犯罪都市ロサンゼルスで繰り広げられる、刑事VS銀行強盗団のクライムアクション!
クリスチャン・グーデガストが原案・脚本・監督を務めた、2018年製作のアメリカのクライムアクション映画『ザ・アウトロー』。
犯罪が多発するアメリカ・ロサンゼルスの街を舞台に、冷酷な男が率いるやり手の銀行強盗団が、型破りの捜査で知られるロサンゼルス郡保安局の重犯罪特捜班の刑事たちと激しい攻防を繰り広げていく姿とは、具体的にどんな内容だったのでしょうか。
3,000万ドルの銀行強盗を企てる銀行強盗団の姿を描いた、ジェラルド・バトラー主演のクライムアクション映画『ザ・アウトロー』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。
映画『ザ・アウトロー』の作品情報
【公開】
2018年(アメリカ映画)
【原案】
クリスチャン・グーデガスト、ポール・シェアリング
【脚本・監督】
クリスチャン・グーデガスト
【キャスト】
ジェラルド・バトラー、カーティス・“50セント”・ジャクソン、パブロ・シュレイバー、オシェア・ジャクソン・Jr、メドウ・ウィリアムズ、エヴァン・ジョーンズ、カイウィ・ライマン、モー・マクレー、ブライアン・バン・ホルト、モーリス・コンプト
【作品概要】
『ブルドッグ』(2003)や『エンド・オブ・キングダム』(2016)のクリスチャン・グーデガストが原案・脚本・監督を務めた、アメリカのクライムアクション作品です。
『300スリーハンドレッド』(2007)や『エンド・オブ・ホワイトハウス』(2013)、『エンド・オブ・キングダム』(2016)や『エンド・オブ・ステイツ』(2019)、『ハンターキラー 潜航せよ』(2018)などに出演するジェラルド・バトラーが主演を務めています。
映画『ザ・アウトロー』のあらすじとネタバレ
1年に2,400回、週に44回、1日に9回、48分ごとに銀行が襲われる街。「銀行強盗」で世界的に有名なその街の名は、アメリカ・ロサンゼルスです。
2018年、午前5時14分。カリフォルニア州ガーデナのコーヒーショップに立ち寄った1台の現金輸送車が、突如ガスマスクを着けた銀行強盗団に急襲されてしまいます。
元MARSOC(アメリカ海兵隊特殊作戦コマンド)のレイ・メリーメン率いる銀行強盗団は、現金輸送車を強奪するだけのはずが、銀行強盗団メンバーで元MARSOCのボー・“ボスコ”・オストロマンが、応戦の構えを見せた警備員を徹甲弾入りのショットガンで射殺。駆けつけた警官たちと銃撃戦を繰り広げる羽目になってしまいました。
銃撃戦の末、メリーメンたちは何とか現金輸送車を強奪し、逃走することに成功。アジトに帰還後、仲間のマーカス・ローズが警官に大腿動脈を撃たれてしまったことを知ったメリーメンは、銃撃戦を引き起こしたボスコを叱責します。
メリーメンはボスコに、マーカスの生死確認を命じました。そして警備員や警官を殺してしまったことや、盗んだ現金輸送車の中身が空だったというミスを犯したことに嘆きました。
翌朝。カリフォルニア郡保安局の刑事ニック・オブライエン率いる重大犯罪特捜班が、管轄する地域内で起きた現金輸送車襲撃事件の犯行現場に到着。
ニックは自身の部下であるベニー・“ボラッチョ”・メガロフとトニー・Z・ザパタ、ガス・ヘンダーソン、マーフィー・コナーズと共に現場検証を行いました。
その結果、ニックたちは現金輸送車を襲った犯人たちは、空港が近いこのコーヒーショップへの待ち伏せ、事前にこの空域に警察ヘリが入れないことを知っていたことから、かなりやり手の銀行強盗団であることが判明。
その銀行強盗団は、空の現金輸送車を奪って空港へ逃走。現場に残されていた犯人の車は、証拠隠滅のため爆破されていました。
ニックはボラッチョたちに、爆破された犯人の車の調査と、コーヒーショップの監視カメラの映像の確認を命じます。
するとそこへ、ニックが敬遠するFBI捜査官のロビン・ボブが現場に到着。互いに嫌い合っているせいか、ニックとロビンは出会って早々口論となりました。
