『さよなら ほやマン』は2023年11月3日(金・祝)新宿ピカデリー他にて全国ロードショー
笑って泣ける家族の再生の物語『さよなら ほやマン』が2023年11月3日(金・祝)新宿ピカデリー他にて全国ロードショーとなります。
本作が長編デビューとなる庄司輝秋が監督を務め、自身の故郷である石巻を舞台に感動いっぱいの一作を生み出しました。
二人組バンドMOROHAのMCアフロが映画初主演を務め、ヒロインを呉城久美、弟役を映画初出演となる黒崎煌代が演じます。
美しい風景のなかでコミカルな空気を纏いながら、深い苦しみから抜け出そうともがく若者たちの必死な姿を描きだします。
映画『さよなら ほやマン』の作品情報
【日本公開】
2023年(日本映画)
【監督・脚本】
庄司輝秋
【編集】
鯉渕幹生
【出演】
アフロ、呉城久美、黒崎煌代、津田寛治、澤口佳伸、園山敬介、松金よね子
【作品概要】
アコースティックギターとMCの二人組バンドMOROHAのMCアフロが映画初主演を務めた一作。
本作が長編デビューとなる庄司輝秋監督が自身の故郷・石巻を舞台に、漁師の兄弟と東京からやってきたワケあり漫画家の突然始まった共同生活を通して、家族の再生を温かく描きます。
『猿楽町で会いましょう』(2021)の呉城久美、『名前』(2018)『吾輩は猫である!』(2021)の津田寛治、ベテラン女優の松金よね子が出演。
映画初出演の黒崎煌代が純粋な弟・シゲルを演じます。
映画『さよなら ほやマン』のあらすじ
ホヤ漁が盛んな宮城県のとある離島でふたりで暮らす、アキラと精神障害を持つ弟のシゲル。漁師のふたりは貧しく、船の代金の督促状をもらって困っていました。
そんなある日、東京からワケあり漫画家の高橋美晴がやってきます。彼女は庭で散髪をしていた兄弟をみつけ、家を売ってほしいと突然持ちかけました。
1千万の現金を見せられて驚くアキラ。締切を前にして焦っていた美晴は、頭金だといって50万円をアキラに強引に渡し、下見を兼ねてしばらくここに住むと言い出します。
金に困っていたアキラは断り切れず、3人での奇妙な同居生活がスタートしますが……。
映画『さよなら ほやマン』の感想と評価
のどかで美しい離島を舞台に描かれる温かなヒューマンドラマ『さよなら ほやマン』。
コミカルな描写のなかに胸にぐっと迫るシーンがぎっしり詰め込まれたハートフルな一作です。
主人公はバカ正直で優しいアキラとシゲルの兄弟。精神障害を持っているため島を出ることのできない弟を、兄のアキラは必死で守って生きてきました。純粋な心を持つアキラを、本作が映画初主演となるアフロが朴訥な透き通った瞳で好演しています。
突然島に転がり込んできた強気で短気なけんかっ早い有名漫画家の美晴と、頼りないアキラ、妖精のように純真なシゲルとの掛け合いは、のどかだけれど刺激的で、思わず魅入られるに違いありません。
美晴を演じる呉城久美の瞳は、物憂げで強くて弱く、観る者を吸い込むかのような魅力をたたえています。
彼らを見守る愛情深い島民を演じるのは津田寛治、松金よね子らベテラン俳優たちです。個性的な人物を丁寧に味わい深く演じ、兄弟との堅い絆を見せて泣かせてくれます。
震災の爪痕が映し出され、兄弟が島を離れられない理由が次第に明らかとなっていきます。一方の美晴もまた、心に深い傷を負っていました。物語は思いがけない展開を見せ、ドライだった美晴は兄弟と共に過ごすうちに少しずつ変わり始めます。
深い苦しみを乗り越えるために、果たして彼らはどんな道を選び取るのでしょうか。どうぞ最後まで見守ってください。
まとめ
離島に住む純粋な魂を持つアキラとシゲルの兄弟と、転がり込んできた売れっ子漫画家の美晴との奇妙な共同生活を通し、傷ついた心が再生していくさまを温かく綴る『さよなら ほやマン』。
庄司輝秋監督が「キャストスタッフにあったもがくような熱量」と語る通り、その熱が確かに感じられることでしょう。
悲しみにより立ち止まってしまっている多くの人たちの背中を、そっと押してくれる一作です。
『さよなら ほやマン』は、2023年11月3日(金・祝)新宿ピカデリー他にて全国ロードショーです。