世界屈指の暗殺者からおバカな男を守り抜くアクションエンターテインメント!
ジョージ・カービイとハリー・カービイが監督を務めた、2022年製作のアメリカ・イギリス合作のアクションエンターテインメント映画『アクシデントマン:ヒットマンズホリデー』。
前作『アクシデントマン』(2018)での一件の後、事故死に見せかけて標的を暗殺する凄腕の殺し屋マイクは、自分と同じ手口を使った事件が発生したことで、マイクはマフィアのボスに命を狙われてしまいます。
事件に関する疑いは晴れたものの、今度は友達のフレッドを人質に取られ、マイクはマフィアのボスの息子の命を守るように命令されてしまい………。
映画『アクシデントマン:ヒットマンズホリデー』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。
CONTENTS
映画『アクシデントマン:ヒットマンズホリデー』の作品情報
【公開】
2022年(アメリカ・イギリス合作映画)
【原作】
パット・ミルズ、トニー・スキナー
【監督】
ジョージ・カービイ、ハリー・カービイ
【キャスト】
スコット・アドキンス、レイ・スティーヴンソン、ペリー・ベンソン、フラミニヤ・チンクェ、ボウ・ファウラー、サラ・チャン、ジョージ・フォーエイカーズ、ザラ・フィシアン、ファイサル・ムハンマド、ピーター・リー・トーマス、アンドレアス・グエン
【作品概要】
『Cable: Chronicles of Hope』(2016)のジョージ・カービイとハリー・カービイが監督を務めた、アメリカ・イギリス合作のR15+指定のアクションエンターテインメント作品。
パット・ミルズとトニー・スキナーによるコミックをもとに作られた映画『アクシデントマン』(2018)の続編です。
前作『アクシデントマン』(2018)に引き続き、「デッドロック」シリーズや『エクスペンダブルズ2』(2012)のスコット・アドキンスが本作の主演と製作を務めています。
映画『アクシデントマン:ヒットマンズホリデー』のあらすじとネタバレ
前作『アクシデントマン』(2018)にて、事故死に見せかけて標的を暗殺する「アクシデントマン」こと凄腕の殺し屋マイク・ファロンは、妊娠中だった元恋人の環境保護活動家ベス・カーペンターが殺されたことを知って激怒。
自身が所属する、数年かけて自分に殺しの術を叩き込んでくれた元プロの殺し屋ビッグ・レイの組織「オアシス」を潰し、高額な報酬でベス殺害を依頼した事件の黒幕である依頼人を殺しました。
このイギリス・ロンドンでの一件の後、マイクは偽造パスポートを手に空港へ急ぎ、飛び乗った飛行機の便の行き先であるマルタに移住。
中国・香港育ちで偉大な武術家である黄飛鴻(ウォン・フェイフォン)の子孫スー・シンに稽古をつけてもらいながら、殺し屋稼業を続けていました。
しかしその一方で、ロンドンで同じ組織の仲間を殺してしまったことが頭から離れず、マイクは眠れぬ日々を過ごしていました。
そんなある日、マイクは同じ組織の仲間だった殺し屋のフィニッキー・フレッドと偶然再会しました。
最初はレイが自分を殺そうとフレッドを差し向けてきたのかと疑ったマイクでしたが、フレッドはただ、ネットで知り合った美女のレイロを追いかけてマルタにやって来ただけでした。
フレッドの提案で当面の間、マイクは彼と手を組んで殺しの仕事を請け負うことに。すると思いのほか気が合うことが分かり、2人で荒稼ぎしました。
そのお金で、マイクはフレッドご希望の「安心して発明・実験できる場所」を作ってあげました。失敗続きだったことにちなんで、実験場の名前は「修羅場(シャブル)」です。
そんなある日、いつものように仕事をした後、マイクたちは何者かに捕まってしまいました。
マイクの雇い主の関係者、代々続く残酷なマルタ島のマフィア「ズーザー・ファミリー」のボスであるズーザー夫人は、自身の手下を囮に使い、彼らを誘き出したのです。
ズーザー夫人は跡継ぎである息子のダンテが先週の木曜、マイクと同じ手口で暗殺されかけたと言い、マイクがやったのではないかと尋ねます。
ですが先週の木曜は、2人にはズーザー・ファミリーの店でフレッドの誕生日祝いをしていたというアリバイがあり、しかもダンテ暗殺の依頼を受けましたが断っていました。
