと、悪い連中と連んでいるところを見て、慌てて引き離します。
先に帰らせたアンソニーに続き、帰宅したダニエルは、バネッサが夜も仕事に行かなければ、生活がままならない事を知りました。
ダニエルは葛藤の末、家族に新たな街で不自由なく暮らせるよう、2万ドル報酬を出すと言うジョンの頼みを引き受ける事を決心します。
ダニエルはジョンに、昔つるんだ密売人マリークを紹介しました。
しかしマリークは、いきなり運び屋をしたいとやって来たジョンを信用出来ず、ダニエルが同情する事を条件に仕事を任せます。
ジョンはダニエルに、巻き込んだ謝罪も込めて報酬を支払ったのち、キーガンにこのことを報告しに行きました。
キーガンのオフィスにいた、DEAのクーパー捜査官も同席し、3人で今後の作戦を立てます。
アダムズ地区全域を仕切る麻薬の密売人であるマリークを、麻薬を受け取った瞬間に取り押さえる。勿論、麻薬も押収します。
そう作戦を考えたキーガンとクーパー捜査官は、ジェイソンを懲役1年に減刑することを条件に、ジョンにこのまま運び屋をやるよう指示を出しました。
映画『オーバードライヴ』の感想と評価
(C)2012 SNITCH FILM HOLDINGS, LLC ALL RIGHTS RESERVED.
ジョンとダニエルの熱い家族愛と、彼らが麻薬カルテルと密売人と激しいバトルを繰り広げていく姿が描かれている映画でした。
懲役10年を言い渡されてしまったジェイソン。彼を減刑すべく、運び屋に扮して密売人や麻薬カルテルと接触するジョン。
身に降りかかる危険を顧みず行動する姿から、彼がどれほどジェイソンを大事に思っているかが画面越しから伝わってきて、自然と涙が流れるほど感動します。
一方ダニエルもまた、妻のバネッサと幼い息子のアンソニーという大事な家族がいました。
引っ越してきたばかりで友達が出来ない寂しさから、悪い連中とつるんでしまうアンソニー。
共働きだけど、日中に働くだけじゃ生活がままならず、夜も仕事をするバネッサ。
大事な妻子が何不自由なく暮らせるようにと思う気持ちだけで、ジョンに協力するダニエルの家族愛も素晴らしいものです。
そして、最初は密売人の逮捕を協力すると言った、ジョンの申し出を断ったキーガン。
彼女がジョンの想いに応え、クーパー捜査官やDEAと協力してくれたからこそ、エル・トポたちを逮捕・現金と武器の押収ができたので、心強い味方がいて良かったねジョンと声をかけたくなります。
ジョンたちが巻き込まれた敵組織とエル・トポたちの銃撃戦、ダニエルとマリークの一騎打ち、それから物語の後半に描かれた車を運転しながらのジョンたちのバトル。
カーアクションと銃撃戦が繰り広げられ、これらの場面で、アクション好きにはたまらない、ダイナミックな迫力とスリル、興奮を味わえます。
まとめ
(C)2012 SNITCH FILM HOLDINGS, LLC ALL RIGHTS RESERVED.
ジョンとダニエルの熱い家族愛と、麻薬カルテルと密売人と戦う激しいバトルが描かれた、アクション・サスペンス作品でした。
ジョン役のドウェイン・ジョンソンが、息子のために密売人の逮捕に協力する父親を演じる姿は大変素晴らしいですが、「ワイルド・スピード」シリーズに出演していたからこそできるカーアクションも格好良いです。
また、彼に協力するダニエル役を演じたジョン・バーンサルも、1人で密売人マリークのアジトを襲撃。
手下たちを1丁の拳銃だけで倒し、マリークとの一騎打ちを制した彼のアクション場面も、スリルと興奮が味わえて最高でした。
最後呆気なくエル・トポがDEAに捕まった姿は、DEAとのバトルを想定していた人にとっては、少し物足りなく感じることでしょう。
家族の為に戦う男たちの熱い親子愛を感じつつ、麻薬カルテルたちと激しい銃撃戦、カーチェイスを繰り広げていくアクション・サスペンス映画が観たい人に、とてもオススメな作品です。