ニックたちの様子を少し離れた場所から見ていたボスコは、メリーメンに撮影した写真を見せながら、昨夜の事件はガーデナ署が現場保全した後、重大犯罪特捜班に捜査が引き継がれたと報告。
ニックの顔に見覚えがあったメリーメンは、すぐさまニックのことをネットで調べます。その結果、メリーメンはニックが、自身の部下エンドーを殺した張本人であることを思い出しました。
カリフォルニア郡保安局に戻ったニックたちは、カジノから連邦銀行への現金輸送は通常の予定にないのに、何故銀行強盗団は知っていたのか、内部の人間が情報を漏らしたのかなどを話し合っていました。
するとトニーから「犯人はメリーメンではないか」との声が挙がります。メリーメンは8ヶ月前、カリフォルニア州ロングビーチにあるターミナル・アイランド連邦刑務所から仮釈放された強盗犯でした。
そこでニックは、メリーメンの手下である元海兵隊員ドニー・ウィルソンの元を訪ねてみることにしました。
仕事が終わったドニーが車に乗り込んだのを見計らい、ニックが開いた窓からスタンガンで彼を気絶させ、トニーたちが待つホテルの部屋へ拉致しました。
17歳の時に強盗で逮捕され、殺人未遂でも群刑務所に服役したなどの前科があるドニー。次に犯罪を犯せば終身刑になると脅しつつ、ニックたちは彼にメリーメンのことについて尋問します。ドニーがメリーメンの銀行強盗に加担しているのではないかと踏んでいたからです。
最初はメリーメンなんて知らぬ存ぜぬを貫こうとしたドニーでしたが、ニックに絞め殺されそうになったことで、素直に白状しました。
「2ヶ月前に連中が(職場である)バーに来た。常連客であり刑務所仲間でもあるマーカスに紹介され、メリーメンに仕事を頼まれた」「メリーメンには俺の運転の腕を買われて、ドライバーとして雇われただけだから、強盗には関わっていない。それ以上は何も知らない」
翌朝。カリフォルニア州サンペドロにある自宅に帰宅したニック。彼は仕事熱心なあまり家庭を蔑ろにしてしまい、妻のデビーに浮気を疑われ、2人の娘を連れて家を出て行かれてしまったのです。
その後、カリフォルニア郡保安局に戻ったニックは、トニーたちから「指紋を調べた結果、現場に残された遺体はマーカス・ローズ。メリーメンと同時期に海兵隊に入隊した指名手配犯だ」と、報告を受けます。
それを聞いたニックは、トニーたちと一緒に、メリーメンとその一味の共通点と、彼らが犯した犯罪についての情報を洗い直しました。
その結果、メリーメンと彼の相棒エンソン・ルヴォーは高校時代の部活仲間であり、メリーメン・ルヴォー・ボスコ・ドニーの4人の共通点は海兵隊に所属していたこと。特にメリーメンとルヴォー、ボスコの3人は、専門は違うが同じMARSOCに所属していた隊員であることが判明します。
それと2004年のナショナル銀行襲撃は、メリーメンたちは下水道から穴を掘って侵入していました。当時の彼らの手口は用意周到だったことから、今回の事件同様、内通者がいた可能性が高いです。
2005年の装甲車襲撃では、メリーメンたちは指向性爆薬で金庫を爆破。しかしメリーメンが別件で逮捕され、2016年までに服役していた期間は、高度な強盗事件は起きていません。
これらの情報を踏まえ、ニックたちはメリーメンたちが、何故コーヒーショップ店員を撃たなかった理由について、武装していない市民は撃つなと訓練された軍人だからという結論づけました。ニックたちは必ずメリーメンたちを捕まえ、彼らが犯した未解決事件すべてに片を付けると決心しました。
トニーたちと食事に出かけようとしたニックの元に、デビーが寄越した弁護士が現れ、離婚届を渡されました。
一方メリーメンたちは、ドニーを交えた4人である壮大な銀行強盗計画を企てていました。
メリーメンはルヴォーたちに、次に狙うロサンゼルス連邦準備銀行にある3,000万ドルの強盗計画について説明します。
「未だ強盗に遭ったことがない連邦準備銀行は、ロビーに入ると警察のデータと照合され、身体検査の前に大昔の駐車違反まで調べ上げられる」「全警備員は磁気カードで要所を通行する、そのアクセスは厳重に制限されている」
