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Entry 2022/04/07
Update

韓国映画『仮面殺人会』ネタバレあらすじ感想と結末の評価解説。どんでん返しと残酷描写の連続!予測不可能な裏切りの殺人劇|B級映画 ザ・虎の穴ロードショー74

  • Writer :
  • 糸魚川悟

連載コラム「B級映画 ザ・虎の穴ロードショー」第74回

深夜テレビの放送や、レンタルビデオ店で目にする機会があったB級映画たち。現在では、新作・旧作含めたB級映画の数々を、動画配信U-NEXTで鑑賞することも可能です。

そんな気になるB級映画のお宝掘り出し物を、Cinemarcheのシネマダイバーがご紹介する「B級映画 ザ・虎の穴ロードショー」第74回は、『仮面殺人会』(2017)です。

山荘に逃げ込んだ強盗犯たちが対峙することになるのは、仮面を被った猟奇的な殺人鬼。血で血を洗う壮絶な殺し合いの果てに、いったい誰が生き残るのか。

手に汗握る韓国産スラッシャー映画をネタバレあらすじを含めご紹介させていただきます。

【連載コラム】「B級映画ザ・虎の穴ロードショー」記事一覧はこちら

映画『仮面殺人会』の作品情報


(C)Dreamfact Entertainment

【公開】
2017年(韓国映画)

【原題】
콜리션

【監督】
チャ・ミョンウク、ホ・ソヒョン

【脚本】
イ・ユノ

【キャスト】
イ・スンジュン、イ・イクチュン、キム・ボムテ、チャ・ミョンウク

【作品概要】
チャ・ミョンウクとホ・ソヒョンが監督を務めた韓国映画。

主演は『ビースティ・ボーイズ』(2009)や『工作 黒金星と呼ばれた男』(2019)に出演したイ・スンジュン。また『7人の追撃者』(2018)に出演したイ・イクチュンが共演として参加しました。

映画『仮面殺人会』のあらすじとネタバレ


(C)Dreamfact Entertainment

山奥にある「チサングループ」の豪華な山荘で性行為中の男女が、仮面を被った2人の侵入者にナイフで殺害されます。仮面の男は殺した男の手首を切り落とすと、金品を奪いました。

山道でテファは、弟分のジョンスとソンギンとともに現金を運ぶ車を強盗し大金を奪います。

その後、テファは2人を連れて「チサングループ」のヤン会長の指示通り山荘へと落ち延びますが、先に到着しているはずの「チサングループ」の人間が見つからず怪訝に思います。

山荘内に漂う肉の腐った匂いのもとを探ったジョンスは、クローゼットの中のトランクから殺害された男女の遺体を発見。その頃、仮面の男たちはヤンによる殺人依頼を終えると、次なるターゲットの殺害のため山荘を目指していました。

クローゼットに遺体を戻したテファたちの前に、ハ室長の許可を得たと言うドングン率いる4人組の男女が山荘に現れます。

テファは怪しまれないためにドングンたちの宿泊をやむを得ず了承。夜、7人は親交を深めるために全員で食事をしますが、酒に弱いソンギンは泥酔。ドングンの仲間であるソンヒョンに部屋へと連れていかれます。

深夜になり、ジョンスはソンギンの部屋へと向かうと、ソンギンは首を切られ惨殺されていました。

テファとジョンスは、部屋へと連れていったソンヒョンを犯人と決めつけ問い詰めますが、自室から出てきたドングンの連れであるソニョンが何者かに刺され死亡し、山荘の電源が落とされます。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『仮面殺人会』のネタバレ・結末の記載がございます。『仮面殺人会』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

直後に山荘の外から仮面の男2人が山荘へと押し入るとサンヒョンを殺害。

テファ、ジョンス、ドングンの連れてきた女性の3人は地下室へ逃れた後に、部屋にある工具を持ちリビングへと戻りますが、そこにはサンヒョンの死体しか残されていませんでした。

ひとりで部屋に隠れるドングンは仮面の男たちに襲撃されますが、テファやジョンスが部屋の外で仮面の男を襲撃。

ジョンスによって仮面の男のひとりが殺害されるともうひとりの男は山荘の外へと逃げていきました。

山荘にヤンが現れ、テファから山荘に死体があったことや仮面の男による襲撃があったことを聞き出します。

ヤンは負傷したジョンスのトイレを介抱するフリをしてジョンスを刺殺。ヤンは仮面の男を使いテファが強盗で奪った金を強奪を目論んでいたのでした。

ヤンは仮面の男と共にテファを襲撃しようとしますが、実はテファは金を使って仮面の男を買収しており、仮面の男はヤンを殺害。

仮面の男はテファがジョンスやソンギンすらも裏切り金を独り占めすることを目的としていることを知っており、「弟分を殺してまで金が欲しいか」と皮肉を言うと、テファの命令通り女性を殺害。

残るはドングンのみとなりますが、実はドングンは快楽殺人鬼であり、自前の仮面を被り仮面の男を殺害しました。

ドングンと対峙したテファは彼を金で買収しようとしますが、ドングンは誘いには乗らずにをテファの腹部をナイフで刺します。

追い詰められたテファは近くにあった塩酸をドングンに投げつけると、顔に塩酸を浴びたドングンは悶え苦しみその場に倒れ動かなくなります。

全員の殺害を確認したテファは山荘を離れ山道を歩きますが、腹部からの出血によってジョンスとソンギンのことを想いながら力尽きました。

その頃、地下室に転がったドングンの仮面を息を吹き返した彼が、拾い上げていました。

映画『仮面殺人会』の感想と評価


(C)Dreamfact Entertainment

鮮血が飛び散る血みどろスラッシャー映画

性行為中の男女が仮面の男に惨殺される衝撃的な場面で物語の幕が上がる韓国産スラッシャー映画『仮面殺人会』。

その後も仮面の男たちは残忍な手口で殺人を重ねていき、死体が映らない場面が珍しいほどの地獄絵図となっていきます。

本作では殺人鬼は刃物を好んで利用するため、必然的に画面上には多くの血が飛び散ることになりますが、その想いきりの良い血液量はスラッシャー映画ファンには一見の価値があるとさえ言えます。

本作は世界でも有名な日本の映画監督・三池崇史のバイオレンス映画を彷彿とさせる、阿鼻叫喚の血みどろスラッシャー映画となっていました。

二転三転する裏切りだらけの殺人劇

恐怖が山荘を場を覆い始める中盤までは定番のスラッシャー映画と言える展開をなぞる本作ですが、終盤にかけて物語は怒涛の展開に発展

仮面の男たちは殺人を快楽ではなく仕事として行っている殺し屋であることは序盤から明らかにされますが、目的は謎のまま殺戮を続けていきます。

しかし、彼等の目的が明らかになると、山荘に集まった人間たちの隠された目的も徐々に明らかになり、様相は二転三転していくことになります。

物理的な「仮面」を題材としながらも、誰もが精神的な「仮面」を被り、自身の目的をひた隠しにしていると言う意味も込められた裏切りだらけの殺人劇映画でした。

まとめ

約1時間半で描かれる予測不能な裏切りの交差する血みどろスラッシャー映画『仮面殺人会』。

特にラスト30分の勢いは目を見張るものがあり、画面に飛び散る血の量と併せて一見の価値のある作品となっています。

弟分2人を率いて計画を完遂させながらも、警戒心高く周囲をうかがい続ける主人公のテファを演じたイ・スンジュンの繊細な演技も光る映画でした。

【連載コラム】「B級映画ザ・虎の穴ロードショー」記事一覧はこちら

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