マイクの疑いは無事晴れた一方、ズーザー夫人はフレッドを人質に取り、ダンテを狙う暗殺者が誰であれ必ず捜し出し始末しろと脅迫します。
解放されたマイクはその後、馴染みの店でレイと偶然再会しました。実はフレッドがこの店のナプキンを使って、レイに現状報告していたのです。
ロンドンでの一件以降、依頼人殺しの評判が立ってしまって仕事の依頼がこなくなり、自分は破滅してしまったというのに、その元凶であるマイクが殺し屋稼業を続けて荒稼ぎしていることをフレッドから知ってレイは激怒。かつての弟子を心底恨んでいました。
ですがレイがマルタにきたのは、マイクを殺しにきたのではなく仕事のためでした。レイはマイクに、ダンテ暗殺の仕事を引き受け、マイクと同じ手口を使って暗殺しようとしたと明かします。
しかもレイにこの仕事を依頼した依頼人は、彼以外にも一流の殺し屋たちを雇っており、来ただけで5万ユーロ、仕事を成功させた暁には900万ユーロ支払うというのです。
だから当然、マイクから標的がマフィアのボスの息子だと知ったところで、レイがこの仕事を断るはずがありません。
マイクは、フレッドを助けるために力を貸してほしいとレイに頼みました。レイはこの要求さえも断り、「この仕事を片付けたら、お前の件を清算する」と言いました。
その直後、レイの携帯に間抜けにもGPSが内蔵された腕時計を持っているダンテの位置情報が届きました。
急いで立ち去ったマイクの後ろ姿に向かって、レイはこう言いました。「急いだほうがいいぞ、本気のゲームが始まる」と。
映画『アクシデントマン:ヒットマンズホリデー』の感想と評価
前作『アクシデントマン』(2018)にて、自分の妊娠していた元恋人の復讐劇を繰り広げた「アクシデントマン」こと凄腕の殺し屋マイク。
同じ組織の仲間を相手に死闘を繰り広げていった彼の戦いは、どれもアクション映画好きにはたまらないほど見応えと迫力があるものばかりでした。
そして本作にて、スー・リンから武術を教わったマイクの戦闘能力はさらにパワーアップ。
ダンテの命を狙う一流の殺し屋たちを相手に苦戦を強いられるものの、スー・リンとレイが倒したサイラスとオユミ以外は全員、1人で倒したのです。
前作『アクシデントマン』(2018)にはなかった剣で斬り合うシーンに加え、瞬き厳禁の格闘シーンの数々は格好良すぎて胸が熱くなります。
迫力があって見応えも抜群な格好良いアクション場面だけでなく、マイクとダンテの凸凹コンビを中心とした登場人物たちの掛け合いが面白いという、ギャグ要素もあって誰もが楽しめるように描かれているのが見どころの1つです。
そして何より、マイクがフレッドと再会したことで今まで持たずにいた友を得て、殺し屋でも友達や家族など大切な誰かが必要なことに気づき、それを孤独な殺し屋であり師でもあるレイに教える場面は感動します。
まとめ
事故死に見せかけて標的を暗殺する「アクシデントマン」こと凄腕の殺し屋マイクが、マフィアのボスのダメ息子の用心棒となり、世界トップ5に入る一流の殺し屋たちと死闘を繰り広げていく、アメリカ・イギリス合作のアクションエンターテインメント作品でした。
本作の見どころはズバリ、マイクvs一流の殺し屋たちの戦いと、マイクとレイの師弟関係、登場人物たちの面白おかしい掛け合いです。
レイは己の人生を懸けた店とビジネスを潰した愛弟子のマイクのことを心底恨んでいました。
マイクはそのことについて罪悪感がある一方で、レイの教えのせいでこれまで友達を持たずに生きてきたことに不満があったのです。
作中ではいつ殺し合いに発展してもおかしくないほど険悪なムードが漂う2人。ですが長きにわたって師弟関係にあった彼らは、マイクの言うとおり互いを殺すことができず、親子喧嘩のような口論で終わりました。
その一方、本当の親子であるズーザー夫人とダンテは厳しい教育ママとダメ息子という感じで、言い合いになってもズーザー夫人の鶴の一声で、駄々をこねるダンテが黙るというオチでした。
物語のラストでダンテは爆死しましたが、彼のそばにいたズーザー夫人とその手下たちの生死は不明。ただ、マイクたちと視聴者の想像以上の大爆発であったため、彼女たちも無事では済まないはずです。
「アクシデントマン」こと凄腕の殺し屋マイクをスコット・アドキンスが熱演する、主人公もアクション場面もパワーアップした本格アクションエンターテインメント映画が観たい人に、とてもオススメな作品となっています。