「金庫室は地下2階、中央警備室は連邦準備銀行の要だ。輸送車はここに現金を落とす」「それを運搬するのは銀行員で、常時5,000~8,000億ドルが保管されている」
「監視カメラと動作感知装置が設置された金庫室に保管される札には、シリアル番号が登録されている。たとえ札が消えても誰かが使用すれば、現在位置が即座に割り出され追跡される」
「銀行から受け取った預金はカウントルームへ運ばれ、計数機にかけられる」「預金額が正確かどうか二重チェックされ、貸方か借方へ振り分けられる。それと同時に、新札と古い札により分けられる」
「ここで大事なのは、古い札からシリアル番号が消されることだ。世界から見て番号が消された札は、存在しない札になる」「100ドル札だけでも、毎日3,000万ドル分が処分用に振り分けられている。古い札は午後4時~5時に裁断機にかけられ、裁断される。それをゴミ処理会社が廃棄する」
「つまり、裁断される前に古い札を手に入れれば、誰も捜さない大金が手に入る」
映画『ザ・アウトロー』の感想と評価
メリーメン一味と重犯罪特捜班の激しい攻防
ニック率いるカリフォルニア郡保安局の重犯罪特捜班は、現場に残された情報だけで、現金輸送車を襲った事件の犯人はメリーメンとその一味だということを突き止めました。
ニックたちの鋭い洞察力は、メリーメン一味を逮捕するにあたって、時にメリーメンの考えを先読みし、犯行現場に先回りしては彼らを追い詰めていきます。
ただ、メリーメン一味は元MARSOC(アメリカ海兵隊特殊作戦コマンド)の隊員ともあって、すんなり捕まってくれるわけではありません。
メリーメン一味はニックの挑発に乗っかることもあれば、逆にニックたちを挑発するかのように、目の前で銀行強盗を行い、下水道を使って逃走するのです。
ニックたちがわざと泳がせているドニーや、ニックと一夜を過ごしたメリーメンの恋人から得た情報も、全てメリーメンの策略だというのだから、観ているこちらも驚かされます。
互いの動向を窺い、常に相手の先を行こうとするニックたちの攻防による、ハラハラドキドキするスリルもいいですが、物語の終盤で見せるニックたちの激しい銃撃戦はそれ以上に迫力とスリルがあって誰もが楽しめることでしょう。
衝撃的な事件の黒幕の正体
メリーメン一味による銀行強盗だと誰もがそう思いましたが、彼らが起こした連邦準備銀行への強盗事件の黒幕は他にいました。
事件の黒幕の正体は、ニックたちもメリーメンたちも、メリーメンにただ利用されているだけの手下だと思っていた、ドニーだったのです。
物語の終盤に描かれている後日談には、ニックがドニーが働いていたバーが連邦準備銀行の近くであったことと、ドニーがメリーメンの仲間マークと交友関係にあったことを知ります。
事件の首謀者が誰もマークしていなかったドニーというだけでも衝撃を受けますが、ドニーはメリーメンたちを計画に参加させておきながら、実際には彼らを裏切って大金を持ち逃げしたのです。
ドニーの本性を知った時、これまで彼をただの手下だと侮っていたニックたち同様、観ているこちらも大きな衝撃を受けることでしょう。
まとめ
ニックたちカリフォルニア郡保安局の重犯罪特捜班が、元MARSOC隊員で構成された銀行強盗団を逮捕するべく、激しい攻防を繰り広げていくアメリカのクライムアクション作品でした。
本作の見どころは、ニックたち重犯罪特捜班とメリーメン一味による攻防と、物語の後半で描かれている激しい銃撃戦です。
ジェラルド・バトラー演じるニックの、物語の合間で見せる娘を大事に想う父親の姿は、メリーメン一味を追っている時に見せる格好良いワイルド刑事の姿とのギャップを感じ、ファンのみならず女性の誰もが胸キュンすることでしょう。
また、パブロ・シュレイバー演じるメリーメンや、オシェア・ジャクソン・Jr演じるドニーが、元海兵隊だから武闘派の強盗かと思いきや、実は頭脳派の強盗であることも本作の魅力の1つと言えます。
頭脳派強盗vsワイルド刑事たち重犯罪特捜班による、アウトローvsアウトローの究極の対決を描いたクライムアクション映画が観たい人に、とてもオススメな作品です。