『凱里ブルース』『ロングデイズ・ジャーニー』『黒四角』などを上映。
ビー・ガン監督と奥原浩志監督からビデオメッセージも到着。
2020年4月18日より東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムで公開を予定していた中国映画『凱里ブルース(かいりブルース)』は、Covid-19の影響により、その後2回に渡る公開延期を余儀なくされました。
現在(5月18日時点)のところ、『凱里ブルース』は2020年6月6日(土)公開を想定しています。
しかしながら、仮に6月6日に公開が叶ったとしても、Covid-19以前のように映画館に観客が戻ってくるのかという懸念と、観客の当面の不安材料を取り除くために、映画配給会社リアリーライクフィルムズが、独自のオンラインシアター「リビングルームシアター Living Room Theater」と、そのリピングルームシアター内に期間限定のオンラインシアター「架空映画館 Imaginaly Thater」を開設することとしました。
CONTENTS
「リビングルームシアター」とは?
「リビングルームシアター」の名前の由来は、米オレゴン州ポートランドにあるミニシアター「Living Room Theaters」から取られました。
同館は地元に密着し、個人の貸し切りにも対応して、併設されるレストランから気軽に飲食を持ち込めるなど、まるで自宅のリビングルームで映画と接するような自由さを信条として2006年にオープン。
また開館当初からデジタル設備を導入し、対応する上映素材さえあれば、若いクリエイターたちにも上映の機会を与えられるなど、映画館・映画を広く開放した映画館として知られています。
「リビングルームシアター」は、《架空映画館 Imaginaly Theater》《プレミア・ロードショー》《シネマテーク》《ショーケース》という、4つのカテゴリーに分かれて構成されます。
《架空映画館 Imaginaly Theater》
《架空映画館 Imaginaly Theater》は、現在のCovid-19対策の様な、外的影響から劇場公開が困難になった非常時にのみオープンするオンラインシアターで、映画館と配給・原権利者の利益を最低限保護する目的のために設営されます。
今回はビー・ガン監督の『凱里ブルース』、及び全国縦断公開中だった『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』の2作品が上映対象作品です。
上映作品は、先行の臨時的オンラインシアター同様、プラットフォーム使用料、クレジット会社手数料などを引いた視聴料を、映画館と配給で50%ずつ配分。
《架空映画館 Imaginaly Theater》の概要
ビー・ガン監督作『凱里ブルース』『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』
【視聴料】
24時間限定1800円
【上映作品】
『凱里ブルース』『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』
【配信日】
・『凱里ブルース』6月6日(土)11:00AM〜7月3日(金) ※期間延長もあり
・『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』5月23日(土)11:00AM〜6月21日(日)
《プレミア・ロードショー》
奥原浩志監督作『黒四角』
《プレミア・ロードショー》は、劇場公開と同時(興行・原権利者・制作サイドの理解を得られた場合のみ)・DVD未発売/VOD未配信・リバイバル作品を中心としたラインナップです。
上映作品は、《架空映画館》同様、プラットフォーム使用料、クレジット会社手数料などを引いた視聴料を、映画館と配給で50%ずつ配分します。
《プレミア・ロードショー》の概要
【視聴料】
24時間から48時間限定で、1000円から2000円と幅を持たせる予定
【上映作品】
・アルミードコレクション『血筋』『ネクタイを締めた百姓一揆』『フェイクプラスティックプラネット』『あの群青の向こうへ』『歌ってみた恋してみた』
・リバイバル『黒四角』
【配信日】
・アルミードコレクション 6月6日(土)11:00AM〜
・『黒四角』 5月23日(土)11:00AM〜
《シネマテーク》
カアン・ミュジデジ監督作『シーヴァス 少年と闘犬』
《シネマテーク》は、アーカイブ作品を中心としたラインナップ。
配給と交わされた原権利者との契約に基づいて、視聴料が配当されます。
《シネマテーク》の概要
【視聴料】
48時間で500円〜1000円を想定
【上映作品】
『あさがくるまえに』『シーヴァス 少年と闘犬』『海抜』『キュクロプス』『オーファンズ・ブルース』『ガーデンアパート』『アイニ向カッテ』
【配信日】
・『あさがくるまえに』5月23日(土)11:00AM〜
・『シーヴァス 少年と闘犬』5月23日(土)11:00AM〜
・『キュクロプス』6月6日(土)11:00AM〜
・『オーファンズ・ブルース』6月6日(土)11:00AM〜
《ショーケース》
短編作品を含む劇場未公開作品を国内外から広く募り、将来の才能を発掘する《ショーケース》。
こちらは準備中で、2020年秋の開設を目指しています。作品の公募は8月から開始予定です。
ビー・ガン監督のメッセージ動画
『凱里ブルース』公開延期を受けて貴州省凱里市のビー・ガン監督からメッセージ動画が到着。
映画の未来への希望と、観客への気遣いを感じられる、温かな動画となっています。
奥原浩志監督のメッセージ動画
『黒四角』のリバイバル上映を受けて北京の奥原浩志監督から、日本のファンに向けて特別にビデオメッセージが届きました。
北京で新作撮影中だという奥原監督は、昨今の混乱した情勢を口にしながらも、前向きに進んでいます。
映画『凱里ブルース』の作品情報
【日本公開】
2020年(中国映画)
【原題】
路边野餐
【監督・脚本】
ビー・ガン
【キャスト】
チェン・ヨンゾン、ヅァオ・ダクィン、ルオ・フェイヤン、シエ・リクサン、ルナ・クオック
【作品概要】
『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』で注目を浴びた中国の新世代監督ビー・ガンが2015年に発表した初長編監督作品。
ロカルノ国際映画祭で最優秀初長編賞を受賞した他、第37回ナント三大陸映画祭黄金の熱気球賞[グランプリ]、第52回金馬奨最優秀新人監督賞・FIPRESCI賞受賞、第10回アジアパシフィックスクリーンアワード ヤングシネマ賞受賞など国内外の多くの映画祭で高く評価されました。
映画『凱里ブルース』のあらすじ
凱里の小さな診療室に身を置いて、老齢の女医と幽霊のように暮らすシェン。
刑期を終えてこの地に帰還したときには、彼の帰りを待っていたはずの妻はこの世になく、しばらくして可愛がっていた甥も弟の策略でどこかへ連れ去られてしまいました。
シェンは甥を連れ戻すために旅に出ます。そして辿り着いたのは、ダンマイという名の、過去の記憶と現実と夢が混在する不思議な街でした…。
まとめ
ビー・ガン監督作『凱里ブルース』
映画配給会社リアリーライクフィルムズが開設した自のオンラインシアター「リビングルームシアター Living Room Theater」。
見逃してしまった作品や、もう一度見たい作品、そして映画館の休館により見られなかった新作まで、さまざまなラインナップが揃っています。
2020年6月6日に東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムで公開予定の中国映画『凱里ブルース』も、劇場公開にあわせ6月6日(土)11:00から配信されます。
『ロングデイズ・ジャーニー』のビー・ガン監督の原点とも言える初長編映画『凱里ブルース』を、この機会にぜひご覧ください。
『リビングルームシアター』はこちらからお入りいただけます。